テレビ番組の撮影や映像編集などを行う株式会社共同エディット。テレビ局に常駐する社員が多いことから、全社のコミュニケーションツールとしてLINE WORKSを導入しました。トークとホーム(掲示板)の活用で会社からの通達の周知徹底が図られ、社員からの問い合わせに対応する経営管理部の業務負担も軽減。また、安否確認システムとのAPI連携で災害発生時の社員への安否確認作業も省力化しています。経営管理部の皆さんに、LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。
本事例のポイント
- 社外で常駐する社員と会社をつなぐコミュニケーション基盤を確立
- メールからトークへの移行で業務連絡をスピードアップ
- 災害発生時に自動で安否確認が発信され安否の状況をすぐに把握できる
御社の事業内容をご紹介ください。
篠田さん :
当社はフジサンケイグループの一員として、テレビ番組制作におけるフェーズである撮影・編集・MA(Multi Audio)などに従事しています。多くの社員がテレビ局内に常駐し、バラエティー、ドラマ、報道、情報、スポーツ、ドキュメンタリー、音楽などさまざまなジャンルのコンテンツ制作に携わっています。
以前はどのような課題を抱えておられましたか。
篠田さん :
社員のほとんどが、テレビ局をはじめとする制作現場に赴いて業務をすることが多く、当社のオフィスに勤務するのは少数の経営管理部門のスタッフだけです。そのため、会社からのさまざまな案内や通達を効率的に周知することが困難な環境にありました。また、各部門内の一部のメンバーが利便性から個人LINEで業務情報をやり取りする実態も見られ、シャドーITにともなうセキュリティリスクも感じていました。
鈴木さん :
私は総務業務に携わっていますが、会社からの情報を発信する場合、以前は個々の社員にメールで送っていましたが、社員がメールをちゃんと読んでくれたかを把握することができずにいました。頻繁にメールをチェックしない社員も少なくないため、会社からの重要な情報を確実に伝えるツールの必要性を感じていました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由を教えてください。
千代森さん :
私と篠田は、以前所属していた編集関連の部署でグループウェアのサイボウズLive(無料版)を利用して、機器の操作方法やトラブルの対処法などを部署メンバーに共有できる専用の掲示板を構築していました。その後、経営管理部に異動してシステム担当になってから、全社のコミュニケーションツールとしてサイボウズLiveの利用を拡大しようと考えたタイミングで、無料版のサービス提供が終了することになったのです。それを受けて他のグループウェアサービスを検討したのですが、操作が複雑だったり会社の組織図をそのまま反映するのが難しいなどの課題があり、採用には至りませんでした。そこで注目したのが、LINE WORKSです。多くの社員がプライベートで使っているLINEにUIが似ているので誰でも容易に操作できることから、特別な導入教育を施すことなくすぐに定着するだろうとの期待もあり導入を決めました。
導入準備はどのように進められましたか。
千代森さん :
管理職会議などを通じてLINE WORKSの導入を全社に周知し、ログインアカウントはメールで各社員に通知しました。使い方などを特に案内しなかったにもかかわらず、運用開始直後に約6割の社員がトークを利用し始めるようになったことには驚きました。次に、各部署のホーム(掲示板)も立ち上げて運用を開始しました。
活用はできるだけ社員の自由に任せるべきという思いもありましたが、会社オフィシャルのコミュニケーションツールなので、トークルーム でノートや予定管理、ファイルストレージといった機能を使えるようになるグループの作成は、管理職の許可を必要とする承認制としました。ただし活発なコミュニケーションを促進する目的から、複数人トークルームについては自由に作成できるようにしています。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
篠田さん :
経営管理部には、会社が貸与した機材やPCアプリケーションの質問やトラブルに関する相談が多く寄せられます。電話やメールでは状況がうまく伝わらないことが多く、テレビ局まで出向いて対処することが多かったのですが、LINE WORKS導入後は、エラーメッセージなどのトラブルの状況をスクリーンショットや写真でトークに送ってもらっています。画面が見られるだけで対処方法が分かることもありますし、無駄な移動ややり取りが少なくなりました。また、OSの重要なアップデートを促す通知なども一斉に連絡できるようになり、通達業務が大きく効率化したと感じています。
千代森さん :
トークやホーム(掲示板)の活用によってメールの利用が減り、ウイルスメールなどを受け取る潜在的なリスクが低減につながっています。また、デザインデータなど特殊な形式のファイルもトークでセキュアにやり取りできる点も評価されています。
鈴木さん :
トークは電話やメールよりも気軽に送ることができるので、社員からは総務的な事柄に関する質問がよく寄せられるようになりました。急ぎの相談があるときなどは、アドレス帳から経営管理部の担当者に無料通話をかけられるのも、社員にとっては便利だと思います。
例えばシステムメンテナンスのお知らせなど、経営管理部からの全社に周知する必要があるような重要な通達はホームにアップするようになりました。ホームにアップした通達の既読数があまり伸びないときは誰が見ていないかがわかるので、改めて投稿したホームのリンクを全員が入っているトークルームに送付することで、情報の周知を徹底できるようになりました。
ほかにLINE WORKSのどんな機能を使われていますか。
鈴木さん :
管理職会議の議事録や、各部門の社員のシフト表などをフォルダに保管して共有するようになり、当社が本格的に取り組んでいるペーパーレス化に寄与しています。また、会議室や機材などの管理には、カレンダーの共有設備予約機能を活用するようになりました。
昨年入社した新入社員は、コロナ禍の影響で入社当初からテレワークを強いられました。新入社員にオンラインで行った研修に対する感想だったり、テレワークに必要な環境が自宅に整っているかを確認するために、アンケート機能を利用しました。会えない状況下でもアンケートやトークを使って新人をフォローすることができたこともポイントの一つです。
安否確認bot for LINE WORKSも活用されているそうですね。
千代森さん :
以前使っていた安否確認システムのバージョンアップ時に、再度設定しなければならない項目が多くて煩雑だったことから、会社組織図がそのまま反映される「安否確認bot for LINE WORKS」に切り替えました。LINE WORKSとAPI連携させることで、災害発生時に各社員に対して自動的に災害に関する情報や安否確認が配信されるようになり、管理側の運用負担が軽減しています。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
篠田さん :
離れた場所にいる社員とのコミュニケーションツールとしてLINE WORKSはとても有効です。充実した機能を有効活用して、さらなる業務効率化につなげたいと考えています。
鈴木さん :
採用担当としては、次回の新卒募集や新入社員への対応などにも活かしていきたいです。
【お話を伺った方】
篠田 孝裕さん
全社のシステム 保守管理を担当。
千代森 真樹さん
全社のシステム 保守管理を担当。
鈴木 忍さん
人事・総務系の業務全般を担当。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年1月当時のものです。