24時間稼働の運送現場を、遠隔から見守る『LINE WORKS Vision』で支える安全管理と管理者負担の軽減

東京都江東区を拠点に、イベント関連の輸送や倉庫事業を展開するサイショウ.エクスプレス株式会社。24時間稼働する同社では、深夜帯や休日にもドライバーの出入りが発生するため、現場の安全を守りながら、管理者の負担をいかに軽減するかが重要なテーマとなっていました。新社屋の竣工に合わせて導入した「LINE WORKS Vision」により、スマホやPCから必要なときに現場の状況を確認できる体制を整え、万が一に備えた安全管理や運行管理者の働き方改善につなげています。すでにLINE WORKSのオプション機能「CXトーク」も活用し、ツールの使いやすさや連携性を重視してきた同社は、なぜVisionを選び、どのように現場で活用しているのか。齋藤敦士社長と業務課長の鈴木悠さんにお話を伺いました。

 

本事例のポイント
  • 使い慣れたLINE WORKSと連携し、日常業務の流れで映像を確認
  • ロボット点呼とVisionを組み合わせ、24時間体制の運行管理を支援
  • 夜間・土日の管理者負担を軽減し、働きやすい環境づくりに貢献
  • スマホやPCで遠隔から映像を確認でき、万が一の際の状況把握にも活用

御社の事業概要について教えてください。

齋藤さん:

当社は1955年に、私の祖父が東京・江東区で創業した運送会社です。おかげさまで創業から70年以上が経ちます。創業当時は木材輸送を主軸としながら人の送迎を手がけていた背景もあり、「人を大切にする」という経営姿勢は、当時から脈々と根付いています。

 

現在はイベント関連の輸送が全体の7〜8割を占めており、東京ビッグサイトや幕張メッセなど主要な大型イベント施設への搬入を数多く手がけています。ほかにも建築資材の配送に加え、湾岸エリアの立地を活かした倉庫事業も展開し、保管から配送まで一括対応できる体制を整えています。

 

2021年に私が3代目として事業を承継し、創業70周年の節目を機に、新社屋を建設しました。当社がめざす「100年企業」への新たなスタートとなる拠点です。現在は、「人と車の健康を第一に考え、すべての人に安心・安全・愉しさを提供する会社」という理念のもと、「健康」「未来」「CX(顧客満足度)」を軸にした3つのプロジェクトを推進しています。

 

 

特に近年は、社員間のコミュニケーションや、現場の安心・安全をどう支えるかを重視しており、新社屋の整備や、クラウド録画AIサービスのLINE WORKS Vision(以下、Vision)の導入も、まさにその取り組みの一環です。

御社は経済産業省の「健康経営優良法人」にも認定されていますが、健康経営に注力されるようになった背景を教えてください。

齋藤さん:

きっかけの一つは、2010年代半ばに運送業界で重大事故が相次いだことです。高速バス事故などが社会問題化するなか、当社も決して他人事ではありませんでした。当時は人手不足の状況もあり、十分な教育期間を確保できないまま、やむを得ずドライバーを現場に出さざるを得ないケースもあり、強い危機感がありました。さらに、社員が病気で長期離脱や退職を余儀なくされることも毎年のように続き、「会社としてもっと社員の健康面をフォローできる仕組みが必要だ」という思いが強まっていったのです。

 

決定打となったのが、約10年前に実母と義母を相次いで亡くしたことです。特に義母は7〜8年にわたって闘病し、妻も長く看病を続けていました。その姿を間近で見たことで、健康に働ける尊さと、支える家族の負担の大きさを痛感したのです。

 

こうした経験から「社員が心身ともに健康で働き続けられる環境づくり」を模索し始め、2016年に新聞記事で知った「健康経営」を本格的に学びました。当時はまだ中小企業にほとんど浸透していませんでしたが、これこそが当社の進むべき道だと確信し、いち早く導入を決断しました。

LINE WORKS Visionを導入された背景を教えてください。

齋藤さん:

一番大きかったのは、すでに社内で定着していたLINE WORKSへの信頼感です。社員にとって使い慣れた操作感で、現場での抵抗感も少なく、社内コミュニケーションや現場の情報共有がスムーズになったという実感がありました。

 

その後、CXトークも導入し、問い合わせ対応の共有や管理のしやすさを感じたことで、「LINE WORKSを軸に、社内の業務環境を少しずつ整えていけるのではないか」という確信が社内でも徐々に強くなっていったのです。

 

一方で、当社のような現場主体の会社では、新しいツールやアプリが増えすぎると、かえって現場の負担になってしまいます。防犯カメラや映像確認の仕組みを導入する場合も、日常業務とは別のツールとして運用するのではなく、できるだけ使い慣れた業務環境の中で自然に確認できることが重要でした。

 

その点で、VisionはLINE WORKSとの連携により、映像検知の通知や確認を日常業務の流れのなかで行いやすい点に大きな魅力を感じました。新社屋の竣工に合わせて、防犯や安全管理の体制を強化したいと考えていたタイミングでもあり、現場に無理なく運用できる仕組みとして導入を決めました。

現場での運用面や、管理者側の変化についてはいかがでしょうか。

鈴木さん:

私はドライバーの運行管理や勤怠管理を担当しています。当社は24時間体制で業務を行っているため深夜の出入りも多いのですが、そんな中でVisionの動体検知機能や、スマホからリアルタイムで映像を確認できる仕組みにはとても助けられています

 

たとえば「この時間に人の動きがあるけれど、出勤予定のドライバーはいないはずだ」といった万が一の事態にも、すぐに状況を把握できます。現在は常時監視ではなく“何かあった時に確認できる体制”として運用していますが、それだけでも安心感は大きいです。検知通知が普段使い慣れているLINE WORKSに直接届くため、日常業務の中で自然に確認できる点も使いやすいと感じています。

 

システムの導入によって管理者側の働き方はどう変わりましたか。

鈴木さん:

以前は、夜間や土日でも運行管理者が会社に残って点呼対応を行う必要があり、人件費の負担に加え、管理者自身の健康面への影響も課題となっていました。現在は、ロボット点呼による自動点呼とVisionを組み合わせることで、深夜帯でも管理者が常駐せずに点呼を行える体制を整えています。確実な管理体制を維持しながら、管理者がしっかり休みを取れる環境が整い、働き方の面でも大きな変化を実感しています。

 

防犯や、夜間に勤務するドライバーの安全面についてはいかがでしょうか。

鈴木さん:

もちろん、防犯面や社員を守るという意味でも、安心感につながっていると感じています。当社の周辺は夜間になると人通りが少なく、ドライバーが一人で出勤するケースも多いため、万が一の際に状況を確認できる環境があることは大きな安心材料です。これまで大きなトラブルはありませんが、夜間勤務のドライバーにとって、「見守られている」という感覚は心理的な負担の軽減にもつながっています。Visionは単なる防犯対策ではなく、社員の安全を支える重要な備えになっていると感じています。

実際の操作性や、日々の実務での使い心地はいかがですか。

鈴木さん:

映像は高画質で鮮明なので、現場の状況を確認しやすいです。操作も直感的で、必要なときにすぐ確認できる点が使いやすいと感じています。事務所のPCでは映像を常時表示させており、来客や車両の搬入があった際も、2階の事務所にいながらすぐに把握できるため、スムーズなお客様対応にも役立っています。

 

さらに、録画映像は勤怠確認の補助としても活用しています。早朝3時出勤といった非常に早い時間帯の勤務もあるため、「予定通り確実に出勤しているか」を必要に応じて振り返り確認できる環境は、会社としての管理体制を支えるうえでも役立っています。

 

今後、LINE WORKS Visionに期待することを教えてください。

齋藤さん:

今の現場感覚でいうと、防犯という用途にとどまらず、教育の分野での活用に大きな可能性を感じています。例えば、ベテラン社員の積み込み作業や安全確認のノウハウなど、これまで言語化しづらかった技術を映像として残し、教材のように活用できれば非常に価値があると思っています。

 

現状でも座学研修や安全大会、同乗指導など、さまざまな形で教育は行っていますが、それに加えて「いつでも見返せる動画教材」がLINE WORKS上で共有できれば、若い世代への技術継承はさらに進むのではないかと感じています。

 

さらに、運輸システムや勤怠管理、点呼ロボなど、社内の各システムとLINE WORKSがよりシームレスにつながり、情報が自然に連携していくような環境が理想です。そうした形で業務全体がつながっていけば、現場の負担はさらに軽くなり、人手不足という業界課題に対しても、一つの解決策になるのではないかと期待しています。

 

 

【お話を伺った方】

齋藤 敦士さん

代表取締役。3代目として事業を承継し、健康経営やDX推進を通じて、社員が安心して働ける環境づくりを牽引。

 

鈴木 悠さん

業務課長。ドライバーの運行管理や勤怠管理を担当。ロボット点呼やLINE WORKS Visionを活用した現場管理を実践。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2026年05月当時のものです。

「監視」ではなく「見守り」へ。ココトモファームがLINE WORKS Visionで実現した、多店舗運営の現場支援

愛知県犬山市を拠点に、農業・福祉・商工を掛け合わせた「農福商工連携」に取り組む株式会社ココトモファーム。自社生産した米の加工・販売を軸に、米粉を使用したバウムクーヘンを販売する専門店やカフェなどにも事業を拡大。現在はフランチャイズを含め約20店舗を展開しています。店舗数の拡大に伴い、現場状況の把握やスタッフ支援、多拠点運営の効率化が課題となっていました。その解決策として導入したのが、クラウドカメラサービス「LINE WORKS Vision」です。LINE WORKSから店舗状況を確認できるようになったことで、現場への支援をよりスピーディーに行える体制を構築。店舗マネージャーの負担軽減にもつながっています。導入の経緯や、現場支援のあり方にどのような変化が生まれたのか、齋藤秀一社長にお話を伺いました。

 

本事例のポイント
  • 「見られている」ではなく「見守られている」。約20店舗と本部が自然につながる安心感
  • いつでも状況を遠隔で把握でき、現場支援のスピードが向上
  • LINE WORKSのグループトークにカメラの検知通知が届き、日常業務の中で自然に定着
  • 勘や経験に頼るだけでなく、データで現場を支える「新しい支援」への挑戦

御社の事業概要について教えてください。

齋藤さん:

当社は、農業・福祉・商工を掛け合わせた「農福商工連携」に取り組んでいます。もともとは農業と福祉をつなぐところから始まりましたが、それだけでは収益面や継続性の課題もありました。そこで商業や工業の要素も加え、自分たちで付加価値をつくるモデルにしていったのです。

 

具体的には、自社で育てたお米を製粉し、米粉バウムクーヘンなどへ加工し、販売まで行います。生産から販売まで一貫して行っているのが特徴です。現在は犬山や西尾などに拠点があり、店舗はフランチャイズも含めて約20店舗まで広がっています。

 

障害のある方も一般就労として働いており、店舗での接客では、ろう者のスタッフも力を発揮しています。私たちは、さまざまな方が能力を生かせる場をこれからも広げていきたいと考えています。事業としてしっかり成り立たせながら、社会的な価値も生み出していく。その両立を目指して、日々取り組んでいます。

 

事業を拡大していくなかで、どのような課題があったのでしょうか。

齋藤さん:

店舗が増えて拠点も離れてくると、どうしても本部の目が届かない場所が出てきます。「今、現場はどうなっているのか?」ということが、報告だけではなかなか見えにくいのが実情です。

 

特に私たちは、ろう者のスタッフが中心となって運営する店舗も展開しています。お客様とのやり取りで困っていることがあっても、報告を待っていたら対応が後手になってしまうこともあります。かといって、ずっと店に張り付いているわけにもいきません。現場が今、どんな状況で、何を必要としているのかを、リアルタイムに近い形でキャッチできる仕組みが必要だと感じていました。

 

報告を待つのではなく、現場のありのままの姿を把握し、早い段階で気づいてフォローできる体制をつくること。それが、多店舗展開を支える本部の重要な役割だと考えています。

LINE WORKS Visionを導入いただいた決め手はなんだったのでしょう。

齋藤さん:

「現場をリアルタイムで見守りたい」という思いを叶えるために出会ったのが、クラウドカメラサービスのLINE WORKS Vision(以下、Vision)でした。導入を決めた最大の理由は、やはりLINE WORKSとの相性です。

 

私たちの現場では、LINE WORKSがコミュニケーションのインフラになっています。LINE WORKS VisionはLINE WORKSと連携しており、カメラが検知するとLINE WORKSのグループトークに通知が届きます。通知をきっかけにしてVisionアプリから映像確認ができるため、現場の運用に自然に組み込むことができました。導入・運用ともに過度な負担がなく、コスト面でも無理なく始められた点は大きな魅力です。

 

 

カメラの設置状況や運用体制について教えてください。

齋藤さん:

現在、本部から比較的遠方にある店舗のレジ周りやバックヤードなどに計3台を設置しています。主にマネージャーが、必要に応じて状況を確認する運用です。

 

たとえば、混雑している時間帯を把握できれば応援を出すことも可能ですし、比較的落ち着いていれば別の業務を依頼することもできます。現場の状況をリアルタイムで踏まえた判断ができるのは、非常に大きなメリットと言えます。

 

これを使っていて強く感じるのは、カメラが単なる「監視」ではないということです。私たちにとってVisionは、現場を支えてくれる「もう1人のアドバイザー」のような存在です。カメラを通して現場を客観的に捉えることで、「ここはサポートが必要だ」「今はこういうところで困っているのかもしれない」といった状況判断がスムーズになりました。

 

ろう者のスタッフとの間では、コミュニケーションの違いから認識の思い違いが起こることもあります。報告だけでなく映像もあわせて確認できることで、現場と同じ視点を持ち、より具体的なアドバイスやフォローが可能になっています。

 

 

Visionの導入によって、現場ではどのような変化があったでしょうか。

齋藤さん:

Visionを介したサポート体制は、運営面だけでなく現場スタッフの心理的な支えにもなっていると感じています。レジ周りにカメラがあることで「見守られている」という安心感が生まれ、トラブル防止という面でも役立っています。

店舗側としても、「困った時に本部が気づいてくれる」という安心感があるはずです。それが働きやすさにもつながっていると思います。

 

障害のあるスタッフが安心して働ける環境づくりという点でも、本部が必要に応じて状況を把握できるシステムは大きな支えになっています。言葉にしづらい困りごとや、少しのサポートがあれば解決できる場面に気づくきっかけを、Visionの映像がつくってくれる。まさに、「もう1人のアドバイザー」が店舗にいてくれるような感覚です。

今後の展望についてお聞かせください。

齋藤さん:

現場支援に加えて、今後は蓄積された映像データをAIで分析し、店舗運営のさらなる改善にも活かしていきたいと考えています。勘や経験に頼るのではなく、動線や混雑状況といった客観的なデータを活用することで、スタッフ1人ひとりがより力を発揮できる配置や、お客様に喜んでいただけるサービスのあり方が見えてくるはずです。

 

これまでの店舗管理では、どうしても忙しい時間帯の印象で判断しがちです。しかしデータを見直すことで、これまでとは異なる最適解が見つかることも少なくありません。将来的には全店舗のデータを横断的に見ながら、より良い人員配置や店舗づくりにつなげていければと考えています。シフト調整の公平性を高めたり、店舗ごとの成功事例を共有したりするうえでも役立つと思います。

 

その先に見据えているのは、犬山でつくってきた「農福商工連携」のモデルを東京へ進出させて、さらに東京から全国へ展開していくことです。福祉・農業・ITを掛け合わせながら、誰ひとり取り残されない居場所を創り、誰もが活躍できる社会の仕組みとして、これからも広げていきたいです。

 

 

【お話を伺った方】

齋藤秀一さん

代表取締役。障害のある方が成長できる場を創り、広げていくことに情熱を傾ける。

 

※掲載している内容、お役職は取材を実施した2026年4月当時のものです。

議事録作成時間が12分の1に激減!会話に集中できる環境を実現し、会議の質そのものを変革した「LINE WORKS AiNote」の導入効果

埼玉県西部を中心にHonda車の販売・整備を行う株式会社ホンダカーズ埼玉西。同社では、月例の店長会議をはじめとする多数の会議において、議事録作成にかかる膨大な工数が課題となっていました。2018年から全社導入しているLINE WORKSの新たな拡張機能として「LINE WORKS AiNote」を採用した結果、作成時間を約12分の1に短縮することに成功。従来のWordによる作成業務を廃止し、AI要約をそのまま議事録として採用するという大胆な運用改革により、会議の質の向上や情報の客観性担保にもつながった導入の経緯と効果について、代表取締役社長の中村さん、第一事業部長の笹川さん、デジタルIT企画・推進部長の河野さんにお話を伺いました。

 

本事例のポイント
  • 会議後の議事録作成時間を60分から5分へと大幅に短縮
  • Wordでの清書を廃止し、AI要約をそのまま公式の議事録として採用
  • 主観が入らない客観的な記録により情報の透明性が向上

御社の事業概要と、社内のデジタル化への取り組みについてお聞かせください。

中村さん:

私たちは埼玉県西部エリアにおいて、Honda車の販売、整備、部品販売を行っている正規ディーラーです。現在、新車・中古車販売拠点およびサービスセンターを含め計10拠点を展開しており、約200名の従業員が働いています。埼玉県は全国でもトップクラスの販売台数を誇る激戦区ですが、おかげさまでここ10年で社員数は約1.7倍に増え、事業も拡大してきました。組織が大きくなるにつれて重要になるのが、情報の伝達と共有です。5年ほど前から、伝達スピードの限界や共有漏れといった課題を感じており、デジタルツールの活用を積極的に進めてきました。特にLINE WORKSは2018年に導入して以来、全社的なコミュニケーション基盤として定着しています。

 

 

河野さん:

当社は自動車ディーラーとしては珍しく、社内に専門のシステム部門を持っています。かつては紙や電話、FAXが中心だった業務をサーバー導入によるオンライン化で効率化し、さらにLINE WORKSの導入によって、社内外どこにいてもつながる環境を構築しました。現在はシステム開発からサーバー運用、さらには店頭POPやWebバナーの内製化まで行っており、変化の激しい市場環境においてスピード感を持って対応できる体制を整えています。

 

今回、「LINE WORKS AiNote」を導入された背景には、どのような課題があったのでしょうか。

河野さん:

最大の課題は、会議後の議事録作成にかかる「時間」と「労力」でした。当社では、店長会議、拡販会議、工場長会議など、主要な会議だけで月に10回以上開催されています。これまでは会議の主催者が議事録を作成していましたが、1時間半の会議に対して、要点をまとめて清書し共有するまでに同程度の時間がかかっていました。また、作成者によってフォーマットがバラバラで、重要な決定事項が抜け落ちてしまい、次回の会議で課題が追えなくなることもありました。

 

AiNote導入以前に使用していた議事録フォーマットの一例。WordやExcelなどで作成され、担当者が会議後に手入力で清書を行う必要があったため、多大な工数がかかっていた

 

笹川さん:

私は営業会議などを主催する立場ですが、これまでは会議を進行しながら、同時にパソコンでメモを取るという「二重作業」を行っていました。記録することに気を取られてしまい、肝心の発言や議論に100パーセント集中できないことが悩みでした。また、会議が終わった後に「これから議事録をまとめなければならない」という作業が残っていること自体が、精神的な負担になっていました。会議が終わった瞬間の「ひと段落した」という感覚がなく、残業時間の増加にもつながっていたのです。

 

ほかの生成AIツールと比較して、AiNoteを選定された決め手は何でしたか。

河野さん:

いくつかの生成AIツールやボイスレコーダーアプリを比較検討しました。しかし、無料版のツールでは録音時間に制限があったり、セキュリティ面での不安があったりと、業務で本格的に利用するには課題がありました。また、単に文字起こしをするだけでなく、会議の内容を適切に要約してくれる機能が必要でした。最終的にAiNoteを選んだ最大の理由は、すでに社内インフラとして定着しているLINE WORKSとの連携性です。

 

ほかのツールでは、作成した議事録を共有するために別途メールを送ったり、ファイルをアップロードしたりする手間が発生します。しかしAiNoteであれば、LINE WORKSのアドレス帳と連携しているため、参加者をタップして選ぶだけで、録音データと要約内容を瞬時に共有できます。この「共有のしやすさ」と「導入のハードルの低さ」が決定打となりました。すでにLINE WORKSを使っている社員にとって、新たなアプリの操作を覚える必要がなく、ログインの手間もない点は非常に大きなメリットです。

実際にAiNoteをどのように活用されていますか。また、導入時の社内への浸透はスムーズでしたか。

河野さん:

基本的には会議の主催者が自身のスマホでAiNoteを起動し、録音を開始します。会議中はスマホを机に置いておくだけです。録音が終了すると自動的に文字起こしと要約が生成されるので、その後、PCのブラウザ版で内容を確認し、参加者にリンクを共有するという流れです。導入にあたっては、私が最初にテストを行い、その後、笹川に操作方法を伝えました。「録音ボタンを押して、終わったら停止するだけ」というシンプルな操作性なので、マニュアルを作成したり説明会を開いたりする必要すらありませんでした。直感的に使えるため、現場への展開は非常にスムーズでした。

 

スマホアプリでの録音画面。直感的な操作で録音を開始でき、発話者ごとのタイムラインも表示される。特別なレクチャーなしで現場に定着した

導入によって得られた定量的な効果や、運用ルールの変化についてお聞かせください。

河野さん:

最も大きな変化は、これまでWordやExcelで行っていた議事録の作成業務そのものを廃止したことです。導入後は、AiNoteが生成した「AI要約」と「文字起こしデータ」へのリンクを共有するだけで、それを公式の議事録として扱う運用に切り替えました。これまでは作成者によってフォーマットや書き方がバラバラでしたが、AIに任せることで形式が統一され、誰もが同じ質の情報を共有できるようになりました。

 

笹川さん:

以前は1時間半の会議の議事録作成に、会議中と終了後の作業を合わせて約60分程度の時間を費やしていました。それがAiNote導入後は、自動生成された要約の確認と微修正、そして共有作業を含めてもわずか5分程度で完了するようになりました。時間にして約12分の1への短縮です。この効果は絶大で、空いた時間を本来の業務や店舗巡回などに充てることができるようになりました。以前のように必死にメモを取る必要がなくなり、参加者の顔を見ながら議論に集中できるようになったことも大きなメリットです。

 

PCブラウザ版の確認画面。自動生成された「全体の要約」や「主要トピック」が一目で確認できる。主要キーワードのタグ付けや、区間ごとの要約も自動で行われるため、振り返りが容易になった

 

中村さん:

経営者の視点から見ても、情報の「早さ」と「正確さ」が格段に向上したと感じています。これまでは担当者の主観や解釈が入った議事録が上がってくることがありましたが、AiNoteはAIが客観的に事実を記録・要約してくれます。発言のニュアンスも含めて音声データとして残っているので、解釈の齟齬がなくなりました。私自身は議事録を作成する立場ではありませんが、上がってきたレポートを確認する際に、要点が的確にまとまっており、非常にスピーディーに状況を把握できるようになったと評価しています。

 

笹川さん:

会議の質という面では、主観が入らない「客観的な記録」が残ることの意味が大きいです。「言った、言わない」の水掛け論がなくなり、前回の会議での決定事項や課題が明確に残るため、次回の会議での振り返りがスムーズになります。専門用語や車種名、例えば「N-ONE」が「N1」と変換されるような細かな誤変換はありますが、文脈で十分に理解できるため、実務上はまったく問題ありません。むしろ、修正の手間をかけて完璧な議事録を作るよりも、鮮度の高い情報をすぐに共有できるメリットの方がはるかに大きいです。

今後の活用展望についてお聞かせください。

笹川さん:

今後は、蓄積された会議データを活用して、期初に掲げた事業計画と現場の動きがしっかりと連動しているかを検証していきたいと考えています。毎月の会議での報告内容や決定事項をデータとして振り返ることで、単発の対処療法ではなく、年間目標の達成に向けて軌道修正がより的確に行えるようになると期待しています。

 

河野さん:

システム担当としては、テキスト化されたデータをデータベースとして蓄積し、分析に活用したいと考えています。経営的な視点や人材育成の観点から、会議での発言傾向やホットトピックを分析することで、組織の課題や改善点が見えてくるかもしれません。また、現在は社内会議を中心に使用していますが、今後は各営業拠点への展開も視野に入れています。セキュリティポリシーやお客様への配慮をクリアにした上で、将来的には商談の記録や振り返りにも活用できる可能性を探っていきたいと思います。

 

中村さん:

デジタル技術やAIは日々進化しており、それを活用することは企業としての競争力を維持するために不可欠です。しかし、最終的な判断を下すのはやはり「人」です。AiNoteのような便利なツールで業務を効率化しつつ、そこで生まれた時間を、お客様へのサービス向上や社員どうしのコミュニケーションといった「人」にしかできない付加価値の高い業務に注いでいきたいと考えています。

 

【お話を伺った方々】

中村 善昭さん

代表取締役社長。組織拡大に伴う情報共有の課題解決を推進。

 

笹川 武さん

取締役 第一事業部長。会議の質向上と現場の負担軽減を牽引。

 

河野 浩二さん

デジタルIT企画・推進部長。社内システムの構築・運用を統括。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2026年02月当時のものです。

会議を“価値”に変えるDXの未来。2600名のエンジニアを支える「AiNote」の真価

企業のIT活用を支援する株式会社大塚商会では、全社的なAI活用の推進と「社員DX」を掲げ、業務変革に取り組んでいます。その中で、約2600名のエンジニアが所属する技術部門において大きな課題となっていたのが、お客さまとの打ち合わせや会議後の議事録作成業務でした。同社は、高いセキュリティ要件とコストパフォーマンス、そして管理のしやすさを重視し、LINE WORKSのAI議事録作成ツール「AiNote」を導入。導入の経緯や選定の決め手、現場での活用状況と効果について、サポート統括部の山田さんと伊藤さんにお話を伺いました。

 

<本事例のポイント>
  • エンジニアの議事録作成時間を半減させ本来業務への集中を実現
  • 組織全体の利用時間ベースの料金設計でコストパフォーマンスを最適化
  • SSO連携による容易なアカウント管理で運用負荷を軽減

御社の事業概要をご紹介ください。

山田さん:

私たち大塚商会は「ITでオフィスを元気にする」を掲げ、AI等の最新技術と培ったノウハウで、お客さまの課題をワンストップで解決するソリューションを提供しています。私はサポート統括部の効率推進課に所属しており、社内の技術部門、つまりエンジニアたちが使用するシステムの運用管理や業務改善のサポートを行っています。弊社には約2600名のエンジニアが在籍しており、その業務範囲はハードウェアの保守からシステムの開発、CAD関連まで多岐にわたります。

 

社内では「AI活用の推進」が経営トップからの指示として強く打ち出されており、全社を挙げてAIによる業務効率化やDXに取り組んでいる最中です。今回の「AiNote」導入も、まさに技術部門における社員DXの象徴的なプロジェクトの一つとなります。

 

今回の導入検討に至った背景には、どのような業務課題があったのでしょうか。

山田さん:

今回の導入検討に至った背景には、エンジニア特有の業務課題がありました。エンジニアの仕事において、お客さま先での打ち合わせや社内のプロジェクト会議は頻繁に発生します。これまで、正確な記録を残すためには会議中にメモを取り、帰社後に録音を聞き直して文字に起こし、議事録として体裁を整えるという工程が必要でした。

 

伊藤さん:

特にシステム開発を行うアプリケーション部門などでは、詳細な仕様決定や要件定義の会議が長時間に及ぶことが少なくありません。例えば1時間の会議であれば、その内容を正確に議事録としてまとめるのに、録音の聞き直しを含めると2時間から3時間かかることも珍しくありませんでした。単純計算で会議時間の2倍から3倍の工数が事後処理にかかっており、エンジニアが本来集中すべき技術的な作業やお客さまへの提案活動の時間を圧迫していたのです。

 

数ある議事録作成ツールや文字起こしサービスの中で、AiNoteを選定された決め手は何だったのでしょうか。

山田さん:

当社ではいくつかのAI議事録作成サービスを販売していますが、プロモーション担当から当社でも販売しているAiNoteを薦められました。重視したポイントは、「文字起こしの精度」と「コストパフォーマンス」、そして「管理のしやすさ」です。まず精度に関しては、複数のサービスを実際にテスト運用し比較を行いました。その結果、AiNoteは通常の日本語会話における認識精度が非常に高く、自然な話し言葉でも正確にテキスト化される点が優れていると感じました。

 

伊藤さん:

特に評価しているのが、会話中の「えー」「あのー」といった意味を持たない言葉を自動的に取り除く「フィラー除去」の性能です。書き起こされたテキストが非常に読みやすく、後から修正する手間が最小限で済みます。また、「話者分離」機能によって、「誰が」「何を」話したかが視覚的に整理されるため、会議の流れを追うのが非常にスムーズです。

 

山田さん:

また、コスト面での柔軟性も大きな決め手となりました。エンジニアの業務は月によって波があります。ある月は開発作業に注力していて会議が少ないエンジニアが、別の月には顧客訪問が重なり会議が増える場合もあります。そのような中、1ユーザーあたり月額固定のライセンス形態の文字起こしサービスが一般的ですが、これでは利用頻度が低い月でもコストが発生してしまいます。一方、AiNoteは組織全体の利用時間をベースにした柔軟な料金設計のため、無駄なコストを抑えつつ、全エンジニアに対してアカウントを発行できる環境が整えやすかったのです。

大規模な導入にあたり、管理面で特に評価されている点はありますか。

山田さん:

管理面において非常に助かっているのが「SSO(シングルサインオン)」でのログイン設定ができる点です。数千名規模のユーザーを管理する際、アカウント管理の手間は大きな課題となりますが、SSOを利用することで既存のID管理基盤と連携でき、トラブルなくスムーズに運用を開始できました。

導入時の社内展開や、現在の利用状況について教えてください。

山田さん:

現在、AiNoteを利用開始から3カ月程度経ちますが、エンジニア約2600名のうち、すでに約1600名が利用登録を済ませており、順次活用が進んでいます。導入にあたっては、マニュアルを作成して公開しましたが、直感的に使えるインターフェースのおかげか、操作に関する問い合わせはほとんどありませんでした。利用シーンとしては、お客さま先での対面会議やWEB会議、社内打ち合わせがメインです。多くのエンジニアは会社支給のスマホにAiNoteアプリをインストールし、会議の場で手軽に録音を開始しています。録音が終わると自動でクラウドにアップし文字起こしが行われ、1時間程度の会議であれば数十秒から1分程度で文字起こしデータができあがっています。

 

伊藤さん:

Web会議ツールにも標準で文字起こし機能がついているものがありますが、日本語の認識精度や、会議後の編集・活用のしやすさという点ではAiNoteに利便性を感じている社員が多いようです。特に、スマホさえあれば場所を選ばずすぐに利用できる機動性は、外出の多いフィールドエンジニアにとって大きなメリットになっています。また、既存のボイスレコーダーなどで録音したデータでも、後からAiNoteにアップロードして文字起こしに利用されています。

 

話者分離機能により、いつ誰が何を話したかがひと目で分かるPC画面。右側にはAI要約された情報が表示される(※内容はお客さまサポート時の会話をもとにしたイメージです)

AiNoteを活用し、どのような効果を感じていますか。

・高精度な文字起こしとAI要約により、議事録作成工数を従来の半分以下に削減
・記録をAIに任せられることで記録漏れのプレッシャーから解放され、議論の本質に集中できる
・話者分離と検索機能で発言の振り返りが容易になり、情報の取りこぼしを防止

 

山田さん:

最も大きな効果は時間の短縮です。AiNoteの高精度な文字起こしとAI要約を活用することで、これまで録音を聞き直して一から作成していた時間が大幅に削減されました。体感としては、議事録作成にかかる工数が従来の半分以下になったと感じています。簡易的な議事メモであれば、AI要約を微修正するだけで済むため、事後処理の負担はほとんどなくなりました。

 

伊藤さん:

私自身も業務で活用していますが、「会議そのものに集中できるようになったこと」も大きな変化です。これまでは「聞き漏らしてはいけない」「正確にメモを取らなければならない」というプレッシャーがありましたが、AiNote導入後は、「AIが記録してくれている」という安心感があります。そのため、メモを取ることに追われる時間がほとんどなくなり、複雑な内容でも記録のために相手を待たせる必要がなくなりました。これにより、相手の話をしっかりと聞いて議論の本質に集中できるようになりました。

 

山田さん:

「あの時、誰が何と言ったか」という、言った言わないの確認作業も激減しました。人間の記憶や手書きのメモはどうしても曖昧になりがちですが、AiNoteの話者分離機能とキーワード検索を使えば、すぐに該当箇所を振り返ることができます。私自身は、これまで議事録に残していなかったようなちょっとした打ち合わせでも、手軽に録音してテキスト化する習慣がつき始めており、会議後の振り返りがしやすくなり、情報の取りこぼしがなくなりました

今後の活用展望についてお聞かせください。

山田さん:

今後は、AiNoteでテキスト化されたデータを、さらに社内の業務システムとシームレスに連携させていきたいと考えています。現在はAiNoteで文字起こしをした後、そのテキストデータをコピーして、別途社内で構築している生成AIシステムに入力し、所定の議事録フォーマットに整形するというフローを行っています。将来的にはAPI連携を活用し、AiNoteでの録音終了から議事録のフォーマット生成、そしてメールでの共有までを一気通貫で自動化できるような仕組みを構築し、エンジニアの事務作業負担を極限までゼロに近づけていきたいですね。また、構築したソリューションを当社のサービスとしてお客さまに提供できるようになればさらに嬉しいです。

 

伊藤さん:

単語登録機能の拡充にも期待しています。社内用語やお客さまごとの業界特有の専門用語、固有名称などをより柔軟に登録・識別できるようになれば、修正の手間がさらに減り、業務効率が向上するはずです。現場のエンジニアが「当たり前に」このツールを使いこなし、本来のクリエイティブな業務に全力を注げる環境を整えることが、私たちのミッションだと考えています。

 

【お話を伺った方々】

山田 貴之さん

サポート統括部 効率推進課 アプリケーションスペシャリスト。社内エンジニア向けシステムの導入・運用支援を担当。AiNoteの導入選定から社内展開までを主導。

 

伊藤 奈美江さん

サポート統括部 効率推進課 テクニカルスペシャリスト。技術部門の業務改善やサポート業務に従事。現場目線でのツール検証や活用促進を行っている。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2025年12月当時のものです。

議事録作成の時間が10分の1に激減。大豊建設が「LINE WORKS AiNote」で実現した、建設現場における「手戻りゼロ」の働き方改革

ニューマチックケーソン工法などの特殊技術に強みを持ち、国内外で多くの土木・建築プロジェクトを手掛ける大豊建設株式会社。建設業界全体が直面する労働力不足や高齢化、そして「2024年問題」による長時間労働の是正といった課題に対し、同社はDXによる生産性向上に注力しています。その一環として、多くの現場職員を悩ませてきた「議事録作成業務」の効率化を目指し、「LINE WORKS AiNote」を導入しました。導入の経緯や、実際の現場でどのような変化が生まれたのか、情報システム部の落藤さんと、実際に現場で活用されている杉本さんにお話を伺いました。

 

本事例のポイント
  • 会議の録音から文字起こしにかかる時間を劇的に短縮し業務効率化を実現
  • 高精度な話者分離と専門用語の認識により議事録の修正工数を削減
  • LINE WORKSと同じID・パスワードでログインでき導入ハードルを低減

御社の事業概要をご紹介ください。

杉本さん:

大豊建設は、土木と建築を両輪とする総合建設会社です。特に「ニューマチックケーソン工法」という、橋梁の基礎や地下構造物を構築する特殊技術に関しては、業界でもトップクラスの実績を持っています。現在、私が所属しているのは、静岡県島田市にある大井川取水工作業所です。

ここでは、老朽化が進んだ予備取水工設備の更新工事を行っています。当該取水工は1級河川大井川流域に位置し、島田市・焼津市・掛川市・藤枝市・御前崎市・菊川市・牧之原市の7都市へ水道用水を供給する水を取水している重要な施設です。地域の生活基盤である水源を一手に担っていることから、常に高い緊張感を持って施工にあたっています。

 

建設業界ではDXへの取り組みが急務とされていますが、具体的にどのような課題をお持ちだったのでしょうか。

杉本さん:

建設現場における最大の課題の一つは、やはり「時間のなさ」です。日中は現場の施工管理や安全管理に追われ、書類作成などの事務作業はどうしても夕方以降、事務所に戻ってから行うことになります。その中でも特に負担が大きかったのが、会議の議事録作成でした。私が以前いた現場では、全体会議や部署ごとの打ち合わせが月に何回も行われ、1回あたり2時間程度かかることもよくありました。これまではICレコーダーで録音した音声を聞き直し、停止しては巻き戻し、また再生するという、いわゆる「テープ起こし」を行っていました。そのため、2時間の会議の議事録を作るのに、半日近く時間を費やすことも珍しくありませんでした。

 

 

落藤さん:

本社側の視点としても、現場の長時間労働の是正は喫緊の課題です。加えて、建設業界ではベテラン社員から若手社員への技術継承が不可欠である一方、現場には20代から60代までの幅広い年齢層が混在しており、経験年数に起因する知識や判断力の差が大きいのが実情です。こうした状況下で経験年数による知識の差を埋め、いかに効率よく正確な情報を共有できるかという点でも、アナログな手法からの脱却が必要だと感じていました。

 

従来のICレコーダーを使った議事録作成では、具体的にどのような点がボトルネックになっていたのでしょうか。

杉本さん:

最大のストレスは、作成した議事録に対する上司からの「修正」の多さでした。時間をかけて必死に文字起こしをしてまとめて提出しても、「この発言のニュアンスはこうじゃない」「こんな話はしていない」といった指摘を受けることが頻繁にありました。会議での発言の受け取り方は人それぞれ異なるため、私の主観でまとめた内容と、上司が意図していた内容にズレが生じてしまうのです。その結果、修正しては再提出し、また指摘を受けて修正するというやりとりが3回も4回も続くことがありました。こうなると、議事録を完成させるためだけにさらに数時間を要し、本来やるべき施工計画の検討などのコア業務に手が回らなくなってしまいます。まさに「議事録を作るために仕事をしている」ような状態で、精神的な負担も非常に大きいものでした

そうした課題を解決するために、「LINE WORKS AiNote」を選定された決め手は何だったのでしょうか。

落藤さん:

一番の決め手は、すでに全社で導入していた「LINE WORKS」との親和性です。「LINE WORKS AiNote」なら、普段使っているLINE WORKSのアカウントでそのままログインして利用できます。新しいツールを導入する際、新しいIDとパスワードを管理するというのは意外と大きなハードルになります。その点、LINE WORKS AiNoteならシームレスに利用開始できるため、導入の障壁が非常に低いと考えました。また、コストパフォーマンスの面でも他社製品と比較して優位性がありました。会社として正式に、かつセキュアな環境で提供できるツールを探していたタイミングでLINE WORKS AiNoteの存在を知り、トライアル導入を決めました。

導入にあたって、社内への展開はどのように進められましたか。

落藤さん:

まずはLINE WORKSの掲示板機能を使い、全社員に向けてトライアル利用を案内しました。操作マニュアルも添付しましたが、スマホにアプリをインストールしてログインするだけという手軽さもあってか、予想以上にスムーズに受け入れられた印象です。最初は始めやすいチームプランでスモールスタートしましたが、すぐにチームプランの月額利用枠6,000分(100時間)を使い切ってしまうほどで、現場の潜在的なニーズの高さを実感しました。そのため現在は、より多く利用できるビジネスプラン(18,000分/300時間)にアップデートして運用しています。導入後に「使い方がわからない」といった問い合わせもほとんどなく、直感的に操作できるUIであることも普及の助けになったと思います。管理画面で利用統計を見ると、全体で100箇所近くが利用し、うち現場利用は35現場で使われている状況です。

LINE WORKSの掲示板でAiNoteの使い方やアップデート情報を配信

具体的な活用シーンと効果について教えてください。

・議事録作成時間が10分の1に短縮。本来注力すべき施工計画業務へ時間をシフト
・「言った言わない」の水掛け論や、上司からの修正指示が激減し「手戻りゼロ」を実現
・専門用語や話者分離の高精度な認識により、協力会社との情報共有が円滑化
 
杉本さん:

導入効果は劇的でした。これまでは半日かかっていた議事録作成作業が、極端な例では10分の1程度の時間で完了するようになりました。会議中にスマホでLINE WORKS AiNoteを起動して録音しておくだけで、会議終了時には高精度な文字起こしテキストが自動で生成されます。その内容をPCブラウザ上で確認し、自社の生成AIを活用して議事録のフォーマットに整えるだけで作業は完了します。以前のように音声を一から聞き直す作業がなくなったことで、創出された時間を次の工事の施工計画や現場巡回などの「現場でしかできない仕事」に充てられるようになりました。これは生産性向上の観点から見ても非常に大きな成果だと感じています。

録音した会議内容が文字起こしされたPCブラウザの画面。AI要約機能を使えば画面右側に会議内容の要約が表示される

課題として挙げられていた、上司からの修正や手戻りについては改善されましたか。

杉本さん:

そこが最も驚いた点です。LINE WORKS AiNoteで作成されたテキストをベースに議事録を作成し、所長に提出したところ、「早いね!これで承認回しておいて」と、なんと一発でOKが出たのです。これまでは何度も赤ペンで修正されていたことを思うと嘘のようでした。AIが会議内容を客観的に文字起こしすることで、作成者の主観が入り込む余地が少なくなり、事実に基づいた正確な記録を残すことができます。その結果、「ニュアンスが違う」といった指摘が激減しました。また、多くの関係者が参加する会議では「言った言わない」といった認識の違いが大きなトラブルにつながりかねません。AIによる正確な記録があることで、こうしたリスクを未然に防げている点も大きな効果だと感じています

建設現場特有の専門用語や、複数人が話す環境での認識精度についてはいかがでしょうか。

杉本さん:

認識精度については非常に高いと感じています。現場の会議では機械設備の名称や専門的な工法など、業界特有の用語が頻繁に登場しますが、LINE WORKS AiNoteはそれらをかなり正確に文字起こししてくれます。以前は協力会社の専門的な話が聞き取れず、その部分の議事録だけ協力会社の方にお願いすることもありましたが、今はその必要もなくなりました。また、話者分離機能も優秀で、誰が発言したかが明確に分かるため、大人数が参加する会議でも内容を正確に整理できます。事前に「あの機械の名称はきちんと変換されるだろうか」と心配していたような単語も、文脈から判断して正しく漢字変換されており、技術の進歩に感心しました。

単語登録なしでもかなりの精度で専門用語が変換されている。企業向けプランでは管理者画面の業界特化型モデルで業種を選択することで、さらに音声認識の精度が上がる

スマホアプリでの利用という点について、現場での使い勝手はいかがですか。

杉本さん:

ICレコーダーを使っていた頃は、会議のたびに「だれが議事録を作成するか」という心理的なハードルや、機器を準備する手間や煩わしさがありました。しかし、LINE WORKS AiNoteなら手持ちのスマホでアプリを立ち上げるだけなので、非常にスマートです。今では会議の際に「ではAiNote入れておきますね」と自然にスタートできるようになりました。録音データがすぐにクラウドにアップロードされ、PCブラウザからも即座に確認・編集が可能です。この連携の良さにより、議事録作成の作業効率が格段に向上し、今では自分から率先して議事録を作成するようになりました。

今後のLINE WORKS AiNoteの活用について、どのような展望をお持ちですか。

落藤さん:

現在は議事録作成の補助ツールとしての活用がメインですが、今後は蓄積されたテキストデータをさらに有効活用していきたいと考えています。例えば、API連携などを通じて、文字起こしされたデータを社内の他のシステムや自社独自の生成AIとシームレスに連携させ、指定のフォーマットへの自動出力までを一気通貫で行えるようにするなど、さらなる自動化・省力化を目指したいですね。また、弊社では海外拠点の駐在員からもLINE WORKS AiNoteの利用要望が来ており、現地での翻訳機能を活用した多言語コミュニケーションの円滑化にも期待しています。

 

杉本さん:

現場の視点では、このツールを若手社員にも積極的に使ってもらいたいと思っています。経験の浅い若手にとって、会議の内容を正確に理解し記録することは難しい業務の一つですが、AIの力を借りることでそのハンデを埋めることができます。また、ベテラン社員が持つ暗黙知やノウハウを形式知として残していく上でも、会話をテキストデータ化しておくことは非常に有効です。組織全体として「楽をして成果を出す」ことは決して悪いことではなく、テクノロジーを使って賢く働くことがこれからの建設業に求められる姿だと考えています。その第一歩としてLINE WORKS AiNoteを通じた新しい働き方を現場にしっかりと定着させていきたいです。

 

 

【お話を伺った方々】

落藤 千輝さん

企画本部 情報システム部 DX企画課。全社のITツール導入やシステム刷新などのDX推進を牽引。

 

杉本 浩平さん

名古屋支店 大井川取水工作業所。本社CIM推進課での経験を活かし、現場でのデジタル活用を実践。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2025年12月当時のものです。

今期のテーマ「時間を制する」をAIで実現。ガリレイがLINE WORKS AiNoteで全社的に生産性向上を加速

業務用冷凍冷蔵機器の製造販売を手がけ、食の安全を守るコールドチェーンの構築に注力するフクシマガリレイ株式会社。今期は、「時間を制する」というテーマもと、全社的なAI活用を推進しています。その象徴として、高精度な音声認識とAI要約を提供するLINE WORKS AiNoteを導入。既存のLINE WORKSアカウントでそのまま利用でき、追加のログイン操作なしですぐ使える手軽さや、強固なセキュリティ体制、単語登録機能などが決め手となりました。重要な会議の議事録作成だけでなく、日常の打ち合わせの備忘録としても活用することで、全社員の生産性向上に貢献しています。

 

本事例のポイント
  • 今期のテーマである「時間を制する」を達成するためAI活用を全社で推進
  • 既存のLINE WORKS環境を活かし、ログイン不要で手軽に利用開始
  • 単語登録機能により業界特有の専門用語の認識精度が向上
  • 重要な会議だけでなく日常の打ち合わせの備忘録としても活用

御社の事業概要と、近年の事業戦略の変化について教えてください。

河田さん:

当社は、業務用の冷凍機器・冷凍冷蔵ショーケースを主力とする製造メーカーとして事業を展開してきました。近年はガリレイグループの仲間が増え、「食の安全を守る」という使命はそのままに、一次産業の川上である生産・収穫の現場から、冷凍冷蔵輸送、低温保管を経て、飲食店や小売店に至るまで、コールドチェーン全体をグループとして一気通貫で担えるよう事業領域を拡大しています。これまでの主要市場は国内企業が中心でしたが、近年は国内で培ったコールドチェーンの知見を強みに、グローバル展開も積極的に進めています。

 

AI活用を進めるに至った背景や、導入前の課題についてお聞かせください。

河田さん:

当社ではここ数年、関東新サービスセンターや岡山新配送センターの建設などといった大型の設備投資に加え、賞与の拡充やベースアップを含む賃上げにも積極的に取り組んでいます。これらの投資を継続していくためには、会社として利益を出し続ける必要があり、また、従業員一人ひとりの生産性を高めていくことが不可欠であると考えています。今期は特に「時間を制する」というテーマを掲げ、人が行っていた業務をAIに任せていこうという方針を打ち出しました。そのAI活用の象徴として、全社員が関わる議事録作成業務に注目しました。

 

従来の議事録作成業務にはどのような課題があったのでしょうか。

河田さん:

特に営業本部や製造本部など、経営者や管理職以上が参加する会議では、出席者や日時、発言者などを細かく記録し、議事録を作成する必要がありました。従来はICレコーダーを使って会議を録音し、その後、議事録作成担当者が会議と同じ時間の音声を聞き直しながらまとめていく必要があり、大変な労力がかかっていたことが大きな課題でした。作成に時間をかけた議事録も、その後どれだけ活用されているか定量的に示すデータもなく、非効率だと感じられることもあったのです。

 

本田さん:

私は情報システム部門でネットワークやセキュリティを担当しています。最近になって自分でも会議体の公式な議事録を作る機会が増え、その大変さを実感しました。以前は会議中にとったメモだけを元に議事録を作成していたため、後から会議に参加していたメンバーから内容の抜けや不足を指摘されることもあったのですが、音声を聞き直して確認できる環境がない点が課題だと感じていました。

 

 

課題解決に向けてLINE WORKS AiNoteを選定された理由や決め手をお聞かせください。

河田さん:

当社では既に全社員がLINE WORKSを日常的に利用しているため、LINE WORKS AiNoteは、既存のLINE WORKSアカウントでログイン不要ですぐに使えるという手軽さが、何よりも大きな決め手となりました。別のSaaSを導入する際の、セキュリティ審査や認証システムとの連携、アカウント発行の手間を削減できる点も利点でした。また、スマホで録音した内容がすぐにPCで同期され、AI要約を確認できるという、デバイスを跨いだシームレスな利便性も大変魅力的でした。

 

本田さん:

私の所属するチームではSaaS製品の導入審査を行っていますが、特に役員会など機密性の高い会議でも利用するため、セキュリティ要件は厳格に審査しています。その点、AiNoteはLINE WORKS自体がISO/IEC 27001といった国際認証を取得した高いレベルでデータが保護されていること、そして、情報をデータ学習に利用されないこと、企業としての信頼性など、当社の厳しいセキュリティ審査基準をクリアしていた点も選定理由として大きいです。

導入後の具体的な活用シーンや効果についてお聞かせください。

【文字起こし・AI要約】長時間会議の議事録作成時間が大幅に短縮
【AI要約】打ち合わせ内容をグループウェアのスケジュールに登録し、情報の共有と振り返りを効率化
【よく使う単語登録】業界特有の専門用語の認識精度が向上し、修正作業の負担を軽減

 

本田さん:

特に、会議時間が1時間を超える会議の事務局メンバーからは、議事録作成や要点整理にかかる工数が大きく減り、明確な時間削減効果が出ていると聞いています。特に、役員会や各本部会議の議事録作成は、ICレコーダーを聞き直して作成していた従来と比較して、その負担が劇的に軽減されました。AiNoteの高精度な文字起こしと要約をベースに加筆修正するだけで済むようになり、本来の業務に時間を充てられるようになったのです。

どこでも録音、どこでも確認。スマホで録音した内容がすぐに文字起こしされ、外出先からでも内容確認が可能に

 

河田さん:

AI要約は、公式な議事録作成だけでなく、日頃の「備忘録メモ」としても非常に有効だと感じています。議事録という言葉には格式が高く、日常の打ち合わせには使いにくいイメージがありますが、数人で短時間行うミーティングでも、とりあえず録音を開始して要約を取り、その内容をグループウェアのスケジュールに貼り付けておく運用をしています。外部との打ち合わせで利用する際は、機密情報をやり取りする観点から、音声を録音する旨を事前に断ってから利用するように社員へ指示しています。

高精度な文字起こしとAI要約により、長時間会議の議事録作成や確認作業の負担を大幅に軽減。要約をベースに、自分で必要な部分を加筆修正するだけなので便利

 

これにより、次回の打ち合わせの冒頭で「前回は何が決まったんだっけ?」と確認しあう無駄な時間が削減され、議論のスタートが早くなり、会議のアウトプットの質が向上するようになりました。また、個人的に気に入っている使い方として、その日の振り返りのために自分の発言を録音しておき、文字起こしとAI要約を活用して整理・確認する「個人の備忘録」としても利用しています。音声入力はキーボード入力より手早く、短時間で要点を残せる点が特に気に入っています。

業界特有の専門用語が多い中で、文字起こしの精度をどのように担保していますか。

本田さん:

当社は業務用冷凍冷蔵機器を扱うメーカーなので、製品名や業界特有の専門用語が非常に多いです。文字起こしの精度をさらに向上させるために「よく使う単語登録」機能を利用しています。特に岡山工場の開発部署からの依頼で、製品開発に関する専門用語をいくつか登録し、試しています。

 

河田さん:

例えば、パン生地の発酵や冷凍解凍に使われるドゥコンディショナー(社内では「ドゥコン」と略す)など、専門用語や略語、一般的なAIでは認識しにくい単語を登録することで、文字起こしの精度が向上したと好評を得ています。この単語登録機能は、個人別でも登録できますが、管理者権限を持つ私たちが一元的に登録することで全社員が利用できるようにしています

業界特有の固有名詞や専門用語、略語などを登録することで、文字起こしの精度を向上させている

導入時の初期運用や、全社員への展開はどのようにされましたか。

河田さん:

社長が今年の社内の年次イベントにおいて、「AIに任せることを決める」具体例としてAiNoteのデモを全ガリレイグループ社員に向けて披露しました。その結果、AI活用のイメージが一気に具体化し、グループ全体で期待感が高まりました。その後、全社員のLINE WORKSアカウントを対象に、申請なしで誰もがすぐに使える状態にしました。

 

当初、エンタープライズプランのAI要約回数(月1200回)が足りなくなるのではないかと懸念し、一時的に利用制限を設けたところ、社員が萎縮してしまい、活用が停滞した時期がありました。しかし、現在では月に1000時間(60,000分)の文字起こしとAI要約が1200回という契約に対し、利用回数を十分にまかなえていることがわかり、現在は制限なしに自由に使うよう、社内で推進しています。トライアル期間中のアンケートでは、7割の社員が生産性向上に貢献すると回答しており、手応えを感じています。

今後のLINE WORKS AiNoteの活用展望についてお聞かせください。

河田さん:

現在、全社員のまだ一部しか十分に活用できていないと感じています。今後は、会議の議事録作成というハードルが高い使い方だけでなく、日常的な打ち合わせのメモや、個人の備忘録としての利用など、気軽に使える「文字起こし」としての用途をさらに社内に啓蒙していきたいと考えています。

 

本田さん:

情報システム部門ではAiNoteの活用状況のアンケートも実施しており、優れた活用事例は随時社内へ共有していきます。あわせて、「議事録はAIで作成するのが当たり前」という認識を、グループ全体に着実に浸透させていきたいと考えています。

 

河田さん:

LINE WORKS AiNoteは、全社員の生産性向上に劇的な効果をもたらす可能性を秘めているため、AI活用を推進する経営方針と結びつけながら、さらなる業務効率化とDX推進の核として活用していくつもりです。

 

 

【お話を伺った方】

河田 淳一さん 人事部門と情報システム部門の統括責任者として、全社的なAI導入を推進

本田 有奈さん 情報セキュリティ担当として、SaaSの選定と導入審査を担当

 

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2025年11月当時のものです。

建設現場の議事録作成課題を解決!高精度テキスト変換とAI要約機能を備えたLINE WORKS AiNoteが、時間と労力を大幅に縮減し「言った言わない」を防止

建設現場では、工事に携わる関係者が定期的に集まり、進捗状況の共有や重要な意思決定が行われます。しかし、頻繁に開催されるこれらの会議の内容を議事録にまとめる作業は、日々の現場管理で多忙を極める責任者にとって、長年の大きな負担でした。総合建設会社である飛島建設は、この課題を解決するため、AI議事録自動作成ツールLINE WORKS AiNoteを導入。高精度な音声認識により話者ごとの発言が正確にテキスト変換され、さらに会議内容が自動的に要約されることで、議事録作成が従来の2〜3時間からわずか30分へ。現場責任者の負担を減らし、生産性向上に大きく貢献しています。

 

本事例のポイント
  • スマホ1台で録音から文字起こしまで完結
  • LINE WORKSのIDで利用でき、現場の浸透もスムーズ
  • AIが話者を自動分離して文字起こしを行い、重要な発言内容の要約も自動で生成
  • 1時間程度の会議の議事録作成が、従来の2~3時間からわずか30分ほどに短縮

建設現場にとって極めて重要な会議の議事録。手間と時間がかかるその作成を効率化したい

御社の事業概要をご紹介ください。

科部さん:

2024年10月に発足した飛島ホールディングスの中核企業である飛島建設は、1883年創業の総合建設会社です。特にトンネルやダムなどの大型土木分野で多くの施工実績を誇ります。近年は建設事業に加え、防災・減災、環境といった新領域の技術開発にも注力しており、飛島グループ全体としては、DXサポートシステムの提供を通じて建設業界の効率化を支援するイノベーション事業にも力を入れています。

 

LINE WORKS AiNoteの導入前は、どのような課題を抱えていましたか。

科部さん:

建設現場では、工事の進捗状況や課題を共有するため、関係者との会議が定期的に開催されます。工事に関わる重要な意思決定も行われるため、プロジェクトの責任者である作業所長が重要な発言を確実に記録しておく必要があります。しかし、現場管理だけでも多忙を極めるなか、会議で話し合われた内容を正確に議事録にまとめることは、所長にとって大きな負担となっていました。

 

近藤さん:

現場では、施主や設計者が出席する月1回の総合定例会議や、設計担当者との週1回の設計会議に加え、協力会社との段取りなどに関する細かい打ち合わせも頻繁に行われます。これらの場で話し合われた重要事項を漏れなく記録しておかなければ、「言った言わない」といったトラブルが発生し、作業の手戻りにつながりかねません。議事録はこうしたトラブルを防ぐ上で極めて重要な役割を果たします。

 

 

しかし、1時間程度の会議の録音を聴き直し、文字に起こし、そこから要点を抜き出してまとめるには、実に2〜3時間もの時間を要していました。そのため、私は後から文字起こしをする手間を省くべく、会議中の発言をしっかり書き留めるようにしていましたが、これはこれで大変な作業であり、話を聴くことに集中するとついメモをする手が止まってしまうこともありました。

 

科部さん:

こうした課題を解消するため、過去にはいくつかの議事録作成ツールを試してきましたが、どれも使い勝手や文字起こしの精度において満足できるものではなく、より良いソリューションの開発を待ち望んでいました。

多くの議事録作成ツールがある中、LINE WORKS AiNoteに注目された理由をお聞かせください。

科部さん:

当社では数年前から、現場の関係者間の円滑な連絡のためにLINE WORKSを導入しています。外部トーク連携機能によって協力会社の職人のLINEともつながり、図面修正の情報などもタイムリーに周知できるようになり、以前とは比較にならないほどスムーズなコミュニケーションが実現しました。

 

そのLINE WORKSからAIを活用した議事録作成ツールがリリースされ、しかも全社員に発行済みのLINE WORKSのIDとパスワードでそのまま利用できると知り、ぜひ試してみたいと思いました。アカウント数に応じた課金ではなく利用する文字起こし時間数に応じたプランを選ぶので、最低限のプランで始められる安心感があったため、まずは一部の現場に試験導入しました。その結果、議事録作成が飛躍的に省力化されることを実感したため、本格的な運用を開始し、現在では約100箇所ある現場のうち、数十箇所の現場で利用が広がっています。誰にとっても操作が簡単なLINE WORKSと同様に、LINE WORKS AiNoteも事前の導入教育や説明会を開くことなく、スムーズに現場に浸透していきました。

AI要約で会議の重要トピックを瞬時に把握。議事録作成は2〜3時間から30分へ激減

LINE WORKS AiNoteによって議事録作成がどう効率化したかお聞かせください。

 

近藤さん:

LINE WORKS AiNoteを使ってまず感じたのは、ICレコーダーを用意する必要がなく、スマホ1台で録音から文字起こしまで完結するその手軽さです。会議中に走り書きするメモでは、後から判別できない部分があって困ることがありましたが、LINE WORKS AiNoteなら会話内容が忠実にテキストになるので、そのような心配は不要です。音声認識の変換精度も非常に高く、人が話すときによく発する「えー」や「あー」といった不要な音(フィラー)も自動的にカットされるので読みやすいです。

 

 

会議によっては参加者が10名程度の大人数になることもあります。手書きのメモでは発言者の名前まで記す余裕がなく、誰が話したことなのか分からなくなることがよくありましたが、LINE WORKS AiNoteにはAIが声の波長を分析して話者を分離する機能が搭載されており、複数の話し手を「参加者1」「参加者2」といった形で区別して文字起こししてくれます。

 

話者ごとの発言割合をグラフ表示することも可能。だれがどれくらい話したかを視覚的に把握し、発言者のバランスを調整するのに活かせる

 

何よりもありがたいのは、AI要約機能が会議の重要なポイントを自動でピックアップしてくれる点です。これにより、後から会議内容の要点のみを効率的に振り返ることができます。これらの機能のおかげで、1時間程度の会議後に2〜3時間かかっていた議事録の作成が、わずか30分ほどで完了するようになりました。

 

会議の内容から重要なトピックを抽出してAIが要約。議事録の作成はもちろん、会議の振り返りや、参加できなかったメンバーへの内容共有にも役立つ

 

科部さん:

現場での会議は基本的に対面で行われますが、本社ではオンライン会議も頻繁に開催されます。LINE WORKS AiNoteはZoomやMicrosoft Teamsをはじめとする主要なWeb会議ツールと連携可能で、会議のURLを設定するだけで、開始と同時に録音が自動的に始まるのも非常に便利です。操作画面はスマホでもPCでもシンプルで分かりやすく、文字起こしされた内容はWordやテキストデータなどでダウンロードできるので、関係者と共有するのも簡単に行えます。

 

連携するWeb会議ツールの会議URLを設定することで、リアルタイムでオンライン会議とつながり、参加したメンバーを自動で認識し話者分離した議事録を作成できる

発言内容を余さず記録することで、大きな損害につながりかねない「言った、言わない」のトラブルも防止

LINE WORKS AiNoteの導入成果をどう評価されますか。

近藤さん:

AIが「全体の要約」「主要トピックの抽出」「区間ごとの要約」と、さまざまなパターンの要約を的確に生成してくれるため、決定事項や次に取るべきアクションが明確になり、関係者間での共通認識を持ちやすくなりました。以前のように会議中に忠実にメモを取る必要がなくなり、議事録作成に要する時間が短縮されたのはもちろん、肝心な会議そのものにより集中して臨めるようになったのも、私にとって大きな成果です。

 

科部さん:

議事録に重要項目の記載漏れや記入ミスがあると、施工後に施主や設計者などから「会議ではこう指示したはずなのに」と指摘され、工事をやり直すことになり莫大な損害が発生する可能性があります。しかし、LINE WORKS AiNoteで会議の音声データが保存されていれば、文字起こしされたテキストから直ちに該当するシーンを探し出し、発言内容を正確に確認することができます。LINE WORKS AiNoteは、関係者間のトラブルを未然に防止し、経営リスクを低減するためにも極めて有効なツールだと評価しています。

 

さらなる業務効率化に向けてどのような展望をお持ちでしょうか。

近藤さん:

これまでは総合定例会議や設計会議など、比較的規模の大きな会議でのみLINE WORKS AiNoteを活用してきましたが、今後は協力会社の職人との打ち合わせや、毎日の朝礼・終礼なども記録し、欠席したメンバーへの共有事項の伝達に役立てたいと考えています。

 

科部さん:

今後は建設業界をはじめとする各業界の専門用語も登録され、正しく文字変換されるようになると聞いており、そうなれば使い勝手がいっそう向上するはずです。

 

近年、多数の議事録作成アプリが開発されていますが、さまざまなツールを試してきた私から見て、LINE WORKS AiNoteがもっとも使いやすいと感じています。データの互換性や長期的な保存性が向上し、より利便性が高まるためにも、LINE WORKS AiNoteが業界標準となってくれることを期待しています。

 

 

【お話を伺った方】

科部 元浩さん

建築本部で建築FSC 施工グループに所属する。

 

近藤 一海さん

入社以来建築現場の管理に携わり、現在は所長として初の案件となるマンション建築プロジェクトを管理する。

 

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2025年9月当時のものです。

 

見積書・発注書や手書き日報のシステム入力作業をLINE WORKS OCRで省力化。RPAとの連携により、帳票データの処理も大幅にスピードアップ

自動車用ゴム部品の設計・製造を主力事業とする鬼怒川ゴム工業株式会社では、製造現場で20年以上使用している古いマニュアルのデータ化、取引先との帳票類のやり取り、手書きの日々の出来高日報の内容をシステムに登録する作業に、手間と時間を要することが課題でした。これらの課題を解消するため、LINE WORKS OCRを導入し、Template OCRの活用やRPA(Robotic Process Automation)との連携により、文字を読み取ってデータ化する業務の効率化を図っています。

 

本事例のポイント
  • 他OCR製品では文字認識が難しかった、紙に印字されたマニュアル類をLINE WORKS OCRで読み取って迅速にデータ化
  • RPAをLINE WORKS OCRに連携させ、見積書や検収書のデータをシステムに自動的に取り込む仕組みを構築
  • 手書きの出来高日報の内容を読み取り、生産管理システムに速やかに反映させられる環境を整備

紙のマニュアルや帳票類のデータ入力を効率化するため、定評あるLINE WORKS OCRを導入

貴社の事業概要と近年の市場動向についてお聞かせください。

松浦さん:

当社は自動車用ゴム部品の設計・製造を主力事業としており、タイヤとワイパーを除くほぼ全ての部品を手掛けています。ドア周りのシール部品が売上の約50%を占め、他にエンジンマウントやホース類なども多数製造しています。ブレーキカップは世界シェアの約7割を誇り、多国籍エンジニアリング・テクノロジー企業のBoschにも納入しています。

 

自動車業界は成熟産業となり、生産規模が鈍化しても利益が出る企業体質への転換が求められています。そのため、近年は生産設備のさらなる自動化などによる効率化を推進しています。その一方で、いち早く中国のEV生産メーカーとの取引を開始するなど、マーケットの変化にも機敏に対応しています。

 

AI-OCRを導入する以前は、どのような課題をお持ちでしたか。

松浦さん:

主に間接業務の合理化に向けてDXを推進する意向を、先代の社長が打ち出したことがきっかけでした。それを受けてまず改善したいと考えたのが、生産現場におけるデータ活用をめぐる3つの課題でした。

 

1つ目は、製造ラインで使用している工場設備の点検マニュアルや操業時の安全マニュアルのデータ化です。これらのマニュアルは機器の保守や安全管理に不可欠ですが、原本は20年以上前にワープロで作成された文書を印刷したもので、元のテキストデータが残っていなかったことから、内容の改訂が困難でした。以前から原本のデータ化を検討していましたが、種類が多い上に1冊40~50ページほどあり、テキストを手入力するには大変な手間がかかるため、取り組みが先送りになっていました。

 

2つ目は、帳票の内容をシステムに登録する作業の煩雑さです。当社は試験機に取り付ける治具(ジグ)を協力会社に年間200個ほど発注しており、担当者が仕入れ先からの見積書に基づいて発注書を発行し、納品時には検収書の内容をシステムに入力しています。手作業では労力がかかるだけでなく、入力ミスも発生しがちなので、以前から自動化する手段を模索していました。

 

3つ目は、製造ラインにおける出来高日報のデータ入力です。当社が各地に持つ工場にはそれぞれ20~30の製造ラインがあり、各ラインで日勤・夜勤合わせて毎日40~60枚の出来高日報が提出されます。ただ、手書きで読みづらく、各拠点から集めた日報を担当者がシステムに登録し終えるまでに1日~1日半を要していました。そのため、生産実績が翌日にならないと確認できないことから、改善の必要がありました。

 

 

以前利用していた複合機のスキャナーにOCRソフトが付属していたため、それを使って出来高日報を読み取ることを試みました。しかし、工場ごとに形式が異なる日報の読み取り領域をドット単位で指定したり、スキャンしたデータをソフトに取り込んだりするのに手間がかかる上、製造ラインごとにスキャナーを配置するとなるとコストがかかります。そのため断念しましたが、後にAI-OCRが発達したことを知り、これらの課題解決に役立てられないかと思うようになりました。

LINE WORKS OCRを選定された理由をお聞かせいただけますでしょうか。

松浦さん:

自社でサーバーを立てずに手軽に運用できるクラウドサービスを利用したいと考えていたため、ベンダーに相談したところ、LINE WORKS OCRを推奨されました。実際の帳票を渡して読み取りテストを実施していただいたところ、印字されたテキストの認識精度が非常に高く、データ入力の大幅な効率化が期待できたため、導入を決定いたしました。

帳票類のデータを迅速かつ効率的に読み取れる環境の構築に向け、LINE WORKS OCR ReaderやTemplate OCR機能を活用

製造現場で使用される各種マニュアルのデータ化はどのように行われ、どのような成果が得られましたか。

松浦さん:

まず手始めに、Web画面上でアップロードするとOCR処理が実行されるクラウドアプリケーション「LINE WORKS OCR Reader」で、スキャンした紙のマニュアルを読み取らせテキストデータの抽出を実施しました。その内容を確認・修正後、Wordでレイアウトを調整し、別途切り出した図版などの画像を配置して製本しています。その大半はレイアウトや製本にかかる時間で、LINE WORKS OCR Readerによるテキストの抽出自体はすぐに完了します。

 

原本のテキストを手入力でデータ化する場合、マニュアル1冊につき約1カ月(140~160時間)かかると見積もられていたため、想定の4分の1ほどの所要時間で済みました。工数削減率は約75%で、担当部門からも「人が文字を打つよりずっと楽だ」と評価されました。何より、マニュアルがデータ化され、必要に応じていつでも内容を改訂できる状態になったことに大きな意義があります。

治具の見積書と検収書の読み取りはいかがですか。

松浦さん:

読取位置を事前に設定することでさまざまなレイアウトの帳票をテキストデータにできるLINE WORKS OCRのTemplate OCR機能を、自社開発したRPAにAPI連携させました。送られてくる定型の見積書を読み取らせると、そのデータをロボットが受け取ってシステムに入力することで発注が完了します。また、注文した治具の納品時には、電子帳票として発行された検収書を特定のフォルダに格納するとロボットがLINE WORKS OCRにそのデータを渡し、自動的に読み取ってデータ化されます。この仕組みは導入テストをほぼ完了したので、近く実務で本格運用を開始する予定です。

 

 

準備段階では、LINE WORKS OCRで変換したファイルと、システムに投入した元のファイルを投入時間や投入順序などで紐づけるロジックの開発に工夫が必要でした。また、RPA連携の汎用性を高めるために、対象となる帳票のナンバリングルールなど、ユニークなコード化を事前にしっかりと検討することが望ましいことも分かりました。

LINE WORKS OCR Template機能で定型書式の読み取り位置を設定(左緑枠)することで、同書式の書類のテキストデータ化が瞬時に完了する

 

このような事前準備が必要ではありますが、結果として基幹システムへの入力作業が大幅に効率化することが期待できます。見積書と検収書に記載された情報を人が確認してシステムに入力するには、それぞれ約10分ずつかかりますが、RPAとLINE WORKS OCRを連携させた仕組みを使えば、その作業が瞬時に完了します。1発注案件につき20分の作業を年200件省力化すれば、約20万円のコストカットにつながります。しかも、人手を介さないため、誤入力が発生することもまずありません

出来高日報の入力業務も「LINE WORKS OCR」によって省力化されたのでしょうか。

松浦さん:

こちらについては、製造ラインごとに集めた手書きの日報を複合機のスキャナーでPDF化し、LINE WORKS OCRのTemplate OCR機能に読み取らせてデータ化する試みを行っている最中です。熱間加工が多い製造ラインの作業者は手袋をしているため、日報は手書きにならざるを得ません。手書き文字はどうしても読み取り精度が落ちやすく、また作業者の中には外国人もいるため、日本語を書き慣れていなかったり数字の書き方などが異なる場合があります。さらに、帳票の網掛け部分の上に書かれた文字の読み取りが難しいこともあり、本格的な運用に向けて適切な記入方法を教育したり、日報のフォーマットをOCRで読み取らせることを前提としたものに変更したりすることを検討しています。DX推進には、ソリューションを導入するだけではなく、業務フローそのものを見直すことも不可欠だと思います。運用面の工夫と合わせて課題を解消できれば、生産管理システムに実績が反映されるまでのリードタイムが大幅に短縮されるので、引き続き取り組みを継続していきます。

業務生産性の大幅な向上が見込まれる「LINE WORKS OCR」とRPAの連携を、より多くの業務に適用させたい

LINE WORKS OCRの導入成果をどう総括されていますか。また、AI-OCRの導入を検討する企業へのアドバイスをお願いします。

松浦さん:

人が行っていた帳票の読み取りやデータ入力をLINE WORKS OCRに置き換えることで、作業負担の軽減と業務効率化、コスト削減に直結することを実感しています。特にクラウドアプリケーションとして利用できるLINE WORKS OCR Readerは、大掛かりな設備投資を必要とせず、紙帳票のデータ入力に課題を感じている企業が比較的低コストかつ短期間で導入でき、効果を出すことができると見込まれます。テンプレートの作成も以前使用していたOCRソフトと比較して容易で、短い教育期間で利用を開始できました

 

ただし、LINE WORKS OCRの導入効果を最大限に引き出すには、当社の取り組みのように帳票自体の様式の見直しや、ユニークなコード化なども必要です。システム化と運用改善は業務生産性の向上をもたらす両輪であると考えます。

 

もともと私はCADなどの製品管理データを扱うエンジニアでしたが、AI-OCRの導入で苦労することはありませんでしたし、Template機能の設定などもスムーズにできました。ITに深い知識や技術を持つ人がいなくても、容易に導入・運用できるのもLINE WORKS OCRの魅力だと思っています。

今後の業務効率化に向けて、どのような展望をお持ちでしょうか。

松浦さん:

まずは、LINE WORKS OCRとRPAの連携や出来高日報のデータをTemplate OCR機能で取り込む仕組みの本格運用に注力します。これらが軌道に乗ったら、調達や事務用品の発注など、ほかの定型的な入力業務にもRPA連携の適用範囲を拡大したいと考えています。現在、人手で行っている取引先との帳票データのやり取りを電子帳簿保存法の規定に則って保存する作業についても、LINE WORKS OCRとRPAを活用して自動化したいと考えています。

 

【お話を伺った方】

松浦 一浩さん

ITソリューション部システムサポート課 課長としてRPAやOCRの社内業務適用を主導する。

 

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2025年4月当時のものです。

 

LINE WORKS AiCallの活用でインフォメーションセンターの運用が効率化。オペレーターの対応件数を30%削減し、IVRの多重階層化も解消!

セゾンカードを発行する株式会社クレディセゾンのインフォメーションセンターには、毎月20万件以上、年末などの繁忙期にはさらに多くの問い合わせがあります。以前よりIVR(自動音声応答システム)を運用していますが、自動応答の途中で顧客が電話を切る離脱率が高く、自動応答で完了できる用件も限られていたことから、課題解消に向けてLINE WORKS AiCallを採用。AIが用件を的確なチャネルに素早く振り分けることで離脱率が低減し、オペレーターによる対応件数も減少するなど、業務効率を大きく向上させることに成功しています。

 

本事例のポイント
  • 顧客とAIの対話で用件を35種類に分類し、適切な後続処理につなぐ仕組みを構築
  • オペレーター着信件数を30%削減
  • IVRの多重階層化を解消
  • オペレーターにつながるまでの待ち時間短縮でCSが向上

インフォメーションセンターへの顧客満足度を高め、オペレーターの業務負荷も軽減するためAIの活用を検討

LINE WORKS AiCallを導入する以前は、インフォメーションセンターの運用にどんな課題がありましたか。

池田さん:

お客さまからのお問い合わせにはIVRが自動回答しますが、以前はそのシナリオが6階層もあったため、回答にたどり着くまでに時間を要していました。そのため、お客さまが途中で電話を切られる「離脱」が頻繁に発生していました。

 

 

高橋さん:

IVRはすべてのお問い合わせに答えられるわけではありません。お客さまからの電話は月に約20万件に上り、うち半数の10万件ほどは音声メッセージでは対応し切れずオペレーターにつながります。東京と大阪にあるインフォメーションセンターには、総勢約450名のオペレーターがいます。しかし、常に全員が通話をしている状態で、電話がつながるまでの待ち時間がときには20分ほどに及ぶこともあり、CSを損ねる大きな要因となっていました。

 

 

小山さん:

お問い合わせの内容は多岐にわたるため、オペレーターには広範な知識やスキルが求められます。どんな用件にも対応できるようになるために一度に多くの業務知識の習得が求められ、新人オペレーターにはそれが負担となっていました。また、以前は用件が「諸変更」と「それ以外」の2つにしか分けられておらず、「それ以外」の受電を開始すると、お問い合わせ内容が多岐にわたり、座学研修で学んだ知識だけでは答えられない質問をされることも多く、そうした心理的負担から新人の離職率が高まる要因となり、採用・教育コストがかかってしまうのも課題でした。

 

 

池田さん:

お問い合わせの内容に応じた振り分けをAIに任せ、ダイレクトに希望のメニューに接続いただくことで、お客さまの待ち時間を短縮し、オペレーターの負担も軽減できると考え、インフォメーションセンターの機能にAIの活用を検討するようになりました。

LINE WORKS AiCallを選ばれたのはなぜですか。

池田さん:

LINE WORKS AiCallのAIによる応答は滑らかで、人と話しているような自然なやり取りができます。音声の品質も高く、お客さまが違和感を覚えずに対話できるだろうと感じました。対応をよりスムーズにするには、お問い合わせの内容を従来よりも細分化する必要がありましたが、LINE WORKS AiCallならその振り分けも的確に行われることが期待できました。また、他社サービスは従量課金制であることが多く高額になりがちでした。その点、LINE WORKS AiCallは定額制のため、イニシャルコストとランニングコストが他社のサービスの3分の2ほどと、コストを抑えられる点も魅力的でした。

AIが用件を35の項目に分類、オペレーターやIVRによる後続処理がスムーズに

LINE WORKS AiCallを活用した顧客対応の仕組みをどのように構築されましたか。

池田さん:

「AIナビ」と名づけたこのシステムでは、LINE WORKS AiCallが聴取したお客さまのお問い合わせ内容を35項目にカテゴライズするために事前学習したモデルでユーザー発話を分類します。私どもは以前からホームページ上でAIチャットボットによる自動応答サービスをご提供しており、そこで蓄積されたデータを「教師データ」として各項目に当てはめました。

 

そのプロセスでは、専属の担当者を配置して細かな分析をするとともに、NLUモデルだけではなく音声認識モデルのチューニングもしっかり行うことで、高い振り分け精度を実現しました。また、PBX、IVR、端末、ネットワークなど多岐にわたるシステムとの連携においては、各担当部門と緻密な調整をすることでUI/UXの統一を図りました。

 

LINE WORKS AiCallが用件を振り分けてからの後続処理は、「Webによる手続きの仕方をご案内するSMS送信」、「IVRによるご案内」、「オペレーターにつないでの対応」に大別されます。通話がオペレーターに転送された場合は、お客さまがLINE WORKS AiCallとの対話で話された内容を分かりやすくテキストで示すダッシュボードも開発して連携させました。

 

LINE WORKS AiCallが顧客との対話から問い合わせ内容を判定してカテゴライズ。用件に応じて的確な対応がなされるフローを構築

 

小山さん:

ダッシュボードに表示された内容によって、お客さまへの対応がよりスムーズになり、通話時間も短縮できます。運用に際しては、AIナビがオペレーターの業務負荷軽減とCSの改善に役立つことを、研修や説明会の場を設けて周知しました。

 

高橋さん:

ダッシュボードには、各オペレーターがAIナビによる振り分けが正しかったかどうかをフィードバックする機能も設けています。振り分け項目の正誤登録という新たな作業が加わることになりますが、AIナビの精度を高めて業務を効率化するのに不可欠だということも十分に理解してもらえるように努めました。

 

LINE WORKS AiCallが聞き取った用件をテキスト化してダッシュボードに表示。オペレーターが電話に応答する前に用件の概要を把握できることで対応が円滑になる

オペレーター対応件数を30%も削減。無人対応率も高まり業務生産性が飛躍的に向上!

AIナビの運用による定量的な成果について、教えてください。

高橋さん:

まずはオペレーター20人程度のデスクでスモールスタートし、段階的にAIナビで対応するデスクや拠点を拡大していきました。その結果、月に10万件あったオペレーターへの着信件数を3万件も削減することができています。例年、繁忙期の12月は着信数が30万件ほどに急増しますが、2024年の12月はオペレーター着信件数が前年比約30%減少しました。また、IVRによる対応の途中でお客さまが電話を切られる離脱率が減少し、自動音声応答システムだけで対応するIVR完了率については40%も増加しています。

 

池田さん:

以前のIVRは、冒頭のアナウンスに続いてお客さま認証のためカード番号を入力してもらっていました。そこで離脱が発生することが多かったのですが、AIナビでは最初にお問い合わせ内容をお聞きしてから認証手続に移るようにしています。お客さまにしてみれば用件を伝えた以上は回答を受け取りたいという心理が働き、それが離脱を防ぐ要因となったのではないかと推測されます。また、LINE WORKS AiCallのAIに顧客への対応を任せるのではなく、素早く最適なチャネルに振り分けることに集中させたことも功を奏したのではないかと思います。

 

高橋さん:

昨年にご利用明細書の発行手数料を変更した際、想定されるお問い合わせ件数の急増に対応するため、LINE WORKS社に依頼し、オペレーターを経由せずSMSで案内を送信するシナリオを用意していただきました。おかげで、急な要望にも関わらず、柔軟かつ迅速な対応により、オペレーターの負荷増加を防ぐことができました。

数値では測れない定性効果はどのようなものでしたか。

高橋さん:

IVRやSMS、オペレーターへ繋がるまでの長いアナウンスやボタン操作といった煩わしさが軽減され、顧客満足度向上に確実に貢献してくれていると思います。AIがお問い合わせ内容を聴取することへのクレームも少なく、多くのお客さまに受け入れられているように感じます。

 

小山さん:

オペレーターにとっては、ダッシュボードで事前に用件の概要を把握できるようになってから、通話に対応する心理的負担がかなり和らいでいると思います。また、お問い合わせ内容が細かく分類されたことで、新人オペレーターが自分に対応できる用件だけを受けられるようになりました。

LINE WORKS AiCallのさらなる活用に向けてどんな展望を抱かれていますか。

池田さん:

SMS完了率とIVR転送率の向上を目指し、2024年11月にSMS送付を増やすシナリオ改修を行いました。今後その成果が現れて無人対応が増加し、オペレーターの負荷がさらに低減することを見込んでいます。

 

現在はAIナビを問い合わせ内容の振り分けに用いていますが、将来的にはLINE WORKS AiCallの機能をさらに有効活用して、カードの利用状況確認やポイント交換、住所変更など、多くの手続きをAIナビ内で完結できるようにしたいと考えています。

 

小山さん:

他のデジタルチャネルともシームレスに連携させ、例えばWebサイトで確認した内容についてAIナビに質問したり、アプリからAIナビにアクセスして手続きを行ったりと、お客さまが自由にチャネルを選択できるようになることでUXも向上させたいですね。

 

高橋さん:

対応した内容をAIに学習させてより精度の高い自動応答を可能にすれば、オペレーターの負担がさらに軽減できると考えています。将来的には、過去の問い合わせ履歴やお客さまの属性情報などを活用し、より高度な応答やパーソナライズされたサービス提供につなげたいです。

 

【お話を伺った方】

池田 勇介さん

PBX、IVR、通話録音装置などの運用・保守に携わる。AIナビ導入にあたってはプロジェクトを統括した。

 

高橋 ももこさん

カスタマーサービスのDX推進担当として、顧客接点のデジタル化に携わる。

 

小山 美裕さん

オペレーター時代の経験を活かし、運用現場におけるAIナビの活用推進を担当。

 

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2025年1月当時のものです。