連携ツール
株式会社ノエビアホールディングスは、グループ会社の営業社員がお客様や販売代理店様とスムーズに連絡を取るため、LINE WORKSを導入。トークによる緻密なコミュニケーションを実現するだけではなく、文書や画像などをスピーディにやり取りすることで、業務省力化にも大きく貢献しています。情報システム部の滝川さん、宗実さん、村上さんに、LINE WORKSの具体的な利用シーンと、今後のさらなる活用に向けた展望をお話しいただきました。
事業内容と皆さんの役割をご紹介ください。
滝川さん :
当社は、化粧品・医薬部外品等の製造販売業の株式会社ノエビア(以下、ノエビア)、化粧品・医薬品等の製造販売業の常盤薬品工業株式会社(以下、常盤薬品工業)、配置薬販売事業を行う株式会社常盤メディカルサービス(以下、常盤メディカルサービス)などからなるノエビアグループの持ち株会社です。私はグループ会社全体の情報システムを管理する情報システム部の担当部長を務めています。
宗実さん :
情報システム部の課長である私は、グループ会社全体のサーバーやネットワーク、各種システムやアプリケーションの導入と運用、ID管理などに携わっています。
村上さん :
私は宗実のチームで、サーバー運用やネットワーク管理、LINE WORKSをはじめとする各種サービスの導入・運用作業の実務を担当しています。
LINE WORKS導入以前には、どのような課題がありましたか。
滝川さん :
ノエビアの商品は、販売代理店様によってお客様に販売されています。販売代理店様は法人化しているケースもありますが、個人で販売活動を行われる主婦の方も少なくありません。ノエビアの営業社員は支店ごとに複数の販売代理店様を統括しており、以前は電話やメールで営業活動や販売支援に関するさまざまな連絡をしていました。しかし、すぐに連絡がつかないことが多く、複数の販売代理店様に一斉に情報を発信したい場合もあることから、当社の情報システム部にLINEを使いたいという要望が上げられるようになりました。
営業社員は販売代理店様に新製品発表会や各種研修会の案内、商品の入荷予定や在庫データなどを発信します。一方、販売代理店様からは日々の営業活動状況などが報告されます。LINEを使えばそのやり取りがスムーズになるはずですが、秘匿すべき業務情報や個人情報を含むメッセージをLINEに登録されているプライベートの友だちに誤送信してしまうといったリスクが懸念されました。
LINE WORKSを選定された理由と、運用開始までの経緯を教えてください。
滝川さん :
常盤メディカルサービスからも、全国のお客様を訪問して配置薬を点検する営業社員が営業所と連絡を取るためにLINEを使いたいという要望があり、セキュアにコミュニケーションを取れるツールとしてLINE WORKSを導入しました。LINE WORKSはPCでも使えるので、本社が作成した長文の通達などを一斉に配信することも可能です。そこで常盤薬品工業の営業部隊でも導入し、続いてノエビアの営業社員と販売代理店様の連絡ツールとして採用することを決定しました。現在、3社の営業社員全員と、営業社員を統括する部署、情報システム部の部員など、総勢1,000名以上がLINE WORKSを利用しています。
LINE WORKSの魅力はセキュリティ性が高いことに加え、広く普及しているLINEと操作が似ていることです。営業社員は中途採用の社員も多いため、特別な導入教育がいらないことも大きなメリットだと感じました。また、ノエビアの販売代理店様では、かなりご高齢の方でもLINEは利用されているケースが多く、そのLINEとメッセージがやりとりできるLINE WORKSの外部連携機能によって、営業社員との緻密なコミュニケーションが図れるようになることが期待されました。
宗実さん :
新たなツールを導入する時はマニュアルを作成して配布したり、説明会を開催したりしなければなりませんが、LINE WORKSの運用に際してはその必要が一切ありませんでした。導入後も操作方法などに関する問い合わせはほとんどなく、これほどスムーズに定着したツールはかつてなかったと思います。
LINE WORKSの運用に際してどのようなセキュリティ対策を施されていますか。
滝川さん :
LINEとのやりとりにおいても、ログの記録がしっかり保管されていることを営業社員に説明した上で、個人情報の漏えいが万一にも発生しないよう注意喚起をしています。
村上さん :
LINE WORKSの管理者機能として実行ファイルなどの送信を制限できる点でもセキュリティが担保されています。
LINE WORKSの具体的な活用シーンとその効果をお聞かせください。
滝川さん :
複数のメンバーと瞬時に情報を共有できる複数人トークは、LINE WORKS導入時にはまだLINEとはできなかったのですが、機能改善されてLINEとも複数人トークできるようになってからノエビアの営業社員にとって欠かせないコミュニケーションツールとなりました。営業社員は、自分が担当する複数の販売代理店様とのグループや特定のイベント参加者のグループというように、さまざまなグループと連絡を取り合う必要があります。以前は販売代理店様に個別に電話やメールで連絡をしていましたが、LINEと連携できるようになってからは、その手段がLINE WORKSに置き換わりました。必要なメンバーを集めたトークルームを営業社員が任意に作ることができる柔軟性も利便性が高く、目的に応じてそれぞれのトークルームで一斉に情報を伝えることができるようになりました。
村上さん :
LINE WORKSではExcel、Word、PDFのファイルも送れるので、営業社員が販売代理店様にさまざまな業務データを送信するのにも便利です。
滝川さん :
ノエビアは化粧品の他にアパレルやボディファッションも扱っており、その新製品情報を販売代理店様などに提供する際、商品の見本写真や、社員自らが商品説明をしている動画をグループトークに投稿するといった使われ方もしています。
宗実さん :
情報システム部ではシステム障害のお知らせやアップデートの告知などをグループ会社の全社員にメールで通知していましたが、LINE WORKS導入後はそうした情報をホームに掲示しています。大半の社員がメールよりも早く気づいてくれるので、スピーディかつ確実に通知したい情報はホームで周知させるようになりました。
滝川さん :
LINE WORKSは当初、主に営業社員がお客様や販売代理店様などと密に連絡を取るための手段として導入しましたが、いまや既存のグループウェア以上に便利なツールとして、営業社員のみならずグループ会社全体のコミュニケーションを円滑にするプラットフォームとして機能しつつあります。
多数のLINE WORKSアカウントをどのように管理されていますか。
村上さん
情報システム部ではグループ各社のアカウント全体を管理することから、LINE WORKSのAPIを活用し、ETLツールのDataSpider※を用いて人事異動情報を自動でCSVデータとして取り込めるようにしています。退職者や休職者のLINE WORKSアカウントは自動削除され、新入社員には発行されたアカウントを通知するメールが自動配信される仕組みです。手作業でアカウント管理をしなくて済むので、業務効率化に役立っています。
LINE WORKSの活用を、今後どのように進展させたいとお考えですか。
滝川さん :
現在、当社グループは既存のグループウェアと併用している状況ですが、今後はより利便性の高いLINE WORKSをコミュニケーションツールの中核に据えながら、さまざまなシステムと連携させることで多忙な営業社員を支援できればと考えています。LINE WORKSさえ開けば、コミュニケーションも業務情報の取得も瞬時にできる。グループ会社全体に、そんな環境を構築することも検討しています。
その1つとして検討しているのが、オフィスで利用されているPCに関するヘルプデスクのチャットボット化です。外出の多い営業社員は社外からヘルプデスクに問い合わせできないので、LINE WORKSのチャットボットを活用して簡単な問い合わせに自動回答できる仕組みを整備できればと考えています。
将来にはさらに発展的に、LINE WORKSをインターフェースとして様々なアプリケーションにアクセスできる環境も整えたいと考えています。複数のシステムのUIをLINE WORKSに統一できれば、営業社員の営業活動もより効率的になるはずです。
宗実さん :
グループウェアで作成している営業日報も、出先などの社外でLINE WORKSに音声入力できないかと考えています。スマートフォンでアクセスできるように対応してはいますが、より簡単に早く入力できるにように、大幅な業務効率向上を実現したいです。LINE WORKSは音声入力をはじめ、他にも多彩な機能を備えているので、それらを活用して、グループ全体で活用レベルをさらに高めていきたいですね。
※DataSpider…プログラミングを必要とせずに異なるシステム間のデータ連携を実現するETLツール
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2019年3月当時のものです。