連携ツール
モバイル事業やソリューション(法人向け通信サービス)事業、決済サービスなどを展開する株式会社ティーガイアは、自社開発した見積書作成管理システムとLINE WORKSをAPI連携させ、承認申請・承認通知を担当者に発信することで承認に要する速度を大幅にアップさせました。また、受付システムとの連携で来客通知を担当者に発信する仕組みを構築することで受付業務も簡略化するなど、さまざまな業務の効率化を実現。ソリューション事業本部の磯山さんと河合さんに、LINE WORKSの具体的な導入効果をお話しいただきました。
本事例のポイント
- 見積書送付までの時間が3営業日→数時間へ
- 受付システム、FAQチャットボットを連携し、間接業務を効率化
- 社員の居場所確認からチャットへの遷移がスマホからシームレスに
皆さんの主な業務内容をご紹介ください。
片山さん :
私のチームでは、ソリューション商材の技術支援だけでなく、モバイルに関わる全てをワンストップで提供できる企業として、最新ソリューションの独自開発、アライアンス活動を行っています。
磯山さん :
ソリューション事業本部 LCM推進部 技術開発チームの統括リーダーである私は、法人のお客様向けのASP型ウェブサービスや社内向けの業務支援ツールなど、ソリューション事業本部で運営するシステムの開発・運用支援を担当しています。
河合さん :
私の所属するソリューション事業開発部では、法人のお客様に携帯端末を販売するとともに、複数のキャリアの端末をお使いになるお客様の経理業務効率化に向け、通信回線請求情報を一括管理・請求するASPサービス等のソリューションを提供しています。
見積もり作成管理システムの承認フローをLINE WORKSとAPI連携させているそうですが、以前は見積業務にどんな課題を抱えておられましたか。
河合さん :
これまで当社の営業担当者は、Excelで作成した見積書を紙帳票として出力し、回覧方式で複数の上長の承認を受けてからお客様に送付していました。承認を得る作業は煩雑なうえ、お客様の手元に見積書が届くまでに2~3営業日ほど要していました。また、膨大なファイルから過去の見積書を参照する手間もあり、検索性を向上させることも大きな課題となっていました。
磯山さん :
そのような状況の解決に向け、見積作成のウェブアプリケーションを自社で開発し、承認フローもシステム化してペーパーレス化を進めました。しかし承認依頼や承認完了がメールで届くため、本来の課題だった承認プロセスの速度向上にはあまりつながりませんでした。あるとき、営業担当から見積もり承認依頼や完了のお知らせをLINE WORKSに自動で通知されるようにできないかとの相談を受け、LINE WORKSとの連携開発に着手。2~3カ月の開発期間を経て運用を開始しました。
見積もり作成管理システムと、API連携による通知システムの導入効果をお聞かせください。
河合さん :
見積書の承認依頼や完了のお知らせがLINE WORKSにプッシュ通知されるようになり、承認フローが劇的にスピードアップしました。現在は、見積書の作成に着手してから、わずか数時間でお客様に送付することが可能になりました。携帯端末の利用に係るソリューションの販売を担当している私も、毎月15通ほどの見積書を発行していますが、その業務負担が軽減したことを実感しています。
以前は出先にいる営業社員が見積書の承認を上長から得るためにわざわざ帰社することがありましたが、今ではその必要もなくなりました。約200名の営業社員がこの仕組みを利用していることを考えると、全体の業務効率効果は非常に大きいと思います。
見積書が電子化されてウェブ上にアップされるようになり、担当変更になった営業社員がお客様の過去の見積データにアクセスすることも容易になりました。紙帳票の保管の手間とコストがかからなくなったことも導入成果の一つです。
磯山さん :
営業社員は、社外にいながらLINE WORKSで見積もり承認が完了したことを知り、社内のスタッフに指示して送信してもらうといったことも行われており、見積書が少しでも迅速に送付されることは、お客様の側の業務効率化にもつながっているのではないかと思います。
見積もり業務以外でもAPI連携を積極的に進めようとされているそうですね。
河合さん :
最近、ソリューション事業部で受付チェックインの自動化もできるACALL社のWorkstyleOSを導入し、来訪者が受付にあるiPadから担当者を呼び出すと担当者のLINE WORKSに通知されるようにしました。以前は来社されたお客様に受付から目的の部署へ内線電話をかけていただいていましたが、担当者以外の社員が電話を受けることが多いのが難点でした。WorkstyleOSとLINE WORKSが連携することで、お客様がいらしたことが担当者に直接伝わるようになって、内線電話を受けたほかの社員の業務が中断することがなくなりました。通知を受けた担当者が、LINE WORKSに表示される返事を選択すると受付のモニターに返信メッセージが表示させられるので、お客様と私たち双方の受付手続きが簡略化しました。
片山さん:
また本社内のさまざまな場所に配置したビーコンによって、従業員がオフィス内のどこにいるかをリアルタイムに所在確認できるbeacapp Hereというソリューションを利用していますが、このアプリ内から所在確認した相手のLINE WORKSへ直接トークを送れるように連携しています。
私たちの本社は複数階に分かれておりフロアも広いため、人を探すのが大変でしたが、この仕組みによって相手の位置と状況を把握した上で連絡が取ることができるようになりました。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
片山さん:
社内でのさらなるLINE WORKSの活用として、多くの商材を扱う営業担当者が個々の製品に対して詳細な情報に素早くアクセスするため、バックオフィス特化型FAQチャットボットSyncpitとLINE WORKSを連携させています。これまで、製品担当者が直接対応していた製品に関するFAQを順次自動化し、営業担当者からの問い合わせに活用しています。また、製品名をトークするだけで担当者を返し、そのままトークできるようにもする予定です。製品の担当者探しや問い合わせの負荷が軽減され、営業担当者と製品担当者双方の業務を効率化。その結果として、営業担当者がお客様に製品を提案するまでの時間短縮が図られることに期待しています。
また、現在社内で活用しているbeacapp Hereは、IoTを実現するためのプラットフォームです。さまざまな業種のお客様向けのソリューション製品として、現在販売しておりますが、このLINE WORKSとの連携機能を2020年内に弊社から販売開始予定です。LINE WORKSを活用する中で「こんなことができたら便利」という発想から生み出されるソリューションを、当社のお客様の業務効率化や新たなワークスタイルの確立に役立てていただけるよう提供してまいります。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年3月当時のものです。