富国生命保険相互会社
2025-01-31
業種
金融・保険
目的・効果
従業員間の連絡 支店・店舗との連絡 非対面接客・営業 コンプライアンス・セキュリティ LINEとの連絡 連携ツール 会議・朝礼 予定の見える化
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
カレンダー
アンケート
メール
お話を伺った方
総務部長 (当時:営業企画部 部長) 吉本 剛さん
  営業企画部 マーケティング推進グループ 課長 小出 陽平さん
  事業企画部 デジタルイノベーション推進グループ 調査役 斉藤 実香さん
  業務部FPトレーナー (当時:首都圏マーケット推進室 チーフマネージャー)
瀬戸 悠未さん   営業企画部 マーケティング推進G
主任 山科 志博さん  
大分支社 中津営業所 マネージャー 新田 まりあさん
ホームページ 事例ダウンロード

お客さまのLINEとつながりコミュニケーションが円滑に!親密な関係構築に役立てつつ、LINE WORKSで営業活動の効率アップも実現。

全国に469(2024年3月時点)の営業所を設ける富国生命保険相互会社は、営業所内でのスムーズなコミュニケーションと、お客さまのLINEとセキュアにつながって営業活動を活性化する目的で、LINE WORKSを導入しました。お客さまとの連絡手段を電話やメール、SMSから、LINE WORKSのトークに置き換えたことで、メッセージの開封率が上がっただけでなくお客さまの本音も聞き出せるように。社内では、これまで各システムで個別に管理していたメールや掲示板ツールなどをLINE WORKSに一本化することで、運用管理にかかる負担やコストも軽減しています。

 

本事例のポイント
  • 営業担当者がお客さまのLINEとつながりスムーズにコミュニケーション
  • 営業所内でのアポイント予定が可視化され、モチベーションアップに貢献
  • 複数分散していたコミュニケーションツールを一本化して運用・管理の負担を軽減

御社の事業についてご紹介ください。

小出さん :

1923年に設立された当社は、創業時から株主のいない相互会社形態を堅持している日本で唯一の保険会社です。発足当時からご契約者本位の商品やサービスの提供に徹し、現在も「お客さま満足度No.1の生保会社となる」を長期経営ビジョンに掲げています。お客さまとのコミュニケーションはFace to Faceを重視していますが、同時にデジタルを活用したお客さまの利便性向上も追求。ご相談には対面で真摯かつ丁寧にお応えしつつ、お客さまの要望に応じてデジタルツールも有効活用するなど、ハイブリッド型の営業を目指しています。

これまでどのような課題を抱えていましたか。

吉本さん :

当社は全国に62の支社を設けており、各支社の配下には469の営業所があって、そこに所属するお客さまアドバイザー(以下、アドバイザー)と呼ばれる営業担当者がお客さまへの生命保険の募集とアフターサービスを行っています。アドバイザーへ向けた本部からの伝達にはメールやインフォメーションアプリが、営業所内での業務連絡には電話や各種SMSなどが主に利用されていましたが、いずれも迅速かつ確実な伝達や意思疎通ができていませんでした。

 

左:小出さん・右:吉本さん

 

新田さん :

これまでお客さまとは電話やSMSを通して連絡していましたが、タイムリーにコミュニケーションを取れないという悩みがありました。電話はタイミングが合わないと要件が伝えられませんし、SMSはメッセージを確認してもらえたかが分かりません。次の提案に進みづらく円滑に営業活動ができていたとは言えませんでした。

 

新田さん

 

課題解決の手段としてLINE WORKSを選定された経緯をお聞かせください。また、運用に向けてどのような準備をされましたか。

吉本さん :

コロナ禍で在宅勤務が増えたことを受けて、まずは営業所内でのコミュニケーション手段としてビジネスチャットツールの導入を検討しました。せっかく導入するのであれば、営業所内だけではなく、同じくコロナ禍にいるお客さまともスムーズに連絡を取れる手段としても活用したいと考えました。そのような観点から、ほとんどのお客さまが利用されているLINEとセキュアにつながってやりとりができるLINE WORKSを導入しました。

 

山科さん :

まずはアドバイザーと営業所長にアカウントを付与し、その後支社と本社の一部に利用を拡大しました。現在は全国約1万1,000名の社員にアカウントを付与しており、営業所長など各拠点における管理責任者は会社が貸与しているスマホで、アドバイザーはBYOD※1のスマホで利用しています。

 

LINE WORKSの使い方は、営業所長向けのオンライン説明会を開催してアドバイザーにも情報共有するよう促したり、操作マニュアルを作成したりしてレクチャーしました。

 

※1:BYODとは、従業員が個人で所有する端末を業務で利用すること。

 

斉藤さん :

導入時にプレミアムサポートプランに加入してサポートを受け、設定項目のパラメータシートなどを作成してもらえたので初期設定に苦労することはありませんでした。運用に関しては、個人情報や機密情報の漏えいを防ぐために写真を含む添付ファイルを社外に送信できないようにするなどの対策を講じました。

 

左:山科さん・右:斉藤さん

LINE WORKSの活用によって、お客さまとのコミュニケーションはどのように促進されましたか?

・お客さまのLINEとつながってよりスムーズかつ親密なコミュニケーションを実現
・トークからデータリンクを送付できる仕組みを構築して資料印刷・郵送の手間と費用を削減
・郵送時間の削減により、タイムリーな資料提供を実現

 

新田さん :

コロナ禍で在宅勤務をスタートした時期に運用を開始したので、まずは営業所内での連絡ツールとして利用し、スムーズにメッセージを伝え合える利便性を実感しました。

 

その後はお客さまのLINEとの連絡手段としても活用するようになりました。お客さまの中には電話がかかってくるタイミングを気にされていた方もいたようで、「会社公式のLINEができました」とご案内すると、とても多くのお客さまが外部トーク連携でつながることを快諾してもらえました。初対面のお客さまにはセキュリティ上、安全にやりとりできることをご説明したうえで、名刺に印刷されていたり、ネームホルダーの裏面に貼り付けているQR コードを読み取っていただいたりすることで、友だち登録してもらっています。

 

お客さまのLINEとつながってからは電話のタイミングが合わずに苦労することがなくなって、トークでの商談のリマインドの連絡が確実になり、営業所が開催するイベントなどのご案内も手軽にできるようになりました。

 

トークでお客さまとの連絡のやりとりもスムーズにでき、営業活動が円滑に

 

対面や電話では直接言いづらいこともトークならお話ししてもらえることが多く、お客さまの本音をつかみやすくなりましたし、やわらかく気持ちを伝えられるスタンプも使いながら、お客さまとの距離を一層近づけられたように感じています。

 

敬語のスタンプを使い、やわらかい雰囲気でコミュニケーション

 

瀬戸さん :

LINE WORKSでとくに便利なのは既読が分かることです。営業所に勤務していたときは、お客さまの既読がつく時間帯で電話に出てもらいやすいタイミングを図り、メッセージが何日も未読のままなら意図的に見ないようにされている可能性が高いと判断するなど、既読・未読を営業活動に有用な判断材料にもしていました。

 

瀬戸さん

 

さらに、商談に応じてくださったお客さまには、お礼にコンビニなどで利用できるeギフトをお送りすることがありました。移動時間などを活用して手軽にコミュニケーションが取れるのも、LINE WORKSのメリットです。

 

感謝の気持ちを伝えながら、eギフトもトークから簡単送信

お客さまへの資料送付もLINE WORKSをとおして行っているそうですね。

新田さん :

お客さまの保険内容を詳しく記す保険設計書やパンフレットなどの資料は、コロナ禍で手渡しが困難になってから郵送していましたが、やりとりをスムーズにするために資料の電子的送付システムが構築されました。システムをとおして生成されたリンクはトークから送信できる仕組みになっているので、アドバイザー側の作業は効率的になりますし、お客さま側はスマホから手軽に保険設計書を確認できるようになりました。

 

資料のデータリンクはトークで送信でき、資料送付作業の負担が軽減。

 

瀬戸さん :

資料の電子的送付システムとLINE WORKSを利用するようになってから、印刷・郵送にかかる費用はおそらく2割ほど削減できており、コストのみならずペーパーレスにもつながりました。ほかにも、データリンクはメールやSMSからも送信することがありますが、フコク生命のアドバイザーから送付されたというのが分かりにくく、スパムだと勘違いされ開封されない懸念もありました。しかしLINE WORKSをとおしてお客さまのLINEへデータリンクを送信する方が、ほかのメールやSMSに比べて開封率も高いように感じます。

 

小出さん :

セキュリティに配慮してアドバイザーから画像を送れないように設定していますが、お客さまから画像を受信することは可能です。お客さまが加入している保険の情報を画像で簡単に共有してもらえるので、よりスムーズにお客さまのニーズにあった提案がしやすくなりました。加入されている保険の内容を電話で説明してもらったり、資料を印刷して郵送してもらったりするお客さま側の手間を省くことにもつながっています。

メンバーの営業管理にもLINE WORKSをご活用されていたとおうかがいしました。

瀬戸さん :

営業所ではアドバイザーを束ねるグループリーダーを務めており、メンバーの管理にLINE WORKSを活用していました。とくに重宝したのがグループカレンダーです。メンバー全員の毎日の行動予定を可視化できるので、スケジュール管理はもちろん、「あの人がこんなにアポイントを取っているのだから自分ももっと頑張ろう」と、モチベーションアップの効果もありました

 

以前は紙のみで管理していたのですが、LINE WORKSを活用するようになってからはメンバーの案件の進捗が気になったときにお客さまの名前を検索すれば状況がすぐに分かるようになるなど、かなり管理がしやすくなりました。

 

グループカレンダーでメンバーの予定を共有することで、活動状況がひと目で分かる

ほかにLINE WORKSのどのような機能をよく利用されていますか。

【メール】従来のメールサービスから移行して運用コストを削減
【掲示板】支社や営業所向けの重要な通知を素早く周知

 

斉藤さん :

以前利用していたメールサービスには通知機能がなかったため、メールを確認する頻度はそこまで高くなく、しっかり社内に情報伝達ができているか不明なのが課題でした。そこで既存のメールサービスの更改時期を迎えたのを機に、LINE WORKSでメール機能も利用できるアドバンストプランにグレードアップしました。メールでのやりとりを希望されるお客さまも一定数いるので、アドバイザーにドメインを付与してLINE WORKSメールを使ってもらっています。

 

小出さん :

社長からのメッセージや事務関連のお知らせなど、重要な伝達事項については掲示板で発信しています。以前は通知用のインフォメーションアプリを導入していましたが、あまり活用が進んでいませんでした。LINE WORKSの掲示板を使うにようになってからは、既読率がインフォメーションアプリの約5倍にアップ。スピーディに情報共有でき、既読機能やプッシュ通知があるので周知徹底につながっています。

 

本部からの重要なお知らせは掲示板で発信。周知の速度と既読率が大幅にアップ

 

斉藤さん :

これまで電話、メール、スケジューラ、掲示板……とそれぞれ個別に複数のツールを導入していましたが、全ての機能を備えたLINE WORKSを導入することで、コミュニケーションを一元化することができました。利用する社員にとって使い勝手が良いだけではなく、管理者の負担やITツールの運用コストも大幅にカットされています。

LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。

山科さん :

管理者機能でアドバイザーの活動を分析すれば、成績の良いアドバイザーのノウハウを共有して、全体のパフォーマンスレベルを向上できる可能性があります。今後はコミュニケーションの効率化だけではなく、営業パフォーマンスの底上げにもLINE WORKSを活用していきたいです。

 

吉本さん :

LINE WORKSは、各営業所においてそれぞれのやり方で工夫して活用されるようになってきています。本部ではアドバイザーの活用事例をキャッチアップして全社展開することで、営業活動をさらに活性化できればと考えています。

 

 

【お話を伺った方】

吉本 剛さん

総務部長。以前はLINE WORKSなどのデジタルツール導入を主導していた。

 

小出 陽平さん

LINE WORKSなどデジタルツールの導入推進に携わり、営業現場での運用責任者を務めている。

 

斉藤 実香さん

事務企画部に所属し、新規システム導入の検討時にシステム面での導入の企画・支援を担当。

 

山科 志博さん

営業現場におけるデジタルツールの導入や活用推進に向けた施策検討を担当。

 

瀬戸 悠未さん

営業所勤務を経て業務部に異動し、FP(ファイナンシャルプランナー)トレーナーとして研修などを担当。

 

新田 まりあさん

中津営業所で個人営業を担当。2024年5月より育成マネージャーを兼務している。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2024年5月当時のものです。