株式会社グリーンデイズが運営する農産直売所あぜみちは、生鮮食品を取り扱う業務の特性上、スピーディな情報共有を重視しています。今まで社員・アルバイト問わず、すべての従業員の個人LINEを連絡ツールとして利用していましたが、社用のLINEグループへの参加を強制できず、情報の伝達に滞りが発生するリスクを抱えていました。LINE WORKSアカウントを全社員へ付与したことで社内の連絡網を確立。スピーディな情報共有が可能になり、商品不足による販売の機会損失や過剰在庫による野菜の廃棄ロスの削減を実現しました。
【本事例のポイント】
– アカウント管理ができるLINE WORKSを導入
– 生産者情報、対応の進捗管理を全員で共有し、状況把握が容易に
– チラシやPOPの煩雑になりがちな校正指示をタスクで整理
– トークグループを目的別に作成し、店舗間の連携を強化
御社の事業内容をご紹介ください。
林さん :
農産直売所「あぜみち」は、株式会社グリーンデイズが運営している直売所です。今年で創業19年目となりました。現在はおよそ2,500件の生産者にご登録いただいており、栃木県内にある全5店舗にて、月におよそ700~800種の旬の農産物や農産加工品を取り扱っています。また、全店舗に設置した製造販売所「あぜでり」では、従業員が店内で手作りしたお弁当やお総菜を毎日販売しています。
LINE WORKSの導入前まで、どのような課題を抱えていましたか。
林さん :
今までは社員・アルバイト問わず、従業員どうしが個人LINEでつながり連絡を取り合っていました。しかし、LINEはあくまでプライベートなものなので社用のLINEグループへの参加を強制できなかったり、そもそもLINEを使っていない従業員もいたりしたので、従業員によっては情報共有にタイムラグが生じていました。
当社が農産物直売所を運営する上で一番大切にしたいことは、生鮮食品である商品の鮮度です。在庫状況や受け取りたい納品数などを判断するためには、リアルタイムで従業員や生産者と連絡を取り合い、速やかに情報共有をすることが重要なのです。いち早く、精度の高い報連相を徹底できる環境を整えるべきだと考えていました。
湯澤さん :
また社内の重要な情報のやりとりをLINEでしている日々の中で、ある従業員がスマートフォン本体を一時的に紛失したことがあり、セキュリティ面でも安心できるツールに切り替えなければという危機感を抱きました。
課題解決の手段として、LINE WORKSを選択された理由をお聞かせください。
林さん :
LINE WORKSなら、全社員のアカウントをこちらで作成して付与し、グループの招待もコントロールできるので、今までLINEグループに参加できなかった社員にも滞りなく情報共有できるようになると思いました。またLINE WORKSはLINEと操作が似ているので、社内研修を設けなくても円滑に導入ができるという期待感もありました。
湯澤さん :
さらに、LINE WORKSは管理機能から任意の社員のアカウントを停止(ログアウト)させることができます。万が一、社員がスマートフォンを無くしたとしても、お客様や生産者の情報の漏洩を防ぐことができるという安心感があります。
「あぜみち」の運営に欠かせない生産者に関する情報管理をLINE WORKSの掲示板やノートで行っているそうですね。
林さん :
あぜみちでは農作物を出荷したい生産者を募集・登録しています。登録された生産者の情報共有や、あぜみちで取り扱う農作物の品目や在庫管理のタイムリーな把握は非常に重要です。我々の在庫管理が滞ると品物の入荷がないことに気付かなければ販売の機会損失になりますし、逆に売れ残ると商品価値が下がって廃棄ロスが増えてしまいます。
例えば、生産者から「足りない野菜は何ですか?」「どれくらい必要ですか?」と聞かれたときに、回答する社員が在庫状況を把握できていれば、余剰分を収穫せず温存し、後日必要なときに収穫してもらい新鮮な農作物を店頭に並べることができます。
現在、生産者とは電話とメールでやりとりをしていますが、生産者から入手した情報は社員どうしで確認できるよう、LINE WORKSで共有しています。
湯澤さん :
新規の生産者の申し込みは公式ホームページから受け付けており、登録された生産者情報はLINE WORKSの「生産者登録」の掲示板へ掲載します。生産者への納品方法のご案内や商品の受け取りなどは掲示板を確認して、営業と集荷を担当する社員が対応します。
掲示板ならトークのように会話を遡らず、目的に合ったスレッドから詳細をすぐに把握できます。毎日のことなので「確認したいときは掲示板を見れば大丈夫」という安心感がありますね。
タイムリーなやりとりが必要になる生産者からのお問い合わせ対応の進捗管理や担当者の割り振りは、グループトークのノート機能で整理しています。納品日など進捗に変化があったときは担当者からトークで報告してもらい、その都度、私がノートを最新の状態に更新します。
ノートは表の作成も可能なので、視認性が高く短時間で状況を理解できるようになりました。
林さん :
こうしたLINE WORKSで効率的に共有できるようになったおかげで、生産者の情報を社員どうしが密に連携していく体制が整い、販売のチャンスロス、野菜の廃棄ロスを未然に防ぐことができるようになりました。
チラシやPOPの作成にはLINE WORKSのタスクやアンケートを活用されているそうですね。
湯澤さん :
公式LINEアカウントで配信しているDMチラシや店内に掲示するPOPの制作は、広報チームと各店舗の社員が参加するグループで、校正のやりとりをしています。
各店舗からの意見や依頼がデザイナーに次々と届くのですが、LINEでやりとりをしていたころはトークがどんどん流れていってしまい、情報整理が追い付かず煩雑に感じることもありました。しかしLINE WORKSは、任意のトークを右クリックすることで、すぐにタスク機能の一覧へ保存できます。トークをタスクとしてリスト化できることで進捗管理がしやすくなり、デザイナーもよろこんでいます。
デザインの候補が複数あるときには、社員からの意見を吸収するためにアンケート機能を活用し、素早く収集および集計できるようになりました。
ほかにどのような業務にLINE WORKSは活用されていますか。
湯澤さん :
野菜の価格変動のお知らせや総務関連の提出書類の文書テンプレートを掲示板に掲載しています。掲示板には必読機能があり、未読の人に再周知することができるので便利です。
現在は全社員34名にLINE WORKSのアカウントを付与しているほか、外部トーク連携機能を活用して170名いるアルバイトスタッフのLINEとつながっています。LINE WORKSの中でやりとりされた情報は、必要に応じて社員からアルバイトスタッフへ共有しています。
本社と店舗、各店舗の社員どうしが離れていても正確で素早い情報共有をするために、「店舗間」「広報チーム」「集荷チーム」などグループ編成を細かく設定し、日々の報連相を発信しています。
店舗どうしのグループでは、早朝にある店舗の社員から「〇〇の在庫が足りない」というヘルプが入ることがあります。生産者のもとへ向かっていた集荷トラックに連絡して、経路上にある商品の在庫がある店舗を経由させ、足りない店舗へ運搬してもらうこともあります。店舗間でリアルタイムな情報共有ができるおかげで、集荷トラックの経路を無駄なく活かすことができています。
LINE WORKSにカスタマイズされているアイコンメニューについて教えてください。
湯澤さん :
作成したPOPデータを保存しているオンラインストレージサービスや、社内イベントおよびキッチンカーの出店予定を共有している外部のカレンダーサービスへのリンクを登録しています。
キッチンカーの出店依頼を検討する際には、各店舗の社員がこのオリジナルのメニューアイコンから確認しています。依頼するキッチンカーがほかの店舗と被っていないかどうか確認できたり、同じ業種のキッチンカーに偏っていないかどうかなど、店舗どうしのバランスをみて判断できたりするようになりました。今までは店舗どうしで連絡を取り合って確認していましたが、その手間を省くことができています。
アイコンは月に1回程度、季節にあったデザインに変更しています。直売所で働く社員として季節感も大切にしてほしいという思いや、気分転換になるといいなという遊び心も交えています。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
林さん :
現在、生産者へはメールや手紙をお送りしていますが、LINE WORKSに置き換えたいですね。LINEならご年配の方にも馴染みがあるので、農家の方にも受け入れられやすいのではと思います。
【お話を伺った方】
林書緯(リン スウエイ)さん
代表取締役として事業の運営・統括を担う。
湯澤一城さん
総務課長。情報システム関連の業務を担当していた経験から、現在はLINE WORKSの管理者として業務システムの構築を手掛けている。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年10月当時のものです。