東京、神奈川、大阪に5拠点の税理士事務所を構える税理士法人松本は、お客様からLINEによるやり取りニーズが高いことから、お客様のLINEとセキュアにつながるLINE WORKSを導入。お客様との意思疎通をはかりやすく、税務に必要な書類を素早く共有できる環境を構築しました。また、グループ、ノート、アンケート、ビデオ通話機能なども活用して、社内コミュニケーションを活性化させることで、業務生産性の向上にも役立てています。
本事例のポイント
- 個人LINEの業務利用をなくして公私を区別でき安心して連絡ができる
- LINE WORKSでお客様のLINEとつながることで税理士業務が円滑に
- 新規お客様へのアプローチにLINE公式アカウントと併用して効率的に対応
- ノートやアンケート、ビデオ通話機能の活用で法人内の業務連絡が効率化
御法人の事業内容をご紹介ください。
松本さん :
私どもは東京(亀戸、新宿、渋谷)、神奈川、大阪に税理士事務所5拠点を構えており、亀戸オフィスには社会保険労務士法人も併設。法人・個人の税務や会社設立に関する相談、経営コンサルティングなどに幅広く対応しています。国税局や税務署OBの税理士が7名在籍し、税務署による任意の税務調査を受ける法人や個人事業主に対策をアドバイスする「税務調査対応」を年間150件ほど実施し、一般の税理士事務所には難易度の高いサービスを提供できるのも当法人の特長です。
LINE WORKSを導入する以前はどんな課題がありましたか。
松本さん :
法人・個人を問わず多くのお客様がLINEでの連絡を望まれること、また当法人がLINE公式アカウントを開設していることから、大半の職員がLINEでお客様とつながっていました。
しかし、プライベートのツールを仕事に使うことに抵抗感や不安を抱く職員もいます。そうした職員は主にメールでお客様とやり取りをしていましたが、タイムリーに確認ができないことから対応が遅れることがあり、そうしたことを防ぐためビジネスチャットツールの導入を検討しました。
西山さん :
職員がLINEでお客様とやり取りしていたときは、重要なファイルをダウンロードするのをつい忘れたまま保存期限を過ぎてしまうことがよくありました。再度送信を依頼するのは申し訳なく、長期間保存できるツールがあればと思っていました。
五藤さん :
ユーザーがトーク履歴を削除できるLINEでのやり取りでは、お客様との間で「言った/言わない」というトラブルが生じることがあります。それを防止するため、会社としてログを管理、保存する体制を整える必要性も感じていました。
課題解決策としてLINE WORKSを選ばれた理由と、運用開始までの経緯をお聞かせください。
松本さん :
会社が管理できるツールでお客様のLINEとつながることが目的だったため、他のツールと比較するまでもなく、LINE WORKS一択で導入を決めました。
五藤さん :
職員全体で情報を共有できるよう、パートやインターンの職員も含めた120名あまりの全職員にアカウントを付与しました。各拠点の職員分のIDを担当者にメールで送信し、各自に初期設定をしてもらって運用を開始しました。全職員がLINE利用者なので、LINE WORKSの操作法をレクチャーする必要はなく、管理者への問い合わせもほとんどありませんでした。シニア世代が多い国税OBの税理士も含め、混乱することなくLINE WORKSに移行することができました。
LINE WORKSをお客様とのコミュニケーションにどう活用されていますか。
・お客様のLINEとつながり連絡や書類送付がスピーディに
・トークログを管理してお客様とのトラブル防止や証跡に活用
・求職者のコミュニケーションにも活用し採用活動を効率化
松本さん :
税務に関する業務やコンサルティングなどに際しては、複数の担当職員がチームを組み、お客様や案件ごとのグループトークルームを作成して対応しています。LINE WORKS導入後は、外部のLINE WORKSやLINEとつながれる外部トーク連携機能を使って、お客様である企業経営者や経理担当者などのLINEと安全にやり取りできるようになりました。当社のLINE WORKSとつながっていただいているお客様は、全体の9割にのぼります。
税務においてはお客様の業務日報や領収書の写真など扱うことが多く、PDFやExcelシート、画像等のファイルの送付について、お客様はこれまでと変わらずLINEで送っていただけます。一方で、LINE WORKSに送られたファイルの保存期間は、管理側で長期間設定にカスタマイズできるので、ダウンロードする前に期限が切れてお客様に再送いただくこともほとんどなくなりました。
五藤さん :
管理者権限で取得・保存できるトークログは、「言った/言わない」といったトラブルへの有効な備えになります。国税局や税務署からは、税務調査時にトークのやり取りの内容やお客様から提供された売上に関するデータの提出を求められることがありますが、LINE WORKS内のデータを抽出することで速やかに対応できるようになりました。
西山さん :
外部トーク連携は採用活動でも活用しています。求職者のLINEとつながることでお互いにスムーズに連絡し合えるようにしています。
社内ではどのように活用されていますか。
・会社全体や各拠点の職員への通知・通達を周知
・アドレス帳によって組織に属するどの職員にも容易にコンタクト可能
・新規見込み客の情報共有や担当者決めをグループトークで効率的に実施
・LINE公式アカウントを併用し、お客様は問い合わせから担当者との連絡をLINEだけで完結
西山さん :
会社全体や各拠点の職員への通達や通知を、適切なトークグループで周知するようになりました。「言った/言わない」の相違は社内でも起こり得るので、職員のどうしの伝達もできるだけLINE WORKSのトークで行うようにしています。
松本さん :
LINEは個別で友だち追加をしなければなりませんが、LINE WORKSのアドレス帳には組織に属する職員の連絡先が登録されているので、どの拠点にいる職員にも必要なときに素早くコンタクトできます。入職して間もない新人職員がちょっとしたメッセージを私に送信してくることもあり、職員との距離がより近くなったことを感じています。
マイプロフィールのアイコンを各自の顔写真にすることで、対面する機会が少ない他の拠点の職員でもお互いの顔が分かるため、組織に一体感を持たせるのに役立っています。
五藤さん :
LINE公式アカウントや当法人のWebサイトを通じて新規のお客様から問い合わせがあったときは、担当者がその内容を専用のグループのノートに貼り付け、それにいち早く気づいた職員がお客様にアプローチするという仕組みも構築しました。相談が進んだお客様には、担当者のLINE WORKS IDを伝えてつながるようにしています。
ほかに活用されている機能はありますか。
【アンケート】出欠確認などを手軽に実施
【ビデオ通話】別拠点のネットワーク機器の配置状況を遠隔でチェック
西山さん :
社内イベントへの参加の可否や、毎日の弁当の注文確認などにアンケートを利用しています。配付も回収も迅速にできるので便利です。
五藤さん :
最近、業務拡大に伴って大阪オフィスを移転させたとき、ネットワークがうまくつながらなかったので、ビデオ通話で現地をつないで、様子を確認しながら機器の配置を遠隔で指示したことがあります。チャットを基盤に、多様なコミュニケーション機能を備えているのもLINE WORKSの魅力だと思います。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
松本さん :
さらなる業務効率に向けて、今後はAPI連携によるさまざまな外部サービスの活用も進めていきたいです。税理士業界ではFAXによる情報のやり取りがいまだに当たり前であるなど、まだまだ古い連絡手段が残っているので、私どもが率先して変革していきたいという思いもあります。
【お話を伺った方】
松本 崇宏さん
2004年に税理士試験に合格し、松本税務会計事務所を開設。業容を拡大し、2016年に税理士法人松本・社会保険労務士法人松本を設立。
西山 亮さん
新宿オフィス責任者として、人事労務や売上管理など業務全般をマネジメントする。
五藤 こずえさん
採用から人事・総務、広報まで、バックオフィス業務全般を担当。LINE WORKSの導入推進・運用管理者でもある。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年7月当時のものです。