大分県を放送エリアとするFMラジオ放送局のエフエム大分は、社員どうしの意志疎通をスムーズにするツールとしてLINE WORKSを導入。電話とメールで行っていた連絡をトークに置き換え業務効率化を実現しました。災害発生時の社員の安否確認や、緊急放送に対応する社員への連絡にも活用されるなど、社内全体のコミュニケーション環境が大きく向上。さらに、営業部門では、外部トーク連携機能でスポンサー企業の担当者のLINEと連携することで営業活動を活性化しています。
本事例のポイント
- 活用が進まなかったチャットツールからLINE WORKSに切り替えて全社員に浸透
- 顧客のLINEとLINE WORKSでつながることでシャドーITを抑制
- 災害発生時の社員への安否確認と緊急放送に備えた連絡がスムーズに
御社の事業内容をご紹介ください。
平山さん :
エフエム大分は大分県内をサービスエリアとするFMラジオ放送局です。大分の皆さんにとって心地よい空気のような存在でありたいとの願いを込め、「エア・レディオ」をキャッチフレーズに1990年10月に開局。その翌年にはエフエム東京をキーステーションとするJFN(全国FM放送協議会)に加盟しました。音楽をお届けするだけではなく、県内の情報を紹介する番組も充実させるとともに、地域の祭りや文化活動などの支援にも力を入れています。最近は電波による放送だけではなく、ラジオ放送をPCやスマホで聴けるアプリでの番組配信やSNSの活用など、クロスメディアで情報を発信する機会が増えつつあります。
LINE WORKSを導入される以前はどのような課題がありましたか。
平山さん :
社員間の主な連絡手段が電話とメールだったため、情報をスピーディに伝えられないことが以前からの課題でした。そのことを特に意識させられたのは、夜間に地震などの災害が発生したときでした。社員の安否を確認するのと同時に、災害に関する特別放送をする必要があれば自宅にいる社員に緊急出社を促しますが、急を要する場合でも社員一人ひとりに電話をかけたりメールを送ったりするしかなく、レスポンスをすぐに得られなかったことも悩みの種でした。
渡邊 佳織さん :
スポンサーとなるお客様先での営業中に、CM放送枠の空き状況をすぐに確認したいことがよくあります。しかし、商談中にお客様の前で会社の担当者に電話をかけることには抵抗があり、チャットツールで空き枠を確認してその場で即回答できれば便利だろうなと思うことがよくありました。
平山さん :
最近はお客様と個人LINEでやり取りする営業社員が散見され、シャドーITに対する懸念も生じていました。そこで数年前に全社にビジネスチャットツールを導入したのですが、操作性がよくないと感じる社員が多く、残念ながらあまり活用は進みませんでした。
課題の解消に向けてLINE WORKSを選ばれた理由をお聞かせください。
平山さん :
ほぼ全社員がプライベートのコミュニケーションツールとしてLINEを使っています。そのLINEと操作性が似ているLINE WORKSの存在を知り、これなら全社にスムーズに定着するだろうと確信しました。LINEと連携してやり取りができる外部トーク連携機能があるのもLINE WORKSならではの特長で、取引先や社外の制作協力会社などと円滑にコミュニケーションを図るのにも有用だと思い、既存のチャットツールからの切り替えを決めました。
社員の皆さんはLINE WORKSの導入をどのように受け止められましたか。
平山さん :
期待したとおり、大半の社員が抵抗感なく受け入れてくれました。
渡邊 佳織さん :
私はICTツールがあまり得意ではなく、前に利用していたチャットツールはどこか使いにくさを感じたのですが、LINE WORKSはLINEとUIが共通していることもあって、すぐに使いこなせるようになりました。
渡邊 歌歩さん :
私も普段から使い慣れているLINEに操作性が近いLINE WORKSに親近感を抱きました。以前のチャットツールは通知に気づきにくかったのですが、LINE WORKSは見慣れた通知画面だからか、これなら重要な情報を見逃すことがなさそうだと思いました。
LINE WORKSの導入によって、社内コミュニケーションはどう改善されましたか。
・グループトークで業務に関する情報を素早く共有
・番組情報を発信するLINE公式アカウントのテスト送信にトークを活用
・紙で提出・回覧をしていた社員日報を電子化し負担を軽減
・電話番号が分からなくても社員の誰とでも通話やリモート会議が容易にできる
平山さん :
組織図に基づいたチームトークルームのほか、必要に応じて臨機応変にグループトークをつくることで、情報共有のスピードが格段に速くなったことを実感しています。その一例が「警報」というグループで、放送機器にトラブルが起きて機材がアラートを発したとき、技術スタッフや編成部長などの担当者がその情報をグループトークで共有。対応策をグループメンバー間で迅速に検討し合えるようになりました。
番組情報はLINE公式アカウントで視聴者やファン向けに発信していますが、各番組の担当者はその元原稿をトークで担当者に送信しています。LINE WORKSのトークは絵文字を含めてLINEとほぼ同じ表示になるのでLINE公式アカウントの投稿画面にLINE WORKSのトークで送った原稿をコピペするだけで済み作業効率がアップしました。
これまで社員が提出する日報は、紙に出力して複数の上司が回覧していましたが、全社員がメンバーとなっているグループトークのフォルダ機能を活用することで電子化に成功しました。各社員名のフォルダを用意し、日報用のWordファイルをアップロードすることで、関係する上司に一斉に共有できるのですぐに確認できます。
アドレス帳のおかげで社員どうしが誰とでも速やかにコンタクトが取れるようになり、社員間の連絡は無料の音声通話やトークが定着しています。また、大分市の本社と東京支社の複数の社員がリモート会議をする際も、無料のビデオ通話で手軽に顔を見ながら話せるようになっています。
営業部門ではLINE WORKSの導入効果をどう感じていますか。
・トークの活用で商談中の会社への問い合わせがスムーズに
・電話番号を知らない社員にもアドレス帳からコンタクトできる
・外部トーク連携機能の活用でシャドーITが解消
渡邉 佳織さん :
CM放送枠などをトークで問い合わせれば社内の担当者がすぐに正確な情報を返信してくれるので、お客様への対応がスピーディになりました。
渡邉 歌歩さん :
外出中の社員宛にかかってきた電話の用件を伝言するのにも、トークですばやく伝えることができます。伝言を伝えなければならない社員の携帯番号が分からない方もいますが、いちいち問い合わせることなく、アドレス帳から無料通話やトークで直接コンタクトができるのもLINE WORKSの利点です。
平山さん :
外部トーク連携機能で取引先の担当者のLINEとセキュアにやり取りできるようになったことで、シャドーITの懸念を解消することもできました。
災害発生時の社内の安否確認や緊急放送への対応は、以前と比べてどう変わりましたか。
平山さん :
BCP対策として、アンケート機能の安否確認テンプレートを活用しています。そのうえで、有事の際の出社要請や自宅での待機要請など、グループや個別のトークで伝える体制を構築しました。実際、2022年1月に大分県で最大震度5強の地震が発生した際は、これらの対策を想定どおりに行い、技術部門のスタッフにラジオ電波を中継する中継局に問題が起きていないか確認するための出社要請をスピーディに実施することができました。
渡邉 佳織さん :
地震が発生したのは午前1時台でしたが、夜勤の担当者が社内の被害状況を写真で全社員のグループに送信してくれて、社内の様子をいち早く知ることができました。
渡邉 歌歩さん :
以前は自分が出社するべきか、自宅で待機しているべきか迷う時間が長かったのですが、今は安否確認後にすぐに出社要請や待機要請が届くので、混乱することがなくなりました。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
平山さん :
月曜日の早朝以外は24時間放送しているため、社員は交替勤務をしています。そのシフトはまだ紙の勤務表やホワイトボードで共有していますが、今後はLINE WORKSのカレンダーで共有できるようにしたいと考えています。
また、プロジェクト企画などの情報はノートで共有したり、会社からの通達などの全体周知は掲示板に投稿するなど、LINE WORKSにはグループウェアとしての便利な機能が豊富にあるので、積極的に活用していくつもりです。
【お話を伺った方】
平山 玲さん
企画開発局長と総務部 部長を兼務。LINE WORKSの導入も主導した。
渡邊 歌歩さん
営業編成部 営業編成課 プロジェクトリーダー。営業担当としてスポンサーにラジオCMの提案を行うほか、イベントの企画等も手がける。
渡邊 佳織さん
営業編成部 営業編成課 プロジェクトリーダー。営業担当としてスポンサーにラジオCMの提案を行うほか、イベントの企画等も手がける。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年5月当時のものです。