広島銘菓「もみじ饅頭」や「生もみじ」で有名な和菓子メーカーの株式会社にしき堂。従業員間の連絡手段が主に電話やメールだった同社は、LINE WORKSを導入して以降、店舗ー本社ー工場間のスムーズな情報連携を実現させました。工場では商品需要に応じた在庫調整がしやすくなり、総務部では外部トーク連携機能を活用し、短期アルバイトのLINEとつながり、繁忙期の人員確保に役立てています。さらにアンケート機能を利用した各店舗からの発注管理や製造計画作成など、従業員の業務負担をさらに軽減できる活用を検討しています。
本事例のポイント
- 電話や紙などによる伝達手段をLINE WORKSに置き替えて情報伝達フローが改善
- 外部トーク連携で短期アルバイトとつながり、繁忙期の人員確保に貢献
- 商品需要にかかわる催事などの情報が周知され、適正在庫の維持が可能に
御社の事業内容をご紹介ください。
村上さん:
広島銘菓「もみじ饅頭」や「生もみじ」、「新・平家物語」、その他季節の商品などを製造・販売している和菓子メーカーです。1951年10月に創業し、1953年12月より広島県の県花・県木であるもみじをかたどった「もみじ饅頭」の製造を開始しました。おかげさまで「もみじ饅頭」は、今や広島を代表する銘菓として親しまれています。
2009年3月からは、現在の当社の主力商品「生もみじ」の販売を開始しました。お客様の声をヒントに約10年かけて開発した商品で、2021年4月には広島の特産品で特に優れたものとして「ザ・広島ブランド」認定されました。もちもちとした食感が大変好評です。2つの製造工場および餡を専門に作る製餡工場で商品を製造し、実店舗やオンラインショップで販売しています。
LINE WORKS導入前に抱えていた課題を教えてください。
井上さん:
社内の主な連絡手段が電話やメール、ファクスだったため、情報連携の遅延が課題となっていました。店舗や工場は、代表メールアドレスしかなく、メールを送付しても担当者にすぐに確認してもらえなかったり、内線電話では行き違いも発生しやすく、折り返す電話の手間と時間がかかっていました。
西亀さん:
既存のグループウェアは一部の人しか使うことができず、工場のスタッフは事務所に行かなければ各従業員の1日の動きが分かりませんでした。また催事などの商品需要が高まるイベント情報を事後報告で知るなど、社内の情報共有の体制整備が必要だと感じていました。
村上さん:
そのほか、社内への通達は、郵送か事務所内の掲示板で行っていました。しかし、その通達内容を誰が確認したのか分からず、情報がしっかり伝わっているのか不安に感じることもありました。
数あるツールの中で、LINE WORKSを選定した理由は何でしょうか。
井上さん:
使いやすさが一番の決め手でした。工場など比較的年齢層の高いスタッフが多い当社としては、誰もが使用しているLINEと操作性の似たLINE WORKSであれば、使いこなせると判断しました。LINE WORKS以外にも複数のコミュニケーションツールを検討し、いくつか試験導入もしてみましたが、既読機能の有無やアプリ1つでさまざまな機能が使える点から、LINE WORKSの導入を決めました。
LINE WORKS導入時に工夫したポイントは何ですか。
村上さん:
全社導入直後に、アンケート機能を活用して、全従業員向けにLINE WORKSの理解度調査を行いました。総務部から案内したグループトークや掲示板の操作に関する理解度を尋ね、「わからないため教えてください」と回答があった従業員には個別フォローを行いました。LINE WORKSの理解度は個人差が大きく、一人ひとりに確認をしていては時間がかかってしまいます。アンケート機能を使うことで、フォローが必要な従業員をスムーズに絞り込むことができました。
LINE WORKSの具体的な使用方法および導入効果をお聞かせください。
【トーク】電話やメールでのやりとりをトークに置き換え、情報をスピーディに伝達
【掲示板】催事等のイベント情報を共有し、商品需要を見込んだ在庫量の調整が可能に
【カレンダー】設備予約機能で営業車や会議室の管理を徹底
井上さん:
これまで電話やメール、ファクスで行っていた連絡をLINE WORKSに置きかえ、店舗ー本社ー工場間の情報伝達がスムーズになりました。電話の行き違いがなくなったり、聞き間違いなどの認識の齟齬を防ぐことができています。
販促ツールの管理を担当する私の場合、以前は店舗からファクスで販促ツールの手配依頼が届いていました。1つの商品には何種類もの販促ツールがあり「○○商品のPOP・チラシを送ってください」というテキスト情報だけでは、どのPOP・チラシをリクエストされているのか判断できず、店舗に確認する手間が発生していました。
現在は依頼する際に、欲しい販促ツールの写真をトークに添付してもらうようになりました。その結果、どの販促ツールなのかを瞬時に判断でき、確認の手間がなくなりました。
また、デザインデータなどの容量の大きいデータは、無料のファイル転送サービスを利用して関係者に共有していましたが、現在は、グループのフォルダで共有するようにし、ファイル転送サービスを利用する必要がなくなりました。
デザインに関するやりとりやデータはグループトークで一括管理
西亀さん:
工場スタッフはシフト制なので全員が同時に集まることが難しいです。そうしたスタッフへの連絡事項も、シフトを気にせずグループトークで一斉配信できるのが便利です。発信した内容を誰が読んだかまで確認できるのは非常にありがたいです。
村上さん:
掲示板では、HACCP(危害要因分析重要管理点)に関する資料やお客様の声、社員の入退社に関する連絡など、これまで紙ベースで共有していた情報をLINE WORKSの掲示板に置き換えることで、全従業員に情報が効率よく伝わり、同時にペーパーレス化も進められました。
井上さん:
催事等のイベント情報が掲示板に掲載されるようになったことで、工場では需要に合わせて在庫量を調整できています。
井上さん:
カレンダーの設備予約機能も重宝しています。これまでは、一部の管理職が会議室や営業車の予約管理をしており、一般社員は都度、事務所などに施設の予約を確認する手間がかかっていました。LINE WORKSを活用するようになってから、どこにいても会議室や営業車の空き状況の確認や予約ができ、管理を徹底できています。
繁忙期対策に外部トーク連携機能を活用されているそうですね。
村上さん:
年3回の繁忙期には70名程度の短期アルバイトを雇用する必要があります。そこで、一度雇用したアルバイトのLINEアカウントと外部トーク連携でつながっておいて、繁忙期の少し前にトークでアルバイトの募集をかけています。その呼びかけの結果、必要人数の1/3程度の人員を確保できるようになり、アルバイトのリピート率向上にもつながっています。
LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。
村上さん:
製造計画作成のプロセスを効率化したいです。現在、製造計画は、各店舗からファクスで送られてくる発注書を本社で集計した後、さらに工場側で商品カテゴリ別に集計をしているため作成に時間がかかっています。そこで、店舗からファクスで送られてくる発注書をLINE WORKSのアンケート機能で置き換える方法を検討しています。アンケートの回答結果はCSV形式で書き出せるため、簡単に集計できます。今までのやり方では1時間ほどかかっている集計作業が、たったの5分程に短縮できる見込みです。店舗、本社、工場それぞれの業務負担の軽減、さらにはペーパーレス化も進められますし、一石二鳥な業務改善が実現できると考えています。私たちのような一気通貫で製造・販売を手がけるメーカーにとっては、部門間の円滑なコミュニケーションは非常に重要です。便利な機能をフル活用しより効率化できるよう、今後もLINE WORKSの社内普及を進めていきたいです。
<お話を伺った方>
総務部 総務課 人事・総務係 係長
村上 史季さん
人事業務やLINE WORKSの管理等を担当。
総務部 総務課 企画係 主任
井上 宮仁さん
商品企画や広報、店舗ディスプレイなどの業務に従事。
本社工場製造部 製造1課 課長
西亀 功二さん
商品の製造・開発、在庫管理などを担当。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年10月当時のものです。