MANY PEOPLE株式会社
製品・サービス
医療・福祉・介護
お話を伺った方
取締役 運営事業部 部長 兼 福祉用具メニーピープル広島 所長 土本 祐介さん
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電話を「受ける」から「選ぶ」へ。AIの一次受付が事務負担を軽くし、介護施設スタッフの定着を後押し

広島県内で住宅型有料老人ホームを運営するMANY PEOPLE株式会社は、医療依存度の高い方を受け入れる施設として、ICTやAIの活用を進めてきました。中でも頭を悩ませていたのが、鳴り止まない電話への対応です。同社が先行して導入したのが、AIが電話を一次受付するキャッチコールでした。用件はビジネスチャットのLINE WORKSに通知され、必要なものだけ折り返せばよい仕組みです。電話のストレスから解放された環境は、事務スタッフの業務効率化はもちろん、離職防止や定着率の向上にまで大きく貢献しています。

 

本事例のポイント
  • 【キャッチコール】1日20〜30件の代表電話をAIが一次受付
  • 【キャッチコール】伝言を残さず切る不要電話が6〜7割と判明
  • 【情報共有】用件をLINE WORKSのグループで全員共有し対応状況も可視化
  • 【キャッチコール】電話ストレス解消で事務スタッフの定着に貢献

事業内容と、大切にしている考え方を教えてください。

土本さん:

当社は広島県内で住宅型有料老人ホームを運営しています。施設としてはまだ歴史が浅く、メニーピープル広島石内が2024年9月、メニーピープル広島可部駅前が2026年9月に開設したばかりです。特徴は、介護度が高い方や、医療的な処置が多く必要な方を受け入れられる点にあります。広島県内では、医療依存度の高い方を受け入れられる施設がそれほど多くありません。だからこそ、そこに私たちが応えていく意義があると考えています。
もう1つ大切にしているのが、現場で働くスタッフを大切にするという考え方です。利用者さんをケアするのは現場のスタッフですから、そのスタッフが働きやすい環境でなければ、質の高いケアは生まれません。そして良いケアは、巡り巡ってスタッフの待遇に返ってきます。そうした好循環をつくりたいと思っています。

 

ICTやAIの活用に力を入れる背景を教えてください。

土本さん:

介護や医療の業界は、まだまだアナログな部分が多いのです。記録は手書き、連絡はFAX、という文化が根強く残っています。そういうものはできるだけなくしていきたい。得意な分野はツールに任せて、私たちは本来のケアにしっかり力を入れたいと考えています。
たとえばスタッフのシフト作成は、AIを備えたツールに任せています。以前は半日から1日かかっていたものが、数秒で終わるようになりました。利用者さんごとのケアのスケジュール管理にも、そうしたツールを使っています。人事の仕組みなども含めて、事務の業務は積極的にICT化を進めてきました。電話対応も、同じ発想で人の手を介さずに済ませられないかとずっと考えていたのです。

 

導入前、電話対応にはどのような課題がありましたか。

土本さん:

そもそも代表電話は、施設へのお問い合わせや入居のご相談を受けるための番号です。ご家族には担当者の携帯番号をお伝えしていますし、面会も顔認証でいつでも入っていただけますから、そのたびにご連絡をいただく必要はありません。取引先にも担当者の携帯をお伝えしていますので、代表電話にかけていただく必要はありません。
ところが、その代表電話がとにかくよく鳴る。しかも、その多くが営業電話でした。証券会社が社長を名指しで、といった売り込みや、会社の売買を持ちかけるM&Aの話まで、あの手この手でかかってきます。営業電話がかかってくるたびに、事務スタッフが作業の手を止めて対応せざるを得ませんでした。1件ずつ名乗って、用件を聞いて、断る。それだけで手が取られます。作業の最中に鳴れば、そこで一度中断し、電話を終えてまた戻る。今度はどこまでやっていたかを思い出すところからです。来客の対応中でも手が離せません。断るだけの電話にスタッフの時間と集中が削られていくのは、本当にもったいないと感じていました。

キャッチコールを知ったきっかけと、選んだ理由を教えてください。

土本さん:

そんなときに、キャッチコールの案内メールが届いたのです。AIが電話を一次受付してくれて、内容がビジネスチャットのLINE WORKSに通知される。あとは必要なものだけ折り返せばいい。それを読んだ瞬間に、これはいいなと思いました。ほかのサービスと比較はしていません。もともと使っていたLINE WORKSの延長線上にあるサービスでしたし、金額も高いとは感じませんでしたから、迷わず試してみようと決めました。

導入と社内への展開は、どのように進めましたか。

土本さん:

導入はとても簡単でした。代表電話の番号を、キャッチコール用に発行された番号へ転送するよう紐付ける。やることはそれだけです。設定が終われば、すぐに使えるようになりました。そうしたら、本当に電話がピタッと鳴らなくなったのです。
社内への展開も一言で済みました。キャッチコールのグループに事務スタッフと経営層を全員入れて、今日からこれだからね、と伝えるだけ。もともとLINE WORKSに馴染みがありますし、事務スタッフは20代から30代が中心ですので、使い方に戸惑う者はいませんでした。

実際の運用では、どのように対応していますか。

土本さん:

まず、対応しなくていいものは、通知された用件を見ればすぐにわかりますので、そのままにします。本当に折り返しが必要なものだけ、事務スタッフが対応します。急ぎかどうかも通知の内容で大体わかります。誰が対応するのかのルールを最初に取り決め、経営層でないと判断できないものは経営層がグループを確認して折り返すようにしています。

 

AIが聞き取った電話の用件はテキスト化され、LINE WORKSのトークに通知される。

パソコンからもスマホからも内容を確認でき、折り返しの要否を判断できる。

 

 

大切にしているのはステータス管理です。対応した人が必ずステータスを変える。不要なものは対応不要、折り返して話がついたら完了に変えます。経営層はときどき並べ替えて、対応されずに残っているものがないかを確認します。電話だと、受けた人がその話を1人で抱えてしまえば、周りには何も伝わりません。キャッチコールなら用件が記録に残り、誰が見ても共有できます。電話にまつわる情報の抱え込みが、もうなくなりました。

 

受付履歴の一覧画面。

対応済みは完了、不要な電話は対応不要とステータスを変え、対応漏れや二重対応を防いでいる。

 

夜間に代表電話がかかってくることも、少なからずあります。以前はその場に誰もいなければ取りこぼしていましたが、今はキャッチコールが24時間365日受けてくれます。夜のうちに届いた用件も記録に残りますので、翌朝に確認して、必要なものだけ対処すればいい。スタッフがいない時間帯でも、大切な連絡を落とさなくなりました。

電話の量や中身は、どのように変わりましたか。

土本さん:

まず、電話が鳴るストレスが一切なくなりました。対応に人手を取られることもなく、事務スタッフは目の前の仕事に集中できます。電話に出ないぶん、準備にあてられる時間が物理的に増えますから、作業量も増え、仕上がりの質も上がりました。
情報共有の面でも効果があります。どんな電話がかかってきたのかを、グループで全員がまず把握できる。誰が返すのかも、その時点で共有されます。関係者とのやり取りにもLINE WORKSを使っていますので、経営層から見ても、この件はきちんと返したんだなとわかります。もともと情報共有には力を入れてきましたが、それがよりクリアに見えるようになりました。

 

どこにいても、手元のスマホから受電内容を確認。

外出先や現場でも、必要な連絡を見逃さない。

 

そして何より、今いる事務スタッフが「もう、前の職場には戻れない」と言ってくれています。以前は電話がひっきりなしに鳴り、作業が細切れになっていたそうです。そのストレスがなくなっただけで、だいぶ楽になったと。働きやすさが、この職場で働き続けたいという気持ちにつながっているのだと思います。

今後の展望と、介護業界の方々へのメッセージをお願いします。

土本さん:

施設はこれからも増やしていく予定で、それぞれの施設で回線を用意し、キャッチコールを使っていくことになると思います。まずは電話に振り回されない環境を、どの施設にも広げていきたいですね。
ICTの活用に悩んでいる施設の方からは、どこから始めればいいのかとよく聞かれます。私がおすすめしたいのは、まずLINE WORKSで施設全体の情報共有の土台をつくることです。その基盤があるからこそ、キャッチコールを重ねたときに、通知された用件を対応するメンバーのグループでそのまま共有し、みんなで受けられるようになります。電話対応にほぼ1人が張り付いている施設は多いはずですが、その負担がなくなるだけでも、浮いた時間を本来やるべき仕事に回せます。情報共有の仕組みと合わせて、まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。

 


 

【お話を伺った方】

土本 祐介さん

取締役として運営事業部を統括し、施設への入居営業を担う。福祉用具メニーピープル広島の所長も兼務し、現場のICT活用を牽引。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2026年9月当時のものです。