宮崎県宮崎市にある岡﨑組は、昭和28年創業し、建設事業・生コン事業の事業を柱に事業を展開しています。LINEを使用したコミュニケーションにコンプライアンス上のリスクを感じ、全社員にLINE WORKSを導入。PC、スマホ、タブレットと社員の業務に合った最適なデバイスでLINE WORKSを活用し、社員間の情報共有が確実になるとともに会社からの通達へのレスポンスも早くなりました。
本事例のポイント
- 安全行動を促す注意喚起を確実に伝えるために「既読」を重要視
- 災害発生や発注変更に応じた作業変更をタイムリーに指示
- 満足度調査の回答をbotで効率化、メイン業務への負担を軽減
御社の事業についてご紹介ください。
宮浦さん :
当社は主に建設事業部と生コン事業部、私が所属する管理部に分かれています。建設事業部では主に道路や橋、トンネルといった土木構造物の建設を行っています。生コン事業部は、土木構造物を作るために必要なコンクリートを製造出荷しています。近年では老朽化する橋やトンネル等のコンクリート構造物を調査点検し、補修に役立つ技術や材料の提案業務も行います。
社員は20〜30代も多く、熟練者ではないため経験値や知識が不足しがちですが、ITツールを積極的に活用することで、不足を補いながら高品質な成果を上げるというスタイルで日々の業務を行っています。
以前はどんな課題を抱えておられましたか。
岩本さん :
もともと導入していたCRMツールにチャット機能が備わっており、以前はそれを使っていたのですが、全社員に浸透しませんでした。メッセージを受信した側が「いいね」を押してくれれば見たことがわかりますが、それをしないと見てくれたかどうかわからず、結局電話して確認するといったことも多くありました。
宮浦さん :
そのうち使い勝手の良さから、会社支給のスマホに個人向けのLINEをインストールして社員どうしでグループを作って使われていたことがわかりました。しかし、会社支給のスマホは社員の一部にしか貸与していませんので、貸与されていない社員はプライベートで利用している個人のLINEアカウントを使ってLINEグループに入らざるを得ない状況でした。LINEは会社で管理することができないため、社員が退職してもLINEグループからは強制的に抜けさせることができず、退職者が残ったまま仕事の会話が継続してしまうといった管理面でのリスクも懸念されました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれたのはなぜですか。
岩本さん :
会社でアカウントが管理できることと、社員が使いこなせることを重要視しました。この業界は、ITに明るくない社員が多く、私たち管理部門も日々さまざまな業務を担当しながら運用をしています。そのため、利用する側と、運用・管理する側の双方にとって使いやすいことが重要でした。LINE WORKSは、LINEと使い勝手が似ているため、わざわざ操作説明をする必要もなく移行してくれると考えました。管理面も試してみて、使いやすいと感じました。
宮浦さん :
仕様の部分で最も重要視したのは既読確認でした。LINE WORKSは個人単位で既読と未読がわかります。テキストで残すことが、送ったというエビデンスになるとしたら、既読は、読んだというエビデンスになります。
既読確認の重要性について教えて下さい。
宮浦さん :
建設業は安全が最優先、常に危険と隣り合わせで人命に直接影響がある仕事です。労働災害につながる不安全行動を防ぎ、現場の安全を確保するためのKY活動(危険予知活動)が非常に重要です。安全行動については当然口頭でも伝えますが、一方通行になりがちで相手に伝わってないこともあります。その点でLINE WORKSの既読機能にはとても価値がありました。伝達事項をしっかり見て、理解することが安全行動につながります。突風が吹くといった予知できない危険も含めて、先輩たちが経験したヒヤリハットをLINE WORKSでは直接伝えることができます。安全行動に向けた意識を高めるための活動として極めて重要なことです。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
宮浦さん :
言いました、聞いていないといった無駄なやりとりが排除されました。そのひと手間がなくなるだけで、会話の本題に入れるスピードが格段に上がったと思います。
災害や有事の際には対策本部が立ち上がりますが、連絡手段にLINE WORKSを使用することがBCP対策のガイドラインに明記されています。実際に、2020年7月に台風が接近したときには、昼夜問わずLINE WORKSでやりとりが発生しました。
台風接近時は管理部から全従業員に向けて注意喚起を発信
県や国からのパトロール依頼に基づき、河川や道路等の安全確認を行い、いち早くかつ正確に報告をするために、LINE WORKSの災害対策グループで、パトロールしている社員から異常がないかをリアルタイムに報告し合い、共有しています。
後藤さん :
私は外にいることが多いので、事務所に取引先から電話がかかってきたときは、電話を受けた社員がLINE WORKSのトークでそのことを伝えてくれます。電話だと出られないことも多いので、トークで送っておいてくれれば手が空いたタイミングで内容を確認できて助かります。
また、品質管理課とはグループトークで頻繁に連絡をとっています。生コンクリートの製造出荷過程において品質管理の試験や検査が数回ありますが、例えば、出荷するコンクリートの量が100㎥から150㎥に変更になると、試験が増えるので、そういった連絡や確認をタイムリーに行っています。
台風などの不測の事態によって建設工事が中断になったりすると、生コンクリートの出荷も中止になり急遽、休みになることもありますので、そうようなときの周知にも活用されています。
他の社員の反応は、いかがですか。
岩本さん :
あるパートの女性から、「LINE WORKS導入前は、プライベートのLINEアカウントを教えなければいけなかったけど、その必要がなくなったので良かった」と言われたことがあります。導入前にそのような意見を聴いたことはありませんでしたが、やはり仕事で個人のLINEを教えることに抵抗があったのだと思います。安心して働ける職場づくりにも役立っているのかもしれません。
活用しているLINE WORKSの機能は他にありますか?
宮浦さん :
アンケートとホーム(掲示板)は便利に使っています。企画課から様々なマニュアルを作成して社員に展開しているのですが、それをホームに投稿して全社員に周知するだけなので、マニュアルの回覧は大変楽になりました。
岩本さん :
アンケートは、全社員に向けに、台風などの災害時の安否確認、インフルエンザの予防接種や半年に1回開催しているボランティア活動の出欠確認に使います。また、社内会議では管理職は必須参加なので、管理職全員が出席できる日程をアンケートで確認して会議の開催日を決めるといったことに使っています。
後藤さん :
私は、アンケートは回答する側ですが、社内行事や会議の出欠を選択するだけなのでどこにいても簡単に回答できるので便利です。
台風接近時の安否確認や予防接種の受診可否をアンケートで簡便に回収
岩本さん :
LINE WORKS導入前は、Excelの表で作った回答用紙を印刷して回覧させていました。当時と比べると回答は格段に速くなり作成・集計側も回答側も業務効率化につながっていると思います。
宮浦さん :
管理部ではカレンダーも活用しています。会議予定は登録者が参加者に共有してくれるので、自分の予定表に会議予定が自動でスケジュールされます。最初は慣れませんでしたが、わざわざ自分で予定を登録しなくて済みますし、会議の直前にリマインドもされるので非常に便利です。予定を忘れることがなくなりましたね。
後藤さん :
管理部に連絡するときはカレンダーで予定を確認してから電話しています。会議や来客対応の予定が入っていることがあらかじめわかるので、不用意に電話をかけずに済んでいます。
API連携を活用して社員満足度調査をされているようですね。
岩本さん :
3ヶ月に1回、従業員エンゲージメント調査のために「wevox」を利用しており、LINE WORKSのAPIで連携して回答を収集しています。
宮浦さん :
全社員に「やってください」と告知することは重要なのですが、告知そのものに労力を費やすのは非生産的だと感じていました。LINE WORKSと連携すれば、各社員の手元に通知がいくので告知の手間がなくなると考えました。また、LINE WORKSの通知からそのまま回答ができれば、わざわざメールを開いてリンクをクリックしてアクセスする必要がなくなるので、回答する社員の手間も軽減できると考えました。
後藤さん :
質問がLINE WORKSのトークbotから自動で送られて、回答を選ぶだけで完了するので、当初はLINE WORKSと別サービスだと気づきませんでした。wevoxはメールでも配信されますが、メールは朝と昼くらいしか見ませんし、2日もしたら埋もれてしまいます。メールだけで配信されていたら、間違いなく回答率は低くなっていたと思います。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
宮浦さん :
今後は、タスク管理とチームカレンダーを活用していきたいと思っています。新しい仕事が発生したとき、メンバーそれぞれの業務量を把握できていれば、誰に割り振れば効率的に業務が回るか適切な判断ができると考えています。
岩本さん :
bot機能をもっと活用したいと思います。マニュアルや、システムの使い方や申請関連の方法など、使いたいときにすぐに探せない不便さがあります。社内QAチャットボットが活用できれば社員はどこにいても気軽に問い合わせて回答を得ることができるので、不便さも解決されるのではと思っています。
後藤さん :
現在、トラックアジテータのドライバーは社外でLINE WORKSが使えない状況です。しかし、実際にはドライバーが出発してから、通れない道の注意喚起や止めてはいけない場所をお知らせするような事態があります。そういったときに、LINE WORKSで目印や現場の写真を撮り合うことができればより便利になると思います。
お話を伺った方
管理部 企画課 課長 宮浦 盟さん
管理部 企画課 岩本 剛宏さん
生コン事業部 業務課 後藤 優太朗さん
※掲載している内容、所属やお役職は取材当時のものです。
wevox …ワークエンゲージメント・従業員エンゲージメントの可視化からデータとAIで改善サイクルを生み出すエンゲージメントサーベイ。