創業より60年以上の長きにわたり培ってきた通信技術とICTで、社会インフラシステム、鉄道システム、ネットワークシステム等、幅広い業界にソリューションを提供する協和テクノロジィズ株式会社。働き方改革プロジェクトのファーストステップとして、LINE WORKSを全社員に導入されました。導入のねらいと導入後の変化について、十河社長、松田さん、本家さん、島津さんにお話をお聞きしました。
※ICT…インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジーの略
事業内容と社内での役割を教えてください。
十河代表 :
弊社は、情報通信設備の建設およびその電子機器、電子デバイスの販売、それらに関連するサービスの提供をしております。今年で創業から69年目を迎えました。
松田さん :
私は社内にてIT技術を担う部署に所属しております。PCやサーバーの構築やITツールの提案の業務と並行して、LINE WORKS運用事務局として導入までの設定や不明点への回答など、社内向けのヘルプデスクのような役割を担っています。
LINE WORKS導入前の課題と検討の経緯を教えてください。
十河代表 :
弊社では、約570名の社員のうち半数以上が、営業や施工等の業務を行うために外部の現場に出ている状況です。外部で仕事をする社員と社内の社員が連絡をとる手段は、ほとんど電話に限定されていました。そのため、外出している社員と事業部間での連絡が遅れ、お客様からのクレームになってしまったり、顧客訪問や取引先訪問など外出時に資料が閲覧できず、時間のロスが発生したりなどの問題が現場で起きていたのです。やむを得ず会社支給のスマートフォンのSMSを利用して連絡することもありましたが、会社で管理できず「シャドーIT」となってしまう点が気になっていました。
また、夜勤の工事を終えた社員が業務終了後にわざわざ出社して、業務報告を作成しなければならないという点もなんとかしてあげたいと考えていました。外出先から報告できる仕組みがあれば直帰できるのに、それができないため、出社していたのです。
そこで、業務プロセスの改善も含めた「働き方改革」を行うべく、プロジェクトチームを社内に発足させました。その第一段階として、コミュニケーションツールの導入を検討開始したのです。なぜ最初にコミュニケーションツールだったかというと、業務プロセスの見直しには時間がかかりますが、コミュニケーションツールはプロセスの改善前でも使い始められ、改善後でも使い続けられるからです。ツールを入れるかどうかを迷う前に、まず入れてみよう。そう考えて検討を開始しました。
LINE WORKSに決定された決め手は何でしたか。
十河代表 :
当初は、機能面を中心に評価し、いくつかのビジネスチャットを検討していたのですが、実際にトライアルしてみると想像以上に使いにくいサービスもありました。もともと社内には様々なツールやサービスがあり、使いにくさから廃れてしまったものもあったので、「導入しても使われないのではないか」という点を不安に思っていたのです。そこで「使いやすさ」を最重要視して検討した結果、LINE WORKSに決定しました。また、LINE WORKSはチャットだけに特化せず、将来的に社内で使っているシステムを1つに置き換えられる可能性が高いことも決め手になりました。
また、弊社ではISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得しており、監査ログを保管しておく必要があるため、10年間のログを保存できる「アーカイブ機能」は必須でした。プレミアムプランを契約したのは、そのためです。
社内への導入はどのように進めましたか。
松田さん :
導入検証にあたっては、対象となるユーザ—を各部門から募集し、その中で推進担当となる社員を選定して利用の促進を図りました。また、トライアル期間中は利用できる機能を最大限活用し、使用感などのヒアリングを行いました。結果としては、トークの既読機能やDriveでのファイル共有などにより業務効率が上がったとの声を多く聞くことができ、本格導入に至りました。
十河代表 :
実を言うと、導入当初はややネガティブな声もあったのです。チャットだけであれば、従来のSMSで十分ではないかという意見です。ですが、スマホのSMSは管理ができずシャドーITになってしまうので、会社としては認められない。そこで、シャドーITのデメリットを社員に伝えるのではなく、かわりに既読確認機能やDriveでのファイル共有など、LINE WORKSのメリットを伝えることで、自発的に使ってもらえるように働きかけました。
LINE WORKS導入後の効果や、特に効果の高い活用シーンを教えてください。
島津さん :
私は普段の業務としては、社会インフラプロジェクトの施工管理や保守、セキュリティシステムのシステムインテグレーション業務に携わっています。LINE WORKSは、私がリーダーを務める、研修センターを構築する社内プロジェクトを進める際に重宝しています。複数の部門からメンバーが選ばれて編成されたため、普段は別の業務を担当しており、以前はメールを送ってもなかなかレスポンスがないことがネックでした。とはいえ、業務の都合もあるので、電話するのも気を遣います。LINE WORKSが導入された後は、従来の電話やメールに替えて、トークでやり取りを行うようになりました。メンバーとの製品情報の交換、意思決定、会議の開催通知などにLINE WORKSを利用しています。情報展開を手軽に行えるようになった結果、レスポンスがスムーズになり、スピード感をもってプロジェクトを進めることができるようになりました。
また、プロジェクトメンバーの中には初対面というメンバーもいましたが、LINEならではの話し言葉やスタンプによって、メンバー同士の距離感がすぐに縮まったと感じます。お互いのレスポンスを全員が見られるのも、「自分もやらなくては」という気持ちになるようで、メンバー間の良い刺激になっています。
本家さん :
私はITソリューションの提案営業を担当しています。外で営業活動をしている際に、スケジュールや見積もりなどの資料が急に必要になった場合、これまでは会社に戻って確認することしかできませんでした。しかし今はLINE WORKSを使って、内勤アシスタントにすぐに共有してもらうことができます。以前は「持ち帰り」にしていた対応がその場でできるようになったことで、お客様対応が早くなり、よりお客様に満足していただける営業活動ができるようになってきたと思います。
また、社内の連絡にも活用しています。たとえば先日、社員証が新しくなるというので、各自の名前のローマ字表記チェックが紙で回ってきたことがありました。打ち合わせ中の社員や外出中の社員もいるので、全員に回りきるには時間がかかってしまいますよね。そこで、書類をスマホで写真に撮り、LINE WORKSでチームメンバーに送ってみたのです。そうしたところ、他チームは1日かけて回覧している中、私たちのチームはものの20分程度で確認が終わってしまいました。LINEに慣れた若手にとっては当たり前の方法ですが、意外と気づかない人が多いみたいですね。最近は働き方改革を切り口に、お客様にITツールのご紹介を模索中ということもあり、社内の働き方改革を進めるためにも、若手の目線でどんどんLINE WORKS活用のアイデアを出していきたいと思います。
トーク活用例
今後の展望についてお話を聞かせてください。
十河代表 :
弊社には電気通信設備の工事を行う技師などが多いことから、昔ながらの職人気質の社員も多く、新しいものを受け入れるには時間がかかります。ですが、LINE WORKSのような新しくて便利なツールを取り入れてどんどん変えていかなくては、会社として今後生き残っていけません。今回、まずは入れてみることが重要と考え、スピード重視で導入を行った結果、コミュニケーションについては早くも改善の兆しが見えてきました。LINE WORKSの導入を、社員の意識を変えていくきっかけにしたいと考えています。
※掲載している内容、所属やお役職は取材当時のものです。