株式会社 岩手日報社
2023-03-13
業種
メディア・広告
目的・効果
従業員間の連絡 BCP・安否確認 取引先との連絡 コンプライアンス・セキュリティ ノウハウ共有 LINEとの連絡 業務の見える化 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
お話を伺った方
総務局 経理部次長 阿部 浩三さん(左)  
編集局 国際部長 鹿糠(かぬか)敏和さん(右)  
編集局 運動部長 村上 弘明さん(右中)  
編集局 運動部 記者 千葉 優雅さん(左中)  
編集局 運動部 記者 清川 航矢さん(中)
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「情報」を扱う新聞社だからこそ、セキュリティ強化のためにLINE WORKSを導入。現地にいる記者とスムーズな原稿のやり取りをしています。

1876年7月に岩手県で初めての新聞を発行してから140年以上の歴史を持つ新聞社・株式会社 岩手日報社は、個人のSNSによるシャドーITおよびセキュリティ面での改善のため、LINE WORKSを導入しました。主にグループトークと音声通話を活用し、国内外にいる記者と原稿や写真のやり取りをしたり、翻訳機能を使って海外の関係者とコミュニケーションを取っています。また、南極大陸に派遣された記者とも音声通話で連絡を取り合い、記事のクオリティにも関わる心のケアを施しています。

 

本事例のポイント

-「シャドーIT」対策および「セキュリティ」の強化

-文字でのやりとりや既読機能で原稿チェックや情報共有がスムーズに

-遠方にいる記者の安否確認や孤独感の解消に活用

-南極大陸にいる記者とも音声通話を用いてコミュニケーション

御社の事業内容および特色をお聞かせください。

阿部さん(経理部):

創刊140年を超える当社は、岩手県内のニュースをはじめ、同県出身のスポーツ選手の活躍や高校野球速報などお届けしている新聞社です。とくにスポーツ領域に力を入れており、岩手県出身のプロ野球選手や大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)や菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)、佐々木朗希(千葉ロッテ)など密着取材を行い、その活躍を発信しています。

 

 

地球環境を考えるきっかけづくりや、代表取材を通して東日本大震災の支援への恩返しになればと、南極地域観測隊の同行記者も2回(2007~8年、21~23年)派遣しています。現在も63次越冬隊に記者が1人同行しています。

 

そのほか新聞事業以外にも、各種スポーツ大会や音楽、展覧会などを開催し、地域に根ざした事業を展開中です。

LINE WORKS導入前は、どのような課題を抱えていましたか。

阿部さん(経理部):

個人LINEの使用による「シャドーIT」に課題を抱えておりました。

 

LINE WORKS導入前、社内の主なコミュニケーションツールは電話やメール、FAXでした。ただ忙しく動き回る記者が取材現場でノートパソコンを開いたり、電話を取ることはなかなか大変です。

 

例えば、現場の記者が「ちゃんと取材場所に到着しましたか?」とデスクから電話やメールで連絡を受けたとしても、対応できないことがままあります。そのため、多くの記者が使い勝手の良さから個人LINEを使用していました。

 

しかし、万が一にも情報漏えいや情報紛失などの事故が起きてしまうと、140年以上にわたり積み重ねてきた当社への信用が大きく揺らいでしまいます。そのため、プライベートのSNSを使用している状況はシャドーITおよびセキュリティ対策の観点から好ましくありませんでした。

 

また、とくに若い世代の中には、仕事のやり取りをプライベートで使用するツールで行うことに抵抗感を示す者も一定数おりました。

 

 

村上さん(運動部):

「コミュニケーションの効率性」も課題でした。例えば、運動部の記者は、1球たりとも目を離せないような、緊張感のある野球の試合を取材していることがよくあります。そのような現場にいるときに、「今試合はどうなっていますか?」「どれくらいの扱いになりそうですか」などと電話がかかってきても、まず出ることはできません。結果として、電話のかけ手と受け手、双方の負担が生じていました。

LINE WORKSの検討から運用に至るまでの流れを教えてください。

阿部さん(経理部):

まずは私のいた総務部で、お試し感覚でフリープランに申し込み、利用を開始しました。

 

実際に利用してみると、まず「LINEと変わらない操作性」に魅力を感じました。加えて、「LINE WORKSならば会社で管理でき、セキュリティが充実している。また特別な教育・研修も必要ないため、定着するはず」と判断し、始めに報道部署にLINE WORKSを紹介しました。

 

予想通り、報道部署でもLINE WORKSの使い勝手の良さは高く評価されました。その後はLINE WORKSを利用している部署の活用状況を、他部署の部長に紹介する形で、LINE WORKSを展開。その結果、約250名いる社員のうち、約100名がLINE WORKSを利用しており、シャドーITの問題も解決に向けて動いています。また、2023年度秋頃には利用範囲を全社員に拡大する予定です。

 

なお、利用プランについては、フリープランの容量制限が近くなったタイミングで、スタンダードプランに変更しました。

運動部におけるLINE WORKSの具体的な活用法および導入効果をお聞かせください。

 

【グループ】トーク機能の特性を活かして記事の内容や試合の状況を適宜上、部長やデスクと情報共有
【外部トーク連携】現地コーディネーターの個人LINEとつながり、スムーズにコミュニケーション

 

千葉さん(運動部):

運動部では主に「グループトーク」を使い、部長やデスクに取材場所への到着連絡や出稿する記事の内容など各種情報の共有をしています。

 

例えば、インターネットで速報されないような小さな試合の取材時には、その試合がどれほどの扱いになりそうなのかを伝えるために、試合の状況を適宜トークで送ったりしています。

 

電話ではこのような手軽なコミュニケーションはできませんでした。LINE WORKSの導入後は、電話に出る余裕のない、緊張感のある現場に対して情報共有がしやすくなりました

 

そのほか、LINE WORKSでは相手が読んだら既読マークが付くため、「デスクも確認済みだからこのまま進めよう」もしくは「既読が付いてないから電話を入れておこうかな」などという判断にも役立っています。

 

プライベートで使う個人LINEとの使い分けができる点も、岩手日報社でLINE WORKSが支持されている理由の1つ

 

清川さん(運動部):

私たち記者が書いた記事を、紙面の形に整えた「Webゲラ」が、デスクよりグループトーク上で共有されます。自分が書いた原稿がどのような記事として次の日に紙面に載るのか、事前にしっかり確認できる点はありがたいと感じています。

 

グループトーク上で翌日の紙面のゲラを事前に確認できる

 

村上さん(運動部):

大谷翔平や菊池雄星を追って、大リーグを取材している現地記者や現地のコーディネーターとも「グループトーク」でやり取りしています。具体的には、「今晩の試合のニュースがどれくらいの扱いになるのか」「どれくらいの文字量になりそうか」を共有してもらっています。

 

 

例えば、大谷翔平が所属するチームの本拠地・ロサンゼルスと日本との時差は17時間あるため、現地との電話連絡は難しいケースがほとんどです。その点、LINE WORKSであれば、時差に左右されずに伝達したいことを残せておけるので、スムーズに原稿に関する情報を共有してもらうことが可能です。

 

また個人的には、LINE WORKSの「情報を残し、手軽に見返せる」という特性はメリットに感じています。例えば、「取材申請の相手」や「取材者が使う球場の出入口」など、あまり資料には明記されていない情報をLINE WORKSのトークに残しておけば、ほかの人も手軽に見返して、対応することができます。

 

現地のコーディネーターや契約記者のLINEと取材に関する「プチ情報」を送り合うことで、効率的に取材に臨める

 

また運動部長としては、記事の書き方や取材の方法に関する指導をするときも、受け手の記者に「いつか読み返して欲しい」という考えもあり、あえて電話ではなく、LINE WORKSで送るようにしています。

国際部および経理部におけるLINE WORKSの具体的な活用法および導入効果をお聞かせください。

【グループ】時差のある国にいる記者たちとスムーズなコミュニケーションを実現
【音声通話】国際部では南極にいる記者と、経理部では内線電話代わりに活用

 

鹿糠(かぬか)さん(国際部):

国際部では各国に派遣された記者と、原稿や写真のやり取りや、各種問い合わせなどを「グループトーク」でしていますが、LINE WORKSを導入後には、これら国際間のコミュニケーションがスムーズになったと感じます。

 

例えば、各国にいる記者との打ち合わせは時差の関係からなかなか設定しづらいのですが、LINE WORKSであればトーク上で「あの件どうしようか?」というように、電話やメールにはないフランクな雰囲気で、対応を進めることができています。

 

また、南極の昭和基地にいる記者へ「音声通話」をかけてみたところ、音声が途切れることがなく、円滑なやり取りができたことには驚きました。

 

昭和基地の中ではWi-Fiが利用できるので、記者が基地の中にいるときには、円滑にやり取りできる

 

海外に派遣された記者は孤独感に苛まれることが多々あります。過度な孤独は記事のクオリティ低下にもつながりかねないため、グループトーク上では記者に「よく頑張った」「お疲れ様」などとこまめにフォローを入れるなど、孤独感の解消につなげています

 

そのほか、トークに既読が付くかどうかで、「生存確認」にもLINE WORKSは活用中です。既読が付くと「忙しくて返信できないようだが、とりあえず無事で良かった」と安心できます。

 

海外ではネットが通じないエリアもあり、連絡がまったく取れなくなる期間も多々ある。そのため、生存確認は欠かせない

 

阿部さん(経理部):

経理部で使用しているのは私一人ですが、私はLINE WORKSの「音声通話」を内線電話代わりに使用しています。内線電話と異なり、いちいち番号を調べずとも通話ができるため、非常に効率的だと感じています。

LINE WORKS運用時のルールはありますか。

鹿糠(かぬか)さん(国際部):

国際部では、できる限り1対1のトークは避け、上長を含む3人以上でグループを作るようにしています。記者どうしで意見がぶつかり合うこともありますが、調整役の第三者が会話に入っていることで安心感につながります。

今後、LINE WORKSをどのように活用していきたいですか。

阿部さん(経理部):

現在はグループトークおよび音声通話が中心ですが、今後は社用車や会議室の予約手続きを効率化できる「設備予約」や、外部サービスとの連携を行う「アプリ連携・ツール連携」、ほかのサービスへのログインが簡素化される「SSO(シングルサインオン)」などの機能も使い、生産性を上げるためのプラットフォームとしてLINE WORKSを活用していきたいと考えています。

 

 

【お話を伺った方】

総務局 経理部次長

阿部 浩三さん

LINE WORKS導入推進者/管理者

 

編集局 国際部長

鹿糠(かぬか)敏和さん

 

編集局 運動部長

村上 弘明さん

 

編集局 運動部 記者

千葉 優雅さん

 

編集局 運動部 記者

清川 航矢さん

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年11月当時のものです。