バス事業を中心に多角的な事業展開を進めている大分交通株式会社は、社内の情報共有体制を強化するべくLINE WORKSを導入。社員間のコミュニケーションが活発になると同時に、バスの運行に支障が生じた際の情報伝達の速度と確実性も飛躍的にアップ。災害発生時の社員の安否確認も迅速に行えるようになりました。
本事例のポイント
- 有事の際、電話・メールより迅速かつ確実に業務情報を共有
- 部門の垣根を越えたコミュニケーションの実践
- アンケートによる安否確認体制を確立
御社の事業内容をご紹介ください。
白川さん :
当社はバスやタクシー事業をメインに行い、近年は不動産・広告・保険・システム・携帯電話ショップ経営など、事業の多角化を進めています。
以前はどんな課題を抱えておられましたか。
白川さん :
以前の社員間の連絡は電話やPCメールを主体に行われていたため、情報共有を迅速にできないことが課題でした。一部、個人のLINEで業務連絡をし合う社員がいましたが、コンプライアンスや、情報セキュリティ上の問題が懸念されました。また、会議出席のために営業所やショップの社員がわざわざ本社に出向くことも多く、業務を効率化するためのコミュニケーションツールを導入する必要性を感じていました。
戸次さん :
当社は一部の社員にしか社用携帯を支給しておらず、私有携帯のメールアドレスで連絡を取り合っている社員もいました。個人のLINEやメールアドレスを会社で使用することを好まない社員もいます。それもあって全社員と簡便にコンタクトできる連絡先を共有する手段がありませんでした。また、災害発生時の安否確認は電話で行われていましたが、有事の際は電話がつながりにくくなることが多く、社員の安否をいち早くかつ確実に確認する手段を確保することも急務となっていました。
林さん :
自然災害に巻き込まれたり、乗車中のお客様が体調を崩されたり、バスの運行にトラブルが生じた場合は、運転手から営業所、本社、安全統括責任者、経営層へと速やかにその情報を伝えることになっています。これまでは緊急連絡網に従って担当者から担当者へと伝言されていましたが、電話はすぐにつながらないことが多く、メールを送ってもいつ閲覧されるかわからないため、情報伝達に思いのほか時間がかかっていました。その業務環境を改善するため、私が管理する自動車部門としても、スピーディな情報共有ができるツールが導入されることを以前から待ち望んでいました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由と、導入までの経緯を教えてください。
戸次さん :
社員の多くがプライベートでLINEを利用していることから、操作性が似ているLINE WORKSに注目しました。PC向けとスマホ向けのアプリがあり、スマホでの利用なら社外に出た社員との連絡も容易にできます。事業部門によってはお客様の個人情報を扱いますが、もしも社員がアプリの入った携帯を紛失するなどした場合にも、管理者が強制ログアウトしたり、アカウント削除ができたりするので、情報セキュリティの面でも安心できそうという判断でした。それに加え、運用に要するコストパフォーマンスが優れている点にも魅力を感じ、導入を決定しました。
LINE WORKSのアカウントの主な配布対象は、本社社員・営業所長・本社からグループ会社に出向した社員です。運用に先立って、本社の社員に基本的な操作方法を説明する勉強会を開催しました。開催後には、利用促進も兼ねてLINE WORKSのアンケート機能を使って、社員から意見を収集しました。若い社員たちは、LINE WORKSがトーク以外にも多様な機能を備えていることに興味を抱き、さまざまなアイデアを積極的に活用してくれました。
機密情報の漏えい防止に対する注意喚起は日常的に行っていますが、利用に関して特別な規則は設けていません。業務に関する情報をスピーディに共有してもらうことが大きな導入目的だったので、グループトークの作成も自由にできるよう認めています。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
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・重要情報や機密情報も安全にやりとりできる環境を構築
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・非常時や有事の際、関係者全員がどこにいても速やかに連絡が可能
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・社員の労働生産性が上がり、迅速な経営判断にも寄与
戸次さん :
トークを活用することで部門内の社員どうしのコミュニケーションが密になっただけではなく、部門の垣根を越えての情報共有も活発になりました。当社では部門が異なると事業内容も大きく異なりますが、社員全体に一体感が生まれたことを感じています。
社長・役員・部長が属するグループでの情報のやり取りも頻繁に行われるようになり、早急に検討すべき経営課題が生じたときは、迅速に対応できるようになりました。誤送信や情報漏えいリスクが低いので、経営上の機密情報を含むやり取りも安心して行うことができます。
管理部門では健康診断のお知らせなどをホームに掲載するようになり、紙の文書を回覧していた頃と比べ、社員に情報を周知する速度が格段にアップしました。
大型台風が襲来した際には、部門ごとにアンケート機能で社員の安否確認を実施しました。電話やメールと比べて、はるかにスピーディに全社員無事を確認することができました。アンケートは、各社員への健康診断希望日の確認などにも活用しています。
林さん :
運行中のバスがトラブルに遭遇した際、営業所から報告を受けた自動車部が、関係者に一斉に情報を発信できるようになりました。以前は通常の業務時間外や休日に情報を伝えるのに特に時間がかかりましたが、トークならそのようなこともありません。また、現場の写真や動画も添付できるので、言葉だけでは十分に伝えにくい情報もしっかり伝達できるようになりました。既読機能も個人単位でわかるので、便利です。
運行中のバスに事故が発生した場合は、
LINE WORKSでリアルタイムかつ正確に現場状況を共有
戸次さん :
大型台風の襲来時には、バスの運行やグループ会社が運営する施設の被害を把握した担当社員が、その状況を上長にトークで発信したケースもありました。報告を受けた各部門の部長たちが、状況や今後の対応について、社長含む会社の役職者が属するグループトークで速やかに共有するなど、関係者全員に対し電話より確実かつスムーズに情報を伝達することができました。
白川さん :
社内のあらゆる業務に関する情報の伝達・共有速度が増したことを実感しています。コロナ禍で対面コミュニケーションが希薄になっていますが、LINE WORKSは社員間の距離を埋めてくれるツールとしての役割も果たしてくれているようです。業務連絡がスムーズにできるようになったことで労働生産性が上がり、働き方改革の推進にも貢献しているように思います。また、重要な情報が素早くしっかりと伝達されるようになった結果、多くの社員の業務判断が速くなりましたし、私自身の経営判断も速まりました。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
戸次さん :
現在のところトーク、ホーム、安否確認のためのアンケートの利用が中心ですが、今後は一部の社員が自発的に使っているカレンダーなど、その他の機能も有効活用し、業務生産性のさらなる向上や文書のペーパーレス化を図っていくつもりです。
白川さん :
LINE WORKSを活用することで社内の各部門の連携が密になることが実証されたので、将来的にはグループ会社にも導入し、当社グループ全体の情報共有体制を強化できればと考えています。
お話を伺った方
常務取締役
白川 憲一さん
社内各部門の業務管理、管理部門の統括、グループ会社12社の管理などを行う。
管理部長 兼 不動産事業部長
戸次 清一郎さん
人事課、総務課、経理課、不動産部門などの業務やグループ会社の財務を管理。
自動車部長
林 征志さん
乗合バスの運行に関する業務全般の管理を担当。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年11月当時のものです。
【資料公開】運輸・倉庫業界向けLINE WORKS導入事例集