製氷機・冷蔵庫をはじめとするフードサービス機器を幅広く開発、製造するホシザキ株式会社。その製品の販売やアフターサービスは、全国をカバーする15の販売会社が担っています。各販売会社の営業・サービス社員はこれまで携帯電話とタブレットPCで業務連絡をしていましたが、よりスムーズにコミュニケーションを図れるツールとして、スマホとLINE WORKSを導入。お客様や社内の担当者との連絡がスピーディになったことで、業務効率を高めることに成功しました。導入に携わった同社の半田さん、瀬口さん、福田さんと、販売会社であるホシザキ東京株式会社の石井さんにお話をうかがいました。
本事例のポイント
- 安全性が高く、ホシザキの強固なセキュリティポリシーに合致
- お客様のLINEへ、セキュアかつストレスのない連絡が可能に
- 地方の販売会社への連絡が電話からチャットや写真に置き換わり生産性が向上
御社の事業内容をご紹介ください。
半田さん :
弊社は、製氷機・冷蔵庫をはじめとするフードサービス機器を開発、製造しており、製氷機、冷蔵庫等主力製品については、グローバルシェアのみならず、世界各地域においてトップシェアを獲得すべく、拡販を進めています。国内での製品販売は北海道から沖縄まで日本全国をカバーする15の販売会社が担い、ホシザキ株式会社は販売会社や製造会社を含む国内外のグループ会社全体を統括しています。
これまでどんな課題を抱えておられましたか。
半田さん :
弊社は業務連絡用ツールとして、全国の販売会社の営業・サービス社員に携帯電話(ガラケー)とタブレットPCを貸与していましたが、機密情報の漏えいを防止するためにSNSチャットの利用は認めていませんでした。外出先でメールをやり取りするには都度タブレットを起動しなければならず、より手軽に使えるビジネスチャットの導入を検討してほしいという営業・サービス社員からの要望が、以前より弊社に寄せられていました。
石井さん:
ホシザキ東京株式会社に所属する私は、全国に飲食チェーン店を展開する企業様への営業を担当しています。私のように社外にいる時間が長い営業・サービス社員は、出先から頻繁にお客様や社内の事務担当者と連絡を取りますが、電話やメールではスムーズにコミュニケーションを図れないこともありました。「LINEで連絡を取り合いたい」とおっしゃるお客様がたくさんいらっしゃり、そのたびに「弊社では業務での個人LINEの使用を認められていないんです」とお断りしているような状況でした。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選定した理由を教えてください。
福田さん :
販売会社の営業・サービス社員に貸与している携帯電話が2020年2月に契約更新期を迎えるにあたり、販売会社からの要望を踏まえ、業務の効率化等を目論み、私の所属する総務部 シェアード課でガラケーからスマホへの切り替え手続きを進めました。
瀬口さん:
その更新に合わせ、営業・サービス活動をスムーズにしてもらうため、またシャドーITを未然に防止するために、オフィシャルのビジネスチャットを導入することにしました。LINE WORKSに注目したのは、多くの人が使い慣れているLINEに似た操作性を備えているのに加え、トークのログや添付ファイルの内容を最長10年保存できるオプションがあり、弊社の厳しい情報セキュリティ要件を満たしつつ、「お客様とLINEで連絡を取り合いたい」という営業・サービス社員の要望も叶えられるツールだったからです。高価なエディションでなければログをしっかりアーカイブできないビジネスチャットツールもある中、LINE WORKSはローコストで充実したアーカイブ機能を利用できるところに大きな魅力を感じました。
導入までの経緯と、定められた運用ルールについてお聞かせください。
半田さん :
ガラケーから変更したスマホにはMDM(モバイルデバイスマネジメント)を入れ、認証の取れたデバイスでしかLINE WORKSを利用できないようにしました。主なユーザーは各販売会社の幹部社員と営業・サービス部門の社員を中心として、約6,000アカウントを発行。利用は会社貸与のスマホ、PC、タブレットPCに限り、私有のデバイスでは使えないようにしました。
瀬口さん :
スマホでのファイルのダウンロード禁止など、弊社のセキュリティポリシーに合致する機能制限を情報システム部で設定しました。外部のLINE WORKSやLINEとやり取りができる外部トーク連携については、各販売会社の管理者による許可制としています。誹謗中傷やハラスメントにつながる発言をしない、業務時間外は緊急時を除いて利用しないなどの基本的な規則を情報システム部で定めた上で、細かな運用ルールの設定は各販売会社に任せました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
・お客様のLINEとつながり、ストレスなく連絡が取れる
・他県の販売会社に協力を仰ぐ手段が、以前よりも簡便になった
石井さん :
私は全国に約2,300店舗を展開する大手外食チェーングループ様を担当しており、日々多数のご担当者様から製品に関してさまざまなご連絡やご相談をいただきます。LINE WORKS導入後は、日頃から特に密にコミュニケーションを取っている一部のご担当者様のLINEとつながり、やり取りさせていただくようになりました。お互いに業務が中断させられてしまう電話や、いつ確認されるかわからないメールと違って、トークは相手の状況に配慮することなくいつでもメッセージを伝えられるので、大切なお客様とストレスなく連絡を取ることができます。また、製品の写真や仕様書、見積書などのPDFを手軽に送信できるようになりました。
外食チェーングループ様の地方の店舗から機器の納入や修理のご依頼を受けた場合は、その地方を管轄する販売会社の営業・サービス社員の協力を得て対応します。別の販売会社の社員とは、電話やメールではすぐに連絡がつかないことが多かったのですが、トークで用件を発信しておけば手が空いたときにすぐに対応してもらえます。機材の写真なども手軽に添付できるので、より正確な情報を共有できるようになりました。機器の様子を映像で確認しながら打ち合わせができるビデオ通話を使えるのも便利です。
お客様との間でも、別の販売会社の担当者との間でも、電話で行っていた連絡がLINE WORKSのトークに置き換わったことで、業務の生産性が高まったことを感じています。
自分の所属する部門内では、直行・直帰や出社・帰社時刻の連絡などの予定をトークで発信し、部署全体でお互いの行動を把握し合えるようになりました。
また、各種通達は会社のポータルサイトに掲示されますが、通知がこないため、忙しいときは情報を見逃すことがありました。現在はLINE WORKSのホーム(掲示板)にも通達が掲載されるようになったことで、新着情報があればスマホにポップアップ通知されるので、大事な情報を見落とすことがなくなりました。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
半田さん :
新型コロナの影響が今後も持続すれば、テレワークが本格的に定着することになると思います。その場合、LINE WORKSは販売会社の営業・サービス社員にとってさらに不可欠なツールになるはずです。運用レベルを全体的に引き上げるために、今後は各販売会社の好事例を収集して横展開するつもりです。
瀬口さん :
これからは、例えばAPI連携によるチャットボット活用といったニーズが営業・サービス社員から出されることが考えられます。そうした要望があれば、情報システム部として前向きに対応していきたいですね。
【お話を伺った方】
ホシザキ株式会社 情報システム部 システム管理課 課長
半田 譲さん
システム管理課 課長として、国内ホシザキグループ全体の情報インフラ整備を担当。
システム管理課 本社業務システム管理課係 係長
瀬口 誠人さん
全国の販売会社へのLINE WORKSの導入をサポート。
総務部 シェアード課 課長
福田 雄介さん
シェアード課 課長として、会社から貸与する携帯電話をスマホに切り替える業務を担当。
ホシザキ東京株式会社 広域営業部 チェーン店三課 主任
石井 和博さん
広域営業部員として、大手外食チェーングループを担当。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年10月当時のものです。