医療法人尽心会 百武整形外科・スポーツクリニック
2022-10-13
業種
医療・福祉・介護
目的・効果
従業員間の連絡 コンプライアンス・セキュリティ ノウハウ共有 予定の見える化 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
カレンダー
アンケート
アドレス帳
お話を伺った方
COO:最高執行責任者 Jリーグサガン鳥栖 チーフドクター 整形外科医 西古 亨太さん(右)  
経営戦略部COO補佐室主任・ COO補佐 理学療法士 立川 千紘さん(左)  
リハビリテーション部部長 理学療法士 田渕 俊紀さん(中)
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多様な勤務形態・院内に点在して働く職員にスピーディかつセキュアな業務連絡ができる環境に。ナレッジのシェアや人事評価にも活用しています。

佐賀県佐賀市の医療法人尽心会 百武整形外科・スポーツクリニックは、職員間のコミュニケーションをスムーズにする目的でLINE WORKSを導入。連絡手段を対面、電話、メールなどからトークに移行させることで、迅速・確実な情報伝達が行われるようになりました。リハビリテーションを行う部門では、施術の様子を撮影した動画をLINE WORKSにアップロードして、ナレッジの共有にも活用。セキュリティ性の高いツールを利用することで、患者さまの個人情報を安全に扱えるようになったことも大きな導入成果です。

 

本事例のポイント
  • 業務連絡がメール・電話・LINEからLINE WORKSに一本化
  • 会議時間が3~4割効率化し、別の議題を進行できる
  • アンケートや掲示板、カレンダー、通話・ビデオ通話をフル活用
  • LINE WORKSから他システムにアクセスできるようにして使いやすさを向上

百武整形外科・スポーツクリニックの概要をご紹介ください。

西古さん :

私どもは「トップアスリートからも信頼される医療を地域の患者さまにも」をモットーに、佐賀県と近隣地域の幅広い患者さまに高度な医療を提供しています。所属医師はプロ野球・福岡ソフトバンクホークスやプロサッカークラブ・サガン鳥栖などのチームドクターを務めるほか、所属する理学療法士などが学校等でのトレーナー活動も行い、スポーツ外傷を治療するだけでなく予防やコンディショニングを通じたサポートにも力を入れています。

 

以前はどのような課題を抱えておられましたか。

西古さん :

外来施設である「百武整形外科・スポーツクリニック」と入院施設である「百武整形外科病院」は、歩いて移動できる距離にありますが施設自体分かれています。ドクターや一部の職員は両棟を行き来しますが、それ以外の職員は基本的にそれぞれの職場に勤務しています。そのため、スポーツクリニックと病院のどちらかで決定した重要事項がもう一方にはしっかり伝わらないなど、全体への情報周知が不十分でガバナンスが徹底されていませんでした。

 

 

立川さん :

職員間の主な連絡ツールはメール、紙の書類、ホワイトボードなどで、情報をスムーズに共有する環境が整っていませんでした。電話や対面で伝達されることも多く、「言った/聞いていない」のトラブルも少なからず発生していました。LINE WORKS導入以前は業務連絡にプライベートで使っているLINEを利用する職員が増えてきたことも気になっていました。退職した職員を管理することもできないLINEのグループトークで、秘匿すべき院内の情報が発信されてしまう恐れなど、情報セキュリティ面のリスクも感じられるようになりました。

 

 

田渕さん :

私が管理するリハビリテーション部では重要な伝達事項を朝礼や部署毎のミーティングで周知しています。その場にいない職員には各部署の主任などを介して伝達するのですが、内容に正確さを失って“伝言ゲーム”になってしまうことがありました。職員間での正しい情報伝達について改善が必要だと感じていました。

 

 

西古さん :

2019年12月に法人のCOOに就任した私は、よりよい職場環境を実現するための業務改革を行うにあたり、まずは業務連絡やコミュニケーションの課題を解消したいと考えました。

課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれたのはなぜですか。

西古さん :

多くの患者さまの個人情報を扱うことから、何よりも重視したのはセキュリティ性の高さです。なおかつ操作が容易なツールをリサーチした結果、LINE WORKSの一択となりました。

 

立川さん :

いくつかのチャットツールを比較検討しましたが、幅広い年齢層の職員に最も定着しやすいツールとなると、やはりUIがLINEに近いLINE WORKSがベストだと考えました。

LINE WORKSの利用範囲や運用ルールを教えてください。

立川さん :

大半の職員がLINE WORKSでコミュニケーションを取れる環境を構築しました。アカウントは正規職員だけではなく、一定時間以上の勤務をしている非正規のパート職員にも付与しています。全職員がBYODでの利用で、アプリのダウンロードの手順などがデバイスによって異なるため、準備期間に2ヶ月ほど要しました。導入後全体で運用が開始してからは全員がスムーズに使えています。

 

スタッフ以外が見たときにトークで患者さまが特定されないようにするといった配慮をしています。ただ、最初から厳しい運用ルールを設けすぎると定着しにくくなると思い、可能な範囲で自由な利用を促進するようにしました。

LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。

・病院業務に関する情報を安全にやり取り
・組織単位・関係者ごとのグループトークで伝達や会議時間を3~4割削減

 

西古さん :

オフィシャルのコミュニケーションツールを導入したことでシャドーITにともなう懸念が解消されました。COOとしてまずは、情報をやり取りする際のセキュリティが担保されたことに安心しました。

 

立川さん :

職員どうしの連絡手段が電話、メール、LINEや紙媒体からLINE WORKSの通話やトークに一本化された事により、情報共有が目に見えてスピードアップしました。トークルームには、組織図に基づく部署ごとのグループのほか、各種委員会やプロジェクト単位のグループがつくられ、重要な情報がそれを必要とする職員だけに効率的に届くようになったことも大きな変化です。

口頭やメールで伝えられていた情報がトークで伝達されるようになり、コミュニケーション速度が大幅に向上した

 

経営戦略などに関して話し合うグループでは、議論すべき話題を日頃からこまめにトークで共有しています。各自が検討内容をあらかじめ頭に入れておくことで会話が効率的になり、実際のミーティング時間を3〜4割ほど短縮する効果を感じています。短縮できた時間で別のミーティングができるようになるなど大幅な業務の効率化ができています。

リハビリテーション部ではどのような活用をされていますか。

・電話で起こりがちなトラブルが排除された
・動画の共有でナレッジのシェアやリモートでの若手教育に活用

 

田渕さん :

リハビリ部は患者さまにリハビリを行う部署やジムを担当する部署など、4つの部署によって構成されています。LINE WORKS導入後はグループを活用することで、部全体で共有すべき情報と特定の部署だけで共有すべき情報を切り分けて発信できるようになりました。以前はよく見られた「言った/聞いていない」のトラブルは、大幅に改善されたと思います。既読の付かない職員だけに電話をするといった対応ができるのも便利です。

 

業務に関するドキュメント類は、グループ機能のフォルダやノートで共用。文書ファイルだけではなく、リハビリのノウハウを説明する動画なども保存しています。経験の浅い職員が、患者さまの走り方や関節の動きなどを撮った画像を共有して、先輩職員からアドバイスをもらうことも可能です。こうした使い方で手軽にナレッジを引き継げるようになりました。

リハビリ部に所属する40名ほどの職員が一堂に会することは難しいので、不参加だった職員があとから見られるようにミーティングの動画も共有しています。これは整形外科・スポーツクリニックの全体での会議でも同様にしており、伝言ゲームがなくなり正確な情報伝達が可能になりました。

部門・部署単位で共有する情報はグループフォルダに保存し、職員がいつでも閲覧できるようにした
治療やエクササイズの模様を撮影した動画なども容易に共有できる

院内では、ほかにどんな機能を使って業務効率化に役立っていますか。

【アンケート】人事評価のヒアリングを速やかに実施
【無料通話】電話番号がわからなくてもアドバイス帳からかけることができる
【管理者機能】「その他」メニューをカスタマイズし職員の使い勝手が向上

 

西古さん :

職員の満足度を高めるため、アンケート機能の部分に常時「職員意見箱」を設置しました。法人に対する不満点や気づいたことなどをアンケート機能でヒアリングし、職場環境を改善するヒントとして活用しています。上長、同僚、部下などさまざまな立場の人が対象者を多角的に評価する「360度評価」を人事考課に採り入れており、そのための評価シートもアンケートで実施しています。紙の用紙と違ってスムーズかつ漏れなく回答を得ることができます。

 

人事考課の資料とする「360度評価」のためのヒアリングシートもアンケート機能で速やかに配付/回収。自動集計画面による速やかな結果確認やCSV出力によって集計も容易に。

また、職員全体への通達は掲示板で行い、迅速な周知を図るようになりました。院全体の行事日程についてはカレンダーで共有しています。

全体への通知・通達は掲示板で発信。職員が都合のよいタイミングで閲覧できる
院内の行事や、メディカルサポートをしているサガン鳥栖の試合日程をカレンダーで共有
田渕さん :

職員どうしが直接話したいときは、相手の電話番号を知らなくてもアドレス帳からかけられる無料音声通話がよく使われます。突発的なミーティングを開く必要が生じたときなどは、複数のメンバーが簡単につながれるビデオ通話も活用しています。

 

立川さん :

経営理念や就業規則、コロナ対応マニュアルなどが記載された院のホームページや、経費精算をするためのフォームなどへのリンクを「その他」のメニュー画面に配置。LINE WORKSを必要ツールへのアクセスの起点として職員にとって使いやすくカスタマイズしています。

「その他」のメニュー画面には、よくアクセスする機能や情報へのリンクボタンを配置することが可能

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。

西古さん :

今はまだ会議室や応接室の利用はホワイトボードで管理していますが、今後はそれらを共有設備として登録し、カレンダーの「設備予約」で予約管理ができるようにするなど、デジタル化の徹底を図っていくつもりです。

 

スポーツクリニックと病院の職員どうしはお互いの顔を知らないというケースがあります。LINE WORKSのアカウントでアイコンに顔写真を入れるようにすれば、院内のコミュニケーションツさらに促進するのではないかと思い順時写真を撮影しスタッフどうしの顔がわかるように現在変更しています。また、BotやAPI連携も業務効率化に有効なので、将来的にはこちらも活用を検討したいですね。

 

 

【お話を伺った方】
西古 亨太さん

医療法人尽心会の最高執行責任者であるとともに、整形外科医として診察にもあたる。Jリーグ・サガン鳥栖とBリーグ・佐賀バルーナーズのチーフドクターも務める。

 

立川 千紘さん

理学療法士であるとともに、経営戦略部でCOOを補佐し、法人全体の運営をサポートする。ほかにも総務、人事、広報、ITなど幅広い業務に携わる。

 

田渕 俊紀さん

部長としてリハビリテーション部を統括するとともに、患者さまの治療やスポーツチームのトレーナーなど、理学療法士としての業務も行う。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年7月当時のものです。