株式会社長谷川鉃工
2024-04-22
業種
製造・メーカー 建設・工事
目的・効果
従業員間の連絡 スマートフォン活用 業務自動化・Bot ノウハウ共有 連携ツール グループウェア 予定の見える化 業務の見える化 FAX削減・ペーパーレス 導入のしやすさ
主な活用機能
トーク
掲示板
カレンダー
Bot
お話を伺った方
代表取締役社長 長谷川 睦さん  
専務取締役 統括管理 田辺 一久さん  
営業部 工藤 亜希さん 金持 紗良さん
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LINE WORKSとkintone連携で、検査報告書の作成時間が75%削減! 業務の属人化も解消し、鉄鋼業界のDXを推進していきます

株式会社長谷川鉃工は、青森県津軽地方に2つの鉄工所を構え、建築鉄骨の加工や組み立てを手掛ける鉄骨ファブリケーターです。生産性向上を目指す同社が取り組んだのが、LINE WORKSとkintoneを活用した検査報告書作成業務の効率化です。LINE WORKSとLITONE  for チャットボットのkintone連携によって、報告書の作成をスマホで完結する仕組みを構築。従来8時間かかっていた約30枚の報告書作成作業を2時間に短縮し、業務の属人化を解消しました。DXの取り組みが進めにくい業種でありながら、LINE WORKS活用の取り組みを同業他社にも広げ、業界の活性化を推し進めようとしています。

 

本事例のポイント
  • LITONE for チャットボットを採用し、検査報告書作成を自動化する仕組みを構築
  • 検査報告書作成にかかる時間を8時間から2時間に短縮、顧客満足度向上にも寄与
  • PCが苦手な社員や新入社員にも教えやすく、空いた時間を他の作業に充当して有効活用
  • 予定管理や回覧板など、ひとつのアプリにまとまり、より便利に

御社の事業内容をご紹介ください。

 

長谷川さん:

1970年に創業した長谷川鉃工では、主にビルや学校の体育館などの骨組み部分を製作しています。ロボット溶接による複雑な加工を得意としており、高い技術と信頼を得ています。

 

 

2020年に創業から50周年を迎えて、お客さまからは「頼んでよかったと思っていただける仕事」を、社員からは「当社で働けてよかった」と思える会社にすることを理念に掲げています。2023年4月には、鉄の魅力を伝える体験型施設「アイアンプラネット ベースオブ津軽」をオープンして、工作体験や鉄に関する展示などを通じて地域社会への貢献にも力を入れています。鉄という硬いものを扱ってはいますが、頭まで固くならず、遊び心のある会社であり続けたいと考えています。

LINE WORKSを導入する以前はどのような課題に直面していましたか。

長谷川さん:

2019年4月より順次施行された働き方改革への対応により、当社では時間外労働の短縮や有給休暇の取得などに取り組んできました。しかし、その結果、工場の稼働時間が減少し、売上が大きく減少してしまうという課題に直面しました。この課題を克服するために、4年ほど前からシフト制を導入して工場の稼働率を上げたり、ロボット設備を導入して生産性を向上させたりと、さまざまな対策を講じてきました。しかし、それでもまだ時間外労働が発生するケースがあるため、さらなる業務効率化が求められていました。

 

 

田辺さん:

特に時間外労働が多く発生していたのが、製造工程が適切に進んでいることを証明するために顧客へ提出する検査報告書の作成業務でした。具体的には、工事用デジタルカメラで撮影した製造工程の写真をパソコンに取り込み、何十枚の中から選定した写真を事務所で編集し、現場毎の専用Excelフォーマットに入力・出力して顧客へ提出するといった作業です。分担がしづらく、一人の社員に業務負荷が偏っていました。手直しが発生したり、検査報告書作成のためだけに事務所に戻らなければならない場合があったりと、非効率な状況が続いていました。

 

LINE WORKS とLITONE for チャットボットを選定した理由は何でしょうか。

田辺さん:

検査報告書の作成業務にかかる時間を効率化したく情報を探していたところ、チャットボットとkintoneを活用することで、工場にいながら報告書作成ができる仕組みがあることを知りました。

当社の社員には若手からベテランまでおりますが、ITスキルに長けているわけではありません。そのため、インターフェイスとなるチャットボットは、普段見慣れているLINEの画面と似ているLINE WORKSで行えば、ストレスなく使ってもらえると思い、LINE WORKSと連携しているGlobalB社の「LITONE for チャットボット」*および「LITONE for kintone」*の導入を決めました。

 

長谷川さん:

社員からLINE WORKSを使いたいと相談を受けたとき、私でも日常で使っているLINEの使い勝手や仕組みはそのままに、より高度なビジネス管理ができるツールで業務効率化に貢献できるイメージがすぐに湧き、導入を承認しました。

従前の課題だった検査報告書作成業務に、LINE WORKSをどのように活用していますか。

 

 

田辺さん:

まず、工場でLINE WORKSのアプリが入ったiPadで製造工程の写真を撮影し、そのままLINE WORKSのチャットボットの質問に回答しながら撮影した写真を選択して送信します。その回答情報がkintoneに連携され、kintoneに登録された情報が自動的に検査報告書として出力されます。

 

 

工場にいながら検査報告書作成業務のほとんどが完結され、あとは、事務所のパソコンでExcelファイルに出力し、画像の位置などを微修正するだけでお客様にメールでお送りできる状態になります。

 

Botを活用した検査報告書作成の様子。チャットボットでの回答作業は、慣れれば1分もかからず完了できる

 

金持さん:

まずは、私が最初にLINE WORKSとkintoneを使った検査報告書作成業務のやり方を覚えました。当初は不安もありましたが、使い方は簡単で、すぐに手順を覚えられました。

 

実際の操作は、LINE WORKSのチャットボットにタップで回答するだけですし、kintoneは出力ボタンをクリックするくらいなので、本当に驚くほど簡単に書類が完成します。報告書のデータベースとなっているkintoneですが、難しい操作をせずに扱える仕組みになっているのは、素晴らしいと思います。

 

報告書に添付される写真もクリアですし、仕様通りに作られているので、従来と比べて報告書の品質も全く落ちていません。

 

LINE WORKS活用によって、検査報告書作成業務にどのような変化がありましたか?

・1案件あたり8時間かかっていた検査報告書の作成時間が2時間に短縮
・検査報告書を即日納品することで、お客さまの業務スピードUPに寄与
・業務が引き継ぎしやすくなり、属人化から脱却

 

金持さん:

これまで、写真撮影時間を除き、写真データをExcelに取り込み、資料作成から印刷までに1案件あたり約30枚ある報告書の作成完了まで8時間かかってた作業が2時間に短縮され、業務時間内に完了できるようになりました。

わざわざ報告書作成のためだけに事務所に戻る必要もなく、移動時間も削減できています。

 

以前、遠方のお客さまが当社の工場に立会い検査に来られたときがありました。立会い時には写真を撮り終えていたので、当日、お客さまが帰りの新幹線に乗車するまでの1時間くらいの間で報告書を送付でき、「すごく早いね!」と大変喜ばれました。

 

工藤さん:

以前は、工事用デジタルカメラや写真選定の専用アプリなどを使えるのが主に私だったため、検査報告書作成業務を担当していました。報告書作成業務が集中すると時間外労働で対応する必要がありましたが、LINE WORKSとkintoneが連携されるようになってから、教えることが簡単にできるようになったので、今では誰でも報告書が作成できるようになりました。

 

誰にでも使えて、誰にでも教えることができるというのは、業務効率化にとって重要だと考えています。業務を引き継ぎしやすいチャットボットの活用はとても魅力に感じています

 

 

田辺さん:

まず、検査報告書の作業時間が短縮され提出スピードも格段に上がり、お客さまにとっても、数日後に先方社内で提出していた報告書を帰社直後に上げられるようになったことで、お客さま満足度が向上したと思います。社員も短縮した時間で他の業務に取り組むこともできますし、作業が属人化しないため、有給休暇も取りやすくなりました。働き方改革にも貢献しています。

LINE WORKSの標準機能はどのように活用していますか。

【掲示板】紙の回覧板を置き換え、情報共有のタイムロスをなくしペーパーレス化
【カレンダー】休暇確認や業務量調整に活用
【トーク】自動翻訳でベトナム人の技能実習生・インターン生とのコミュニケーションを円滑化

 

田辺さん:

トークを使用してスピーディな報連相を徹底しているほか、カレンダーや掲示板も活用しています。

 

営業に関する報連相は、営業部のグループトークでやり取りしている

 

カレンダーで社員の休みを確認することで、業務量を調整し、スムーズな業務運営を実現しています。

カレンダーには社内の予定を入力。いつ・誰が・どこで・何をするのかを可視化している

 

また、紙の回覧版をLINE WORKSの掲示板に置き換えることで情報共有のタイムロスをなくし、ペーパーレス化にも寄与しています。

 

当社にはベトナム人の技能実習生・インターン生が計4名勤務しています。彼らとのコミュニケーションを円滑にするために翻訳機能を活用しています。日本語で送ったトークが即座にベトナム語に翻訳されるので、相互理解が促進し、スムーズな業務遂行を実現しています。

 

日本語のトークをベトナム語に自動翻訳。7言語に対応している

 

工藤さん:

これまで、チャットはこのアプリ、カレンダーはこのアプリ、回覧は紙、などそれぞれ別のツールを使い分けていたのですが、LINE WORKSで1つのアプリにまとまったので、以前より便利になっていると実感しています。

工場の生産性や社員の作業効率を向上するためにDXを推進してきたのですね。

長谷川さん:

私の中で、DX化とは環境整備、整理整頓です。難しいことをやるのではなくて、工場の仕組みを整えようとか情報の整理整頓をしようとか、そういったところからDXは進んでいくと思っています。

 

LINE WORKSは全社員が共有された情報に手軽にアクセスでき、チャット形式のトークや情報共有が可能なカレンダー、掲示板などの機能を搭載しており、情報の整理整頓に役立つと考えています。情報へのアクセス性に優れたLINE WORKSは、業務が属人化しやすい鉄鋼業界に適していると思います。

LINE WORKS活用に関する今後の展望をお聞かせください。

長谷川さん:

現状、LINE WORKSとLITONE連携による検査報告書作成業務の仕組みは、非常に上手くいっています。この仕組みを同業他社さんにも広げ、業界全体の活性化につなげていきたいと考えています。

 

【お話を伺った方】
代表取締役社長
長谷川 睦さん
会社を代表して業務の執行や契約締結などを行う。

 

専務取締役 統括管理
田辺 一久さん
LINE WORKS・kintone連携の導入推進および管理を担当。

 

営業部
工藤 亜希さん
営業管理および検査報告書の確認を担当。

 

金持 紗良さん
検査報告書の作成業務に従事。

 

*LITONE for チャットボット:LINE WORKSのチャットボットの質問に答えるだけで回答情報をkintoneに登録できるサービス

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*LITONE for kintone:kintoneに登録した情報を希望書式のExcelファイルで出力するサービス

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2024年1月当時のものです。