東京ガスのサービス事業、ガス機器の販売・修理、リフォームなどを手掛ける東京ガスライフバル千葉株式会社様。これまでPCでのみ利用可能だったグループウェアをLINE WORKSに刷新し、社員が「いつでも、どこでも」円滑に連絡を取り合い、必要な情報にアクセスできる環境を整備しました。 トーク、掲示板、アンケート、Drive(クラウドストレージ)、タスクといった多彩な機能を効果的に活用することで、業務生産性が飛躍的に向上。デジタルネイティブである若手社員が働きやすい職場環境の構築にも寄与しています。
本事例のポイント
- 電話やメールをトークに集約し、現場担当者も必要な情報をタイムリーに連携・共有できる環境を構築
- 掲示板やDriveなどの多彩な機能を効果的に活用することで、全社的な情報共有と業務生産性が向上
- 新人からベテラン、上長まで、だれもが隔たりなく気軽にコミュニケーションできる企業文化の醸成に貢献
御社の事業概要をご紹介ください。
武居さん:
当社は千葉県内の東京ガス供給エリアにおいて、安全点検、ガス機器の販売・修理、リフォームなど、暮らしを支えるサービスを総合的に提供しています。都市ガスを供給するお客さまは約50万件に上りますが、2017年に都市ガスの小売が自由化されてからは、競合会社との競争が激化しました。ガス機器の販売事業者を消費者が自由に選択できるようになったこともあり、以前にも増してお客さま本位のサービスを迅速にお届けできるよう努めています。
LINE WORKSを導入する以前はどのような課題を抱えていましたか。
武居さん:
以前は社内のコミュニケーションツールとして、別のグループウェアを使用していました。しかしこのツールはPCでしか利用できず、保安業務などで現場に出る社員は、外出先では必要な情報にアクセスできないという課題を抱えていました。
宗像さん:
当社が行う検針や保安業務は東京ガスからの委託業務です。東京ガスからは事故やトラブル事例、ルール変更に伴う作業マニュアルの変更など、ライフバル各社が留意すべき通知が頻繁に発信されます。これらの情報はグループウェアの掲示板で周知されていましたが、スマホからのアクセスができないため、現場の社員は最新情報を得ることができませんでした。また、作業中にルール変更などを確認したい場合、社内の事務担当者に電話で問い合わせるしかなく、業務効率を大きく妨げていました。
五十嵐さん:
一人で現場に出た際、分からないことに直面すると、別の現場にいる先輩社員に電話で相談していました。特に新人のうちは、見慣れない機器の状態を言葉で伝えるのが難しく、状況説明に苦労しました。現場の写真を送ることもありましたが、携帯メールに添付するのに手間がかかり、もどかしさを感じていました。
武居さん:
以前使っていたグループウェアのチャット機能は、メールのような『伝言』形式で、『お疲れ様です』といった定型的な挨拶をいちいち入力する習慣があり、テンポの良い意思疎通が困難でした。テキストでの情報共有が主体で、チャットや掲示板に写真や動画を挿入できない点も不便でした。また、アンケート機能の使いづらさや、ストレージがあってもデータ保存場所を示すだけで直接リンクからアクセスできないなど、多くの不満があったため、新たなコミュニケーションツールの導入を検討するようになりました。
課題解決に向けてLINE WORKSを選定された理由と、運用開始までの経緯をお聞かせください。
武居さん:
大半の社員がプライベートで使い慣れているLINEと操作性が共通するLINE WORKSに注目しました。既存グループウェアの継続かLINE WORKSへの切り替えかの二択で検討した結果、より使い勝手の良いLINE WORKSの利用を決定しました。
導入においては、操作マニュアルは作成せず、既存グループウェアの機能がLINE WORKSのどの機能に対応するか、あるいはLINE WORKSにのみ搭載されている機能は何かを説明するにとどめました。もともと全社でグループウェアを運用していたこと、そしてLINE WORKSの直感的な操作性のおかげで、移行は非常にスムーズに進みました。
宗像さん:
現場での作業機会が多い保安グループは比較的年齢層が若いためか、操作に戸惑うことはほとんどなく、すぐに使いこなせるようになりました。
LINE WORKSを活用することで社内のコミュニケーションはどう改善されましたか。
・情報の伝達・共有速度が大幅に向上
・外部トーク連携機能で協力会社との情報共有も円滑に
・テンプレートの活用で定型的なメッセージの発信を効率化
武居さん:
会社の組織図に合わせてグループを作成し、全社・部署・班といった単位で迅速な情報伝達・共有が可能になりました。以前のメールのようなやり取りとは異なり、LINE WORKSのトークは挨拶文を省いて用件だけを手短に送れるため、コミュニケーション速度が格段に向上したことをすぐに実感しました。また、電話でのやり取りで発生しがちな聞き間違いや「言った、言わない」といったトラブルも、トーク履歴が残ることで防げるようになりました。
さらに、外部トーク連携機能を活用することで、ガス機器設置を委託する協力会社の担当者や人事採用業務を委託している協力会社ともセキュアに繋がり、東京ガスからの通知内容などを当社の社員と同様にタイムリーに共有できています。
五十嵐さん:
トークであればテキストだけでなく写真も手軽に送れるので、口頭では説明しにくい現場の状況を先輩社員に迅速に伝え、的確な指示を受けられるようになりました。LINE WORKS導入後は、業務経験の浅い新人でも疑問をすぐに解決できるようになり、安心して現場業務に取り組めています。

新人に限らず、現場で何か困り事に直面したメンバーが『応援お願いします』とグループに投稿すれば、手が空いているメンバーがすぐに応答し、駆けつけてサポートできるようになりました。以前は、応援要請を受けた上長が複数回電話をかけて対応可能なメンバーを探す必要がありましたが、LINE WORKS導入後はこの手間が不要になりました。
宗像さん:
当社は県内に5つの事業所があり、特定の業務については、事業所間で連携が必要な場面があります。以前は、お客さまの情報や依頼内容を記入した依頼票をFAXで送信していましたが、現在はトークのテンプレート機能を使って依頼内容を定型化。必要事項を入力するだけで、他の事業所へ迅速に作業依頼を送ることができるようになりました。これにより、FAXの削減とペーパーレス化にも貢献しています。

保安業務などで現場に出たスタッフは、お客さまから「ガス機器の買い替えを考えている」といったお話をいただくことがあります。導入前は、一日の作業を終え帰社してから事務担当者にお客さまからいただいた情報を報告していましたが、時間が経つと伝え漏れることもあります。そこで、そうした情報を伝達するためのテンプレートも用意し、スタッフが現場で入力して送信すると、事務担当者がその情報を販売管理システムに入力する流れも整備。これにより、機器をお買い上げいただけそうなお客さまの情報を漏らすことなくデータ化して販売活動に活かせるようになりました。
ほかにLINE WORKSのどんな機能を活用していますか。
【掲示板】現場担当者も重要な通達にいつでもアクセス可能に
【アンケート】社員からの意見収集や出欠確認を効率化
【Drive】各種業務ファイルやデータの共有・管理を一元化
【タスク】依頼業務の進捗管理を円滑にし、OJTにも活用
武居さん:
掲示板は全社用と各部署用を用意し、会社からの重要な通知や通達を掲載しています。最近では、販売営業を行う社員が使用する販売管理システムが東京ガスによって刷新された際、リリース直後に頻発していた不具合情報や新しい情報を速やかに周知するため、そのシステム専用の掲示板を立ち上げ、活用しているとのことです。
五十嵐さん:
東京ガスが発信する共有事項も掲示板に掲載されるため、保安業務などの現場から必要な情報にすぐにアクセスできます。これにより、確認したい事項のために逐一会社に問い合わせる必要がなくなり、事務担当者の負担も軽減されました。

武居さん:
社員の意見収集やイベントへの出欠確認の効率化も進みました。以前は、各部門の管理者にヒアリングを依頼し、集めた回答をExcelシートに入力してメールで送ってもらっていましたが、LINE WORKSのアンケート機能を使えば、効率的に回答を得られ、結果の集計も簡単です。
アンケート機能を使えば社内イベントの出欠確認なども手間をかけることなく行うことができる
LINE WORKS上でファイルやフォルダを共有できるDriveも積極的に活用しています。全社グループと各部署のグループにそれぞれ業務データを集約し、Driveに保存されたファイルやフォルダをリンクで手軽にメンバーに共有できる点も便利です。以前のグループウェアでは、ストレージがあってもデータ保存場所を示すだけで、直接リンクからアクセスできなかったため、大きな改善点です。

以前のグループウェアにはなかった機能で大変重宝しているのがタスク機能です。私は主に新入社員へのOJTに活用しており、タスク機能で注意点を説明して指示出しをし、適切なタイミングでリマインドを行うことで、これまでのようにつきっきりの指導をしなくても済むようになりました。

宗像さん:
私は部署内の班のメンバーに仕事を依頼するときにタスク機能を使っています。以前は、作業を依頼したメンバーに直接確認しなければ完了したかどうか分かりませんでしたが、現在は期限までに「完了」にならないメンバーだけをケアすればよくなり、進捗管理が非常に楽になりました。
LINE WORKSがもたらした定量的・定性的効果をどう評価されますか。
武居さん:
運用開始後10か月ほどの時点でトークログを検証したところ、導入当初と比較してトーク量が約1.5倍に増加していました。これは「ありがとうございます」の一言やスタンプ1個だけでも意思疎通が成立することで、コミュニケーションが活性化した表れだと思います。
現場にいる社員が掲示板やDriveから業務情報を得られるようになったことや、業務上の疑問に関する問い合わせなどをトークでできるようになったことで、現場と事務担当者の電話による連絡がおよそ8割減少しました。相手の作業を中断させる電話が減ったことは、業務生産性の向上に寄与しています。
社内コミュニケーションの活性化による定性的効果としてとくに大きいと思うのは、以前なら1対1の電話で行われることが多かった連絡が、部署やチーム単位のトークに置き換わったことで、現場で起きている困り事を上長も含め組織全体で認識できるようになったことです。結果として、必要なサポートをより素早く行えるようになり業務品質を向上させることができました。
LINE WORKSの導入によって企業文化はどう変化しましたか。
武居さん:
新人、先輩、上長の別なく気軽にトークでコミュニケーションを図れるようになったことで、以前と比べて風通しのよい職場になりました。上長に対して気軽にスタンプを送れる雰囲気も生まれたことで、社員間の距離が縮まったことも感じています。またタスク機能による円滑なOJTや、トークによる写真共有で業務上の疑問をすぐに解決できるようになったことは、新入社員がスムーズに業務に慣れ、成長しやすい環境づくりに貢献しています。
当社は地震災害などが発生すると社員に緊急招集をかけるので、社給携帯を帰宅時にも携行してもらっています。通知をオフにしなければ休日でもLINE WORKSに業務連絡が入るので、当初はそれを嫌がる若手社員が多いのではないかと予測しましたが、そうした声は聞かれません。むしろ業務に不可欠な情報を得るためのLINE WORKSのようなコミュニケーションツールが常時使える状態にある方が、デジタルネイティブ世代にとっては安心できるのではないかとも考えます。LINE WORKSを導入したことは、若い社員が働きやすい雰囲気を整備することにも貢献していると思います。
LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。
武居さん:
社内のさまざまなシステムと連携させることで、LINE WORKSをハブとしたDXを推進したいです。勤怠管理や経費精算などのSaaSとの連携を図ることも考えています。
議事録の要約を効率化するために、LINE WORKS AiNoteを導入することも検討しています。また、将来的には採用が内定した学生のLINEとも外部トーク連携機能でつながり、入社するまでの間の会社とのコミュニケーションを促進することも視野に入れています。
【お話を伺った方】
武居 淳司さん
社内へのIT導入などを推進する事業企画グループをマネージャーとして統括。
宗像 歩さん
保安業務の管理や人材育成、ガス機器の販売営業などに携わる。
五十嵐 伊織さん
ガスの開閉栓や保安点検業務などを担当する。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2025年7月当時のものです。