全国6拠点に事務所を構え、法人・個人に多様な法務サービスを提供している明成法務司法書士法人は、業務連絡のためのツールを個人LINEからLINE WORKSに移行。会社の管理下に置くことによって、社員間のコミュニケーションや顧客との連絡も、セキュアかつスムーズに行える環境を整えました。電話代行会社からの営業時間外の受電報告メールや、自社サイトへの新規顧客からの反響メールをトークに自動転送する仕組みも導入し、顧客対応もより万全なものとしています。具体的な活用や効果について代表司法書士の髙𣘺さんにお話を伺いました。
本事例のポイント
-目的に合わせたグループトークの活用で社内コミュニケーションを活性化
-顧客のLINEとセキュアにつながり連絡がよりラクに
-Mail2Linkの導入により顧客からの連絡に素早く対応
御社の事業内容をご紹介ください。
髙𣘺さん :
私どもは個人・法人のお客さまに相続、不動産登記、会社設立、法人登記、企業法務・法務顧問、事業承継・M&Aをはじめとする多様な法務サービスをご提供しています。2009年の開業以来、堅調に業績が伸びており、埼玉本部と東京本社に加え、千葉事務所、茨城事務所、群馬事務所、名古屋事務所の全6拠点を構えるまでに成長しました。関連法人として明成法務行政書士事務所、明成法務土地家屋調査士事務所、明成法務確定測量を擁し、グループ全体で連携しながら「お客様と誠実に向き合い、最適なリーガルサービスを提供する」という経営理念を実践しています。
LINE WORKSを導入する以前はどのような課題に直面していましたか。
当社には現在約70名の社員が在籍していますが、社員がまだ10名にも満たなかった設立直後は、社内コミュニケーションや法人のお客さまとの連絡を円滑にするためにLINEを使っていました。しかし個人LINEの利用には、業務上の秘匿情報や個人情報をプライベートの知り合いに誤送信してしまうリスクがあると考えました。社員が増えるにつれて、私的なコミュニケーションツールを業務に使い続けることに加えて、会社が管理できないツールで情報をやり取りするシャドーITに問題意識を抱くようになりました。
個人のお客さまについては、電話やメールで連絡を取っていましたが、それでは迅速な意思疎通ができません。こうした課題を解消するため、会社がアカウントを付与・管理し、情報をセキュアにやり取りできるビジネスチャットの導入を検討するようになりました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選定された理由を教えてください。
LINE WORKSの特長は何といってもチャットツールとして広く普及しているLINEの操作性が踏襲されていることです。それまでLINEを業務に使っていただけにスムーズに移行・定着することが期待されました。また、外部トーク連携機能によって法人・個人を問わずお客さまのLINEと安全につながり、セキュリティを担保しながらスムーズなコミュニケーションを図れるようになることも魅力でした。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入成果をお聞かせください。
【グループ】目的ごとに細分化されたグループで効率的に業務連絡
【外部トーク連携】顧客のLINEとつながることでスピーディな情報共有を実現
社内コミュニケーションにおいては、全社や各拠点のほか、「不動産登記」「相続関連」など業務内容によって分けられている4つの部門、さらには各部門内の課単位といったグループを設けて業務連絡をしています。ほかにも部門や課ごとにメンバーの休日を把握するためのグループや、ランチを注文するためのグループなど、目的に応じてさまざまなグループが自発的につくられて活発に情報共有を行っています。
一部のお客さまとの間では指定された別のチャットツールを使っていますが、LINE WORKSの方がアプリの起動が速いうえに、通知があると個人LINEのような感覚で直ちにメッセージを確認する社員が多いことから、よりスピーディな情報共有がなされていると感じています。
法人・個人のお客さまのLINEとは外部トーク連携でつながり、案件ごとのグループを運用。お客さまや当社の担当者が複数の場合でもメンバー全員がタイムリーに情報を共有でき、部外者に誤送信する恐れもないので、重要な書類も安心感をもってやり取りできるようになりました。
お客さまの数が非常に多いためトーク一覧から該当のトークルームを探すのに苦労していましたが、現在は顧客管理ツールにお客さまとのトークルームに遷移できるURLを貼り付けて、管理する工夫をしています。その為、LINE WORKS上でお客さまとのトークルームを検索する必要もなく、顧客管理ツールから必要なお客さまのトークルームにアクセスできます。
個人のお客さまにはどのような方法で友だち登録を依頼されていますか。
新規の個人のお客さまとは、初めてご来社いただいたときに担当者のLINE WORKSを登録してもらいますが、対面できない場合はSMSでLINE WORKSのIDを送信して登録してもらうこともあります。社員の名刺にはLINE WORKSの友だち登録用QRコードを印刷しており、そこからご登録いただくこともあります。ビジネスチャットを活用してお客さまとセキュアかつ円滑にコミュニケーションを図ろうとしている私どもの姿勢をお伝えできることも、非常に効果的だと思っています。
メールをLINE WORKSに自動転送するMail2Link*も利用されているそうですね。
・顧客へのフォローがスピードアップ
・サイトへの反響メールにも担当者が素早く対応
当社では電話代行サービスを利用しており、営業時間外にかかってきたお客さまからの受電内容を会社の代表アドレス宛にメールで報告してもらっています。そのメールを個々の担当者に都度転送していましたが、急ぎで折り返しの電話を求めるお客さまへのご連絡が遅れたり、新規でお問い合わせをいただいたお客さまへの対応漏れが発生しがちでした。
また、この仕組みでは業務管理者が営業時間外の受電に誰が対応したのか、あるいはまだ誰も対応していないのかも把握できません。
そのような状況を改善する手立てはないかと思っていたところ、受信したメールをチャットツールに自動転送してくれる「Mail2Link」の存在を知りました。さっそく導入してLINE WORKSと連携させ、電話代行会社からのメールが受電内容に応じて各部門のグループトークに自動転送されるようにするとともに、当社のサイトをご覧になった新規のお客さまからの反響メールの内容も専用のグループトークに転送されるようにしました。
電話代行会社からのメールとホームページ経由の問い合わせメールは月に約200通ありますが、LINE WORKSに転送されるようになってからは各グループの担当者が速やかに反応し、以前のような対応の遅れや漏れはほとんど見られなくなりました。
問い合わせメールに対応した担当者がトークに「対応済み」と返信することで、グループメンバー全員が各案件の状況を把握できます。また、メンバーごとに既読か未読かが分かるので、なかなか既読にならない担当者に管理者が対応を促すことも簡単です。
ほかにLINE WORKSのどんな機能を活用していますか。
【ノート】ストックしておきたい重要な業務情報を保存
【アンケート】行事参加の意向などを手早く収集・確認
【タスク】自身やメンバーの作業を登録して進捗を管理
グループメンバーが頻繁に閲覧する重要なトピックや資料はノートに保存し、トーク上で情報にアクセスしやすくしています。
また、健康診断や会合など社内行事への参加の可否の確認にはアンケート機能を利用することで、紙の用紙を配付・回収する手間がかからず、素早く回答を得られるので重宝しています。
私を含めて、トーク内容をそのままTo Doにできるタスク機能を活用している社員もいます。自分自身がやることや、メンバーに依頼した案件の進捗をしっかり管理できることは、業務の効率化に貢献しています。
LINE WORKSの導入について、どのような効果を感じていますか。
当社の事業は短期間のうちに急拡大を遂げました。その背景にあったのは「運」と「縁」ですが、社員がそうした機会を逃さず十分に力を発揮できたのは、必要なITツールを的確に活用することで万全の業務環境を整えていたからこそだと思っています。そのITツールのひとつであるLINE WORKSは、「社内」「BtoB」「BtoC」のコミュニケーションをスムーズにするとともに、「Mail2Link」との連携で業務時間外のお問い合わせへの対応も万全なものにしてくれました。新規のお客さまからの反響メールに即座に対応できるようになったことも、業績の向上に確実に貢献してくれています。
LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。
これまでの取り組みが評価され、当社は株式会社船井総合研究所が主催する司法書士・土地家屋調査士事務所経営研究会で、2022年の「DX of the year」受賞という栄誉に浴することができました。LINE WORKSの導入効果には十分に満足していますが、慢心することなく引き続き活用レベルを高めていくつもりです。
【お話を伺った方】
髙𣘺 遼太さん
2007年、司法書士試験合格。2009年、明成法務司法書士事務所を開設して代表に就任。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年3月当時のものです。
*App Link・・・使用することで、LINE WORKS アプリを起動したり、特定の操作を実行させることができます。モバイル版 LINE WORKS でサポートされますが、トークの機能についてはブラウザ版でも利用可能です。詳細はこちら
【サンプル】
https://line-works.com/message/send?version=26&channelId=◆◆
26:利用中のアプリのバージョンに対応した数字(v3.5以降は26)
◆◆:チャンネルID
チャンネルIDは各トークルームの設定で確認できます。
*Mail2Link…必要なメールをLINE WORKSのトークに自動転送して、情報共有を自動化することができます。詳細はこちら