一般家電量販店や法人向け流通企業に対し、富士通製品のPC、携帯電話、PCサーバーなどの販売やサポートを行う富士通パーソナルズ様は、LINE WORKSを導入したことで業務効率が向上し、働き方改革の推進につながっています。同社のIT推進室担当課長である八坂さん、ソリューション営業本部東京支社課長代理の村岡さん、ソリューション営業本部ソリューション営業支援センターの竹村さんに、LINE WORKS導入の経緯や導入後の変化などについてお話をうかがいました。
みなさんの担当業務を教えてください。
八坂さん :
私が所属するIT推進室は、PC、スマートフォン、電話、FAX、複合機といった社内のITインフラの管理、運用するというのがまず1つの大きな役割です。もう1つは基幹システムの開発と運用。ウェブサイトの開発も担当しています。
村岡さん :
富士通パーソナルズは、いわば富士通製品の商社の位置付けで、エンドユーザーのお客様を直接持たず、販売店を通して富士通製品を販売しています。私は法人向けの販売を行うお客様への営業を担当しています。
竹村さん :
私は、インサイド営業の受発注を行うグループに所属しています。営業がとってきた注文の発注から、納期の管理、出荷の回答までを行っています。営業をより外で働きやすくさせる、業務改善の旗振り担当でもあります。
LINE WORKS以前に課題となっていたのはどのような点ですか。
八坂さん :
営業が主体の会社なので、社内の多くの者が営業担当であり、日中はほとんど社外に出ています。連絡のツールとして、携帯電話・PC・ネットに接続するためのモバイルWiFiを営業が持っていました。情報共有は、主に電話かメールです。社外からメールを確認するには、PC を立ち上げ、モバイルWiFiを使って社内LANに接続しなければなりません。そのため連絡を取るにも不便で、スムーズな連携ができない点が課題になっていました。
そしてなによりも、営業としてお客様とつながりを持つ際に、メールでは不便なことが多かったのです。我々のお客様である家電量販店の方たちは、デスクワークをしているわけではなく、店の売り場に立って接客している方がほとんどですので、メールでの連絡では、ご確認いただけるまで時間がかかってしまうことが課題でした。また、LINEでのコミュニケーションもご要望いただいておりましたが、シャドーITとなってしまうセキュリティ上の問題が浮上してきたのです。
LINE WORKS導入の経緯や背景についてお聞かせください。
八坂さん :
お客様や営業担当者から「LINEを使いたい」という要望が大きくなり、シャドーITのリスクが高まってきたことが一番の理由です。それに加え、全社の経営課題として「働き方改革」が挙がっていました。弊社の営業担当者はひとりで多数の店舗を担当するため、車での移動時間が多いのです。例えば移動中にお客さんから電話がかかってきた場合、一旦車を停めければなりません。そこから資料を確認するとなると、PCを開いて、WiFiルータを立ち上げて接続して・・・と、ちょっとした対応にも多くの手間と時間がかかってしまいます。また一方で、書類の印刷など、帰社しなければできない業務もあり、全体的に効率化が必要な状況でした。そこで、移動時間を活用して、できるだけ無駄な時間をなくし、全体の生産性をあげるためにオフィシャルなチャットツールを導入しようということになったのです。
他社のチャットツールもいくつか検討しましたが、LINE WORKSに決めた一番の理由は、店舗の多くの方が使っているLINEと連携ができるという点でした。LINE WORKSを導入することで、シャドーITのリスクを減らし、会社としてオフィシャルにLINEでお客様とつながることができます。働き方改革やリスク対策はもちろん、お客様側の環境に合わせ、スムーズに情報を提供するためにはこのようなツールが必要であると考えました。
LINE WORKSの導入はスムーズでしたか?
導入にあたっては、LINE WORKSでお客様に送っても良いデータと送ってはいけないデータを仕分けるところからスタートしました。たとえば納期表はお客様のLINEに送っても良いけれど、金額情報はNG、などです。このようなガイドラインを最初に設けることにより、営業担当者が迷わず使い始められるようにしました。
トライアル期間中は、各部の幹部が集まる毎月の定例ミーティングで「私の部ではこんな使い方をしている」、「こういうことにはどう使えばいいか」など、活用の振り返りを行いました。その中で運用ルールを決めていきます。若い社員はLINEに慣れているので自然と使い出しますが、幹部はすごく気に入って使う人もいれば、そうでもない人もいるという状況でした。組織のトップが使い出すと、自然と下の者も使うようになります。幹部ミーティングの場でフィードバックをもらい、使い方を共有することで、「じゃあうちの部でもやってみよう」とLINE WORKSの活用を会社全体で促すことができました。
ほかにも、LINE WORKSはスマートフォン側にデータを残さない設定にできるのも重要なポイントでした。幹部から、紛失したときに情報が漏れたらどうするのかという心配の声があがりましたが、管理画面にて「ファイルダウンロード制限機能」を有効にすることにより、閲覧は可能だがスマートフォン側にファイル保存を制限出来ることを説明することでその心配が解消されました。
お客様との連絡におけるLINE WORKSの活用方法と導入効果を教えてください。
八坂さん :
弊社の営業はLINE連携の設定を「ON」にし、量販店などのお客様との連絡をLINE WORKSで行っています。営業担当者は、本部やエリアマネージャーからLINE WORKSで送られてきた商品の納期表を、お客様のLINEに送るなど、さまざまなシーンで活用しています。以前は印刷して紙で渡したり、PCを開いてメールを送ったりしていたのですが、LINE WORKS導入後は事務所へ戻ることなくスマートフォンですぐにお客様へデータを送ることができます。印刷する必要もないのでペーパーレスにもなりました。
以前はちょっとした連絡やあいさつなども1件ごとにメールで送っていましたが、LINE WORKSならスタンプをつけるだけで済みます。事務所へ戻らなくても仕事が完結するため、LINE WORKSで連絡を入れることで、直行・直帰も可能です。移動にかかる余計な時間を削減できて、時間を有効に使えます。今までと働き方が変わりました。
コミュニケーションの観点では、各自が考えていることがプッシュ通知で皆に伝わるので、能動的な発信ができるようになったと感じます。みんなの思いがよく伝わるようになったなという印象ですね。
村岡さん :
連絡が簡単で早くなりました。発注や納品などの処理をサポートしてくれる部署との連携の際にも活用します。例えば「発注内容に不備があって発注できないため、確認してほしい」などの連絡が、今まではメールや電話で来ていました。しかし、打ち合わせ中だとメールや電話はできないため、連絡が遅れてしまいます。LINE WORKSなら簡単な返事であれば手元ですぐに送れるので、やりとりのスピードが向上しました。
竹村さん :
営業の支援を行っていますので、見積りや発注・納品のやり取りをトークで行うことが多いですね。以前はメールや電話でなかなか連絡がつかず待ち時間が発生していましたが、余計な待ち時間がなくなって、仕事の優先順位をつけやすくなりました。LINE WORKS導入で営業との連携がしやすくなったと感じます。
※掲載している内容、所属やお役職は取材当時のものです。