新車販売店5店舗と中古車販売店1店舗を展開するホンダカーズ佐賀株式会社。これまで営業など一部の社員のみでチャットツールを運用していた同社は、全社員の円滑なコミュニケーションをサポートするためにLINE WORKSを導入。店舗や部門の垣根を越えて業務連絡をタイムリーに共有するとともに、カレンダーや掲示板、アンケートの活用でグループウェアとしても機能させています。
本事例のポイント
- 店舗や部門の枠組みを越えた全社員で円滑に意思疎通が図れる環境を整備
- PCやホワイトボードを使った作業がなくなり、場所に依存しない働き方を実現
- お客様や社外取引先ともチャットでスムーズに連絡
御社の事業内容をご紹介ください。
ソさん :
ホンダ車のディーラーである当社は、佐賀県内に新車販売店5店舗と、中古車販売店1店舗を展開しています。公共交通機関が大都市ほど発達していない佐賀のような地方において、車は生活必需品です。買い替え・整備・車検をはじめとするニーズにきめ細かくお応えすることで、地域の皆様の快適な生活をサポートしています。
以前はどのような課題を抱えていましたか。
ソさん :
販売店が県内に点在し、全社員が一堂に会する機会がない当社にとって、組織内の円滑なコミュニケーションを図ることは非常に重要です。ホンダグループで使用している共通の基幹システムにグループウェア機能も備わっているのですがPCでの利用が前提となっており、その都度ログインが必要なため、デスクワークが少ない営業部門や整備部門が日常的な業務情報を共有する手段としては活発に利用されていませんでした。そこで数年前にチャットツールを導入したものの、そのユーザーは会社からスマホを支給された一部の社員に限られ、全社的なコミュニケーションツールとしては機能していませんでした。
永渕さん :
社給スマホを持っていない社員とはチャットでのやり取りができないので、用件を伝えるにはメールを送るか、店舗や個人のスマホに電話をかけるしかありませんでした。メールはいつ読んでもらえるかわからず、電話は相手の業務を中断させてしまうことを不便に感じていました。
神代さん :
工場でスマホが支給されているのは工場長だけで、それ以外の社員どうしは対面か電話で用件を伝え合うしかなく、整備部門でも簡単に連絡を取るためのツールが導入されることを以前から望んでいました。
ソさん :
ひとつの部門内だけで業務が完結することはほとんどありません。多様な業務を円滑に行うには、営業・事務・整備の各部門が速やかに情報を共有できる体制が不可欠です。そこで、既存のチャットツールの契約更新時期が近づいたのを機に、社内のコミュニケーション環境を改めて整備することを検討するようになりました。
課題解決のためにLINE WORKSを選定された理由と、運用開始までの経緯を教えてください。
ソさん :
全社員にスマホを配付して既存のチャットの運用を拡大すると大きなコストがかかるため、社員の協力を得て私用スマホにアプリを入れてもらうことを考えました。いくつかのサービスを比較検討した結果、BYODで簡単に導入できること、グループウェアとしても機能すること、多くの社員がプライベートで使い慣れているLINEに操作性が似ていることなどから、LINE WORKSに注目。1人当たりの運用コストも既存のチャットツールより安価だったので、全社員にアカウントを配付することを社長に上申して承認されました。
BYODでの利用はあくまでも任意でしたが、連絡業務が効率化することへの期待から反発はなく、全社員にLINE WORKSのアカウントが発行されました。組織図に基づくグループをあらかじめ用意し、必要に応じて自由にトークルームをつくることを許可して運用をスタートさせました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
・電話やメールにかわり部門間や店舗間の連絡が確実・スピーディに
・画像に手書きでメッセージが書き込めるため温度感のある伝達が可能に
・研修立ち会いや保険会社へ提出する写真の共有が簡便化し時間が効率化
ソさん :
LINE WORKSに早く慣れてもらうため、運用開始時に、社員間の通話は無料音声通話を使うことを促進したことが功を奏し、短期間で全社に定着しました。連絡手段が電話やメールからトークに移行したことで、重要な情報が必要な人やチームにスピーディに伝達されるようになったことをすぐに実感しました。タイムラグが生じがちだった営業・事務・整備の部門間連絡も、以前とは比較にならないほどスムーズになっています。
永渕さん :
2店舗の営業部門の責任者である私は、それぞれの店の社員全員に向けてさまざまな通達を日常的に発信しています。その手段がメールからLINE WORKSのトークに移行したことで、情報を確実にかつ速やかに周知されていることが実感できるようになりました。
各店舗の営業社員のみをメンバーとするトークルームは、1人1人の営業目標とその達成度を確認し合ったりするのに活用しています。店長どうしのグループでは、伝えたいことを書き込んだ基幹システムの画面のスクリーンショットをトークに添付することもあります。画像に手軽に書き込みを入れられてそのまま共有できるのもLINE WORKSの良さだと思います。
若手営業社員の教育の一環として定期的にロールプレイング研修を行っていますが、その様子を撮影した動画を送信してもらうことで、教育担当の責任者がわざわざ研修現場に立ち会う必要がなくなりました。研修会場となる店舗に赴く手間が省け、都合のよいときに動画を見てコメントを送れるので、時間の有効活用につながっています。
神代さん :
工場では、国が定める保安基準の変更点を整備担当者に伝えたりする機会がよくあります。LINE WORKSが導入されるまではプリントして手渡していましたが、今は資料データをトークルームに送信するだけなので、すぐさま全員に周知できています。
お客様が保険を使って修理される場合は、車両の状況を示す写真を保険会社に提出する必要があります。以前は、整備担当者がデジカメやスマホで撮った写真を会社のPCに取り込んで保存して保険会社とやり取りする担当者にメールに添付して送信していましたが、今は整備担当者がスマホで撮影した写真をそのままトークで担当者に送られるようになり、業務のスピードアップにつながっています。
外部トーク連携や掲示板、カレンダー、アンケートなど幅広く活用して業務を効率化しているようですね。
永渕さん :
外部のLINE WORKSやLINEと連携できる外部トーク連携機能も使い、保険会社の担当者などのLINE WORKSや個人LINE とつながっています。電話やメールがトークに置き換わったことで、社外の関係者とも迅速に情報を伝え合えるようになりました。
ソさん :
掲示板に全社と各店舗のカテゴリーを設け、会社や店舗が発信する通知や通達を掲載するようになりました。また、カレンダーの設備予約機能は、本社の会議室や備品などの利用を手配するのに便利です。
永渕さん :
私が管理する2店舗では、社員の行動予定がカレンダーで共有されるようになりました。上長が個々の営業社員の行動を俯瞰して把握できるようになり、それまで使っていた行動予定のホワイトボードを撤廃しました。また、営業社員にその月の販売目標などを確認したり、社員から意見を収集する際には、アンケートを活用しています。
特定のメンバーや全社員から意見をスピーディに聴取できる
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
ソさん :
Botを活用して来店予約の受付を通知する仕組みを構築することも視野に入れています。業務効率は、まだまだ上がると思います。
【お話を伺った方】
ソ イェチャンさん
経営戦略室課長として、業務のデジタル化を推進している。
永渕 秀喜さん
本社営業課 課長と、南部バイパス店・高木瀬店の責任者を兼務。
神代 佳典さん
南部バイパス店の工場長として整備業務を管理する。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年11月当時のものです。