51~300人
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株式会社一の湯
神奈川県の箱根で9施設の旅館・ホテルを運営する株式会社一の湯は、全社を結ぶグループウェアとしてLINE WORKSを導入しました。電話・メール・FAXで行っていた連絡をトークに置き換えて従業員間のコミュニケーションを円滑にすることで、温泉設備の故障発生といった緊急事態にも即応できる体制を整備。Drive、掲示板、アンケート、IoTシステム「Gravio*」とのAPI連携など、トーク以外の機能も有効に活用することでさまざまな業務の生産性を向上させ、サービスの質を高めることにつなげています。 本事例のポイント 本社や施設間で行われていた電話・メール・FAXなど既存の連絡手段を一本化 多彩なLINE WORKSの機能の活用でグループウェアとして運用 IoTソリューション「Gravio」との連携でフロント業務を合理化 御社の事業内容をご紹介ください。 今泉さん : 当社は1630(寛永7)年創業の「一の湯本館」をはじめとする9施設の温泉旅館・ホテルを、神奈川県の箱根エリアに展開しています。幅広い層のお客様に温泉での滞在を気軽に楽しんでいただくため、歴史ある老舗ながら高級路線を取らず、比較的リーズナブルな価格設定をしているのが特色です。 大野さん : 高品質なサービスを安価に提供できるのは、旅館業では珍しいチェーンストアの手法を採り入れ、経営活動を本社に集中させることで効率化を図っているからです。近年は業務生産性をさらに高めるべく、業務マニュアルの電子化などにも積極的に取り組んでいます。 LINE WORKSの導入前はどのような課題に直面していましたか。 今泉さん : 当社は従業員の勤務する店舗を固定せず、稼働状況などと照らして日ごとに配置することで人員の運用を最適化しています。9施設は離れた場所にあり、従業員は館内の各所を動きながら業務をするので、本社と従業員、あるいは同一店舗内の従業員間でコミュニケーションを取りづらいのが課題でした。主な連絡手段は固定電話と各店舗の共用PCを使ったメールで、これでは特定の従業員または複数人に向けたタイムリーな情報共有ができません。また、短時間のパートタイマーや短期間勤務の派遣社員にはメールアカウントを付与していないので、会社からの通達を全従業員に周知することも困難でした。 大野さん : 各店舗が特に困っていたのは、温泉設備の故障といった緊急時に保守を担当する従業員とスムーズな意思疎通ができないことでした。メールはいつ読んでもらえるか分からず、電話による口頭での説明では状況を十分に伝えられず、設備に不具合が生じたときの早期対処に影響がありました。 また、箱根は夏季の豪雨や冬季の降雪などで交通に影響が出やすく、お客様が店舗に来られるのが困難だと判断されるとキャンセル料不要で、本社にて宿泊の取り消しに応じます。本社の判断は該当する店舗にその旨をFAXで伝えていたため、お客様からのお問い合わせへの対応に追われている従業員が気づきにくいという問題もありました。 課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由と、運用開始までの経緯をお聞かせください。 今泉さん : 誰もが使いやすいコミュニケーションツールとして定評のあるLINE WORKSに興味を持ち、2020年9月に100名まで無料で使えるフリープランを導入しました。9施設を3つのエリアに分けて試用したところ、トーク機能だけでもコミュニケーションが十分に活性化し、業務効率化につながることが確認されたので、同年11月にベーシックプラン(現・アドバンストプラン)に移行。社員間の連絡は原則としてLINE WORKSで行うルールを策定し、社員どうしのメールによる連絡を廃止しました。有料版に切り替えたのはDriveやメール機能なども活用したかったからですが、従業員に「利用料に見合うだけの業務効率化を図ろう」という意識を持ってもらう狙いもありました。 店舗や職種などのグループを作成し、電話やメールで行われていた業務連絡をトークに置き換えることでコミュニケーションの効率化を図った 必要に応じて短期間勤務の派遣社員や短時間勤務のパートタイマーにアカウントを発行したり、退職者に対しても会社との間でしばらくやり取りする必要がある場合に、他の機能を停止してトークだけ使えるようにするなど、管理者権限で細かな利用設定ができるのが便利です。 LINE WORKSのグループトークは本社や店舗におけるコミュニケーション促進にどう役立っていますか。 ・温泉設備のトラブル発生の周知や不具合の状況の共有が迅速に ・悪天候時に本社から指示される対応方針が全スタッフに速やかに行き届く ・在宅勤務者とのコミュニケーション手段としても活用 大野さん : 温泉設備などにトラブルが発生した場合、保守担当者や関係者が所属するグループにトークで報告すると、いち早く気づいたスタッフや問題の設備の近くにいるスタッフが「自分が確認します」と手を挙げてくれます。電話と違い1対多で情報をやり取りできるチャットだからトラブルの早期対応が可能になりました。不具合の状況を示す写真や動画もその場で共有できるので、的確な指示も素早くできるようになりました。 悪天候時の宿泊キャンセルに関する通達もFAXではなくトークで行うことで、店舗のスタッフ全員が本社からの指示をリアルタイムにキャッチします。その結果、お客様に間違いのない対応ができるようになりました。雪や大雨による店舗周辺の道路状況も、各店舗から写真や動画で共有してもらうことで、お客様からの問い合わせにもいち早く状況をお伝えできるようになりました。 今泉さん : 以前は従業員の日ごとの勤務シフトの周知や、急なシフト変更の代わりを手配するのに手間がかかっていましたが、今ではトークで簡単に共有や手配ができるようになりました。 大野さん : 非常時以外の従業員間の連絡も、以前とは比較にならないくらい円滑になりました。わざわざ電話やメールで伝えるほどではないちょっとした報告や相談も、トークなら気軽に発信できます。チャットならではの上下関係を気にしないフラットなコミュニケーションが促進され、「報連相」が活性化し、サービスの品質向上にもつながっていることを感じています。 今泉さん : 家庭の事情で北海道に帰郷した従業員には、宿泊予約への対応やコールセンターなどの業務をテレワークで続けてもらっています。接客などと違い、遠隔でもできる仕事であるとはいえ、円滑に業務を遂行するには本社の社員との緻密な意思疎通が欠かせません。電話やメールによるコミュニケーションは煩雑ですが、トークによるやり取りなら手軽に行えます。LINE WORKSは、テレワークの実施が難しいと考えられている宿泊業界で働き方改革を推進する手段ともなり得るのではないかと思っています。 AI搭載IoT統合エッジウエアGravio*とLINE WORKSの連携による店舗の業務効率化も推進されているそうですね。 今泉さん : フロントを担当するスタッフは、持ち場を離れて別の業務を行うことがあります。フロントが無人のときに到着されたお客様には呼び鈴を押してもらっていましたが、それではスタッフが駆けつけるまでお客様をお待たせすることになってしまいます。そこで、IoTシステムをノーコードで構築できるアステリア社のGravioを導入し、人感センサーを玄関に設置してお客様の来訪を感知すると従業員のLINE WORKSにBotが通知する仕組みを構築しました。通知を受けたスタッフが先回りしてお客様をお迎えできるようになり、人員の運用を合理化しながらサービス品質を高められたことに満足しています。 大野さん : バルブの開閉など、温泉施設の設備は一定の周期で正しく制御操作をしないと故障の原因となり、お客様に温泉を提供できなくなったり、膨大な水道費・光熱費がかかる可能性があります。これまでは操作漏れをチェックする仕組みがありませんでしたが、Gravioはその課題を解決するのにも活用しています。 今泉さん : -
株式会社村上農園
豆苗やスプラウトなどの発芽野菜や高成分野菜の生産・販売等を手がける株式会社村上農園。同社は、社内外の電話やメールによるコミュニケーションの改善を目的にLINE WORKSを導入し、欠品がほぼなくなり、食品ロス削減にもつながっています。取引先への対応力も強化され、配送品質の向上・対店舗売上約2割アップにも寄与しています。 本事例のポイント 電話やメールの連絡がLINE WORKSに置き換わり、コミュニケーションコストを大幅に削減 部門間のタイムリーな情報共有により、欠品ほぼゼロ、廃棄2割以上削減を実現 取引先と安全で迅速なやりとりが可能になり、対店舗売上約2割アップに貢献 御社の事業内容をご紹介ください。 河野さん: 当社は国内12カ所に生産拠点を持ち、豆苗やブロッコリー スーパースプラウトなど発芽野菜の施設野菜メーカーです。取り扱う発芽野菜は、栽培から1週間~10日ほどの短期間で出荷できるほか、植物工場内で生産されているため、野外で育てる野菜と比べて天候に左右されにくく、安定した価格で市場に供給できる点が特長です。加えて、全国規模で生産拠点・物流ルート・販売網を構築しているため、効率的かつ年間を通じて安定した供給体制を整えています。独自のマーケティング戦略と全国に張り巡らせた生産体制を活かして、高成分野菜の新しい市場の創出にも注力しています。 LINE WORKS導入前はどのような課題を抱えていましたか。 河野さん: 取引先のバイヤー様や市場の担当者様とのやり取りは、基本的に電話かメールを使用していました。弊社の営業担当者は外出も多いため、電話では行き違いが発生しやすく、メールではすぐに確認してもらいづらいなど、取引先とスピード感のあるやり取りができないことに、営業担当者として課題を感じていました。 西尾さん: 取引先とのコミュニケーションの遅延を解消するために、会社から貸与されたスマホに入れたLINEを使って取引先と連絡を取っていました。 河野さん: しかし、LINEの業務利用は会社が公認しているものではありません。加えて、取引先の担当者様と当社従業員の間で、会社の管理が行き届かない属人的なやり取りが発生するリスクもあります。会社として、「LINEの業務利用に対する対策を打たなければならない」と考えていました。 内山さん: 私が所属する物流本部では調整役として、多いときには社内外の担当者から5分おきに1件の電話がかかってくるほど、頻繁にやりとりが発生していました。電話に対応している間は作業の手が止まってしまうため、業務効率は決して良くありません。また、電話による口語のコミュニケーションでは、どうしても受注量の聞き間違い・言い間違いも発生してしまいます。受注量を誤って把握し、少ない量を配送してしまった場合には、追加配送のコストも発生していました。 河野さん: メールや電話をメインとした社内のコミュニケーションにおける最大の課題は、部門間での連携がスムーズに行えないために、「欠品」が度々発生していたことでした。 例えば、高速道路・幹線道路での通行止めや事故渋滞などの影響で、配送が遅れることが度々あります。こうした際に、欠品になるのか延着になるのか、1分1秒を争う状況において、電話での関連部門間の状況報告や共有は行き違いも多く、情報の取りまとめや取引先への報告に時間がかかっていました。結果として、「状況が分からないので欠品」と判断せざるを得ないことが度々ありました。そういった状況から、一斉に連絡がとれて、素早く情報集約ができる体制の構築が必要だと感じていました。 LINE WORKSを導入されるまでの経緯を教えてください。 河野さん: LINEで取引先とやり取りをする状況が増えてきたことをきっかけに、会社としてオフィシャルなツール導入を検討し始めました。他のチャットツールも検討しましたが、取引先の担当者様が当たり前のように使っているLINEともつながれるLINE WORKSしかないと導入を決定しました。 最初は、営業と物流部門のメンバーでフリープランを使い始めました。フリープランではデータ容量に制限があるため、画像や動画のアップロードを控えるというルールを設けましたが、それではLINE WORKSの恩恵を最大限に享受することはできません。そこで、有償版の導入に向けて、経営陣にLINE WORKSのメリットを伝えました。LINE WORKSを活用したスムーズな情報共有によって欠品を回避できた事例を紹介しながら、「データ容量に余裕をもって写真や動画を送り合えることで、さらに欠品を減らせます」とアピールしました。結果として稟議は承認され、有償版の導入が実現しました。 LINE WORKSの活用によって社内・社外のコミュニケーションはどう変化しましたか。 【グループトーク】部門間の連絡がスムーズになり、欠品はほぼゼロに 内山さん: 社内のコミュニケーションは、目的に合わせてグループを作成し、タイムリーに情報を発信・共有しています。例えば、物流部門と生産部門が所属するグループでは、生産計画を共有しています。電話やメールでやり取りをしていた頃は、生産部門との連絡がなかなか取れず、連絡がついた頃には「すでに廃棄済みです」と生産部門から報告されることがありましたが、現在はグループトークで、物流部門からスムーズに生産部門へ生産計画を伝えられるようになったので、廃棄物が2割以上減少しています。 河野さん: 営業担当のグループでは、広域量販店の本部の方針など各支店の担当も知っておくべき細かい情報を共有しています。また、SNS運用部門のグループではYouTubeやTikTokの動画を企画、撮影、編集しており、動画のアイデアをノートで共有しながら意見を出し合い、内容のブラッシュアップを図っています。 河野さん: 社内のコミュニケーション体制が整備された結果、最大の課題であった欠品がほぼゼロになりました。現在は、大雪や大雨による配送遅延が発生した際でも、関連部門の所属するグループトークで、配送状況などの情報共有を迅速かつ一斉に行えるため、営業担当から取引先への状況報告もスピーディに対応できています。以前は、欠品と判断せざるをえなかった状況でも、LINE WORKS導入後、配送可能となることが増えました。取引先への配送品質の向上、さらには細かい欠品がなくなったことで、食品ロス削減にもつながっています。 道路状況や配送状況を部門間でタイムリーに共有し、取引先へもスピーディに報告 【外部トーク連携】バイヤーへ売り場状況をタイムリーに報告し拡販にも寄与 西尾さん: 社外のコミュニケーションは、外部トーク連携を活用して、取引先の担当者様のLINEとつながって連絡業務を効率化しています。例えば、売り場のレイアウトを決める役割も担っているバイヤー様に対して、私たち担当営業は「売り場の状況」を報告しています。以前は、パワーポイントで売り場状況の資料を作成し、メールで報告をしていたため、手間も時間もかかり、月1回程度しか報告できていませんでした。現在は、トークで、売り場の陳列状況を写真も使いながら、手間をかけずにリアルタイムに報告できています。テレビで当社の商品が取り上げられた際にも、「テレビの放映の影響でこれだけ売れています」とスピーディに共有できるので、バイヤー様に売れ行きが伸びていることをより実感してもらえ、リアルタイムでの販売促進にもつながっています。LINE WORKSとLINEで連絡がとれるようになったことで、電話やメールで連絡をしていた頃と比べて、商品の売り込みが容易になり、取引先によっては店舗向けの売上も約2割アップした事例もあります。 取引先の担当者のLINEとつながり、売り場・陳列状況など写真とトークで手軽な状況報告が可能に 他にはどのような機能を活用していますか。 【掲示板】商談の進め方など営業部門内のルールを掲示 【タスク】各クライアントの物流に関わる確認事項を管理 河野さん: 営業部門内のルール共有には、掲示板を活用しています。商談の進め方や各種取り決めなどの詳細を、掲示板で共有しています。特に新しい領域の事業については、各自が個別に動いてしまうと情報が把握しきれなくなる可能性があります。業務の交通整理をする意味でも、掲示板にルールを掲示し、営業担当者は営業前にすぐに見返せるようにしています。 西尾さん: タスクも活用しています。具体的には、営業部門が新たな取引先様と取引する際に聞き取った、運賃や所定の場所までの配送時間などの情報をタスクにまとめ、それを物流部門に共有しています。電話やメールで共有していた頃と比較して、進捗も確認でき、業務の煩雑さが大幅に改善されました。 LINE WORKSの活用を今度どのように発展させていきたいですか。 -
株式会社ベストバイ
複数のリユースショップをチェーン展開する株式会社ベストバイ。電話やメールを主体に行われていた煩雑な社内コミュニケーションを改善しようとLINE WORKSを導入しましたが、旧来のやり方に慣れた多くの社員が反発し、期待したようには浸透しませんでした。導入失敗かと思われた矢先、商品の仕入れ担当者が発したトークをきっかけにその有用性が認識され、全社での活用が進展。掲示板やDriveをはじめとするさまざまな機能が自発的に使われるようになり、業務のDX推進に貢献しています。 本事例のポイント アナログな職場におけるツール導入の失敗から浸透までのコツ メールや電話によるコミュニケーションから脱却 仕入れ情報の共有がスピーディになり在庫管理も効率化 重いデータをDriveで社員や関係業者へもスムーズに共有 御社の事業内容をご紹介ください。 鈴木さん : マルチブランドでリサイクルショップチェーンを運営する当社は、総合リユースショップ「良品買館」、ブランドリユースショップ「キングラム」、プロ工具リユースショップ「ツールマン」、家財整理サービスの「きもちもせいり」などを出店。関西圏を拠点に全国で約100店舗(フランチャイズ含む)を展開するほか、EC事業も手掛けています。近年のリユースアイテムはC to Cの直接売買が活発ですが、ブランド品には真贋判定が必要であり、また大型の家電や家具は送料がかさむことがあるため、フリマアプリの普及にもかかわらず、私たちのような専門業者が必要不可欠であることは変わりません。 メール受信箱は大量の情報に重要メールが埋もれ、制作ファイルの重いデータの送受信に時間がかかり作業効率が悪かった 以前はどのような課題に直面していましたか。 鈴木さん : 社内コミュニケーションの大半は、電話かメールで行われていました。各店舗が買い取りや仕入れた商品は、店頭ではなくECサイトやリユース業者向けのオークションで売れた場合もその店の売上として計上されます。そうした売上報告もメールで行っていたため、重要な情報が埋もれてしまうことやタイムリーに共有できない課題を感じていました。 「良品買館」の仕入れ業務を管理する私は、毎日多くの社員とさまざまな情報を共有しています。 上村さん : 私は、各店舗が使うチラシ、ポスター、看板などの販促ツールやWebサイトの制作をディレクションしています。制作物は、以前は各店舗や外注先の協力会社との間で、制作過程のデザインデータをメールやファイル転送サービスでやり取りしていたため、かなりの手間と時間がかかっていました。また、社員の行動予定が可視化されていなかったため、会議を開きたいときに1人1人に電話をして日時を調整しなければならないのも面倒でした。 社員のITリテラシーに差があっても抵抗感がなく、仕事に必要な機能がオールインワンになっていることが決め手 課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由と展開方法について教えてください。 鈴木さん : 以前にも、グループウェアやビジネスチャットを試験的に導入しましたが、社員のITリテラシーに差があり、広く定着しませんでした。しかし、電話やメールの非効率な連絡手段を使い続けるわけにはいかないと考え、効率的なコミュニケーション手段を模索していました。 チャット・スケジューラー・タスク管理とそれぞれ別のツールを併用するやり方では社員が混乱することが目に見えていました。そこで注目したのが、チャットをはじめ多くの機能がオールインワンになったLINE WORKSです。自社の業務に合わせて使いこなすには専門の部署が必要と考え、新たに導入推進チームを発足し、3ヵ月ほどテスト運用を行い、使い勝手の良さを確認しました。LINEに似たUIもあり、社員に抵抗感なく使ってもらえると感じました。 展開時には、改革意識の高い若手社員をリーダーに任命し、トークや掲示板、カレンダーなどの機能を各現場でどのように活用するかを説明するマニュアルを作成し、全社に配付しました。また、各部署のマネージャークラスに向けて説明会を開くなど、万全の準備をして本格運用を開始しました。 万全に導入準備を整えたが、社員からの反発が大きく全く浸透しなかった 現場への展開はスムーズにすすみましたか。 鈴木さん : ここまで準備をして説明すれば、あとは現場がどんどん使ってくれると思っていたところ、運用開始の日、現場の多くの社員からクレームがありました。 当時、まずは社員間の情報伝達速度を高めたかったので、「社内の連絡はトーク、社外の取引先との連絡はメール」という基本方針や「フロー情報はトーク、ストック情報は掲示板」といった運用ルールを定めたのですが、その意味や意図を現場の社員によく理解してもらえなかったことが原因でした。私と導入推進担当者は各部署を回って、導入の目的や利用方法を改めて説明しましたが、社員からの不満は収まらず、LINE WORKSを浸透させるには相当な時間がかかると感じていました。 当時の現場の様子について教えてください。 中西さん : 「良品買館」の仕入れ業務を管理する私は、毎日多くの社員とさまざまな情報を共有しています。導入と同時に各店舗スタッフとの連絡手段をメールからトークに切り替えるようにしましたが、多くの店舗スタッフから戸惑いの声が上がり、メールによるコミュニケーションは非効率的だと思っていた私自身でさえも、当初はそれまでのやり方を変えさせられることに抵抗感がありました。 たった1つのトークから、「限定商品を仕入れるにはLINE WORKSをチェック」という店長の意識が芽生えた その後、あることがきっかけで状況が一変したそうですね。そのきっかけと社内の変化について教えてください。 中西さん : 私の部下である仕入れ担当者の1通のメッセージがきっかけでした。私たちは、個人のお客さまだけではなくメーカーや卸会社からの直接仕入れもしています。注目商品が入荷した際に、「良品買館」の各店長が所属するグループに「欲しい店長は、挙手っ!」と部下がカジュアルに案内しました。すると、店長たちがすぐに「○台ください」と反応し、各店長と仕入れ担当者の間で、メールとは比較にならないほどスピーディなやり取りが行われました。 鈴木さん : この時、多くの店長が、短いメッセージやスタンプだけでコミュニケーションが取れるトークの優れた点を初めて実感しました。こうした目玉商品の仕入れは頻繁にあり『店長が常にLINE WORKSをチェックしていなければ売れ筋商品を仕入れられない』という状況が生み出されました。 LINE WORKS導入後、社内連絡にメールを使う社員もいましたが、これを機にトークを使う習慣が全社に拡大。社員どうしが接客に関するアイデアや気づきをトークで発信し合ったり、業務データをDriveで共有したりなど、LINE WORKSを有効活用する姿勢がおのずと社員に芽生えてきました。 当時の経験から、LINE WORKSをはじめとしたICTツールの導入を成功させるポイントはどのようなことだと感じていますか。 鈴木さん : 現場の反発を招いた原因は、新しいツールの活用を上から押し付けたことでした。全社に強引に導入するのではなく、最初はDXに前向きな一部のメンバーにスモールスタートをさせて小さな成功事例を積み重ねてもらい、それを足がかりにして横展開するべきでした。また、社員が新しいものを楽しむ空気感を醸成することも重要だと感じています。 全店舗への連絡を迅速に、委託会社から相談される査定結果を即時に伝え業務効率の向上に大きく貢献 現在の仕入れや店舗運営の現場におけるLINE WORKSの具体的な活用シーンをお聞かせください。 -
横浜丸中青果株式会社
神奈川県最大の青果卸売会社である横浜丸中青果株式会社。青果物のスムーズな販売のためには、生産者からの日々の出荷情報を円滑に受け取ることが重要です。かつては電話やFAXに頼っていましたが、最近では農産物の流通に特化した情報共有アプリを導入。生産者はLINEを、横浜丸中青果側はLINE WORKSを使って連絡を取り合い、迅速かつ正確な出荷情報を入手することができる仕組みを構築しました。またLINE WORKSは社内や取引先との連絡ツールとしても活用され、コミュニケーションの効率化にも貢献しています。 本事例のポイント 生産者からの出荷情報を速やかに受信できる環境をnimaruで構築 電話、メール、個人LINEなど分散していた連絡手段をLINE WORKSに集約 社員間や取引先などとのセキュアな連絡ツールとしても活用 御社の事業内容をご紹介ください。 岡山さん : 当社は横浜丸中グループの一員であり、外販、ロジスティクス、青果カット、地方卸売市場運営など、青果物の流通販売に関わる複数の会社で構成されています。神奈川県で最大規模の青果卸売会社として、県内の生産者だけでなく全国の産地や商社から青果物を仕入れ、仲卸業者や小売業者に販売しています。湘南藤沢地方卸売市場は、横浜丸中グループの湘南青果株式会社が管理・運営しており、2012年に神奈川県藤沢市から開設権を譲渡された全国初の中央卸売市場の民営化事例です。 湘南青果は地元の生産者が栽培する湘南野菜のブランド管理も行っており、当社は湘南野菜の振興を目指して、自社の農地での栽培業務委託や、湘南野菜のロゴマークが入った梱包資材や段ボールの販売なども行っています。 以前はどのような課題に悩んでおられましたか。 岡山さん : 仕入れを担当する営業担当者は、日々全国各地の多くの生産者からの出荷予定を把握し、受け入れに対応するために送り状や梱包資材の発注書など、さまざまな伝票を処理します。しかし、生産者との連絡手段が電話、FAX、メール、SMSなど多岐にわたるため、情報の収集や、社内にいる複数の担当者に共有する作業が難しいと感じていました。口頭での伝達では言い間違いや聞き違いが生じることもありますし、FAXで送られてくる手書きの伝票は読みづらい場合もありました。さらに、送信された帳票の内容を事務担当者が基幹システムに手動で入力する手間があったり、生産者との情報のやり取りをデジタル化して業務を効率化する必要があるという課題がありました。 加えて、社内のコミュニケーションや仲卸業者や小売業者などとの連絡に個人LINEが使用されるケースが増えており、シャドーITとしての問題が懸念されました。業務に関連しない第三者によって業務情報がやり取りされる可能性や、農産物の価格など、秘匿すべき情報や生産者の個人情報が誤って第三者に送信されるリスクを回避するために、会社として業務に特化したコミュニケーションツールを導入する必要性も高まっていました。 課題解決のために、どのような取り組みを行いましたか。 岡山さん : まず、当社が注目したのは農産物の流通に特化した情報共有サービス「nimaru」です。このサービスは、生産者が営業担当者に出荷情報を伝えるためのフォーマットや送り状の作成などの機能を備えています。これにより、生産者から電話やFAXなどで受けていた集出荷の連絡を1つのツールに集約し、デジタル化することが可能になりました。出荷情報の入力はLINEをインターフェースとして行われるため、専用アプリのダウンロードや情報登録などをする必要がなく、普段からLINEを利用している生産者にとっても受け入れやすいと期待されました。 生産者側の「にまるくん」への入力画面。普段から使っているLINEから出荷連絡を送ることができる また、これまでは事務担当者が日々膨大な量の入荷情報を基幹システムに手入力していましたが、nimaruを基幹システムと連携させたことで、今では生産者がLINEから入力した情報が基幹システムに自動的に取り込まれるため、事務作業の負担が大幅に軽減しています。その日の各品目の販売単価を基幹システムに登録すると、翌日には「にまるくん」を利用しているすべての出荷者にその情報が通知されます。この仕組みにより、営業担当者が電話やFAXで生産者に価格を報告する手間もなくなりました。 農産物情報の連絡はnimaruの導入で改善されたのですね。LINE WORKSはどんな経緯で導入されたのですか。 岡山さん : まず、nimaruでやり取りされる情報を、当社の社員もスマホでタイムリーに確認したいと考えていました。公私をしっかり区別するために個人LINEの業務利用をやめる方針であったことから、nimaruの開発元である株式会社kikitoriに依頼し、当社側はセキュリティ性の高いLINE WORKSのAPIにnimaruとの連携を実装してもらいました。このBotは通称「にまるくん」と呼ばれています。 これにより、生産者側はLINEを入口に、当社社員側はLINE WORKSを入口にしながら、集出荷情報の処理をするnimaruに素早くアクセスできるようになりました。 当社のLINE WORKSの導入目的は、電話や個人LINEに代わるコミュニケーションツールを現場に提供することでした。そのため、生産者や販売先と連絡を取る必要がある社員だけでなく、横浜丸中グループの他の会社の担当者もアカウントを取得しました。LINE WORKSは会社が貸与したスマホかPCでのみ利用することとし、運用管理は当社のシステム部門に委託されています。 LINE WORKSと「にまるくん」の活用によって、生産者とのやり取りはどのように効率化しましたか。 ・複数の営業担当者に出荷情報が一斉発信され、人的な転送作業が省力化 ・出荷情報を早期に受信することでより有利な価格での販売が可能に ・梱包資材や段ボールの発注連絡がトークで届き、聞き間違い防止 岡山さん : 湘南野菜を生産し出荷している約250名の生産者に「にまるくん」の利用を呼びかけた結果、100名弱の方が利用してくれるようになりました。比較的若い世代の生産者は特にこのツールを歓迎していますが、60代以上の年配の方の利用も少なくありません。 生産者は当日の出荷情報をLINEの「にまるくん」フォーマットに入力・送信すると、そのデータは当社のLINE WORKSにリアルタイムに通知されます。LINE WORKSの「にまるくん」のトークを開けば、どの生産者が何をどのくらい出荷するかが分かります。また「詳細ページへ」のボタンをタップすると、nimaruに送信されたより詳しい出荷情報を閲覧できます。 生産者がLINEから「にまるくん」に出荷情報を登録すると、リアルタイムにLINE WORKSに自動通知。詳細な情報が、複数の担当者のトークルームへ一斉に共有される 一部の生産者側は、集荷場に持ち込む前に「にまるくん」に情報を入力するなど、日々の出荷情報を以前よりも早いタイミングで伝達するようになりました。 当社の営業担当者は早い段階で青果の入荷情報を得ることで、より有利な条件で買い手を見つけることができます。それは生産者の利益を増やすだけでなく、農産物の売れ残りを減らすことにもつながります。 情報伝達手段が一元化され、さらに複数の担当者が出荷情報を一斉に受け取れるようになったことは、当社の業務効率化に大いに役立っています。口頭や手書きの連絡からデジタル化されたことにより、品種や数量などの伝達ミスも減りました。 また、「にまるくん」には、当社が販売する湘南野菜のロゴ入り梱包資材や段ボールの発注機能もあります。生産者が梱包資材や段ボールの種類と個数を指定すると、その情報がLINE WORKSのトークに送信されます。この方法なら、電話で発注するときのような数量の聞き間違いがなくなります。 「にまるくん」には生産者が梱包用資材や段ボールを発注する機能も搭載。その情報は青果の出荷情報と同様にLINE WORKSのグループトークに送信され、いち早く気づいた担当者が対応する体制が構築された 営業担当者と生産者の電話でのやり取りは、しばしば市況などの雑談や情報交換も交えることがあるため、時間がかかることがありました。情報交換なども重要です。出荷情報や資材の発注は「にまるくん」を通じてLINE WORKSで受け付けることで、お互いの貴重な時間を効果的に活用し、日々の集出荷にかかるやり取りが省略されました。おかげで取引相場などより重要な話題に時間を割く機会が増えたため、生産者の満足度も向上したと感じています。 LINE WORKSによって社内のコミュニケーション環境はどう改善されましたか。 ・出張先の営業担当者による事務職員への情報伝達が効率化 ・取引先と各青果の担当者がグループトークでつながり受発注対応が円滑に 岡山さん : 営業担当者は頻繁に県内や県外の産地へ集荷の為に出かけることがありますが、出張先への移動中は基幹システムにアクセスすることが難しい環境になります。リモート端末でデータ入力することも出来ますが、購入伝票の写真を営業アシスタントの事務職員にトークで送り、買い付け金額などのデータの入力を手伝ってもらうことがあります。以前は電話で報告されていたため、数量や単価の伝達ミスが起こることもありましたが、現在はそうした心配はありません。会社が提供したPCで業務を行う事務担当者にとって、LINE WORKSがPCでも使えることも利点だと言えるでしょう。
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