株式会社村上農園
2023-07-18
業種
製造・メーカー 運輸・倉庫 食品
目的・効果
従業員間の連絡 支店・店舗との連絡 取引先との連絡 コンプライアンス・セキュリティ スマートフォン活用 ノウハウ共有 LINEとの連絡 予定の見える化 業務の見える化 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
タスク
アンケート
お話を伺った方
執行役員 営業本部長 兼 物流本部 統括部長 河野 尚之さん(左)
  物流本部 西日本物流センター次長 兼 東日本物流センター 次長
兼 SCM推進室 次長 内山 喜夫さん(右)  
営業本部 首都圏営業所 主任 西尾 綾菜さん(中)
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食品ロス削減をLINE WORKSで実現。 社内・社外の連絡が円滑になり、欠品ほぼゼロ。対店舗売上2割アップにもつながっています。

豆苗やスプラウトなどの発芽野菜や高成分野菜の生産・販売等を手がける株式会社村上農園。同社は、社内外の電話やメールによるコミュニケーションの改善を目的にLINE WORKSを導入し、欠品がほぼなくなり、食品ロス削減にもつながっています。取引先への対応力も強化され、配送品質の向上・対店舗売上約2割アップにも寄与しています。

 

本事例のポイント
  • 電話やメールの連絡がLINE WORKSに置き換わり、コミュニケーションコストを大幅に削減
  • 部門間のタイムリーな情報共有により、欠品ほぼゼロ、廃棄2割以上削減を実現
  • 取引先と安全で迅速なやりとりが可能になり、対店舗売上約2割アップに貢献

御社の事業内容をご紹介ください。

河野さん:

当社は国内12カ所に生産拠点を持ち、豆苗やブロッコリー スーパースプラウトなど発芽野菜の施設野菜メーカーです。取り扱う発芽野菜は、栽培から1週間~10日ほどの短期間で出荷できるほか、植物工場内で生産されているため、野外で育てる野菜と比べて天候に左右されにくく、安定した価格で市場に供給できる点が特長です。加えて、全国規模で生産拠点・物流ルート・販売網を構築しているため、効率的かつ年間を通じて安定した供給体制を整えています。独自のマーケティング戦略と全国に張り巡らせた生産体制を活かして、高成分野菜の新しい市場の創出にも注力しています。

 

LINE WORKS導入前はどのような課題を抱えていましたか。

河野さん:

取引先のバイヤー様や市場の担当者様とのやり取りは、基本的に電話かメールを使用していました。弊社の営業担当者は外出も多いため、電話では行き違いが発生しやすく、メールではすぐに確認してもらいづらいなど、取引先とスピード感のあるやり取りができないことに、営業担当者として課題を感じていました。

 

 

西尾さん:

取引先とのコミュニケーションの遅延を解消するために、会社から貸与されたスマホに入れたLINEを使って取引先と連絡を取っていました。

 

 

河野さん:

しかし、LINEの業務利用は会社が公認しているものではありません。加えて、取引先の担当者様と当社従業員の間で、会社の管理が行き届かない属人的なやり取りが発生するリスクもあります。会社として、「LINEの業務利用に対する対策を打たなければならない」と考えていました

 

内山さん:

私が所属する物流本部では調整役として、多いときには社内外の担当者から5分おきに1件の電話がかかってくるほど、頻繁にやりとりが発生していました。電話に対応している間は作業の手が止まってしまうため、業務効率は決して良くありません。また、電話による口語のコミュニケーションでは、どうしても受注量の聞き間違い・言い間違いも発生してしまいます。受注量を誤って把握し、少ない量を配送してしまった場合には、追加配送のコストも発生していました。

 

 

河野さん:

メールや電話をメインとした社内のコミュニケーションにおける最大の課題は、部門間での連携がスムーズに行えないために、「欠品」が度々発生していたことでした。

 

例えば、高速道路・幹線道路での通行止めや事故渋滞などの影響で、配送が遅れることが度々あります。こうした際に、欠品になるのか延着になるのか、1分1秒を争う状況において、電話での関連部門間の状況報告や共有は行き違いも多く、情報の取りまとめや取引先への報告に時間がかかっていました。結果として、「状況が分からないので欠品」と判断せざるを得ないことが度々ありました。そういった状況から、一斉に連絡がとれて、素早く情報集約ができる体制の構築が必要だと感じていました。

LINE WORKSを導入されるまでの経緯を教えてください。

河野さん:

LINEで取引先とやり取りをする状況が増えてきたことをきっかけに、会社としてオフィシャルなツール導入を検討し始めました。他のチャットツールも検討しましたが、取引先の担当者様が当たり前のように使っているLINEともつながれるLINE WORKSしかないと導入を決定しました。

 

最初は、営業と物流部門のメンバーでフリープランを使い始めました。フリープランではデータ容量に制限があるため、画像や動画のアップロードを控えるというルールを設けましたが、それではLINE WORKSの恩恵を最大限に享受することはできません。そこで、有償版の導入に向けて、経営陣にLINE WORKSのメリットを伝えました。LINE WORKSを活用したスムーズな情報共有によって欠品を回避できた事例を紹介しながら、「データ容量に余裕をもって写真や動画を送り合えることで、さらに欠品を減らせます」とアピールしました。結果として稟議は承認され、有償版の導入が実現しました。

LINE WORKSの活用によって社内・社外のコミュニケーションはどう変化しましたか。

【グループトーク】部門間の連絡がスムーズになり、欠品はほぼゼロに

 

内山さん:

社内のコミュニケーションは、目的に合わせてグループを作成し、タイムリーに情報を発信・共有しています。例えば、物流部門と生産部門が所属するグループでは、生産計画を共有しています。電話やメールでやり取りをしていた頃は、生産部門との連絡がなかなか取れず、連絡がついた頃には「すでに廃棄済みです」と生産部門から報告されることがありましたが、現在はグループトークで、物流部門からスムーズに生産部門へ生産計画を伝えられるようになったので、廃棄物が2割以上減少しています

 

河野さん:

営業担当のグループでは、広域量販店の本部の方針など各支店の担当も知っておくべき細かい情報を共有しています。また、SNS運用部門のグループではYouTubeやTikTokの動画を企画、撮影、編集しており、動画のアイデアをノートで共有しながら意見を出し合い、内容のブラッシュアップを図っています。

 

アイデアをノートで一覧化して、コメント欄で内容について意見を出し合っている

 

河野さん:

社内のコミュニケーション体制が整備された結果、最大の課題であった欠品がほぼゼロになりました。現在は、大雪や大雨による配送遅延が発生した際でも、関連部門の所属するグループトークで、配送状況などの情報共有を迅速かつ一斉に行えるため、営業担当から取引先への状況報告もスピーディに対応できています。以前は、欠品と判断せざるをえなかった状況でも、LINE WORKS導入後、配送可能となることが増えました。取引先への配送品質の向上、さらには細かい欠品がなくなったことで、食品ロス削減にもつながっています。

 

道路状況や配送状況を部門間でタイムリーに共有し、取引先へもスピーディに報告

 

【外部トーク連携】バイヤーへ売り場状況をタイムリーに報告し拡販にも寄与

 

西尾さん:

社外のコミュニケーションは、外部トーク連携を活用して、取引先の担当者様のLINEとつながって連絡業務を効率化しています。例えば、売り場のレイアウトを決める役割も担っているバイヤー様に対して、私たち担当営業は「売り場の状況」を報告しています。以前は、パワーポイントで売り場状況の資料を作成し、メールで報告をしていたため、手間も時間もかかり、月1回程度しか報告できていませんでした。現在は、トークで、売り場の陳列状況を写真も使いながら、手間をかけずにリアルタイムに報告できています。テレビで当社の商品が取り上げられた際にも、「テレビの放映の影響でこれだけ売れています」とスピーディに共有できるので、バイヤー様に売れ行きが伸びていることをより実感してもらえ、リアルタイムでの販売促進にもつながっています。LINE WORKSとLINEで連絡がとれるようになったことで、電話やメールで連絡をしていた頃と比べて、商品の売り込みが容易になり、取引先によっては店舗向けの売上も約2割アップした事例もあります。

取引先の担当者のLINEとつながり、売り場・陳列状況など写真とトークで手軽な状況報告が可能に

 

他にはどのような機能を活用していますか。

【掲示板】商談の進め方など営業部門内のルールを掲示
【タスク】各クライアントの物流に関わる確認事項を管理

 

河野さん:

営業部門内のルール共有には、掲示板を活用しています。商談の進め方や各種取り決めなどの詳細を、掲示板で共有しています。特に新しい領域の事業については、各自が個別に動いてしまうと情報が把握しきれなくなる可能性があります。業務の交通整理をする意味でも、掲示板にルールを掲示し、営業担当者は営業前にすぐに見返せるようにしています。

 

方針やルールなどを掲示板で共有することで、足並みを揃えた営業活動につながる
西尾さん:

タスクも活用しています。具体的には、営業部門が新たな取引先様と取引する際に聞き取った、運賃や所定の場所までの配送時間などの情報をタスクにまとめ、それを物流部門に共有しています。電話やメールで共有していた頃と比較して、進捗も確認でき、業務の煩雑さが大幅に改善されました。

 

各クライアントの物流に関わる確認事項をタスクに落とし込み共有

LINE WORKSの活用を今度どのように発展させていきたいですか。

河野さん:

受発注システムとのAPI連携を検討しています。現在は、市場の担当者様に弊社独自のWeb受注システムで発注してもらっていますが、LINEから発注できる方が市場の担当者様にとっても操作性が良いだろうと感じ、構築できないか、可能性を検討しています。

他にも、ドライバー様との連絡は、物流会社様を経由して電話で行われていますが、LINE WORKSで直接連絡を取れるようになれば、業務をよりスムーズに進められるのではないかと期待しています。物流の2024年問題がある中で、当社ではLINE WORKSを活用しながら業務の効率化を図り、物流会社様への負担を軽減することも重要だと考えています。

 

 

【お話を伺った方】

河野 尚之さん

営業部門および物流部門の責任者。

 

内山 喜夫さん

西日本・東日本の物流業務の管理を担当。

 

西尾 綾菜さん

主にバイヤーへの企画・提案のほか、物流部門と取引先とをつなぐ役割も担う。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年4月当時のものです。