株式会社智翔館
2022-10-27
業種
教育・塾
目的・効果
従業員間の連絡 取引先との連絡 コンプライアンス・セキュリティ 業務自動化・Bot ノウハウ共有 離職防止 日報・週報 予定の見える化 FAX削減・ペーパーレス 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
カレンダー
タスク
アドレス帳
Bot
お話を伺った方
事業推進部長 人事課長 DX推進プロジェクトリーダー 冨松 太一さん(右)  
自立学習教室 教室長 亀谷 新さん(中)  
自立学習教室 社員 瀬戸山 理恵さん(右中)  
中等部 教室長 安藤 純平さん(左中)  
中等部 教室長 鴛渕(おしぶち)楓さん(左)  
学生担任助手 清水 裕貴さん  
学生講師 仁泉 大樹さん  
学生担任助手 坂田 啓真さん
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職員どうしの連携が密になり学生講師の退職率は2割減。生徒の学び方改革と講師の働き方改革を実現するため、独自の教育DXを促進。

長崎県で学習塾や資格スクールなどを運営する株式会社 智翔館は、電話、メール、個人LINEなどバラバラだったコミュニケーション手段をLINE WORKSに集約し、職員間の連絡業務を効率化。アナログで管理していた業務データやマニュアル、日報などを電子化し、フォルダや掲示板で共有し、確認の工数を削減。有休消化率は年間平均6日から10日に増加。職員一人ひとりに『余裕』ができたことで、LINE公式アカウントで生徒が入力したテスト成績や学習の振り返りを社内の管理システムと連携させ、担当講師がLINE WORKSでいつでもアクセスできるようにするという新たな取り組みも始まった。生徒の学びと職員の働き方の改革に向けたDXを推進しています。

 

本事例のポイント
  • 紙で管理されていた日報や会議資料、マニュアルを電子化し全社で共有
  • 情報共有の活性化により、学生講師や新人職員の育成・定着に貢献
  • 管理システムとの連携で更新された学習データはBotで通知、日々の確認が容易に

御社の事業内容をご紹介ください。

 

冨松さん :

「長崎から世界に羽ばたく自立型人間を育成することで地域社会に貢献する」を経営理念として1991年に設立された当社は、県内に学習塾、予備校、オンライン個別指導教室、通信制高校サポート校、資格試験スクール、児童発達支援施設などを運営。全体で1,300名ほどの生徒が学んでいます。

 

 

長崎県が抱える深刻な課題の1つとして、地域間の教育格差が挙げられます。その解消を目指す当社は令和4年度の「長崎県サービス産業経営強化事業認定企業」として県の支援を受け、離島など塾に通えない地域の生徒でも、一人ひとりにパーソナライズされた質の高い教育サービスを受けられるオンライン学習システムを開発するなど、教育DXの推進にも注力しています。国が進めるGIGAスクールとも歩調を合わせ、ICTの活用による児童・生徒の自立的かつ個別最適な学びを塾でも実現しようとしています。

LINE WORKSの導入前はどのような業務課題を抱えていましたか。

冨松さん :

メールや塾経営支援システムを導入していますが、いちいちログインするのが煩雑で、本社と各拠点や職員どうしの連絡には電話やLINEが多用されていました。社内のコミュニケーション手段がバラバラなことが、円滑な情報伝達を妨げる要因となっていました。

 

亀谷さん :

私は自立学習教室の教室長を務めながら、他の3教室の教室長のマネジメントもしています。普段は各校舎の教室長と顔を合わせる機会がなく、相手や状況に応じて電話、メール、LINEのどれが適しているかを都度判断していました。

 

 

鴛渕さん :

電話は相手が必ず応答してくれるとは限らず、メールはいつ読まれるかわかりません。他の職員に急いで確認してほしい伝達事項をメールで送ってから「見てくれましたか」と電話をかけるなど、多くの無駄がありました。

 

 

安藤さん :

職員間の連絡がスムーズでないことに加え、業務マニュアルや生徒の成績データなどが紙書類として保存されており、閲覧や共有にも手間がかかることも課題でした。

 

 

冨松さん :

提供する教育の質を高めるには、職員の間接業務をできるだけ省力化して、本業である「指導」に集中できる環境を整えることが不可欠です。その観点から職員がどんな業務にどれだけ時間を使っているかを調査した結果、紙書類の作成や業務連絡に多くの時間を取られていることがわかり、教育DXの一環として全社を挙げて改善に乗り出しました。

課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由をお聞かせください。

冨松さん :

情報のスピーディな伝達・共有にはビジネスチャットが有用ではないかという社長の意向も踏まえていくつかのサービスを比較した結果、LINEと操作性が似ており、運用コストが手頃なLINE WORKSに注目しました。ビジネスチャットにはPCでの利用を前提としたものが多い中、LINE WORKSはスマホでも使いやすく、アルバイトの学生講師に自身のスマホで使ってもらうのに向いていると感じました。通知の受信時間を設定できるのも魅力的で、学生講師や事務系業務を委託している協力会社も含めて100名弱にLINE WORKSアカウントを付与しました。

LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入成果を教えてください。

【グループ】業務情報を一斉に伝達でき煩雑だった連絡業務を省力化
【フォルダ】業務マニュアルなど各種書類を電子化して保管
【掲示板】研修動画などをアップ/日報を投稿して共有
【カレンダー】メンバーの予定や研修を可視化/社内設備の予約を管理
【タスク】メンバーへの業務依頼を効率化し、生産性が向上

 

冨松さん :

連絡手段をLINE WORKSに一元化し、部署や各種プロジェクト単位でグループトークを分け、タイムリーなコミュニケーションが取れるようになりました。個人LINEの業務利用がなくなったことで、誤送信による業務情報の漏えいのリスクも軽減されています。

 

亀谷さん :

自立学習教室の教室長たちとは、無料ビデオ通話を使ったオンライン会議もよく開きます。各教室長の日程はカレンダーに入力して全員で共有。会議用の資料などもノートに保存するようにしたことで、以前とは比較にならないほど素早く情報を共有できるようになり、ペーパーレス化も進みましたメンバーへの業務の依頼と管理はタスク機能で行い、いちいち電話やメールなどで進捗確認をする必要がなくなったことも生産性が向上したと感じています。

 

瀬戸山さん :

私が入社した時点では既にLINE WORKSが運用されており、職員どうしがLINE感覚で手軽に業務連絡をしていることに驚きました。しかし、私もすぐに操作に慣れ、別部門の職員に伝えたいことがあれば、アドレス帳から簡単にトークや無料音声通話で連絡がとれるので快適です。

 

 

鴛渕さん :

LINE WORKSのグループトークなら一斉に情報を発信できますし、誰が既読になったかまでわかるので、未読の相手にのみ再度連絡するといった効率的な対応が可能です。カレンダーの設備予約機能で、教室や駐車場などの利用管理もラクになりました

 

冨松さん :

以前は紙に書いていた日報もデジタル化しました。出張が多い社長も目を通しやすくなり、職員の動きを把握してくれるようになりました

学生講師の皆さんはLINE WORKSをどう活用していますか。

清水さん :

特に便利だと思うのは、生徒から正社員の講師にしか対応できない相談を受けたときに、その内容を直ちに伝えられることです。以前は上長が近くにいないため、うっかり報告し忘れることがありましたが、今はそんな心配もありません。

 

仁泉さん :

業務連絡の他に、仕事の悩みを他の学生講師からアドバイスや励ましを得て、モチベーションを高めた例もあります。

 

力岡さん :

カレンダー機能が充実しているのはLINE WORKSならではです。他の講師の予定を把握したうえで、会議の日程調整をスムーズにできるのが良いところです。

左から、学生担任助手の清水 裕貴さん(右)、学生講師の仁泉 大樹さん(中)、学生担任助手の坂田 啓真さん(左)

代講連絡をノートで、個々の作業をタスクで依頼・管理することで事務作業を効率化

ほかにLINE WORKSによってどんな業務改善が進められていますか。

・新入職員のキャリアパスをカレンダーで可視化し教育効果アップ
・職員が実践した業務改善事例を掲示板に投稿して共有
・管理システムに蓄積された生徒の学習データをLINE WORKSで閲覧

 

冨松さん :

ビジネス文書や業務マニュアルに加え、教育業界の最新動向をフォルダや掲示板で共有しています。新人講師向けの「出席簿のつけ方」「挨拶の仕方」などの研修動画もアップし、多様なナレッジやノウハウを以前よりしっかり周知できるようになっています

 

亀谷さん :

また、社員を教室長へと育成するためのキャリアパスをカレンダーに落とし込んでいます。カレンダーのメモ欄にどの時期にどんな業務ができるようになればよいかを記載することで、本人が意識的に業務を遂行できるように工夫しています

 

冨松さん :

職員全員の意識も変わり、学生と社員、学生どうしの意思疎通が活性化したことで、LINE WORKS導入後は大学卒業による退職を除いて学生講師の退職率は2割減じております

 

瀬戸山さん :

元塾生である私は最近入社し、自立学習教室の社員になりました。年間のキャリアパスが可視化されていることは、私にとってわかりやすくて、不安を和らげるのに役立っています。

新任者の教育スケジュールをカレンダーで可視化。

指導にあたる教室長との親密なコミュニケーションが日常的になされることによって、新任者が働きやすい環境を整えている

 

冨松さん :

有給消化日数も6日から10日に増加し、従業員に『余裕』が生まれたことから「つきいち業務改善」という新たな取り組みを始めました。投稿された業務改善事例の中から、各職員が特に優れていると思うものに投票し、得票数の多い事例を表彰しています。採用した事例のひとつに、手書きのスケジュール帳で業務や面談の調整をしていたのをLINE WORKSのグループトークの共有カレンダーに切り替え、調整の省力化とミスの軽減を実現しました。

LINE WORKSを活用した業務改善の取り組み事例

 

安藤さん :

また、中等部では学校の定期テストの結果を把握しており、以前は講師が生徒から成績を聞き出して紙に記録していました。また生徒は毎授業で学習について振り返りを紙に書いていましたが、現在はそれぞれの生徒がLINE公式アカウントに入力してもらい、自動的に管理システムに蓄積される仕組みを構築しています。データが更新されると、担当講師のLINE WORKSにBotで通知されます。生徒はわざわざ校舎にくることなく成績の報告や振り返りをすることができ、講師はいつどこにいても生徒のデータを確認できるようになりました

テスト成績を生徒に登録してもらい成績データとして管理。更新されると担当講師のLINE WORKSに自動で通知が届く仕組みを開発
冨松さん :

私たちは、学習の進捗管理を省力化するのはもちろん、生徒が自らの成績や目標、授業での学びを振り返り入力・管理することで自身の学習状況を把握し、「自立型人間の育成」につながることを期待しています。このように、LINE WORKSは当社が進めようとしている教育DXの推進において、いくつもの重要な役割を担ってくれています

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。

冨松さん :

以前取った社内アンケートで『LINE WORKSの利用は、社内のDXにつながる』と83%が回答をしてくれました。今後はさまざまなシステムとのAPI連携やBot活用をさらに進めて働き方改革・学び方改革を促進し、その成果を当塾だけではなく全国の教育現場にも広めていきたいと考えています。そして、現在はLINE WORKSを保護者や生徒との情報共有にも活用できる取り組みを検討しています。

 

【お話を伺った方】
冨松 太一さん

自宅にいながら通塾時さながらの受講体験ができるオンライン授業を開発するなど、教育のDXを推進。

 

亀谷 新さん

自立学習RED 西海大島教室の教室長

 

瀬戸山 理恵さん

自立学習RED 佐世保京町教校の社員

 

安藤 純平さん

中等部 日宇校の教室長

 

鴛渕 楓さん

中等部 佐世保駅前校の教室長

 

清水 裕貴さん

学生担任助手

 

仁泉 大樹さん

学生講師

 

坂田 啓真さん

学生担任助手

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年9月当時のものです。