一般財団法人 関東電気保安協会
2023-10-30
業種
建設・工事
目的・効果
従業員間の連絡 BCP・安否確認 取引先との連絡 採用・労務 コンプライアンス・セキュリティ テレワーク LINEとの連絡 連携ツール プロジェクト管理 グループウェア 学生との連絡 業務の見える化 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
掲示板
タスク
お話を伺った方
企画本部 次世代保安業務開発チーム 茂木 梨絵さん(左)  
総務本部 人事部 主任業務員 土屋 雅士さん  
総務本部 人事部 野中 菜央さん  
東京南事業本部 業務部 課長 村上 実貴子さん(右)  
東京北事業本部 業務部 臼井 勇祐さん(中)
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2,000名を超える職員の情報共有基盤をLINE WORKSに。離れた現場の検査員や採用時の内定者との連絡が円滑になり、各部門の業務が大きく効率化しました。

関東エリアを中心に電気設備の点検・保安サービスを提供する一般財団法人 関東電気保安協会は、約2,500名いる職員のコミュニケーション基盤としてLINE WORKSを採用。事務職員と現場検査員がタイムリーに情報を共有できる環境を整え、お客さまからの問い合わせに迅速に対応できるようになりました。また、採用部門では就職内定者とLINEでつながり、円滑な意思疎通を実現。さらに道路交通法改正によるアルコールチェック義務化に伴い、アルコール検知システムとの連携で管理者グループに通知が自動発信される仕組みも構築するなど、さまざまな業務の効率化をはかっています。

 

本事例のポイント
  • 全職員の密接な連携を実現するコミュニケーションツールとして機能
  • 事務職員と現場の検査員との連絡がスムーズになり顧客への迅速な対応が可能に
  • 内定した学生のLINEとつながって、気軽に連絡が取り合える環境を整備
  • アルコールチェックシステムとの連携で管理体制を強化

御協会の事業内容をご紹介ください。

土屋さん :

関東電気保安協会は、事故や火災を防ぐために企業と家庭に電気設備の点検・保安サービスを提供する全国に10ある電気保安協会の一つで、関東の1都6県と山梨県および静岡県富士川以東のエリアを担当しています。電気主任技術者の国家資格を持つ職員が設備の安全点検や改修・更新を行うほか、電気を安全に使用していただくための広報活動にも力を入れています。

 

LINE WORKSの導入に至った経緯と導入前に抱えていた課題をお聞かせください。

茂木さん :

2,500名ほどいる全職員のうち約2,400名が技術職で、日々お客さまのもとに赴いて点検作業などを行っています。検査員には携帯電話を支給していましたが、現場では主に検査にあたっているため電話に出られないことが多く、また、導入されていたグループウェアは一部の職員でしか運用していなかったため、事務所とのスムーズな連絡ができないのが以前からの悩みでした。

 

 

村上さん :

約180名の検査員がいる東京南事業本部には、当協会と保安契約をしているお客さまからの点検や請求などに関する問い合わせの電話が、1日平均200件ほどかかってきます。事務職員では対応しきれない内容も多く、担当の検査員や現場の管理者に確認しなければならない事柄に関してはその内容をメールで送信したり、紙の伝言メモをデスクに置いたりしていました。そして用件が担当に伝わるのが帰所後になるため、お客さまに迅速な対応をすることが困難でした。

 

 

臼井さん :

連絡を取り次いだ事務職員が、検査員にきちんと情報が届いているか、お客さまに対応してもらえているかを把握できないことも、業務管理の面での課題となっていました。

 

 

土屋さん :

新卒者の採用業務においても内定者との主な連絡手段がメールだったため、意志の疎通にタイムラグが発生しがちでした。また、学生からの連絡が他の大量のメールに埋もれて見落としてしまうこともありました。

 

野中さん :

ビジネスライクな文章を書き慣れていない学生にとっては、確認したいことがあってもメールで質問するのはハードルが高いです。もっと気軽にコミュニケーションを取れるツールがあれば私たちとの距離が縮まり、堅苦しくない関係を築けるのではないかと思われました。

 

 

茂木さん :

また、新型コロナ感染症が拡大し、在宅勤務や直行直帰をはじめた際には、職員間の連絡手段が電話やメールしかなく、報告などが円滑にできないという新たな課題にも直面しました。

 

土屋さん :

人事部では、在宅勤務時でも連絡が取りやすいように、一部のメンバーで個人LINEのグループをつくって連絡していましたが、秘匿すべき業務情報を友人に誤送信してしまうリスクが懸念されました。

課題解消の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由をお聞かせください。また、運用開始までにどんな準備をされましたか。

茂木さん :

検査員が現場で手の空いたときに簡単に確認できるよう、テキストベースのやりとりができるチャットツールを探し、既読機能のあるLINE WORKSに注目しました。一部の職員だけにアカウントを付与していたグループウェアを全職員に拡大することも考えましたが、費用の面で断念。LINE WORKSはコストパフォーマンスの点でも魅力でした。検査員にはITツールに対して苦手意識のあるシニア層が多いのですが、それでもプライベートでは、LINEを使っている人も多く、基本的な操作性が共通するLINE WORKSならすぐに定着することが期待されました

 

そして、個人LINEの業務利用にともなう組織全体のリスクを報告したことが経営層に響き、2021年4月に社給携帯をスマホに切り換えるのと同時にLINE WORKSを導入。展開時には、運用マニュアルやパスワードの設定方法についての解説動画を作成し、基本的なLINE WORKSの操作方法を周知しました。また、各拠点のITに明るい職員に、設定で苦労している職員をサポートしてもらうよう要請しました。そのほかにも、当協会独自の利用ガイドも策定し、「すぐに対応すべき用件の伝達にはメールではなくLINE WORKSを使う」、「お疲れさまですなどの挨拶文はできるだけ省略する」などを説明しました。

LINE WORKSが職員の方に浸透したきっかけはありますか。

茂木さん :

運用開始直後はLINE WORKSをあまり使っていない人も見受けられたので、掲示板を活用した利用方法の周知を継続して行いました。組織全体に対する掲示板の投稿通知は一斉に届くので、同じ場にいる職員どうしで利用方法を教えあう状況になることや、より略式的な利用の促進につなげる狙いがありました。また掲示版では、それまでメールで送信していた各種業務システムのリリース情報、障害情報を掲示板にアップすることにしました。ITインフラに発生した事象は検査員と事務職員双方にとって重要なので、LINE WORKSをこまめにチェックする習慣の一助となったのではないかと思います

 

システム障害など検査員にとって必須の情報を掲示板で発信しLINE WORKSの利用が促進された

LINE WORKSの具体的な利用シーンと導入効果をお聞かせください。

茂木さん :

総務本部が組織図に基づいたグループはあらかじめ用意しましたが、それ以外は各拠点や部門ごとなどプロジェクト単位のグループを自由に作成できるようにしています。その結果、スピーディに情報をやり取りしたいときの連絡ツールとしてあらゆる部門で活用されるようになり、コロナ禍の在宅勤務や直行直帰時の職員と事務所を結ぶコミュニケーション手段としても役立ちました。

事業本部でのLINE WORKSの活用方法について教えてください。

【タスク】検査員への連絡事項をタスクとして共有し進捗状況を管理
【トーク/グループ】課やチームへの伝達事項を一斉周知

 

村上さん :

検査員に取り次ぐべきお客さまからの問い合わせなどは、タスク機能で課ごとに共有・管理するようになりました。電話を受けた事務職員は、担当者と紐づくお客さま番号と用件を記して依頼しています。依頼から完了までの流れが一目瞭然です。

 

臼井さん :

メールや紙の伝言メモではできなかったタイムリーな情報共有ができ、「言った/言わない」のようなトラブルも回避でき、お客さまへの対応も以前よりずっと早くなっています

検査員への依頼をタスクで行い、依頼内容や進行状況を管理

 

村上さん :

用件の取り次ぎだけではなく、検査員への業務連絡も電話やメールで行っていたときよりも楽になりました。

臼井さん:

大人数の検査員が大規模な点検作業を行う際、以前は「今から停電を開始します」といった情報を管理者がそれぞれの持ち場に電話で伝えていましたが、今はトークで関係者に一斉に周知できています。

 

現場にいる検査員への業務連絡もトークでスムーズに伝達できる

人事部の採用業務ではLINE WORKSをどのように活用していますか。

【外部トーク連携】内定者のLINEと人事部のLINE WORKSで気軽に連絡が取り合える環境を整備

 

土屋さん :

内定者とのコミュニケーションを円滑にするため、採用業務専用のLINE WORKSアカウントを作成しました。私と野中がそのアカウントをシェアして、内定者のLINEと外部トーク連携でつながっています。2024年春卒業予定の内定者と顔合わせのために集まったとき、LINEでのやり取りを希望する人を募ったところ、約60名の内定者の多くが私たちのアカウントの友だち追加をしてくれました。

 

野中さん :

個人情報保護の観点から、内定者のグループを作成するのではなく、私どもと内定者の1対1のトークルームでやり取りをしています。提出された書類に誤記があった場合に、その箇所の写真を添付して本人に確認を取るといった作業が、これまでの連絡手段だったメールと比べて格段にスピードアップしました。LINEならフランクな雰囲気でやり取りできるので、学生の側も私たちに聞きたいことを気軽に問い合わせてくれます。既読がつくのも便利で、重要な通知を送ったあと未読のままの学生だけに電話をかけるといった対応が可能になりました。こうしたきめ細かなフォローによって、内定承諾率が高まることを期待しています。

 

内定者のLINEとつながってチャットならではの素早いコミュニケーションを実現

他にはどんな場面でLINE WORKSを活用されていますか。

【グループトーク】災害時の連絡手段としてBCP対策に活用

 

茂木さん :

災害発生時等の対応にあたる管理職メンバーのグループを作成し、毎年防災の日にこのグループを使って被害状況の報告訓練が行われるなど、BCP対策にも活用しています

 

災害対策用のグループを作成し、被災時でもスピーディな連絡ができるように整備

アルコール検知システムとLINE WORKSの連携もはかられたそうですね。

茂木さん :

一定台数以上の営業車を使う事業所での酒気帯びチェック義務化に向けた法改正がなされる以前から、当協会では作業現場へ車で移動する検査員に対して、簡易型検知器による検査を実施しています。しかし検査結果の記録は紙で行われるため、各拠点の全ドライバーのデータを集めて管理するのに大きな手間がかかっていました。アルコール反応が出た場合はそのことを通知するメールが管理者に自動的に送信されるのですが、受信者を1名しか設定できないという不都合もありました。

 

職員に貸与する携帯をスマホに更新したのを機に、アルコールチェックに関連する課題も解消するべく、パイ・アール社のスマホ連動型アルコール検知システムのアルキラーPlusを導入。LINE WORKSと連携させ、呼気から基準値以上の濃度のアルコールが検知されると、その情報が管理者のグループトークに一斉送信される仕組みを構築しました。通知を見たメンバーには既読がつき、管理者相互でメッセージを確認したかどうかが分かるので、チェック体制の強化につながっています。

 

連携テスト時の通知画面。アルコールを検知すると管理者のグループに通知が自動送信され、担当者が迅速に対応できる

アルキラーPlusとの連携の詳細はこちら

LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。

茂木さん :

私は現在、電気設備の点検などに用いる次世代保安業務システムの開発チームに所属していますが、そのシステムとLINE WORKSを連携させることで、個人あるいはグループ単位の点検スケジュールを計画・共有しやすくする仕組みをつくって欲しいという提案が事業本部から出されています。協会でスクラッチ開発したシステムはほかにもさまざまなものがあり、多くのシステムとの連携を図りたいと思っています。

 

野中さん :

内定者だけではなく、今後は就職説明会やインターンの参加者のLINEとも連携して、より多くの学生と活発なコミュニケーションができるようにしたいです。

 

村上さん :

当協会ではまだまだ紙文書が多く使われています。業務資料の電子化を進めてLINE WORKSで共有することで、ペーパーレス化を推進したいです。

 

 

【お話を伺った方】

茂木 梨絵さん

企画本部で次世代保安業務システムの開発を担当。以前は総務本部に所属し、LINE WORKSの導入推進と運用管理に携わった。

 

土屋 雅士さん

総務本部 人事部 主任業務員として、新卒採用関連業務のほか入社直後の若手職員のフォローアップなども担当している。

 

野中 菜央さん

事業本部勤務を経て、2023年7月に総務本部 人事部に異動。新卒採用業務を担当する。

 

村上 実貴子さん

東京南事業本部 業務部 課長として、現場での点検作業などをする検査員のサポートや事業本部の管理部門の業務を行う。

 

臼井 勇祐さん

2023年7月に東京南事業本部から東京北事業本部に異動。労務関連の業務をメインに行っている。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年7月当時のものです。