木造住宅事業や、JA指定工事店としてエクステリア・リフォーム事業などを運営している平林建設株式会社。従業員とはLINEや電話、印刷した資料等で情報共有をしていましたが、すべての報連相をLINE WORKSへ移行させました。ペーパーレス化と情報共有のスピードアップが進み、離れた施工現場にいる従業員とのチームワークがさらに強化されました。クラウド勤怠管理システム「KING OF TIME」との連携やカレンダー機能を活用し、LINE WORKSで労務管理を一元化しています。
本事例のポイント
- ノートのテンプレートを活用し、作業効率の向上とペーパーレスを実現
- 資料はクラウドで共有し、離れた現場のスタッフとの意思疎通が改善
- 自動翻訳を活用しネパール出身の社員と意思疎通をスムーズに
- 勤怠管理にはKING OF TIME連携を活用。労務管理を一元化
御社の事業内容をご紹介ください。
平林さん :
弊社は木造住宅事業、リフォーム事業、工場の新築工事やメンテナンスを担っている建設会社です。かつて私が東京でゼネコンの現場監督を担っていた経験を活かし、代表取締役として事業継承しました。そのほか、先代より引き継ぎ、JA指定工事店として農業用倉庫、プレハブ直売所など千葉県内の農家を支援する事業を展開しています。
古山さん :
私は住宅事業部とエクステリア事業部の設計全般を担当しています。
一部の住宅金融支援機構の融資の条件にもなっている、省エネ適合性判定などの届出を提出するため、書類の作成もしています。
石川さん :
私は総務部の主任です。経理業務を兼任し、LINE WORKSの管理も担当しています。
これまでどんな業務上の課題を抱えていましたか。
平林さん :
今までは従業員へ貸与するスマホにLINEアカウントを設定し、トークルームで連絡を取りあっていました。しかしLINEの既読機能では誰が確認したのかまではわからないですし、連絡がどこまで行き渡っているのか不透明な状態でした。
日報は従業員が所定の用紙に記入し提出することになっていましたが、作成に時間がかかったり、紛失してしまうこともあったりすることが続き、いつか従業員との行き違いでトラブルが起きてしまうのではないかと不安がありました。
古山さん :
私が設計業務を担っている住宅事業部とエクステリア事業部には、現場で作業する現場監督、各所でお客様対応をする営業、設計士である私の3人が関わっています。私が内勤のときは、LINEや電話で出先の現場監督や営業らと、やりとりをしていました。建築の打ち合わせは現場の写真や図面がベースとなるのですが、LINEだとトークに送信したデータは一定期間が過ぎると閲覧できなくなってしまったり、電話だと伝わりにくいこともあったりと、意思疎通を図るのが難しいこともありました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選択した理由をお聞かせください。
平林さん :
LINE WORKSには、誰が既読か未読かまでわかる既読機能や、日報などをデジタル上で共有できるノート機能などがあり、円滑な情報共有ができるだろうという期待がありました。またLINEと似ていてわかりやすい操作性もLINE WORKSの魅力のひとつですね。ビジネスチャットの導入にあたり私が重視していたことは、従業員が使いこなせるのかという点です。ほかのビジネスチャットも検討していたのですが、今まで使っていたLINEと似ているLINE WORKSが一番使いやすそうだと感じました。
石川さん :
LINE WORKSにはチャット以外にも様々な機能が備わっており、弊社の業務にどう活用していくかのヒントを得るために、LINE WORKSのコミュニティ*や勉強会に参加しました。他社の具体的な活用例を豊富に知ることができ、大変参考になりました。
現場で働く従業員との間でLINE WORKSはどのように活用され、効果を出していますか。
・【ノート】テンプレートをオリジナルの項目に編集し、独自の情報共有を実施
・【フォルダ】施工現場ごとにフォルダを分け、写真と図面データを素早く共有
・【トーク】外国人の従業員との意思疎通に活躍
石川さん :
ノート機能は頻繁に活用しています。日報などはすべてノートに投稿し、ペーパーレス化されました。特にノート機能のテンプレートはオリジナルの項目に編集することもできるので重宝しています。
営業が受注した際には、受注報告用のテンプレートへ入力し、投稿してもらっています。紙のようにバラバラにならず、専用のトークルームをチェックするだけで把握ができます。トークグループ内にてお互いが「おめでとう」と称えあうようになり、営業のモチベーションにもつながっています。
古山さん :
建築に着手するためには、申請機関に提出する申請書の準備のために敷地調査が必要です。今まで調査を担当営業に任せるときには、確認項目を記載した紙のメモを渡していたのですが、LINE WORKSを導入してからは紙メモを廃止し、ノートのテンプレートで具体的なチェックリストを作成することにしました。紙メモと違い、事務所に置き忘れることもなく紛失もありませんし、その場ですぐに入力することで確認漏れを防ぐことができます。チェック漏れがなくなったことで、修正や再確認などの二度手間がなくなり、作業効率があがりました。
業務内容に沿った独自の項目を作成し、テンプレートを活用
また、これまでLINEで共有してきた建築の打合せ用の画像や資料は、LINE WORKSのフォルダ機能で共有しています。現場監督、担当営業それぞれとトークグループを作成し、お客様別でフォルダ分けをし、その中で写真と図面を共有していますので、どのお客様の写真か説明する必要がありません。ブラウザ版からなら、PCで作成したPDFの資料などをドラッグアンドドロップしてアップロードできるのも便利ですね。現場の従業員はスマホからデータをすぐに確認できるようになりました。
データの素早い共有が、離れた現場の従業員とのチームワークを強化
また、建設前の施工現場は住所が存在しないことがあります。事務所でスキャンしてPDF化した地図データをフォルダへ共有することで、現場監督が事務所に戻らず、工事業者へ案内図として渡せるようになりました。社内と現場でお互いが離れていても、相談やサポートができるようになったことはたいへんありがたいですね。
石川さん :
新入社員の中にネパール人の女性がいるのですが、彼女にも全体の流れが伝わるように、トーク画面には常に翻訳機能を設定しています。彼女は6年間日本に住んでいて、少し日本語が理解できるので、翻訳機能を使う前までは、わかりやすい単語に言い換えるなど口頭でお互い対応していました。それでもわからない日本語は自分でスマホなどを使い、翻訳サイトで一つひとつ自国の言葉に変換していたそうです。今ではトーク画面内で自動的に翻訳されるので、意思疎通がスムーズになり、お互いに便利さを実感しています。言語の隔たりなくお互いの意思を伝達できることは、弊社社員としての一体感も醸成できるのではと感じています。
お客様との連絡にはLINE WORKSをどのように活用していますか。
石川さん :
お客様にむけて防災セミナーを実施した際、お客様受付専用のLINE WORKSアカウントのQRコードを弊社のホームページに掲載しました。お客様はご自身のLINEから友だち登録をすれば、チャットからセミナーに申し込みができます。ホームページの入力フォームから申し込み手続きをしていただくよりも、LINEからの方が手軽です。
また、友だち登録していただいたお客様には、月に一度郵送しているニュースレターをトークで配信できるようになりました。外部トーク連携でつながるお客様が増えるほど、ニュースレターが速やかにお客様に直接届き、コストも抑えられます。それを見越して、アドレス帳に登録する外部連携の人数制限をなくすため、フリープランからライトプランへ変更しました。
セミナー告知で申込みをLINE WORKSで受け付け(左)、友だち登録してくれたLINEにニュースレターを配信。外部トーク連携により、新しいかたちのサービス提供が可能に
労務管理にもLINE WORKSを活用されているそうですね。
・【連携ツール】KING OF TIMEを連携させ打刻漏れを防ぐ
・【アンケート】毎日の体調報告の収集にアンケート機能を活用
・【カレンダー】壁掛けカレンダーとカレンダーアプリから移行し、一括管理に成功
石川さん :
以前から勤怠管理には、クラウド勤怠管理システムのKING OF TIMEを利用しています。弊社では位置情報の取得を必須にし、現場に直行する従業員はスマホから打刻しています。しかし電波が不安定なエリアでは位置情報が取得できず、KING OF TIMEの打刻ができないこともあります。LINE WORKSと連携させることで、位置情報が取得できなくてもLINE WORKSのトークから打刻ができるようになり、打刻漏れが減少しました。
トークでシンプルなメッセージを送るだけで、KING OF TIMEにログインすることなく打刻データが自動登録されるのでとても便利ですね。
ほかにも新型コロナウイルスの感染予防対策として、体温などの体調報告をするためにアンケート機能を活用しています。また、今までスケジュール管理には壁掛けカレンダーとカレンダーアプリを併用していましたが、LINE WORKSのカレンダー機能にすべて入力し、一括管理できるようになりました。
日々の労務管理をLINE WORKSで一元化
こうした日々の報連相をすべてLINE WORKSから発信するようになり、労務管理をLINE WORKSで一元化することで、事務処理が一段とスムーズになりました。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
石川さん :
私は総務部と経理部を兼任していますので、日々のタスク管理が大切だと感じています。新しくなったタスク機能も使ってみたいですね。また、社内には会議室が複数あるので、ブッキングを防ぐために今後は設備予約機能も使っていきたいです。
平林さん :
会社から離れた施工現場でのトラブルを減らすためには、情報共有という見える化が大切だと思っています。また、連絡の行き違いや報告漏れなど、社内のケアレスミスをなくしていくためにも、従業員にはもっとLINE WORKSを使いこなしてもらいたいです。ゆくゆくはLINE WORKSで業務のすべてをワンストップで統括し、離れた現場の従業員とのチームワークもさらに強くしていきたいです。
【お話を伺った方】
代表取締役
平林重徳さん
住宅事業部 設計係長
古山麻樹さん
総務主任
石川愛さん
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年4月当時のものです。
*…ワークスモバイルジャパンではLINE WORKSに関する勉強会(LWUG)やオンラインスペースのコミュニティを実施しています
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