目次
音声ガイダンスとは?
音声ガイダンスとは、企業や店舗に電話をかけたときに自動で流れるアナウンスのことです。
「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社です」といった冒頭のあいさつや、「ご予約は1を、お問い合わせは2を押してください」といった番号選択の案内が代表例です。
まずは音声ガイダンスの役割と種類、混同されやすいIVRとの関係から整理していきましょう。
音声ガイダンスの基本的な役割と種類

音声ガイダンスの役割は、オペレーターに代わって電話の入口の対応を担うことです。
かけてきた相手に社名や受付内容を伝え、用件に応じて適切な窓口へ誘導し、営業時間外であればその旨を案内します。
電話応対の人手不足を補うだけでなく、重要な連絡の取りこぼしを防いだり、営業電話への対応を減らしたりする目的でも活用されています。
代表的な種類は次のとおりです。
- 冒頭ガイダンス:あいさつと社名を伝え、受付の開始を知らせる
- 振り分けガイダンス:用件ごとに番号を選択してもらい、担当窓口へつなぐ
- 時間外・休業ガイダンス:営業時間外や休業日であることを伝える
- 混雑時ガイダンス:回線が混み合っている状況を伝え、待機や代替手段を案内する
音声の準備方法には、プロのナレーターへの録音依頼や音声合成サービスの利用、自社での録音などがあります。
品質を重視するならナレーター、文言の修正が頻繁に発生するなら差し替えやすい音声合成というように、運用のしやすさもあわせて検討しましょう。
音声ガイダンスとIVR(自動音声応答)の違い
音声ガイダンスと混同されやすい用語に、IVR(自動音声応答)があります。
音声ガイダンスが「電話をかけたときに流れるアナウンスそのもの」を指すのに対し、IVRは「音声ガイダンスを使いながら、プッシュ操作や音声に応じて着信を振り分けるシステム全体」を指します。
つまり、音声ガイダンスはIVRというシステムを構成する機能のひとつという関係です。
ただし、実際のビジネスの現場では、両者をほぼ同じ意味で使う場面も少なくありません。
音声ガイダンスの活用方法

音声ガイダンスは、電話業務のさまざまな場面で活用できます。
導入の目的を明確にしておくと、必要な機能やスクリプトの設計方針も自然と定まるはずです。ここでは、代表的な4つの活用方法を紹介します。
人手が足りない時の自動応答
問い合わせが急増する時期や時間帯でも、音声ガイダンスがあれば入電を自動で受け付けられます。
よくある質問への回答をガイダンスの案内で完結させたり、緊急性の低い用件を問い合わせフォームへ誘導したりすれば、オペレーターが対応すべき件数そのものを減らせます。
電話応対の担当者が他の業務と兼任している職場では、電話が鳴るたびに作業が中断されることが大きな負担です。
一次対応を音声ガイダンスに任せることで、担当者は本来の業務に集中でき、応対漏れも防げます。
繁忙期だけ人員を増やすといった対応が難しい企業ほど、自動応答の効果を実感しやすいでしょう。
担当者や担当部署への振り分け
「ご注文は1を、修理のご相談は2を押してください」のように、用件ごとに番号を選択してもらうことで、着信をあらかじめ適切な担当者や担当部署へ振り分けられます。
振り分けの仕組みがない場合、電話を受けた社員が用件を聞き取り、担当者を探して取り次ぐ手間が毎回発生します。
音声ガイダンスで振り分けを済ませておけば取り次ぎの手間が省けるうえ、かけてきた相手も用件を何度も説明せずに済みます。
受ける側とかける側の双方の負担を減らせる、効果の大きい使い方です。
時間外アナウンス
営業時間外や休業日にかかってきた電話に対して、「本日の営業は終了しました」「受付時間は平日9時から18時までです」といった案内を自動で流せます。
時間外の入電に何も応答しないままだと、かけた側は「つながらない会社」という印象を持ち、そのまま他社へ流れてしまうおそれがあります。
時間外アナウンスで受付時間や代替の問い合わせ手段を伝えておけば、機会損失を抑えられます。
社員が時間外の電話対応に追われる状況を避けられることもメリットです。
営業電話への対応
営業電話への一次対応にも音声ガイダンスは有効です。
「営業のお電話は1を押してください」と専用の選択肢を設けて問い合わせフォームへ誘導したり、該当の着信を自動的にブロックしたりする使い方があります。
営業電話は一件ごとの対応時間が短くても、積み重なると業務を圧迫します。
ガイダンスの段階で営業電話を切り分けておけば、オペレーターや社員は対応すべき電話だけに集中できます。
【例文あり】音声ガイダンスのシチュエーション別スクリプト
音声ガイダンスの効果は、スクリプト(案内文)の設計に大きく左右されます。
ここでは、シチュエーション別の例文を紹介します。社名や受付時間を自社の内容に置き換えて、ぜひご活用ください。
基本の音声案内の例文
冒頭のガイダンスは、社名を名乗り、これから何を案内するかを簡潔に伝えることが基本です。
- 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社です。ご用件に応じて番号を選択してください。」
- 「お電話ありがとうございます。こちらは◯◯株式会社お客様サポート窓口です。音声ガイダンスに従って、ご希望のメニューをお選びください。」
最初の一文で社名が伝わらないと、かけた相手は不安を感じて電話を切ってしまうことがあります。あいさつと社名を先に伝え、その後に操作の案内へ進む順序を守りましょう。
ナビダイヤルの利用などで通話料が発生する場合は、通話料がかかる旨を冒頭で伝えておくとトラブルを防げます。
営業時間外・休日の例文
時間外アナウンスでは、受付時間と、可能であれば代替の問い合わせ手段をあわせて伝えます。
- 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社です。本日の営業は終了しました。電話の受付時間は、平日午前9時から午後6時までです。恐れ入りますが、営業時間内におかけ直しください。」
- 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社です。誠に勝手ながら、12月29日から1月3日まで年末年始の休業とさせていただきます。1月4日以降に、あらためてお電話ください。」
いつなら電話がつながるのかを具体的に伝えることで、かけ直しにつながり、機会損失を減らせます。
年末年始や夏季休業などの長期休業では、休業期間と営業再開日の両方を伝えることがポイントです。
用件別に担当者へ振り分ける場合の例文
振り分けのガイダンスでは選択肢を用件ごとに整理し、対応する番号を明確に伝えます。
- 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社です。ご契約内容の確認は1を、ご契約内容の変更は2を、新規のお申し込みは3を、その他のお問い合わせは4を押してください。」
- 「商品のご注文は1を、配送状況のご確認は2を、オペレーターとの通話をご希望の方は9を押してください。」
選択肢は多くても4つ程度に抑え、利用の多い用件から順に並べることが基本です。
どれにも当てはまらない用件の受け皿として、「その他」やオペレーター接続の選択肢を最後に用意しておくと、行き場のない着信を防げます。
混雑時アナウンスの例文
回線が混み合っているときは、待たせていることへのお詫びに加えて、今の状況を伝えます。
- 「ただいま電話が大変混み合っています。恐れ入りますが、このままお待ちいただくか、しばらく経ってからおかけ直しください。」
- 「ただいま電話が混み合っています。お急ぎでない場合は、Webサイトのお問い合わせフォームもご利用いただけます。」
無音のまま待たせると、電話をかけてきた方の不満は大きくなる一方です。状況を伝えるアナウンスを流すだけでも、相手の受け止め方は変わります。
伝言受付の例文
担当者が不在の場合や時間外には、伝言の録音を受け付ける方法もあります。
- 「ただいま電話に出ることができません。恐れ入りますが、発信音の後に、お名前とご連絡先、ご用件をお話しください。折り返しご連絡いたします。」
伝言受付を設けておけば、対応できない時間帯の入電でも相手の用件を確実に受け取れます。
「翌営業日にご連絡します」のように折り返しの目安を伝えると、相手も安心して伝言を残せます。
予約受付専用ダイヤルの例文
飲食店やクリニックなど、予約の電話が多い業種では、予約専用の振り分けを用意すると効果的です。
- 「お電話ありがとうございます。◯◯クリニックです。新規のご予約は1を、ご予約の変更・キャンセルは2を、その他のお問い合わせは3を押してください。」
- 「新規のご予約をご希望の方は、診察券番号は不要です。そのまま1を押してください。」
予約の受付・変更・キャンセルは定型的なやり取りが中心のため、自動化との相性が良い業務です。
予約系の入電を切り分けるだけでも、電話業務全体の負担を大きく減らせます。
音声ガイダンスを導入する4つのメリット

音声ガイダンスの導入で得られる4つのメリットを解説します。社内で導入を検討する際の判断材料としてお役立てください。
電話応対業務の効率化と人件費削減
一次対応を自動化することで、オペレーターや社員が電話に費やす時間を削減できます。
よくある質問はガイダンスの案内で完結させ、振り分けで取り次ぎをなくせば、人が対応すべき入電だけに人員を充てられます。
採用難で増員が難しい状況でも、既存の人員のまま応対量を維持できることは大きなメリットです。
浮いた時間を問い合わせ内容の分析やFAQの改善といった業務に振り向ければ、電話応対の総量を減らす好循環も生まれます。
営業時間外・休日対応による機会損失の防止
音声ガイダンスは24時間365日稼働できるため、営業時間外や休日の入電にも必ず応答できます。
受付時間の案内や伝言の受付、問い合わせフォームへの誘導によって、時間外にかかってきた電話を取りこぼさずに済みます。
問い合わせや予約の電話がつながらなければ、顧客は別の会社に切り替えてしまうかもしれません。特に予約や注文の電話は、つながらなかった1件が売上の減少を招きます。
人員を増やさずに夜間や休日の応答体制を整えられることは、売上の機会を守るうえで重要です。
応対品質の均質化と顧客満足度の向上
電話応対の品質は、担当者の経験や忙しさによってばらつきが生まれやすいものです。
経験の浅い担当者が電話を受ける場合や、入電が集中する時間帯の対応は、説明の抜けや取り次ぎの遅れが起こりやすくなります。
音声ガイダンスなら誰が受けても、どの時間帯でも常に同じ品質の案内を提供できます。
あらかじめ用意した文言で案内するので、伝え忘れや言い回しのブレも起こりません。
こうした品質の安定は、クレームの抑制にもつながります。案内のばらつきや聞き間違いが原因のトラブルを減らせることは、現場にとって見逃せない効果です。
オペレーターの負担軽減とカスハラ対策
音声ガイダンスによる一次対応は、オペレーターの心理的な負担を和らげる効果もあります。
用件が整理された状態で電話を受けられるので、入電のたびに「どんな問い合わせか」と身構える必要がなくなります。
近年は、顧客からの理不尽な要求や暴言といったカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題になっています。
音声ガイダンスによる一次対応の自動化は、オペレーターが直接矢面に立つ場面を減らせることから、カスハラ対策の観点でも注目されています。
音声ガイダンス作成時の注意点

音声ガイダンスは、設計を誤ると逆に顧客のストレスを増やしてしまいます。作成時に押さえておきたい2つの注意点を解説します。
分岐の多さによる顧客離脱に気をつける
選択肢や階層を増やしすぎると、かけた相手が目的の窓口へたどり着く前に電話を切ってしまう「離脱」を招きます。
分岐の選択肢は1階層あたり3〜4つ程度、階層は3段階以内に抑えることが目安です。
すべての用件を網羅しようとするほど、メニューは複雑になります。
入電の多い用件に絞って分岐を設計し、残りは「その他」としてオペレーターへつなぐ構成にすると、離脱を抑えながら全体をシンプルに保てます。
簡潔でわかりやすい表現に整える
電話をかけてくる相手の多くは、用件を早く解決したいと考えています。
前置きの長いガイダンスや一度聞いただけでは理解しにくい表現は、それだけでストレスを与えてしまいます。
一文を短くし、専門用語を避けて結論から伝える構成を心がけましょう。
例えば「◯◯に関するお問い合わせのお客様は1を」よりも「◯◯のお問い合わせは1を」のほうが、短く迷いなく聞き取れます。
作成後は実際に電話をかけて案内を聞き、テンポや長さに違和感がないかを確認することも大切です。
事前録音型からAI対話型へ進化する音声ガイダンス
従来の音声ガイダンスは、あらかじめ用意した音声を流し、番号のプッシュ操作で分岐させる事前録音型が中心でした。
近年は、AIが相手の発話を理解して応答する対話型へと、音声ガイダンスの仕組みそのものが進化しています。
プッシュ式IVRの階層離脱という課題
従来のプッシュ式IVRには、構造上の課題があります。
電話をかけた側はガイダンスを最後まで聞かないと選択肢を判断できず、用件にたどり着くまで階層を何度も進まなければなりません。
メニューが多階層になるほど途中の離脱が増え、「目的の窓口までたどり着けない」という不満につながります。
スマートフォンでの通話が広がったことも、この課題を際立たせています。
番号を押すには画面を耳から離して操作する必要があり、ガイダンスを聞きながらの番号入力を煩わしく感じる方は少なくありません。
AIボイスボットによる自然対話型の自動応答とは
こうした課題を解決する仕組みとして登場したのが、AIボイスボットです。
AIボイスボットは音声認識で相手の発話をテキストに変換し、自然言語処理で意図を解析したうえで、音声合成による自然な音声で応答します。
電話をかけてきた方は、自分の言葉で用件を話すだけで済みます。
定型的な問い合わせであれば、人を介さずにその場で回答まで完結させることも可能です。
LINE WORKS AiCallを導入した株式会社クレディセゾンでは、これまでプッシュ型IVRを運用していましたが、自動応答の途中でお客さまが電話を切ってしまうケースや、有人対応につながるケースの多さが課題となっていました。
電話の入口をAIボイスボットへ移行した結果、IVRで離脱する件数が減少し、自動音声応答システムだけで対応が完結するIVR完了率は40%増加しました。
AIボイスボットは電話の一次受付を丸ごと自動化する選択肢として、コールセンターを中心に導入が広がっています。
LINE WORKS AiCallで実現する次世代の電話応対
LINE WORKS AiCallは、AIによる自然な対話で電話応対を自動化するボイスボットサービスです。
顧客が自分の言葉で話した用件をAIが理解し、回答の案内やオペレーターへの振り分けまでを自動で行います。
年間3000万件の電話対応実績があり、金融や交通・インフラ、小売、官公庁・自治体など、高い信頼性が求められる業界でも活用されています。
導入にあたっては既存のPBXをそのまま活用できるため、大規模なシステム刷新は必要ありません。
料金は対応コールが増えても安心の定額制で、繁忙期に入電が増えてもコストを気にせず運用できます。
音声ガイダンスから始める電話応対のDX
音声ガイダンスは、人手不足の解消や機会損失の防止、応対品質の均質化に役立つ仕組みです。
効果を引き出すには、シーンに合ったスクリプトの準備と分岐をシンプルに保つ設計が欠かせません。
まずはこの記事で紹介した内容を参考に、自社の電話業務をどこまで自動化できるか整理してみてください。
プッシュ式IVRでは対応しきれない多様な問い合わせまで自動化したい場合は、AI対話型のボイスボットが有力な選択肢になります。
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