営業電話の断り方は?会社でそのまま使える例文とNG対応・減らす方法まで解説

会社にかかってくる営業電話の断り方を、そのまま使える例文つきで解説します。角を立てずに終える3ステップ、かえって長引くNGフレーズ、AI音声の営業電話への対応、そして「出てから断る」をやめる方法まで紹介します。。

目次

    営業電話は「3ステップ」で断れる|まず押さえる基本

    営業電話を断る3ステップ。用件を先に聞き、営業と分かったら会社の方針として断り、必要な際はこちらから連絡すると伝えて終える。判断できない場合は用件を記録して担当者に確認する。

    結論から言うと、用件を聞く→会社の方針として断る→次回の余地を残さず終える、の3ステップです。無理に会話を続けず、必要な電話かを確認してから短く伝えます。

    STEP1|用件を先に聞く|「どのようなご用件でしょうか」から始める

    相手が社名と名前を名乗ったら、続きを待たずにこちらから用件を聞きます。「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか」の一言から始めます。

     

    「ご担当者様はいらっしゃいますか」「少しお時間よろしいでしょうか」と、用件より先に取り次ぎや時間を求められることもあります。その場合も、まず用件を伺ってから判断します。

     

    先に用件を聞くことで、営業かどうかを早い段階で判断でき、必要な電話を誤って切るリスクも減らせます。

    STEP2|会社の方針として断る|個人の判断にしない

    営業と分かったら、「申し訳ございませんが、そういったご案内はお受けしていない方針です」と伝えます。ここで大切なのは、「私には分かりません」「私では判断できません」といった個人の判断に聞こえる言い方を避けることです。

     

    個人の判断だと相手は「では判断できる方に」と食い下がる余地を持ちます。会社の方針であれば、電話に出た人が誰であっても答えは同じです。相手にとっても、誰に掛け直しても結果が変わらないことが伝わります。

    STEP3|次回の余地を残さず終える|「必要な際はこちらから」

    最後は「必要な際はこちらからご連絡いたします。失礼いたします」で終えます。「またご連絡ください」「改めてご検討します」のように、次回につながる言葉を入れないことがポイントです。

     

    相手が「では資料だけでも」と続けてきた場合も、「資料もお受けしていない方針です」と短く答えて、同じ言葉で締めます。相手が話し続ける場合も、結論を繰り返してから「失礼いたします」と伝えて終えましょう。

    【場面別】そのまま使える営業電話の断り方 例文集

    3ステップを頭に入れたうえで、実際の場面ではどう言えばよいかをまとめました。まず、電話に出るのが不慣れな人でも使える最短のフレーズを一つ覚えておくと安心です。

     

    迷ったらこの一言

     

    「申し訳ございません。そういったお電話はお受けしていない方針ですので、失礼いたします。」

     

    この一言は、相手の用件が営業だと分かった時点で、どの場面でも使えます。ここから先は、場面ごとに使いやすいフレーズと、避けたい言い方を一覧にしました。

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    場面 使えるフレーズ 避けたい言い方 理由
    用件がはっきりしない 「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか」 「少々お待ちください」(すぐ保留にする) 用件を確認する前に保留にすると、取り次ぎを前提にしたと受け取られる
    営業だと分かった 「そういったご案内はお受けしていない方針です」 「今は必要ありません」 「今は」が「後で必要になる」と解釈され、再架電の口実になる
    社長・役職者を名指しされた 「ご案内の件はお受けしていない方針ですので、失礼いたします」 「社長は不在です」 不在を理由にすると「いつ戻りますか」と続き、終わらない
    担当者を名指しされた(営業と判断済み) 「担当者に関わらず、お受けしていない方針です」 「担当が戻ったら伝えます」 伝える約束をすると、折り返しを待つ理由を相手に与える
    資料送付だけ求められた 「資料もお受けしていない方針です」 「では資料だけお送りください」 資料を受け取ると「届きましたか」という次の電話が生まれる
    二度目・三度目の電話 「以前もお伝えしましたが、お受けしていない方針です」 「前にも言いましたよね」 感情的な言い方は相手の記録に残り、会社の印象を損なう
    一人会社で本人が出てしまった 「私が担当ですが、必要ありませんので失礼いたします」 「担当者に確認します」 一人会社では確認する相手がおらず、話のつじつまが合わなくなる

    用件がはっきりしない相手に|まず確認する言い方

    「ご担当者様をお願いします」「お世話になっております」から始まる電話は、用件が分からないまま話が進みがちです。

     

    「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか」と聞き、答えが「ご紹介したいサービスがありまして」なら営業、「先日お送りした請求書の件で」なら取引先と、次の対応を判断できます。

     

    相手が用件を濁す場合は、「用件をお伺いしてから担当者に確認いたします」と重ねて聞いて問題ありません。

    「必要ありません」を角を立てずに伝える言い方

    「必要ありません」は正しい答えですが、そのまま言うと突き放した印象になります。「せっかくのご案内ですが、お受けしていない方針です」と、前に一言添えるだけで角が取れます。理由を聞かれても「方針ですので」と繰り返せば十分です。

     

    理由を説明し始めると、相手から反論され、かえって長引くことがあります。

    社長・役職者を名指しされたとき

    社長や役職者の名前を出して「〇〇様はいらっしゃいますか」と聞かれると、断りにくく感じます。しかし営業と判断できるなら、役職者の在否に触れず「ご案内の件はお受けしていない方針ですので、失礼いたします」で終えて問題ありません。

     

    「本人から聞いている」「面識がある」と言われた場合は、用件を承って折り返す形にすれば、本当に面識がある相手なら折り返しで確認できます。

    担当者を名指しされたとき|「不在です」と言わずに終える言い方

    担当者を名指しされたときの対応は、営業かどうかの判断で分かれます。営業と判断できているなら、「担当者に関わらず、お受けしていない方針です」と伝え、不在を理由にしません。不在を理由にすると、後述するNG対応のとおり「いつ戻りますか」と続いてしまいます。

     

    一方、営業かどうか判断がつかない場合は、「用件を承って担当者から折り返します」と記録して終えます。この線引きを社内で共有しておくと、電話に出た人が迷わずに済みます。

    二度目・三度目の電話を受けたとき

    同じ会社から繰り返しかかってくる場合は、「以前もお伝えしましたが、お受けしていない方針です」と、前回断った事実を先に伝えます。担当者が変わっていることもあるため、感情的にならず淡々と伝えるのがコツです。

     

    社内で「〇月〇日に断り済み」と記録しておくと、次に出た人も同じ対応ができます。何度も続く場合の対処は、後半の「繰り返しかかってくる番号への対処」で説明します。

    一人会社・個人事業主で、本人が電話に出てしまったとき

    一人会社や個人事業主では、「担当者に確認します」と言えないのが悩みどころです。この場合は、自分が決裁者であることを隠さず、「私が担当ですが、必要ありませんので失礼いたします」と一文で終えます。

     

    決裁者と直接話せると分かった相手は、話を続けようとしますが、判断できる人が「不要」と答えている以上、それ以上の説明は必要ありません。方針として断るという型は、一人会社でも同じです。

    これはNG|かえって電話が長引く5つの断り方

    断っているつもりでも、相手に次の電話をかける口実を与えてしまう言い方があります。よく使われる5つを、相手側で何が起きるかと言い換えとあわせて整理しました。

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    言い方 相手側で何が起きるか 言い換え
    「担当者が不在です」 「いつ戻りますか」と折り返し時間を聞かれ、その時間に再架電される 「担当者に関わらず、お受けしていない方針です」
    「検討しておきます」 「検討中」として記録され、「その後いかがですか」と再架電される 「検討の予定はございません」
    「今忙しいので」 「では何時なら」と、都合のよい時間を聞かれる 「時間に関わらず、お受けしていない方針です」
    担当者名を教えてしまう 次回から担当者を名指しでかけてきて、取り次ぎを断りにくくなる 「担当者名はお伝えしていない方針です」
    無言で切る 「途中で切れた」と判断され、すぐにかけ直される 「失礼いたします」と言ってから切る

    「担当者が不在です」|折り返し時間を聞かれて終わらない

    不在を理由にすると、相手は「戻る時間」を聞くだけで次の電話をかける正当な理由を得ます。実際に不在かどうかは関係ありません。営業と判断できているなら、「担当者に関わらずお受けしていない」と方針で断ることで、在否の話に入らずに終えられます。

    「検討しておきます」|再架電の口実になる

    「検討しておきます」は、相手に再確認の余地があると受け取られます。営業側から見れば、検討結果を確認する電話は当然の業務です。断る意思があるなら、「検討の予定はございません」とはっきり伝えるほうが、相手にとっても無駄な電話を減らせます。

    「今忙しいので」|「では何時なら」と返される

    忙しいことを理由にすると、相手は「いつなら空いているか」を聞きます。時間の問題ではなく方針の問題だと伝えることで、この流れを断てます。

    かかってきた電話が営業かを見分ける6つのサイン

    用件を聞く前に営業だと察しがつけば、対応はさらに短くなります。営業電話で見られることがあるサインを、確認するときの一言とあわせて一覧にしました。

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    サイン なぜそう言えるか そのときの一言
    担当者名を知らない 担当者との既存のやり取りが確認できない。ただし初回の問い合わせもある 「どのようなご用件でしょうか」
    社名を名乗らない 発信元が分からず、取引先かどうか確認できない 「失礼ですが、どちらの会社様でしょうか」
    電話口が騒がしい 複数人が架電している可能性はあるが、音だけでは目的を特定できない 「ご用件をお伺いしてから担当者に確認します」
    用件を話さない 取り次ぎ先だけを求められても、必要な連絡か判断できない 「ご用件をお聞かせいただけますか」
    一方的に話す 商品案内の可能性はあるが、話し方だけでは判断できない 「恐れ入ります、ご用件は営業のお電話でしょうか」
    役職者を名指し 先に取り次ぎを求める電話もあるが、既存の取引先かもしれない 「社名とご用件をお伺いできますか」

     

    これらは営業電話だと断定できる証拠ではありません。取引先も同じ話し方をすることがあります。判断に迷ったら、用件を確認してから取り次ぐか決めましょう。

    「営業のお電話でしょうか」と直接聞いてもいい?|角を立てない確認のしかた

    サインだけで見分けきれないときは、「恐れ入りますが、営業のお電話でしょうか」と確認の口調で聞いて問題ありません。「営業ですよね」と決めつける聞き方は、相手が取引先だった場合に印象を損ねます。判断がつかないときの一言として覚えておくと、迷う時間を減らせます。

    AIが話す営業電話にどう対応する?人との見分け方と断り方

    AI音声が話す営業電話を受けた場合も、まずは用件を確かめます。ここでは、AIの営業電話の特徴と、対応の考え方を整理します。

    AIの営業電話の特徴|会話の噛み合わなさ・応答の間・同じ質問の繰り返し

    AI音声の営業電話には、いくつかの傾向があります。たとえば、こちらの質問に対して少し間を置いてから、質問と関係のない説明が始まることがあります。「どちらの会社様ですか」と聞いても、台本どおりの案内が続くような場合です。

     

    また、一度答えた内容をもう一度聞かれる、こちらの相づちに反応しない、声の抑揚が一定で不自然に感じられる、といった特徴が挙げられます。ただし、これらは人の営業担当でも起こりうるため、確実な見分け方ではありません。

     

    あくまで「AIかもしれない」と気づくための手がかりとして捉えてください。

    相手がAIでも、断り方の型は変わらない|短く一文で伝える

    相手がAIだと感じても、対応の型は人の場合と同じです。「お受けしていない方針です。失礼いたします」と短く伝え、電話を終えます。やりがちな失敗は、相手がAIだと分かった途端に言い返したり、断る理由を丁寧に説明したりすることです。

     

    相手の仕組みによって応答は異なるため、理由を長く説明しても電話が終わるとは限りません。相手が人かAIか迷った場合も、同じ言葉で終えれば、どちらであっても対応として不足はありません。

    繰り返しかかってくる番号への対処|記録と着信拒否

    同じ番号から電話が繰り返される場合は、相手が人かAIかにかかわらず対応を記録します。まず、着信日時と番号、相手の名乗った社名を記録しておきます。記録があれば、社内で「この番号は営業」と共有でき、次に出た人が迷いません。

     

    電話機や電話サービスに着信拒否の機能があれば、記録した番号を登録します。後半の「『出てから断る』をやめる4つの方法」で、番号ブロックを含めた仕組みの選び方を説明します。

    断る前に一度だけ確認したい「切ってはいけない電話」

    営業電話か判断できた場合と判断できない場合の対応。営業と判断できたら会社の方針として断る。判断できなければ社名・名前・用件・連絡先を記録して引き継ぎ、担当者が折り返しの要否を判断する。

    営業電話を短く断れるようになると、今度は「本当に切ってよかったのか」が気になります。営業に似た切り出し方で始まる電話の中には、切ってしまうと会社の損失につながるものもあります。

     

    重要な問い合わせや商談の機会を逃した経験は10.5%
    代表電話の対応で経験したトラブル。取り次ぎの遅れ35.5%、伝言が正しく伝わらなかった32.4%、取り逃し28.0%

    代表電話の対応では、取り次ぎ・伝言の行き違いに加え、商談機会の取り逃しも報告されています。

     

    代表電話の対応で「重要な問い合わせや商談の機会を逃した」経験がある人は10.5%、「クレームや指摘を受けた」は11.3%でした。これらは複数回答の別項目です。この調査だけでは機会損失の原因までは分かりません。

     

    ただ、必要な電話を営業電話と誤認しないための確認は大切です。営業電話を断るときは、次のパターンに当てはまらないかを一度だけ確認してから切ると安心です。

    切る前に確認したい3つのパターン

    次の3つは、営業電話と決めつけず、社名と用件を確認します。

     

    • 既存契約の更新・サポート:現在使っているサービスに関する連絡か確認する。
    • 取引先からの担当変更・請求:知らない名前でも、取引先からの連絡か確認する。
    • 行政・業界団体からの案内:発信元と用件を聞き、必要なら公式窓口にかけ直して確かめる。

    迷ったときの安全策|切らずに「用件を記録して折り返す」

    営業か必要な電話か判断がつかないときは、切らずに「用件を承って折り返す」形にします。「担当者から折り返しますので、社名とお名前、ご用件をお聞かせください」と記録し、担当者が記録を見て折り返しの要否を判断します。

     

    この方法なら、電話に出た人が判断を抱え込まずに済み、切ってはいけない電話を切るリスクも減らせます。

    しつこい営業電話は法律違反?会社宛の電話で特商法が使えない理由

    「断ったのに何度もかけてくるのは違法ではないか」と考える人も多いでしょう。結論から言うと、事業のために結ぶ契約への勧誘は、特定商取引法の電話勧誘販売規制の適用除外に当たる場合があります。

     

    ただし、会社宛かどうかだけで決まるのではなく、契約の目的と内容によって判断されます。ここでは、再勧誘の禁止と事業用契約の適用除外を確認し、会社で取れる対応を紹介します。個別の判断が必要な場合は専門家にご相談ください。

    「しつこい勧誘は法律違反」は消費者を守るための話|特定商取引法 第17条(再勧誘の禁止)とは

    消費者庁の電話勧誘販売に関する解説によると、特定商取引法第17条は、電話勧誘販売で相手が契約しない意思を示した場合、その勧誘を続けたり再び勧誘したりすることを禁止しています。

     

    つまり「断った後の再勧誘」は、対象となる取引であれば法律で禁じられています。ただし、この条文は消費者を保護するためのものであり、すべての電話に適用されるわけではありません。

    会社宛の営業電話には原則あてはまらない|第26条の適用除外と、個人事業主はどちらに当たるか

    消費者庁の適用除外に関するQ&Aによると、特定商取引法第26条は、営業のため、または営業として締結する契約を電話勧誘販売の規制から除外しています。したがって、事業用契約への勧誘では第17条が適用されない場合があります。

     

    ただし、会社にかかった電話がすべて一律に除外されるわけではなく、勧誘される契約の目的や内容で判断されます。個人事業主の場合も同じで、事業のための契約か、私生活のための契約かが判断の軸になります。

     

    たとえば事業所に届く電話でも、個人の生活に関する商品の勧誘であれば、消費者として保護される可能性があります。個別のケースがどちらにあたるかは、一律には断定できません。

    では会社に何ができるか|記録・番号ブロック・書面での申し入れと、相談先の使い分け

    特定商取引法第17条で対応しにくい場合でも、会社にできることはあります。まず、着信日時、番号、社名、担当者名、断った内容を記録します。次に、電話機や電話サービスの機能で番号をブロックします。

     

    それでも続く場合は、記録をもとに相手の会社へ書面で「今後の電話は控えていただきたい」と申し入れる方法があります。記録が残っていれば、申し入れの内容も具体的になります。

     

    相談先は、勧誘される契約の目的や内容で異なります。個人の消費生活に関する勧誘は、消費者ホットライン(188)から最寄りの消費生活相談窓口につながります。

     

    一方、法人が事業のために受ける勧誘については、188が案内する消費生活相談の対象とならない場合があります。相談先は内容によって異なるため、必要に応じて専門家へ相談してください。

     

    まずは記録とブロック、書面での申し入れを組み合わせるのが現実的な対応です。

    断り方を個人任せにしない|会社で決めておく3つのルール

    ここまでの断り方は、電話に出た人が個人として実践するものでした。会社の電話対応を揃えるには、個人の話し方だけでなく、「誰が出るか」「どう断るか」という運用も確認する必要があります。

     

    「用件が分からないまま電話に出るのが不安」32.9%
    代表電話に出る際の心理的な負担。用件が分からない状態で出るのが不安32.9%、聞き取れるか不安32.8%

    従業員5〜100名の企業で、代表電話の対応・取り次ぎを日常的に行う人1,102名を対象とした調査(複数回答)では、代表電話に出る際に「用件が分からない状態で出るのが不安」と答えた人が32.9%でした。

     

    「名前・会社名・用件を正確に聞き取れるか不安」は32.8%、「知らない相手からの電話に緊張する」は24.6%です。電話を受ける前から不安を感じる人がいることを踏まえ、誰でも使える断り方を決めておきましょう。

     

    代表電話は「手が空いている人が出る」39.3%、「ルールなし」18.1%
    代表電話を誰が対応するかのルール。手が空いている人・気づいた人が対応39.3%、特にルールなし18.1%

    誰が代表電話に出るかについて、「手が空いている人・気づいた人」と答えた人は39.3%、「特にルールや慣習はない」は18.1%でした。複数回答のため、これらの割合を足して会社全体の比率とは言えません。

     

    出る人が変わる職場では、次の3つを会社として決めておくと判断を揃えやすくなります。

     

    ルール①|取り次ぎ基準を決める

     

    どの電話を取り次ぎ、どの電話を断るかの基準を文章にします。たとえば「社名と用件を名乗らない電話は取り次がない」「既存の取引先、契約中のサービス、行政からの連絡は発信元と用件を確認して取り次ぐ」「判断がつかない電話は用件を記録して折り返す」の3つを決めるだけで、電話に出た人の迷いは大きく減ります。

     

    基準は電話機のそばに貼るか、共有ツールで誰でも見られるようにします。

     

    ルール②|断り文句を統一する

     

    「お受けしていない方針です」など、会社として使う断り文句を1〜2種類に決めます。全員が同じ言葉で断れば、営業側にも「この会社は誰にかけても同じ」と伝わります。新人や電話が苦手な人ほど、決まった言葉があるほうが安心して対応できます。この記事の例文集をそのまま社内用に使っても構いません。

     

    ルール③|記録と共有の方法を決める

     

    営業電話を断ったら、日時、番号、社名、対応内容を記録し、社内で共有します。記録があれば、二度目の電話に「以前お断りしています」と対応でき、着信拒否の判断もしやすくなります。共有は、チャットツールの専用スレッドや共有シートなど、日常的に使っているもので十分です。

     

    大切なのは、記録が特定の人の手元にとどまらず、次に電話に出る人が見られる状態にすることです。

    「出てから断る」をやめる4つの方法|着信拒否・IVR・電話代行・AI一次受付

    社内ルールを整えても、営業電話に「出てから断る」こと自体はなくなりません。営業電話の対応時間を根本から減らすには、電話に出る前の段階で仕組みを入れる方法があります。ここでは4つの方法を、「どこまでやってくれるか」の順に紹介します。

     

    つまり、繋がない、振り分ける、人が用件を聞き取る、AIが用件を聞き取る、の順です。

    方法1|着信拒否・迷惑番号ブロック|その番号を繋がなくする(用件は分からない)

    電話機や電話サービスの機能で、特定の番号からの着信を繋がなくする方法です。使っている電話機や電話サービスに機能があれば、追加契約なしで設定できる場合があります。ただし、登録した番号以外は防げず、番号を変えてかけてくる相手には効きません。

     

    また、ブロックした電話の用件は分からないため、必要な電話を誤って登録した場合に気づきにくい点に注意が必要です。繰り返しかかってくる特定の番号への対処として向いています。

    方法2|IVR(自動音声ガイダンス)|機械が振り分ける(用件は聞き取らない)

    IVRは、電話に出る前に「ご用件に応じて番号を押してください」と自動音声で案内し、着信を振り分ける仕組みです。「営業のお電話は1番」と案内するだけで、営業電話の一部は担当者につながる前に自己申告で分かれます。

     

    ここで紹介したプッシュボタン式の設定では、発話を聞き取って用件を判断するわけではありません。振り分けた先で人が対応する設定も、ガイダンスだけで完結する設定もあります。音声認識で発話を受けるIVRもあるため、必要な機能を確認しましょう。

     

    営業電話が正直に1番を押すとも限りません。着信が多く、振り分けだけでも負担が減る会社に向いています。

    方法3|電話代行サービス|人が用件を聞き取って伝える

    電話代行サービスは、オペレーターが会社の代わりに電話に出て、用件を聞き取り、メールやチャットで伝えるサービスです。人が対応するため、複雑な用件や聞き取りにくい名前にも柔軟に対応できます。対応時間や時間外料金はサービスごとに異なります。

     

    費用も、月額に一定件数を含み、超過分を1件単位で加算する型などがあります。契約前に対応時間と超過時の条件を確認しましょう。営業時間内の着信が中心で、人による丁寧な一次対応を求める会社に向いています。

    方法4|AI一次受付|AIが用件を聞き取って伝える

    AI一次受付は、AIが音声で出て用件を聞き取り、チャットなどに通知するサービスです。現在の代表番号から転送して受ける方式のほか、サービスが発行する番号で直接受ける方式もあります。方法3との主な違いは、一次対応をAIが行う点です。

     

    24時間365日の対応を明記するサービスもあります。ただし、実際に受ける時間帯は各サービスの設定・契約条件を確認してください。費用は定額型と従量型の両方があり、「AI型なら必ず定額で安い」とは言えません。

     

    また、認識精度には限界があり、外国人名や珍しい名前、専門用語は正しく聞き取れないことがあります。

     

    4つの方法の比較

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    方法 向いているケース 対応時間 導入の手間 費用の型 合わなかったとき元に戻せるか
    着信拒否・番号ブロック 特定の番号から繰り返しかかる 常時 小(番号を登録するだけ) 無料〜低額 登録を解除すれば戻せる
    IVR(自動音声ガイダンス) 着信が多く、振り分けで負担が減る サービス・設定による 中(音声案内の設計が必要) 月額・従量など、サービスによる 設定や契約条件による
    電話代行サービス 人の対応を求める 対応時間・時間外料金はサービスによる 中(転送設定と対応内容の打ち合わせ) 月額・従量など、サービスによる 契約期間による
    AI一次受付 時間外の着信が多い、出る人が固定できない 24時間365日を明記するサービスあり サービスによる(転送型は転送設定) 定額型と従量型がある 契約・番号の方式による

     

    どれを選ぶかは、「営業電話をどこまで減らしたいか」と「必要な電話をどう取りこぼさないか」のバランスで決まります。特定の番号だけが問題なら方法1で足ります。着信全体が多く、用件まで聞き取ってほしいなら方法3か方法4です。

     

    営業時間内で人の柔軟さを重視するなら方法3、時間外や人手の固定が難しいなら方法4が候補になります。導入前には、今の電話番号で使えるか、必要な設定と契約期間、やめるときの手順を確認しておきましょう。

    営業電話の断り方に関するよくある質問

    営業電話をガチャ切りしてもいいですか?

    おすすめしません。無言で切ると「途中で切れた」と受け取られ、かけ直される可能性があるためです。また、相手の記録に「対応が悪い会社」として残る可能性があります。「お受けしていない方針です。失礼いたします」と短く伝えてから切れば、時間は数秒しか変わらず、印象も損ねにくくなります。「面白い断り方」で撃退するという話もありますが、会社の電話では丁寧に短く終えるほうが無難です。

    「結構です」と言っても切ってくれないときは?

    「結構です」は「良いです」とも取れるため、相手が続ける口実になります。「必要ありません」「お受けしていない方針です」と、否定の意味がはっきりする言葉に言い換えます。それでも続く場合は、「失礼いたします」と締めの言葉を言い切ってから切って構いません。断る意思を伝えたうえで通話を終えられます。

    「担当者は不在です」と嘘をついて断ってもいいですか?

    嘘をつく必要はありません。営業と判断できているなら、「担当者に関わらず、お受けしていない方針です」と会社の方針として断れば済みます。不在と言うと「いつ戻りますか」と聞かれて長引くうえ、嘘が重なると対応が苦しくなります。方針で断る型を持っていれば、在否の話に入らずに終えられます。

    出られない電話が多いなら|LINE WORKSキャッチコールという選択肢

    AI電話受付サービス LINE WORKSキャッチコール。今なら1年間無料キャンペーン開催中

    作業中や接客中で電話に出られない場面があり、出られたときも用件を聞き、営業電話と分かってから断るまでの中断が残ります。知らない番号を一律に断ることはできず、取引先からの必要な連絡は受けたいためです。その中断が積み重なっているなら、電話を受ける時点の運用から見直す選択肢があります。

     

    LINE WORKSキャッチコールは、かかってきた電話にAIが応答して氏名・連絡先・用件を聞き取り、LINE WORKSのトークルームへ通知します。通話音声もあとから確認できます。詳細はサービス紹介ページをご覧ください。

     

    AIが聞き取った用件は通知として届くため、担当者は社内の取り次ぎ基準に照らして、折り返すか見送るかを自分のタイミングで判断できます。その場で用件を聞いて断る会話の代わりに、作業の区切りに受付内容を確認し、お取引先からの連絡に折り返す進め方も選べます。

     

    利用には、キャッチコールの利用設定と、代表電話からサービス発行の連携番号へ転送する設定の両方が必要で、公開している番号はそのまま維持できます。お使いの回線で転送ができるかは、電話会社や設備管理者へご確認ください。詳細はよくある質問をご覧ください。

     

    転送を解除すれば元の受け方に戻せます。契約の扱いは別途ご確認ください。

     

    LINE WORKSキャッチコールの料金プランは、ライト・スタンダード・アドバンストの3つです。代表電話にかかってくる件数に合わせて選べます。

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    項目 ライト スタンダード アドバンスト
    月額(税抜) 8,900円 14,900円 39,800円
    年間の対応着信数(上限) 1,800件(月150件が目安) 3,600件(月300件が目安) 12,000件(月1,000件が目安)
    利用できる電話番号 1つ 2つ 3つ
    向いている会社 1拠点・少人数のオフィス 複数拠点、または1日10件以上の着信がある 着信の波が大きい、大規模な電話対応

     

    3プランとも機能は同じで、従量課金のない月額固定です。年間契約(月々払いも可)で、利用ユーザー数による追加料金はありません。初期費用は0円ですが、電話会社の転送設定費用と転送通話料は別途かかります。

     

    件数は年間の枠で管理するため、繁忙期に着信が集中しても月ごとの上限を気にする必要はありません。自社の着信件数に合ったプランを選ぶのが基本で、枠を超えそうな場合は、対応着信数を100件単位(10,000円・税抜)で追加することもできます。

     

    今なら、全プランの利用料金が1年間無料になるキャンペーンを実施しています(申込期限は2027年3月31日。トライアル期間中のお申し込みなど適用条件あり)。

     

    1ヶ月間(30日間)の無償トライアルもご用意しています。

     

    資料では、通知される項目や設定の手順から、受付内容を担当者が社内の取り次ぎ基準に照らして判断する運用が自社に合うかを検討できます。トライアルでは、担当者が電話に出るのではなく、普段の着信を連携番号へ転送し、届いた用件の通知や通話音声を確認しながら、営業電話に出てから断る応対の負担がどう変わるかを確かめられます。

     

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    まとめ

    営業電話は、用件を先に聞き、会社の方針として断り、次回の余地を残さずに終える3ステップで短く断れます。「担当者が不在です」「検討しておきます」「今忙しいので」といった言い方は、かえって再架電の口実になるため避けましょう。相手がAIでも断り方の型は変わらず、短く伝えて終えるのが基本です。

     

    一方で、既存契約の更新や取引先の担当変更、行政からの案内など、切ってはいけない電話もあります。判断に迷うときは、切らずに用件を記録して折り返す形にすれば安全です。事業のために結ぶ契約の勧誘では、特定商取引法の適用除外に当たる場合があります。

     

    しつこい電話には記録と番号ブロック、相手の会社への申し入れを検討しましょう。

     

    断り方にばらつきがある場合は、個人の話し方だけでなく、誰が電話に出るか、どう断るかという社内のルールも確認しましょう。取り次ぎ基準、断り文句、記録と共有の3つを会社で決めておくと、誰が出ても対応を揃えやすくなります。

     

    それでも対応の負担が大きいなら、着信拒否、IVR、電話代行、AI一次受付といった「出てから断る」をやめる方法を検討してみてください。