株式会社奴寿司は栃木県内に12事業所を構え、寿司・和食などの飲食店を経営しています。創業から受け継がれているお客様への真心を大切に、時代のニーズを捉えた新しいサービスの展開を目指しています。情報共有ツールをLINE WORKSに移行したことによって、幹部と店舗スタッフ間の連絡体制や、お客様との関わり方に変化が生まれました。今回はマネージャーの藤咲さん、営業部の入江さん、営業推進部の山﨑さん、ホールチーフの海老根さんに具体的な活用シーンや導入後の効果についてお聞きしました。
御社の事業と皆さんの主な業務内容をご紹介ください。
入江さん :
当社は宇都宮をベースに栃木県内に8業態12店舗を運営しています。店内でのご飲食やテイクアウトはもちろんのこと、パーティー用のオードブルや会席料理、寿司職人の出張サービスなどのケータリングサービスも展開しています。業態の特性で第1から第3まで3つの営業部がありますが、私は営業面全般を管理しています。
藤咲さん :
私はマネージャーとして、社内での企画やシステムの導入、またそれらを実際に運用していくための体制づくりを主に担当しています。
山﨑さん :
私は営業推進部トレーナーです。板前として調理を担当しながら、若いスタッフの技術向上のための育成に関わっています。
海老根さん :
私はホールリーダーとして、スタッフが積極的に業務に取り組めるように指示出しや声かけをしています。ただ注文を取るだけではなく、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。
LINE WORKS導入以前に課題となっていたのはどのような点ですか。
藤咲さん :
当社には複数の事業所があり、部署によって就業時間が異なります。仕込みに関するスタッフは朝5時ぐらいから連絡のやり取りをしています。一方でお酒を出す飲食店では、夜10時や11時頃まで働くスタッフがいます。以前はLINEを業務連絡に使っていて、スタッフによっては関係ない連絡が勤務時間外に届いてしまうなど、仕事とプライベートの棲み分けが難しい状態でした。
私は仕入れにも関わっているので朝5時ぐらいから連絡のやり取りがあるのですが、ほかのスタッフに遠慮してタイムリーにメッセージを送れないということもありました。スマホを枕元に置いて目覚ましに使うスタッフにとって、早朝のLINEは睡眠の妨げになります。そういったプライベートの時間を守れるようにしてあげたいなと考えたことが導入のきっかけでした。
LINE WORKSの決め手と、スタッフさんへの展開方法を教えてください。
藤咲さん :
仕事とプライベートを分けられるという点が一番の決め手ですね。アプリ自体が別ということに加えて、LINE WORKSは通知の時間設定機能(おやすみモード)が使えるので発信側としては安心できる要素の一つでした。導入時には簡単な操作マニュアルを作って、各店舗の事務局担当のスタッフから発信してもらいましたので、伝達はスムーズでした。
職人などご年配の方も多い業種でもあり、新しいことをはじめるのに少なからず抵抗感のある人もいましたが、若手スタッフのサポートや、ご年配の方でも使っているLINEアプリに近い操作感もあって、割とすんなり展開が進みました。
海老根さん :
スマホの操作に慣れていないという年配の上司には、私が設定のサポートをしました。普段は私が仕事を教わる立場なので、自分が上司をサポートできたことは嬉しかったですね。LINE WORKSを通じて、スタッフどうしが上下関係を気にせずに助け合うことができ、連帯感が生まれました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンとその効果についてお聞かせください。
藤咲さん :
仕入れ担当者の間で、仕入れの選定のために市場の食材の写真をトークに送ってもらうなどのやり取りをしています。例えば、「ウニが安くなっています」という言葉だけでは大きさとか分かりにくいんですね。写真ならすぐに見てわかるので、「それを〇枚ください」という判断が即座にできます。
また、以前は日報をメーリングリストに流すのと同時にFAXを送っていましたが、今はLINE WORKSで共有するようになったので、通信費や紙代が年間7万円ほど削減される見込みです。
入江さん :
メールとFAXで送っていたのは売上の明細や、研修表、レシートなどです。LINE WORKSなら、スマホで写真に撮って画像として簡単に送信できるので、「メール+FAXで送る」という作業が廃止され、二度手間がなくなりました。1つのアプリで業務に関する情報がすべて確認できるので、業務の効率もあがっています。
通常の会議等の出欠確認はアンケートを使いますが、重要かつ緊急な打ち合わせではトークで招集をかけることもあります。関係者全員に向けて即座に要点を伝えることができますし、なにより既読がつきトークで返信がくるとしっかり伝わったことがわかり安心します。
トーク、アンケート、掲示板を目的別に使い分けて情報整理
またLINEの中にあるグループではなく、アプリそのものが別になり奴寿司専用のLINEのように使うことで「仕事」という意識が高くなり、全体的に言葉使いも丁寧になったと思います。
現場の皆様はどのようにLINE WORKSを利用されていますか。
山﨑さん :
日々の業務連絡はすべてLINE WORKSで確認しています。
例えば仕出し弁当で、「うちの店舗ではこういうお弁当を作りました」と写真が送られてくるので、「それなら、うちはこういうのを作ってみましたよ」と、店舗を越えてお互いに参考にしています。写真があると目で見てすぐに確認でき、より良いものを作ろうと自然とモチベーションもあがるのがいいですね。
緊急時はLINE WORKSで音声通話や、幹部チームでビデオ通話を使った会議をすることも増えています。やはり「会議」なので、相手の顔を見ながら話せるのは良いですね。
また、カレンダー機能も便利です。誰かが会議などの予定を登録すると、私のスマホにも通知が来ます。うっかり予定を忘れるようなことがなくなりました。
LINE WORKSを使い始めて、生活の中にも変化はありましたか。
海老根さん :
もともと私はプライベートでもLINEの未読を溜めちゃうタイプでした。お店のLINEグループも友達とのトークの中に混在していたので、お店からの重要なお知らせが来ても気づかないということもありました。
LINE WORKSを導入したことによって、業務連絡の見逃しがなくなりました。既読機能もついているので、「確認しなきゃ!」と仕事への自分の意識も変わりました。スマホ内でもプライベートと仕事を分けることができたのでありがたいです。
幹部の方との距離も縮まり、わからないことがあったときはすぐに回答してもらえます。仕事のスピードもあがって業務が進めやすくなったと思います。
LINE WORKSを運用する中で、お客様との関わりはどう変化しましたか。
入江さん :
日報を全店舗で共有しています。日報の中にはお客様のご来店情報も共有しているので、同じお客様が他の店舗にも来店したときに「〇〇店に行ってくださったのですね!」とお伝えするとお客様もびっくりされてお話が弾みます。お互いに顔も名前も覚えるだけではなく、心の距離も近くなって自然なお出迎えができるようになりました。
創業時から変わらないお客様の想像を超えた「おもてなしの心」でお客様との距離感を大切にできているのもLINE WORKSで情報共有しているおかげかもしれませんね。
スタッフ全員で共有
LINE WORKS の活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
藤咲さん :
奴寿司はもうすぐ創業60年になりますが、新しいものは率先して取り入れていきたいです。現在準備中ですが、名刺にLINE WORKSのQRコードを載せて、LINEで連絡を受けられる体制をつくり、お客様とのネットワークを広げていきたいですね。
入江さん :
当社の社長からはよく、「新しいもの、新しいことに取り組もう」と言われています。時代の変化に対応できる柔軟な力をつけるための人間づくりだったり、社風だったり。LINE WORKSもそのひとつなので、お客様とのコミュニケーションやスタッフの育成を大切にするためにも、どんどん活かしていきたいですね。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年4月当時のものです。