キャラメルコーンやポテコなどのロングセラー商品で知られる製菓メーカーの株式会社東ハトは、ルートセールス中の営業社員が業務連絡や情報共有をしやすくするためのツールとしてLINE WORKSを導入。社用車で移動する時間の長い社員が必要な情報に素早くアクセスできるようになり、支店の事務担当者への商材等に関する電話問い合わせが大幅に減りました。また、マイプロフィールに各自の顏写真を設定することで、他支店の営業社員との親近感を醸成。お客様や商品に関する支店の枠を越えての情報交換が以前にも増して盛んになり、営業部門全体のコミュニケーション活性化にもつながっています。
本事例のポイント
- 販促関連や商品情報を一元管理し営業活動が円滑に
- 展示会や商品の陳列写真を速やかに共有し合いナレッジ共有に
- 営業部門全体の業務生産性向上に大きく貢献
御社の事業と、皆さんの主な業務内容をご紹介ください。
岩野さん :
当社はキャラメルコーンやポテコをはじめとする菓子を製造販売し、国内に10ヵ所の営業拠点を擁しています。私は営業統括本部 営業業務部 営業業務課長として、販売戦略・予算の立案、販売管理、人材育成など、営業に関わる企画・支援・管理業務全般を担当しています。
棗田さん :
営業統括本部 営業本部 東日本第一支店に所属する私は、スーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストア等をルート営業し、新製品紹介や売り場の棚づくり、販促方法の提案などを行っています。
LINE WORKSの導入以前は、どのような課題を抱えていましたか。
岩野さん :
ルートセールスを行う営業社員は社用車で移動する時間が長いため、車を停めている短時間で連絡や情報共有を行う必要があります。業務連絡や営業活動に必要な情報取得を素早く行えるよう、それまで支給していたガラケーをスマホに変更したところ、営業社員の多くがLINEの個人アカウントで業務に関する情報を交換するようになりました。
棗田さん :
個人アカウントのチャットツールには、秘匿すべき業務情報を電話帳に登録した社外の人に誤送信してしまうなどの恐れがあります。LINEは非常に便利な反面、そのような潜在的なリスクを感じていました。
岩野さん :
実際に情報漏えいなどのトラブルが起きたわけではなかったのですが、一刻も早くリスクを回避する必要に迫られ、LINEに替わるビジネスチャットの導入を検討するようになりました。
課題解決の手段として、LINE WORKSに注目されたのはなぜですか。
岩野さん :
セキュリティ対策は急務だったので、導入・運用を即座に実行できるツールが欲しいと思いました。そのためには、操作が簡単であることが必須条件となります。ビジネスチャットができる4種類のツールを検討した結果、多数の営業社員が利用しているLINEに操作性が近いLINE WORKSが最もスムーズに浸透すると思いました。トークでのやり取りだけではなく、ホーム(掲示板)に共有したい情報をアップできるのもメリットで、社外にいる時間の長い営業社員の活動を、多面的に支援できるようになることが期待されました。
導入決定後、どのようなプロセスを経て運用開始に至りましたか。
岩野さん :
LINE WORKS導入が決まったことを全国の支店長が集まる会議でアナウンスし、アプリのダウンロード法や初期設定の手順を作成して配布しました。アカウントやパスワードについては、「LINE WORKSは仕事のためのツール」という意識を持たせるために、管理者である私が一元管理するようにしました。ユーザーとなったのは、全国各支店の営業部門に属する全社員および役員です。
当社ならではの運用ルールとして、役職や性別に関係なくユーザー全員が、マイプロフィールの写真を本人の顔写真に設定したことが挙げられます。営業社員は異なる支店に属していても、お客様に関する情報などを交換する機会がありますが、電話やメールなどでコミュニケーションを取っているのに実際に会ったことはないというケースが多かったので、LINE WORKS導入を機にお互いの顔が分かるようにすることで、組織力の向上を図りたいという思いがありました。また、トークの画面に発信者の顔写真が表示されるようにすることで、モラルある発言を促す効果もあるのではないかと考えました。
オフィシャルのトークグループは全ユーザー、支店、支店長、全国チェーンのスーパーマーケットを担当する営業社員などを作成し、必要に応じてのトークグループ作成は申請制としています。大人数が発信し合うことでメッセージが錯そうするのを防ぐため、90名以上の社員が入っているグループは情報発信専用とし、返信や個人的なコメントを禁止しています。
これらのルールはホームに掲示し、個々のユーザーにしっかり認識してもらった上で、細部の運用ルールについては各支店の主体性に任せるようにしました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
岩野さん :
各社員からの全ユーザーが入っているグループへのトークは禁止していますが、各支店グループは自由にトークできることとしています。各支店グループで共有された情報のうち、全体で共有するべきと判断されたものは、マネージャーから全ユーザーグループにトークすることで、情報過多にならず、重要な情報が社員にしっかり届くようにしています。
棗田さん :
営業社員にとって特に導入効果が高いのは、トークによるコミュニケーションの円滑化です。社外にいるときに自分の担当するお客様から支店にお問い合わせなどが入ると、以前は事務担当者から電話でその旨が伝えられていましたが、車での移動中や商談中は応答できません。LINE WORKS導入後は電話に替わってトークでメッセージが送られるようになったので、手の空いたときに確認してスムーズに対応できるようになりました。
上長や先輩社員に伝えたいことがある場合、ちょっとした用件だと電話をかけたりメールを送ったりするのに抵抗感がありますが、トークなら気軽に送信できるのも利点です。
他支店の営業社員との間でお客様や商材などに関する情報を交換したい場合も気軽に連絡できるようになりました。相手の顔も分かるようになったことで以前より親近感が湧き、コミュニケーションが図りやすくなったことを感じています。
同じ支店の営業社員どうしはお客様の店頭の商品陳列や、商品展示会の様子などを写真で紹介し合うようになり、各自が担当するお客様の販促のヒントとするなど、ナレッジ共有にも役立っています。
支店内で共有したい情報をトークで素早く伝達
支店長会議での決定事項などもトークで支店内の営業社員に迅速に伝えられるようになり、1対1だけではなく、1対多の情報伝達も以前と比べて格段にスピードアップしています。
また、毎日決められた時間に売上や在庫状況などに関するリアルタイムな情報が各支店の事務担当者によって作成され、営業社員にトークで伝えられるようになりました。そうした情報は、以前はメールで報告されていたため、外出先でPCを起動して受信するには手間がかかりましたが、LINE WORKSなら手元のスマホで瞬時に確認することができます。
ホームでの情報共有も積極的に行われているそうですね。
岩野さん :
営業統括本部では、全営業社員に向けた通達事項に加え、各商品の販売実績や販促キャンペーン、生産計画などに関する最新の情報をホームにアップするようになりました。以前は個々の営業社員が支店や営業統括本部に逐一電話かメールで問い合わせて確認していた情報を、どこにいてもすぐに得られる環境を整えることで営業活動が円滑になっています。
棗田さん :
またホームには、営業統括本部から商品の生産スケジュールなども掲示されるようになりました。営業社員にとっては電話をかけて確認する手間が省けますし、多数の営業社員からの問い合わせを受ける事務担当者の業務負担も軽減されていると思います。
岩野さん :
重要な業務情報の掲示をホームに一元化したことで、各支店からの営業統括本部への問い合わせも激減しました。体感では、商品の売上状況や生産計画、販促キャンペーン実施期間等に関する電話問い合わせが、以前の3分の1以下になっているのではないかと思います。このように情報共有に要する労力が軽減されたことは、営業部門全体の業務生産性向上に大きく貢献しています。
ほかにLINE WORKSのどんな機能を活用されていますか。
岩野さん :
2018年に大阪北部地震が発生した際、該当する地域の支店グループにアンケート機能を使って安否を確認しました。既読が付けば無事が確認できるので、有事の場合にスピーディに安否確認をするのに有効だと感じました。
2020.4.30 導入リリースを配信しました
- 試験導入時の営業社員の社内電話件数は約50%減少
- 今後、電話件数は従来の3分の1以下になることが期待
詳しくはこちら:東ハト、全営業社員に「LINE WORKS」を導入 試験導入では、外出中の営業社員の社内電話件数が大幅に減少
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
岩野さん :
日々の業務終了後に作成・提出される営業日報をLINE WORKSに投稿できるようにすることで、営業社員の報告業務を効率化できればと考えています。
将来的には基幹システムとLINE WORKSをAPI連携させ、売上や在庫状況などをリアルタイムに可視化できるようにすることも視野に入れています。
現在は営業部門のみでの運用ですが、他部門からLINE WORKSの使い勝手に関して質問を受けることがあります。LINE WORKSが多くの部門で導入されれば、当社全体の業務効率化に貢献してくれる可能性があります。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年1月当時のものです。