城北信用金庫
製品・サービス
お話を伺った方
システム部 課長 佐原 幸太さん(右)
総務部 課長代理 日置 桃世さん(左)
梶原支店 次長 三澤 理栄さん(左中)
梶原支店 カスタマーグループ 係長代理 熊井 裕介さん(右中)
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次世代型金融店舗の挑戦。城北信用金庫がLINE WORKSラジャーの導入で店舗運営を円滑に。業務効率化だけでなく、顧客満足度向上にも大きく貢献。

城北信用金庫は、店舗内の業務効率化の一環として、インカムアプリ「LINE WORKSラジャー」の導入を始めました。これにより、ロビーとバックオフィスのコミュニケーションが円滑化され、お客さま対応中の担当者が書類を取りに行ったり、不明な点を他の職員に確認したりするために持ち場を離れる必要がなくなり、効率的な店舗運営が可能になりました。さらにフロアを管轄するコンシェルジュや役席が、担当者のお客さま対応で気になるところがあれば、ラジャーを活用してお客さまとの会話を遮ることなく担当者へ的確なアドバイスを送り、お客さま対応の質も向上しています。

 

本事例のポイント
  • 店舗内の職員が離れた階や部屋どうしでも音声で即時コミュニケーションを取れる環境を実現
  • 職員がロビーとバックオフィスを行き来する頻度が減り業務効率がアップ
  • 確認作業などのためにお客さまを待たせる時間が短縮して接客品質が向上
  • お客さまとの会話をモニタリングした役席が接客担当者に的確な助言をすることが可能に

御庫の概要をご紹介ください。

佐原さん:

当金庫は都内城北地区と埼玉県南部を主要エリアとして、100年以上にわたり地域に密着した営業を展開している金融機関です。中小企業経営者や個人のお客さまから、事業や暮らしに関するお悩みごとをいつでも気軽にご相談いただけるような「地域のプラットフォーマー」を目指しています。金融分野だけでなく、コンサルティング業務や地域活性化の取り組みなど「非金融」の分野にも力を入れており、例えば、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の就職支援ナビゲーションを活用したトップアスリートの職員採用や、インターネットラジオ局「しぶさわくんFM」の運営、アバター職員が接客するメタバース(仮想空間)の研究などにも取り組んでいます。

 

店舗運営の効率化にも大きな力を入れているそうですね。

日置さん:

金融業界も人手不足が課題になっており、効率的な店舗運営が求められています。そこで当金庫は、特定業務の本部集中化、店舗へのセミセルフ機器の導入、来店予約の普及を推進するほか、少人数でも無理なく運営できる柔軟な店舗づくりを進めています。その一例が「個人特化型店舗」である梶原支店です。

 

三澤さん:

都電荒川線の梶原駅前にある梶原支店は融資担当者を置かず、預金、預かり資産・相続等の相談業務に特化しています。「寄り添い型店舗」のコンセプトのもと、窓口カウンターを設けず、ロビーのテーブル周りでリラックスして相談できる環境を整え、職員がお客さま一人ひとりの資産形成を親身にサポートしています。

 

 

熊井さん:

ご高齢の個人のお客さまの中には、金融知識が豊富でないために預金取引しかされていないケースも少なくありません。私たちは、資産をより有効に運用していただくため、お客さま一人ひとりの意向や家族構成などに沿った最適なサービスをご提案しています。相続が発生する前の準備段階で有用な商品なども積極的にご紹介しています。

 

LINE WORKSラジャーを導入する以前はどのような課題を抱えていらっしゃいましたか?

佐原さん:

各店舗における業務連絡は、主に口頭や内線電話で行われていたため、ロビーとバックオフィス、あるいは別のフロア階など、離れた場所にいる職員間の迅速な意思疎通が困難でした。接客中に不明な点があって持ち場を離れ、役席や他の職員に確認に行くことで、お客さまをお待たせしてしまうことがありました。また、お客さまからの重要な相談内容を役席がリアルタイムに把握できず、適切なアドバイスができないことや、新人など経験の浅い職員への即時フォローができないことも課題でした。

LINE WORKSラジャーを選定された理由と、運用開始までの経緯をお聞かせください。

佐原さん:

当金庫では、全職員にiPhoneを貸与し、情報基盤としてLINE WORKSを導入していましたが、チャットよりも即時性のあるコミュニケーションをとるために、iPhoneで使えるインカムアプリを探していました。そこで着目したのが、2025年2月に提供開始された「LINE WORKSラジャー」です。

 

LINE WORKSのファミリー製品であるLINE WORKSラジャーは、管理者画面からメンバーにライセンスを割り当てれば、LINE WORKSのアカウントで利用できます。操作が簡単な上、アカウント管理の手間がかからない点も魅力に感じ、まずは梶原支店とその他2店舗への導入を決定。2025年3月からの約2カ月間のトライアルを経て、本稼働に至りました。

 

普段はスマホをポケットやサコッシュに入れて携帯し、イヤホンマイクのボタンで操作するLINE WORKSラジャー

 

日置さん:

画面がシンプルで難しい操作は必要ないので、どのユーザーもトライアル期間中にすぐに使いこなせるようになり、店舗内での浸透に時間はかかりませんでした。

LINE WORKSラジャーの具体的な活用シーンをご紹介ください。

・ロビーとバックオフィスを行き来することなく、連絡事項を声で速やかに伝達
・お客さまを待たせる時間が短縮し、職員の業務効率も向上
・コンシェルジュや役席が接客を遮ることなく、接客担当者に情報やアドバイスを提供

 

三澤さん:

梶原支店では、ロビー担当者、コンシェルジュの熊井、私を含む役職者の5名全員がLINE WORKSラジャーを利用しています。以前は、ロビーの職員が書類を取りに行ったり、接客要員が足りなくなってヘルプを頼んだりするたびに、いちいちバックオフィスへ出向く必要がありました。しかし今は、LINE WORKSラジャーを通じて声で依頼できるため、お客さまの前を離れることなくスマートな応対が可能です。

 

接客担当者は常時イヤホンマイクを装着しており、必要に応じてバックオフィスにサポートを依頼する

 

役席による承認や検印が必要な事務処理も日々多数ありますが、以前は承認が完了するたびに担当者に伝えに行っていました。しかし今は、自席にいながらLINE WORKSラジャーで瞬時に伝達できます。ロビーの担当者もバックオフィスの職員も、その場を動くことなく必要な連絡を取り合えるようになったことで、さまざまな業務の速度が向上したことを実感しています。

 

熊井さん:

コンシェルジュとしてお客さまをサポートする私は、ロビーで順番をお待ちになっている方にご来店の目的をお聞きし、LINE WORKSラジャーで「1人目のお客さまは税金のお支払い」「2人目のお客さまはお振込」などと伝達しています。担当者が改めてお客さまから用件をうかがう手間が省けるため、より迅速に対応できるようになりました。

 

ロビーでのお客さまと担当者のやり取りをモニタリングしていると、会話の方向性などに関して担当者に助言したくなることがあります。そのような場合、私がお客さまと担当者の間に入って「こうした方がいい」と口を挟むわけにはいきませんが、LINE WORKSラジャーならお客さまとの会話を遮ることなく、離れた場所からでもアドバイスをすることが可能です。

 

コンシェルジュはフロア全体を見渡しながら、各所で行われているお客さまとロビー担当者のやり取りをモニタリング

 

三澤さん:

担当者が、お客さまからの金融商品などに関するご相談を受けている時に、その内容をモニタリングしていた役席がリアルタイムで的確にアドバイスを与えたことで成約につながった例もあり、LINE WORKSラジャーはセールスの促進にも役立っています。

 

お客さまから離れた場所から、コンシェルジュがイヤホンマイクで担当者に情報やアドバイスを提供

LINE WORKSラジャーで職員どうしが会話をすることに対し、お客さまはどんな反応を示されますか?

三澤さん:

ロビーの担当者たちからは、お客さまの前でバックヤードへの作業依頼を声で発しても、特に気にされることはないと聞いています。

 

熊井さん:

私が装着しているイヤホンマイクを見たお客さまから「カッコいいね」と言われたことはありますが、違和感を抱かれるような様子は一度もありません。

LINE WORKSラジャーの導入成果をどう評価されていますか?

・ロビーとバックオフィスの分業が徹底され、それぞれの業務が効率化
・接客時間が増え、より丁寧な対応ができるようになり、顧客ロイヤルティが向上
・職員が速やかに連絡し合える環境が防犯体制の強化に貢献

 

佐原さん:

職員が連絡や確認のために持ち場を離れることがなくなり、ロビーの担当者は接客に、バックオフィスの担当者は事務処理に専念できる環境が整いました。その結果、接客できる時間が増え、より深いコミュニケーションを図れるようになり、資産に関するお悩みを聞いたり、金融商品に関する潜在的なニーズを把握したりできるようになりました。

 

日置さん:

当金庫の経営層も、LINE WORKSラジャーが接客の質を高め、ひいてはお客さまのロイヤルティ向上に寄与していることを高く評価しています。

 

熊井さん:

ロビーの職員が確認のためにバックオフィスへ行く場合、数分を要していましたが、その時間を節約できたことで業務負荷の軽減にも貢献しています。書類の保管場所を知りたいときなども、支店内の全職員に一斉に声で伝えれば誰かが速やかに教えてくれるため、LINE WORKSラジャーは梶原支店にとって不可欠なツールとなっています。リアルタイムに指示やアドバイスを受けられるため、教育面において梶原支店のロビーの職員の成長は著しく早くなっていると感じています。

 

三澤さん:

接客時だけでなく、店舗内や店舗周辺で不審な人物を見かけたロビーの職員が連絡し、バックオフィスの職員が監視カメラで速やかに状況を確認するといった防犯対策としても役立っています

LINE WORKSとLINE WORKSラジャーの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか?

佐原さん:

以前は対面や固定電話、メールなどに分散していた連絡手段がLINE WORKSに集約され、全職員が原則としてトーク、音声通話、スケジュール、掲示板などの各機能で情報を伝達・共有するようになりました。そのLINE WORKSと同じアカウントでLINE WORKSラジャーも円滑に運営できており、今後もLINE WORKSサービスを当金庫のコミュニケーション基盤としてしっかり機能させていくつもりです。

 

日置さん:

梶原支店のように少人数の職員で運営している店舗を中心に、ロビーとバックオフィスの連携に苦慮しているところにLINE WORKSラジャーを順次導入し、連絡業務の効率化と接客品質の向上を図っていきたいと考えています。

 

【お話を伺った方】
佐原 幸太さん
LINE WORKSラジャーの導入を推進。

 

日置 桃世さん

LINE WORKSラジャーの運用を管理する。

 

三澤 理栄さん

梶原支店のバックオフィス業務を管理。

 

熊井 裕介さん
梶原支店の店頭でお客さま対応をするコンシェルジュを担当。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2025年8月当時のものです。