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IVR(自動音声応答)サービスとは?基本を解説
IVR(自動音声応答)サービスは、かかってきた電話に対して、あらかじめ設定された音声ガイダンスで自動的に応答するシステムです。
このセクションでは、IVRがどのように企業の電話対応の課題を解決するのか、そして従来型と最新のAI搭載型にはどのような違いがあるのかをわかりやすく解説します。
これらの基本を理解することで、自社に最適なサービス選定の第一歩を踏み出しましょう。
IVRで解決できる電話対応の課題
多くの企業が抱える電話対応の課題は、IVRサービスを導入することで解決に導けます。
人手不足で担当者が他の業務に集中できない、あるいは営業時間外や休日の電話を取りこぼしてしまうといった問題は、ビジネスの成長を妨げる大きな要因です。
たとえば、飲食店での予約受付や、製品に関するよくある質問への回答など、定型的な電話対応に多くの時間が割かれていませんか?IVRは、こうした一次対応を24時間365日自動化することで、従業員の負担を大幅に軽減します。
これにより、スタッフはより創造的で付加価値の高い業務に専念できるようになり、機会損失の防止と顧客満足度の向上を同時に実現できるのです。
従来型IVRとAI搭載型IVRの違い
IVRには大きく分けて「従来型」と「AI搭載型」の2種類があり、その違いを理解することがサービス選定の鍵となります。
従来型IVRは、発信者がプッシュボタンで番号を選択することで、目的の窓口に振り分けられたり、録音された音声案内を聞いたりする仕組みです。
一方、AI搭載型IVR(ボイスボット)は、AIが音声認識技術を用いて発信者の話す言葉を理解し、人間と会話するように自然な対話で対応します。
たとえば、従来型では「ご予約は1番、お問い合わせは2番を押してください」という案内になりますが、AI搭載型なら「ご用件をお話しください」と促し、「明日の18時に2名で予約したい」といった自由な発話から直接予約を完了させることが可能です。
複雑な用件にも柔軟に対応できる点が、AI搭載型の最大の強みといえるでしょう。
| 種類 | 操作方法 | 対応範囲 | 顧客体験 |
| 従来型IVR | プッシュボタン操作 | 定型的、限定的 | 階層が深いとストレスに |
| AI搭載型IVR | 自然な会話(音声) | 柔軟、広範囲 | 人と話すようなスムーズさ |
IVR(自動音声応答)サービスを比較する際に失敗しないための3つの選定ポイント

自社に最適なIVRサービスを選ぶためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
ここでは、サービス選定で失敗しないために特に重要な「課題・目的との合致」「費用対効果」、そして「外部システムとの連携性」という3つの視点から、比較検討するうえでの具体的なチェックポイントを解説します。
この基準をもとに比較することで、導入後のミスマッチを防ぎましょう。
ポイント1:自社の課題・目的に合っているか
IVRサービスを選定するうえで最も重要なのは、自社の課題や導入目的を明確にすることです。
たとえば、「コールセンターのあふれ呼(対応しきれない入電)をなくしたい」のか、「飲食店での予約受付を24時間自動化したい」のかによって、必要とされる機能は大きく異なります。
具体的には、コールセンターの業務効率化が目的なら、オペレーターへのスムーズな転送機能やCRM(顧客管理システム)との連携が重要になります。
一方、予約の自動化が目的なら、予約システムとリアルタイムで連携し、空き状況を案内できる機能が不可欠です。
まずは「何のためにIVRを導入するのか」を具体的に定義し、その目的を達成できる機能を備えたサービスを選びましょう。
ポイント2:費用対効果は見合っているか(料金体系の比較)
IVRサービスの料金体系は、初期費用や月額基本料、さらには通話時間に応じた従量課金など、サービスによってさまざまです。
単純な価格の安さだけで選んでしまうと、必要な機能がオプションで高額になったり、実際の利用状況に合わず結果的に割高になったりする可能性があります。
比較検討する際は、料金体系をしっかりと確認し、自社の想定利用量(コール数や通話時間)に基づいた総コストを試算することが重要です。
そのうえで、IVR導入によって削減できる人件費や、機会損失の防止によって生まれる利益といったリターンを考慮し、費用対効果が見合うかを判断しましょう。
ポイント3:外部システムとの連携は可能か
IVRサービスをより効果的に活用するためには、すでに社内で利用している他のシステムとの連携が非常に重要になります。
顧客情報を管理しているCRMや、電話環境の基盤となるPBX(電話交換機)、着信制御や通話情報を管理するCTI(Computer Telephony Integration)、予約・在庫を管理するシステムなどと連携ができれば、電話対応の自動化をさらに高度なレベルで実現できます。
たとえば、CRMと連携することで、着信時に顧客情報をAIオペレーターの画面に表示させ、パーソナライズされた対応が可能になります。
また、予約システムとAPI連携すれば、AIがリアルタイムで空き状況を確認し、予約を自動で完了させることができます。
さらに、既存のPBXと連携する構成を取れば、自動音声で解決しなかった着信をスムーズに担当者の内線へ転送するなど、有人対応と組み合わせた柔軟な運用も可能です。
現在利用しているシステムや、将来的に導入を検討しているシステムとスムーズに連携できるかどうかは、IVR選定時の重要なチェックポイントです。
単体機能だけでなく、CRM・CTI・PBXなどとの連携可否やAPI対応状況まで含めて確認しておきましょう。
LINE WORKS AiCall

| 特徴 | ・自然で高品質な音声対話
・企業ごとの個別開発による高いカスタマイズ性 ・LINEのAI技術を活用した高い認識精度 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 主な機能 | シナリオ分岐、FAQ対応、本人確認、CRM/DB連携、SMS/LINE送信 |
LINE WORKS AiCallは、LINEのAI技術を活用し、企業ごとのニーズに合わせて開発することで完全自動対応を実現するサービスです。
自社開発のAI技術による高い認識精度と、自然で滑らかな音声対話が最大の特徴。専門用語の学習や、CRMなどの外部システムとの柔軟な連携開発により、AIによる対応完了率の高いサービスを実現します。
さらに、セキュリティ要件の厳しい金融業界での導入実績や、大規模コールセンターでの運用実績もあり、信頼性と安定性の高さも評価されています。
高い情報管理基準が求められる環境や、日々大量の着信を処理する現場でも活用されており、企業規模や業種を問わず安心して導入できる体制が整っています。
コールセンターの一次受付から飲食店の予約まで、複雑な要件や高負荷な運用にも対応可能です。
PKSHA VoiceAgent(パークシャ ボイスエージェント)

| 特徴 | ・ボイスボット市場シェアNo.1の実績
・LLM活用による高い音声認識精度 ・ノーコードで対話フローを簡単に作成・更新可能 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 主な機能 | フロー分岐、Q&A回答、データベース連携、本人認証、生成AI搭載 |
PKSHA VoiceAgentは、ボイスボット市場で高いシェアを誇るサービスで、特にエンタープライズ企業での導入実績が豊富です。
コンタクトセンターに特化した音声認識技術とLLM(生成AI)の活用により、複雑な発話も正確に理解し、自然な自動応答を実現します。
専門知識が不要なノーコードの対話フロー編集機能も特徴で、ビジネスの変化に迅速に対応できます。
IVRy(アイブリー)

| 特徴 | ・月額3,000円からと低コストで導入可能
・最短5分で設定でき、操作が簡単 ・豊富な導入実績 |
| 料金 | 【フリー】
0円/月(30着電まで) 【スターター】 月払い3,980円~/月 年払い3,317円~/月(年額39,800円~) 【スタンダード】 月払い6,480円~/月 年払い5,400円~/月(年額64,800円~) 【アドバンス】 月払い10,480円~/月 年払い8,734円~/月(年額104,800円~) |
| 主な機能 | 分岐設定、AI音声案内、電話転送、SMS送信、顧客管理 |
IVRy(アイブリー)は、月額0円からという低価格で始められる手軽さが魅力の電話自動応答サービスです。
最短5分で設定が完了し、専門知識がなくても直感的に利用できます。電話転送、自動応答、SMS送信、通話録音といった基本機能に加え、AIによる音声認識も搭載。
個人事業主や中小企業、店舗など、スモールスタートしたいニーズに最適です。30,000件以上のアカウント実績も信頼の証です。
AI Shift(AI シフト)

| 特徴 | ・サイバーエージェントグループの独自AI技術
・専門家による手厚いサクセスサポートプログラム ・200社以上の豊富な導入実績 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 主な機能 | 割り込み発話、SMS/LINE送信、オペレーター転送、外部システム連携 |
AI Shiftは、サイバーエージェントグループが提供するAIサービスで、その中核となるのがボイスボット「AI Messenger Voicebot」です。
独自開発のAI技術と、200社以上の導入実績で培ったノウハウを活かしたプロフェッショナルによる対話構築が強み。
導入目的に合わせた理想の対話を定義し、自然なコミュニケーションに近いシナリオを構築します。導入後の分析や改善提案といったサクセスサポートも充実しています。
CX-BOT

| 特徴 | ・ボイスボット、LLM、チャットボットの連携
・音声とテキストのマルチモーダル対応 ・画像認識や位置情報取得など高度な機能 |
| 料金 | 初期費用(個別見積)+月額費用 |
| 主な機能 | 会話記憶、パーソナライズ、システム連携、カメラ・OCRモード |
CX-BOT(現:CAT.AI マルチAIエージェント for Voice)は、ボイスボットをベースに、LLMとチャットボットが連携するユニークなコールセンターAIです。
音声対話だけでなく、必要に応じてSMSでチャット画面へ誘導し、視覚的な情報(画像や地図など)を提示することができます。
これにより、従来のボイスボットでは難しかった複雑な問い合わせにもスムーズに対応。ユーザーに新しい顧客体験(CX)を提供します。
MOBI VOICE(モビボイス)

| 特徴 | ・ノーコードでシナリオを簡単に作成・編集
・利用状況を可視化するダッシュボード機能 ・充実したカスタマーサクセスによる伴走サポート |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 主な機能 | ノーコード編集、ダッシュボード、自動テキスト化、SMS送信 |
MOBI VOICEは、ノーコードでシナリオ作成・編集が可能なAIボイスボットシステムです。
専門知識がなくても管理画面上で簡単に応答シナリオを作成・変更できるため、キャンペーンや緊急時など、ビジネスの変化に即座に対応できます。
利用状況が一目でわかるダッシュボードや、発話音声の自動テキスト化と部分的な聞き直し機能など、運用をサポートする機能が充実している点も特徴です。
AI Messenger Voicebot(AIメッセンジャーボイスボット)

| 特徴 | ・独自開発のAI技術と専属の研究チーム
・目的達成まで伴走するサクセスサポート ・各業界での豊富な導入実績と知見 |
| 料金 | 要問い合わせ |
| 主な機能 | 割り込み発話機能、SMS/メール/LINE送信、オペレーター転送、予約枠の代替案提示 |
AI Messenger Voicebotは、株式会社AI Shiftが提供するボイスボットサービスです。
独自開発のAI技術により、企業のさまざまな電話業務をニーズに応じて自動化します。専属のAIチームによる研究開発と、銀行、保険、自治体など各業界での豊富な導入実績が強み。
導入前から導入後まで一貫したサクセスサポートプログラムにより、目的達成に向けた対話デザインからAIチューニングまでをオールインワンで提供します。
【課題・目的別】最適なIVR(自動音声応答)サービスの選び方
IVRサービスの効果を最大化するには、自社の具体的な課題に合ったサービスを選ぶことが不可欠です。
ここでは、「予約・注文の自動受付」「営業時間外の問い合わせ対応」「コールセンターの業務効率化」という3つの代表的なケースを取り上げ、それぞれの目的に最適なIVRサービスの選び方と、注目すべき機能について解説します。
予約・注文の自動受付をしたい場合
飲食店やクリニック、美容サロンなどで予約や注文の電話を自動化したい場合、AI搭載型のIVRサービスが非常に有効です。
なぜなら、顧客からの「明日の夜、2名で」といった自然な話し言葉をAIが正確に理解し、予約システムと連携してその場で受付を完了できるからです。
選ぶうえでのポイントは、予約管理システムとのAPI連携が可能かどうかです。リアルタイムで空席・空き状況を確認し、重複予約を防ぎながら自動で予約を確定できる機能は必須といえます。
また、24時間365日対応できるため、営業終了後の電話も取りこぼさず、機会損失を大幅に削減できます。
営業時間外の問い合わせに対応したい場合
営業時間外や定休日の電話に対応できず、顧客を逃していると感じることはありませんか?この課題には、一次受付を自動化できるIVRサービスが最適です。
すべての問い合わせに完璧に答える必要はなく、まずは「用件を伺い、後ほど担当者から折り返す」という一次対応を自動化するだけでも、顧客満足度は大きく向上します。
この目的で選ぶなら、用件をテキスト化して担当者にメールやチャットで通知する機能や、よくある質問に対しては自動で回答するFAQ機能があると便利です。
低コストで導入できるサービスも多いため、まずは機会損失を防ぐ第一歩として導入を検討する価値は高いでしょう。
コールセンターの業務効率化をしたい場合
コールセンターでオペレーターの負担軽減や応答率の向上を目指すなら、高度な機能を備えたAI搭載型IVRが推奨されます。
入電理由をAIがヒアリングして適切な部署や担当者に振り分ける機能は、オペレーターの一次対応工数を大幅に削減します。
また、本人確認や簡単な手続きなどをIVRで完結させることで、オペレーターはより複雑で専門的な対応に集中できます。
選定のポイントは、既存のPBX/CTIシステムやCRMとの連携性です。AIがヒアリングした内容をオペレーターの画面に引き継ぐことで、スムーズで質の高い顧客対応が実現し、顧客満足度と従業員満足度の両方を高めることにつながります。
IVR(自動音声応答)サービスの導入事例

理論だけでなく、実際にIVRサービスを導入した企業がどのような成果を上げているのかを知ることは、サービス選定において非常に有益です。
ここでは、LINE WORKS AiCallを導入した企業の事例を中心に、飲食店とコールセンターという異なる業種で、どのように電話対応の課題が解決されたのかを具体的に紹介します。
飲食店での予約受付自動化による機会損失削減事例
飲食店予約管理システム「ebica」を提供する株式会社エビソルは、飲食店の大きな負担となっていたピークタイムの電話予約を自動化するため、LINE WORKS AiCallを活用したサービス「AIレセプション」を開発しました。
導入した店舗では、当日かかってくる電話の約50%が予約関連であり、これらをAIがすべて応対。
ある店舗では1日で15件の予約電話をAIが処理し、スタッフが電話対応に費やしていた可能性のある最大75分間を、接客サービスに集中できる時間へと変えました。
これにより、ピークタイムの電話の取りこぼしによる機会損失を防ぎ、スタッフの負担軽減と顧客満足度の向上を同時に実現しています。
コールセンターでの一次対応自動化によるコスト削減事例
セゾンカードを発行している株式会社クレディセゾンでは、インフォメーションセンターのIVRが複雑化し、顧客が目的の情報にたどり着きにくいという課題を抱えていました。
そこでLINE WORKS AiCallを導入し、AIが顧客の用件を自然な対話でヒアリングし、適切な窓口へ振り分ける仕組みを構築。
これにより、IVRの多重階層化が解消され、顧客の利便性が大幅に向上しました。結果として、オペレーターの対応件数を30%削減することに成功し、大幅な運用効率化とコスト削減を実現しました。
自社の課題解決にはAI搭載型IVR(自動音声応答)という選択肢を
ここまで、IVRサービスの基本から選び方のポイント、具体的なサービス比較、導入事例までを解説してきました。電話対応における人手不足、機会損失、業務効率の低下といった課題は、多くの企業にとって共通の悩みです。
従来型のプッシュボタン式IVRも有効な場面はありますが、顧客のニーズが多様化し、よりスムーズでストレスのない対応が求められる現代においては、人間のように自然な対話ができるAI搭載型IVRが強力な解決策となります。
AI搭載型IVRは、単に電話を自動化するだけでなく、外部システムと連携して予約受付や手続きを完結させたり、24時間365日稼働してビジネスチャンスを広げたりと、企業の成長を加速させるポテンシャルを秘めています。
特に「LINE WORKS AiCall」のように、企業ごとの複雑な要件に合わせて柔軟に開発できるサービスは、高い対応完了率を実現し、費用対効果を最大化します。
ぜひこの記事を参考に、自社の課題解決に最適なIVRサービスを見つけ、業務効率化と顧客満足度向上の第一歩を踏み出してください。