【連携ツール】
介護保険を利用した福祉用具のレンタル・販売と住宅改修事業、福祉用具に特化したコンサルティングなどを手がけるイーライフ株式会社。神奈川県を中心に4ヶ所の支店を持ち、創業5年目でありながら介護業界で急成長の企業です。社員間の情報共有をスムーズにするためにLINE WORKSを導入した同社は、さまざまな連携ツールを活用することで業務生産性と社員のモチベーションを高め、社員の働きやすい環境を実現しています。同社の皆さんに具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。
本事例のポイント
- 全社の連携体制を構築して顧客への対応力を強化
- クラウドストレージと併用し共有が簡便に
- 評価システムをサンクスカードのように利用して社員のモチベーションを向上
操作性とコストパフォーマンスを評価してLINE WORKSを採用
2016年の創業時より、働きやすい職場環境を構築するために業務生産性の向上を追及してきたE-LIFE株式会社は、需要の拡大に伴い昨年12月には4支店目となる湘南営業所を開設。同社にとっての大きな課題は、社員間の業務連絡が主に電話で行われており、スピーディな情報共有をできないことでした。介護用ベッドや車椅子などの緊急納品の依頼が、営業所へ頻繁に寄せられますが、営業担当者が出先にいる場合、すぐに連絡が取れず、対応の可否をお客様に即答することができません。また、すぐに担当者と電話がつながっても、口頭による連絡では言い間違いや聞き間違いが発生しがちでした。
「そうした課題を解消するには、社員間の意思疎通をスムーズにするコミュニケーションツールの導入が必要不可欠でした。LINE WORKSに注目したのは、チャットだけではなくカレンダーやアンケートなど多くの機能が1つのアプリケーションに集約されていて、コストパフォーマンスに優れていると感じたからです。また、当社はお客様の個人情報を大量に扱うので、トークログを監査できたり、遠隔からアプリ削除や初期化などができるモバイルデバイス管理(MDM)が実装されていたりといったセキュリティ性の高さにも惹かれました。複数のツールを比較検討した社員から、使い勝手が最もよさそうだと評価されたのもLINE WORKSでした」(篠本さん)
それに加えて、さまざまな業務システムとの連携性が高いこと、LINEに操作性が近いLINE WORKSを社内のオフィシャルのコミュニケーションツールにすれば、人材募集時に若いターゲットへの訴求ポイントとなることなどにも期待。こうして同社は、2019年3月にLINE WORKSの運用を開始しました。
「当社は年功序列でなく成果主義の企業です。若い世代を積極的に採用していますが、入社後にコミュニケーションツールの操作で迷わずに済むところも導入のポイントでした」(篠本さん)
トークグループの活用で重要な情報をリアルタイムに伝達
重要な情報を迅速に共有するため、同社は1対1のトークだけではなく、1対多のトークグループも積極的に活用。介護用品の即納ニーズに応えるために作成されたのが、「緊急」と題されたトークグループです。
「その日の夕方までに介護用ベッドを納品してほしいといった要望があった場合に、電話で依頼を受けた事務担当者がその情報を速やかに発信。対応可能な社員が手を挙げることで、至急の案件にも確実に対処できるようになりました。この業界では午前に依頼されてその日の夕方に納品できれば速い方ですが、LINE WORKS導入後の当社は最速で1~2時間でお届けできています。初めてお問い合わせをいただくケアマネジャー様からは、どこよりも早いと評判を聞いたとの声も増えるようになりました」(田中さん)
同じくトークグループの「社長連絡」では、法改正に関する注意事項などが喚起されるほか、篠本社長のそのときどきの思い、方向性や方針も全社員に向けて発信されています。
「新入社員が入社したときも、指導者は過去の私の発信をさかのぼって会社の理念や方針を伝えることで、いち早く会社の考え方に近づけることができています」(篠本さん)
一方、社員どうしのコミュニケーション醸成には「つぶやき自慢」と名づけられたトークグループを活用。自身の業務上の成果を披露して、それを見た人が「いいね!」という気持ちを表現するスタンプを送信することで、社員どうしが称え合う企業風土の醸成に役立てています。このように社員が顔を合わせない環境の中でも、お互いをもりたてるしくみやしかけが多数あります。
また、「クレームトラブル報告」や「ひやりはっと事例」などもトークグループで共有。お客様に直接関わるうえで迅速さが求められる情報を即座に共有して、是正処置や再発防止のスピードも重視しています。
「業務知識の浅い新入社員がわからないことは、先輩社員へ気軽にトークで質問できるようになりました。LINE WORKSによってお客様への対応が迅速になっただけではなく、社内のチームワークを強化することにもつながっています」(篠本さん)
チームカレンダーを営業所のモニタに映し、社員の行動予定を見える化
グループトーク以外で、同社が日々活用している機能がLINE WORKSのカレンダーです。日中の営業所内、事務社員以外の社員は、ほぼ外出している状態です。それぞれの行動が見えなくなるので、各自が行動予定をLINE WORKSのカレンダーに登録して、チーム全体に共有しています。定例の会議で行動予定を俯瞰できることで、移動先から近い案件を割り当てたいときに該当住所に一番近い社員がすぐに分かるので、効率的にスケジューリングできます。また、営業所に急な対応案件が入って来た場合に、事務社員が対応可能な社員を瞬時に確認することにも役立てています。
「お客様から電話があった際も、その場で営業のスケジュールを伝えることができるようになり、早急な判断が事務側も可能になりました」(杉本さん)
また、同社は働き方改革の一貫として、創業時から社員に自宅用PCやプリンターの貸与や、営業社員には社用車を支給するなどといった直行直帰運用や在宅ワークを推奨していますが、LINE WORKSの導入によってそれが加速しました。コロナ禍で在宅ワークが求められるようになってもまったく慌てることなく、業務への悪影響や業績が落ちることもなかったといいます。
社外でも業務データを閲覧できる環境を整備
ケアマネージャーが作成した介護サービス計画書をはじめ、多種かつ大量の紙書類を扱わなければならないことも、同社の業務効率を阻害する一因となっていました。その課題を解消するために導入されたのが、LINE WORKSと連携したオンラインストレージサービスの「Dropbox Business」でした。ケアマネージャーからFAXまたは郵便で送信された介護サービス計画書をPDFにして「Dropbox Business」に保管。「Dropbox Business」の共有リンクをLINE WORKSのトークで送信できるようになったことで、社外にいる営業社員や在宅ワークをする社員などが、いつどこにいても業務データを閲覧できるようになりました。
「以前は営業社員が書類を閲覧するためだけにわざわざ帰社したり、事務担当者に確認の電話をかけたりしていました。LINE WORKSと『Dropbox Business』を併用するようになってからはそういった煩わしさは解消し、私も営業社員からの問い合わせによって自分の業務を中断させられることがなくなりました」(杉本さん)
「多くの書類をデジタル化して保管するようになったことで、毎月数千枚にも上っていた紙の使用量が約7割も削減できました。紙の書類は保管場所を探すのに手間取りますが、デジタル化された書類は瞬時に検索でき、そのことも業務生産性の向上に貢献してくれています」(篠本さん)
クラウド人事評価システムの利用で社員のモチベーションをアップ
働きやすい環境づくりを大切にしている同社は、社員の「よい行動」を他の社員が評価してお互いのモチベーションを引き出すために、クラウド人事評価システム「評価ポイント with LINE WORKS」(以下、評価ポイント)を導入しました。全社員に毎月3000ポイントが自動で支給され、他の社員の行動を称賛したり感謝の気持ちを伝えたいときに使っています。社員は任意のポイント数を対象社員に付与し、具体的な評価内容をLINE WORKSのトークに投稿する仕組みです。「評価ポイント」の基本機能では評価した対象者のみにメッセージが発信されますが、評価した社員・評価された社員をオープンにしたいと考えた同社は、連携機能をカスタマイズすることで、評価内容が全社員の属するトークグループに発信される仕組みを構築しています。
「『その行動は他の社員の助けになっているのだ』ということを全社員が認識できるようにすることが重要だと思います。『評価ポイント』を多く獲得した社員や3000ポイントを使い切った社員は、毎月の全体会議で表彰しています。営業社員の売上のようには可視化できない事務担当者の働きも、他のメンバーによって評価されることで全体の風土もよくなりました。社員どうしの良いところを互いに見つけ、更に個々の強みを伸ばしていく企業でありたいと思っています。私の役目は、社員が働きやすい環境を常に考えていかないといけないということです」(篠本さん)
介護関連業界の労働環境はIT化で改善できる
LINE WORKSや連携ツールを活用することで、業務情報の共有やコミュニケーションの速度と密度を高めた結果、以前は1人あたり月約30時間だった残業時間が10時間程度に削減。同時に、お互いに協力し合う社員のマインドが強まったことについても、働く風土を大切にしている篠本さんは大いに満足していると語ります。
「一般に『介護関連業界の労働環境はきつい』というイメージがありますが、成長マーケットであり人の役に立てる魅力ある業界です。ITをうまく推進すれば働く人の負担を減らすことは可能で、LINE WORKSをはじめとしたIT活用によってテレワーク等の柔軟な働き方や業務の効率が業界内にも知られるようになりました。特に、求人において同業他社を中心に毎月2〜3名の応募がある一方、全国の同業者からも参考にさせて欲しいという問い合わせも増加しています。今後は取引先やケアマネージャーとの連絡などにもLINE WORKSを利用し、自社のみならず業界全体の労働環境向上に貢献していきたいと考えています」(篠本さん)
お話を伺った方
篠本 高基さん
同業他社での18年間の勤務を経て、2016年にE-LIFE株式会社を設立。
田中 洸平さん
福祉用具専門相談員としての知識と経験を活かしつつ、横浜瀬谷営業所長を務める。
杉本 美和さん
作業療法士として病院に勤務後、福祉用具に関心を抱いてE-LIFEに入社。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年12月当時のものです。
【資料公開】介護・福祉事業者向けLINE WORKS導入事例集
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