ビジネス現場のコミュニケーションツール「LINE WORKS」や各種AI製品を提供するLINE WORKS株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:島岡 岳史)は、世界最大級の音声・音響信号処理の国際学会「Interspeech 2026」において、新たな音声学習の手法である「MixProLAP」を提案した論文が採択されたことをお知らせいたします。

「Interspeech」は、International Speech Communication Association(ISCA)が主催する音声・音響信号処理における世界最大級の国際学会で、世界のトップレベルの研究者や専門家が集まり、最新の研究成果や技術の進展を発表・議論する権威のある場です。今年で27回目の開催となり、採択された論文は2026年9月27日から10月1日にかけて開催される「Interspeech 2026」(オーストラリア・シドニー)にて発表されます。
LINE WORKS株式会社では、「すべての『はたらく』の毎日を、ひとつずつ明るくする。驚くほどに。」というビジョンを掲げ、その実現の一環としてAIの研究開発および社会実装に積極的に取り組んでいます。会話や環境音といった音声・音響は、「はたらく」現場のあらゆる場面に存在する要素であり、その研究は、AIをはじめとするテクノロジーを、誰もが使いやすく、はたらく方々に寄り添った形で届けることにつながると考えています。本論文で提案した「MixProLAP」による音と言語の対応づけ技術についても、映像・音声からの異常検知などの分野への応用が期待されています。
▼論文の詳細については下記をご参照ください。
MixProLAP: Mixture-Induced Uncertainty Modeling for Probabilistic Language-Audio Pretraining
Yu Nakagome, Jaesong Lee, Soo-Whan Chung
https://arxiv.org/abs/2606.20418
論文の概要
本論文で提案している「MixProLAP」は、音声と、その音声を説明するテキストをAIに的確に対応づけ学習させるための新しい手法です。その特徴は、2つの音声を重ね合わせることで「意味のあいまいさ」を学習させる点です。音声とテキストの対応関係が本質的に「多対多」であいまいであるという問題に対して、各データを点ではなく分布として表現する「確率的埋め込み」というアプローチ(先行研究で音声領域に導入済み)をベースに、その不確実性を「音声のミキシング(波形の重ね合わせ)」によって誘導するという手法を提案しています。
新手法提案の背景
本分野の先行研究である「ProLAP※」では、音声やテキストを「単一の点」ではなく「広がりを持つ範囲」として表現し、意味のあいまいさもあわせて学習させることを目指しました。その範囲を生み出す手段として、「ProLAP」は音声の一部を意図的に隠すマスキングという手法を採用しています。しかしこの手法には、ドアの開閉音のような瞬間的な音は隠すことで音の本質そのものが失われてしまい、また、雨音のような持続的な環境音に対しては、一部を隠しても全体の印象が変わらないため、意味の差異を生み出せないという課題がありました。
※ProLAP: Probabilistic Language-Audio Pre-Training
Toranosuke Manabe, Yuchi Ishikawa, Hokuto Munakata, Tatsuya Komatsu
https://arxiv.org/abs/2510.18423
「MixProLAP」について:音を「隠す」のではなく「混ぜる」
本論文では、先行研究が音を「隠す」ことで学習させていたのに対し、逆転の発想であえて音を「混ぜる」手法「MixProLAP」を提案しました。この「混ぜる」操作は、単なるデータの水増しではなく、音のあいまいさそのものをコンピュータに学ばせるための仕組みです。具体的には、次の3つの要素で構成されています。
① 音を混ぜて「大きなくくり」を作る
2つの音を、音量のバランスを変えて重ねます(例:雨の音70%+犬の鳴き声30%)。混ぜた音には両方が入っているので、「元の音それぞれ」は「混ぜた音」の一部、という関係が自然にできあがります。情報を隠す方法と違い、足すだけなので元の音の意味が壊れません。
② テキストの方も同じように合わせる
2つの説明文を「〜と、〜」のようにつなげ、1つの文にします(例:「雨の音」+「犬が吠える音」→「雨が降っていて、犬が吠えている」)。音と文章の両方で同じ関係を揃えることで、両者がずれないようにしています。
③ 混ぜ具合に応じてあいまいさの強弱もつける
混ぜる比率をいくつも用意し(例:9:1、7:3、5:5)、「均等に混ざるほど、よりあいまい」という段階的な変化も学ばせます。これにより、あいまいさの「度合い」そのものを表現できるようになりました。
実験では、音から説明文を当てるタスクで従来手法を一貫して上回りました。とりわけ、学習に使っていないデータで試したときに差が大きく開き、応用力の高さが示されています。
LINE WORKS株式会社が提供するAIサービス、研究開発について
LINE WORKS株式会社では、ビジネス現場のコミュニケーションツール「LINE WORKS」に加え、LINE WORKS AI製品として「LINE WORKS AiCall(電話応対AIサービス)」や「LINE WORKS PaperOn(AI-OCRサービス)」などの高度なAI技術を活用したサービスを提供しています。
今後は、今回論文で提案した手法をさらに発展させると共に、LINE WORKS株式会社のプロダクトへの適用、この活動で培ったAI技術を活用した新たな機能・サービスの創出に努めてまいります。
LINE WORKS株式会社について
ビジネスコミュニケーションツール「LINE WORKS」、AI製品、LINE WORKSプラットフォームを管理基盤としたLINE WORKSファミリー製品を提供しています。
多種多様な業種やビジネスシーンを問わず現場の課題に寄り添えるサービス提供に取り組むと共に、最先端のAI技術研究を通じ、AI技術のさらなる社会実装を目指しています。
会社概要
社名:LINE WORKS株式会社
本社:東京都渋谷区桜丘町 1番1号 渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー23階
設立:2015年6月
代表者:島岡 岳史
資本金:55億2,000万円
URL:https://line-works.com/
※記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
※本プレスリリース記載の情報は発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、予めご了承ください。
<本件に関する取材のお問合せ先>
LINE WORKS株式会社 広報担当:池田
TEL:03-4316-2934 Email:dl_prjp@line-works.com

