仕事を整理して心機一転!業務棚卸の基本を押さえよう

2017.10.06


気づけば自分だけでなく、チームの全員に仕事が多すぎてみんなヘトヘトに……。そんな経験をお持ちの方もいるかもしれません。常態化していなくとも、年末にはこういった状況が生まれやすいものです。今回は、元気なチーム作りに役立つ業務棚卸のコツ、そしてここで活躍するグループウェアについてご紹介します。
 

業務棚卸をする理由と基本的なステップ

冒頭で紹介したようなメンバーの業務量が多すぎる場合だけでなく、もっと仕事をスピーディに進めたいといったケースでも、業務棚卸は一定の力を発揮します。その名の通り、今行われているすべての仕事を洗い出すので、チームで実施すると同じような内容の仕事を複数の人が担当していたり、アウトプットにつながっていないムダなデータの作成が明らかになったりするからです。チームのリーダーとしても、各メンバーが「なぜ」「どんなことで」忙しいのか、把握が容易になります。
業務棚卸のオーソドックスなステップとして、産業能率大学総合研究所は以下のようなものを紹介しています。
 

  1. 準備段階として各メンバーが個人の業務を洗い出し
  2. 複数人(チーム全体)で結果を共有、ブレインストーミング
  3. 範囲とアウトプットを確認しながら整理

 
同研究所が発表している記事では、分類の先にもさまざまな検討・分析段階を加えて効率的な新しい業務プロセスを生み出すことが紹介されており、非常に興味深いものですが、業務棚卸のステップでは次の3つの目的があるとしています。
 

  • 不要な業務の発見
  • 本来実施すべき業務の特定
  • 内部にノウハウを蓄積すべき業務の発見

 
まず、大切なのは目的がなかったりアウトプットが重複していたり、または他部門の担当範囲だったりという「やらなくてもよい」仕事を洗い出し、自分たちのチームが「本当にやるべき」仕事を見極めるということ。
さらに注目したいのが、ノウハウを蓄積すべき業務の発見を挙げていることです。ここに注目するということは、チームの付加価値向上にもつながってくるのです(「アウトソースできない」ことはチームだけでなく、場合によっては企業そのものの差別化できるスキルだからです)。
 

実施時に注意したいポイント

実施にあたっては、業務棚卸表に落とし込む必要があります。インターネットを検索すればさまざまなフォーマットが見つかりますが、一般的には大・中・小の業務単位の分類があるもの、業務量、発生頻度、改善の要点(または概要)が含まれているものがよく使われているようです。
また、業務をすべて洗い出すだけなので簡単そうに見えるのですが、いくつか注意すべきポイントがあります。
 
単なる箇条書きで終わってしまう
案外よくある失敗例です。箇条書きにしたものの「まあ全部重要だからな……」といった感想で終わってしまうもの。「ムダを必ずなくす!」という意識を持って、正しい分類・優先順位づけをしていきましょう。
 
挙げられた業務の単位が不統一
例えば、「来期予算策定」「見積書作成」などのように、業務単位が正しく統一されていないものを指します。これらは一見、問題がないように見えてしまいますが、例えば、「来期予算策定」は他部門を巻き込んださまざまなプロセスや細かな業務を経て策定されるはずです。営業部門の見積書作成、といったケースでも同様です。すべての業務の単位を統一し、分類していくことが業務棚卸成功のカギです。
 
業務の名称が不統一
複数人が集まるため、同じものを違う名前で呼んでいることもよく見られます。例えば、Aさんが「仕様書作成」としていたプロセスを、Bさんは「チェックリスト提出」と呼んでいたのケース。そのままにしておいては、本来は同じ業務がまったく別個に扱われてしまいます。たかが名前ですが、登場する項目の名称を統一することも、正しい分類の秘訣です。

 

グループウェアによる情報共有も業務効率化に貢献

ここまでで紹介した業務棚卸による大きな効果のひとつは、仕事を「見える化」してよりやりやすくする、ということです。実はこの改善には、社内での情報共有を日常的に行うことも有効です。
 
社内での情報共有に便利なのが、グループウェアです。例えば、To Do管理機能やカレンダー機能などでタスクを関係者に共有しながらプロジェクトを進めていれば、どの担当者が何を担当しているかということだけでなく、その進捗もリアルタイムで把握できます。こうした共有を増やすことによって、作業重複をより減らしていくことが可能です。また、複数のプロジェクトの進捗状況がわかることは、各メンバーが普段の仕事の優先順位をつけることに役立ちます。
 
加えて、最近のグループウェアはトーク機能も備えている場合もあり、社内コミュニケーションをより活性化させます。1人が担当する業務について、ほかのメンバーとコミュニケーションが多くなれば、先に挙げた「名称の不一致」のようなメンバー間の意識の差を埋める効果もあるかもしれません。普段からこのようなタイムリーな情報共有と活発なコミュニケーションができれば、業務棚卸が目指していることが実現できるでしょう。
 
適切な業務棚卸を行えば、仕事がはかどるだけではなく、チームの成長にもつながります。業務棚卸で「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、「デキる」チームを作っていきましょう!
 
参考:
現場単位での業務効率化活動の進め方【第2回 業務効率化を実現する8つのステップと現場管理職・人事部門の役割】 | 産業能率大学総合研究所
第4回「プロが教える業務の棚卸(前編)」 | 業務可視化Note

  • ※ 本掲載記事の内容は投稿当時の情報となり、2022年4月1日に改定された新料金プランとは一部異なる内容を含む場合があります。