車種を豊富に取り揃え、全国トップクラスの営業所数を誇るニッポンレンタカーアーバンネット様。LINE WORKS導入を推進されたシステム課長の山崎隆さんにその経緯と全体的な効果を、神奈川県横浜市にある綱島駅前営業所の下村樹生さんに、現場で実感されていることなどをうかがいました。
事業内容と、お二人の担当業務を簡単にご紹介ください。
システム課長 山崎さん :
ニッポンレンタカーの東京都・神奈川県内の営業所166か所を運営しています。アルバイトスタッフを含め2,000人近い従業員が在籍し、リースカーを含め1万台近い車両を管理しています。
システム課は、本社および全店舗のシステム全般(PC、サーバ、複合機など)の管理・メンテナンスを行っています。
綱島駅前営業所 下村さん :
綱島駅前営業所で、お客様の応対や車両メンテナンス、配車の手配などを行っています。
LINE WORKS導入以前の情報共有は、どのような方法で行われていましたか?また、それにともなう課題には、どのようなものがあったのでしょうか。
システム課長 山崎さん :
「毎日届く大量のメールにランサムウェアが紛れており、大きなリスクを感じていました」
社外と営業所間の主な連絡手段はメール、ニッポンレンタカーグループ内の連絡にはグループウェアでした。営業所間では、車両のやりくりなどの連絡にも営業所のアカウントでメールを使っていました。
近年、ランサムウェア(注)などインターネット上の脅威が大きく報道されています。当社はメールが大量に届くので、常々危機感を覚えていました。実際、社内にある多くのPCにランサムウェア付きのメールが届いており、大量の社内連絡に紛れた悪意のプログラムをうっかりクリックしてしまう危険と隣り合わせ。早急な対策が求められていました。
(注)ランサムウェア:コンピュータウイルスの一種で、「身代金型ウイルス」とも呼ばれる。ランサムウェアに感染すると、PCがロックされたり、ファイルやデータが暗号化されたりして使えなくなり、元に戻すことを引き換えに「身代金」を要求される。
特に営業所では1日数十件のメールがやりとりされ、そのほとんどが社内連絡であったことから、メールの数を減らし、悪意の攻撃メールに注意を払えるようにできないかと考えていました。
社内連絡には、車両の移動や空車状況などの一時的な連絡と、業務通達などアーカイブが必要な連絡の、大きく分けて2種類があり、どちらもメールを使用して配信されていました。車両の移動に関するメールだけで1日40~50通ものメールが届きます。
営業所には共有のPCがあり、営業所ごとのメールアカウントでメールのやり取りをしています。業務連絡と大量の一時的な連絡がすべて同じメールボックスに溜まるため、必要になったときに業務連絡を探し出す手間や、他の従業員が一度開封した業務連絡メールに気づきづらいという問題がありました。
また、ランサムウェア対策として、アルバイトスタッフにメールを使用させない、時間帯によってPC自体を使用させないなどの制限を設けたため、業務連絡が行き届かないという不都合が生じていました。営業所運営には多くのアルバイトスタッフが携わっており、社員不在の場合の社内連絡手段が限られてしまう状況でした。
そこで、9割を占める社内メールのコミュニケーションを他のツールに置き換えることで、ランサムウェアの対策ができないか、と考えてビジネスチャットの検討を始めました。
LINE WORKSに決定されたのは、どのようなことが決め手だったのでしょうか。
システム課長 山崎さん :
多くの人が使い慣れているコンシューマー向けLINEと見た目も操作性も近いこと、通知が受け取りやすいこと、また、営業所ではスマートフォンではなく共有PCを使用するため、デスクトップ通知のあるPC用クライアントが提供されていることなどが決め手となりました。スタンプが使える柔軟さも、コミュニケーションがさらに活発になると期待していましたね。せっかく導入するなら、スタンプが使えて少しでも楽しいほうが、やり取りがカジュアルになって良いのではないか、と思ったのです。
LINE WORKSの導入は、どのように行いましたか? スムーズに浸透しましたか?
システム課長 山崎さん :
ランサムウェア被害防止策の整備が急務であったため、導入決定から申し込み、導入準備、全社への一斉展開までを3週間以内に行いました。こちらで用意したマニュアルは、初期設定に関する数ページの簡易なものだけですみました。
使い慣れたメールから社内連絡を全面的に切り替えることに少なからず抵抗感はあったと思いますが、LINE WORKS導入にともなう問い合わせは想定していたよりも少なかったです。LINE WORKS導入後はメールの使用状況を監視し、社内連絡にメールの使用を禁止。すべてLINE WORKSに切り替えるよう指導しました。
LINE WORKSはどのようなシーンでご利用なさっていますか?
綱島駅前営業所 下村さん :
近隣の営業所と、空いている車の状況をリアルタイムでやりとりするツールとして使うことが多いですね。予定より早く戻ってきた場合などの連絡にも使っています。
導入によって得られた効果にはどのようなことがありますか?
システム課長 山崎さん :
LINE WORKS導入後、メールが激減しました。ランサムウェアが届いても見つけやすい数になったので、課題は無事クリアできました。他の施策ともあわせて、さらに大きな効果が期待できると思っています。
綱島駅前営業所 下村さん :
「お客様のご要望にタイムリーにお応えできるようになりました」
他の営業所からの問い合わせに対してすぐに応答できることのメリットが本当に大きいですね。他の営業所にある車、ない車もすぐ分かるので、時間の目安が立ちやすくなりました。お客様にご不便をおかけせずにすみますし、こちらもお客様が増えてありがたいです。
車種や日時などのお客様からのご要望に対し、一営業所だけで対応できる車両の数にはやはり限りがあるのです。そのため、一つの営業所だけで車を抱え込むのではなく、近隣の営業所とも車両を共有し、お客様のご要望に対応できるようにしています。しかし、来店されたお客様からご要望をいただいて、すぐにお応えできなければ意味がありません。今ここにある車について、他の営業所から問い合わせがあった時に、LINE WORKSであればすぐに応答できます。すぐにお応えできなくて他のお店に行ってしまわれる、せっかくの旅行ができない、ということが減りましたね。リアルタイムさというのは、非常に重要だと思います。
特に効果の高い活用シーンを教えてください。
システム課長 山崎さん :
これまでは業務連絡をメールで配信していましたが、「ホーム」を利用して通達をまとめて配信することで、一覧性や検索性が向上したと感じています。
車両の定期点検や車検などのメンテナンス情報、新車納入リスト、会議などの月間スケジュール、車両にリコールが発生した場合の告知、お客様アンケートの結果、接客アドバイスなどを載せています。
LINE WORKSの導入によって、コミュニケーションに変化はありましたか?
システム課長 山崎さん :
社内の連絡が、今までよりもいい意味でカジュアルになったのではないかと思います。メールのように「お疲れ様です」から始まって「よろしくお願いします」で締めるような、いってみれば堅苦しい文章ではなく、LINE WORKSはチャットのタイムラインの中でやりとりができるのがいいですね。社内のやり取りに関しては、そこまで気を使わずに済むようになり、とても楽になりました。
綱島駅前営業所 下村さん :
他の営業所とのコミュニケーションが増えて、連絡を取りやすくなったのはありますね。全く知らない人、話したことがないという人もいたのですが、そういう人とも連絡を取り合うことが増えました。
LINE WORKSを利用して今後やってみたいことや、LINE WORKSへのご要望をお聞かせください。
システム課長 山崎さん :
Driveの機能をまだ使っていないので、今後は使っていきたいですね。ランサムウェア対策に、バックアップ用のストレージとしてLINE WORKSのDriveの機能を使っていきたいと考えています。
※掲載している内容、所属やお役職は取材当時のものです。