三重県内でトヨタ車の販売・整備を手掛ける三重トヨペット株式会社。同社では、生産性向上に向けた業務改善を進めるなかで、議事録作成に多くの時間と労力がかかることに加え、参加者が記録作業に追われて議論に集中しづらいという課題を抱えていました。その解決策として採用されたのが、AI議事録作成ツール「LINE WORKS AiNote」です。導入後は、会議終了後の作成・共有にかかる時間を短縮。さらに、参加者が記録作業に追われることなく、議論に集中しやすい会議環境づくりにもつながっています。今回は、代表取締役社長の川喜田さん、カーライフ事業室長の山口さん、同主任の關さんに、導入の経緯や具体的な効果、今後の活用展望について伺いました。
本事例のポイント
-議事録の共有までにかかる時間を「1~2時間」から「最短10分」へ短縮
-議事録作成の負担を軽減し、参加者が議論に集中できる会議環境を実現
-発言内容をそのまま記録することで、作成者の主観による認識のズレを抑制
御社の事業概要と、社内で進められているデジタル化への取り組みについてお聞かせください。
川喜田さん:
当社は1956年の創業以来、トヨタ車のディーラーとして三重県内に17店舗を展開し、レクサス店舗も2店舗運営しています。
私はもともとAIの理論研究に携わっていましたが、この業界に入ってまず感じたのは、デジタル化が十分に進んでいない業務や、導入済みのツールが十分に活用されていない場面が少なくなかったことです。また、部署ごとに個別最適でシステムを導入してきた結果、ツールが乱立している課題もありました。現場のデジタルリテラシー向上とシステムの整理・統合、その両方に取り組まなければならない。正直に言うと、「これはなかなか大変だな」というのが最初の印象でした。

だからこそ今は、「どんな働き方を実現したいのか」を起点に、業務やシステム全体を見直し、全体最適を考えなければいけないフェーズに来ていると感じています。今年度は中期経営計画の重点施策として、これまで先送りになりがちだった業務の棚卸しにも本格的に着手しました。統合できるものは統合し、デジタル化できるものはデジタル化する。そうした土台づくりを進めていきたいと考えています。
山口さん:
現場を預かる立場から見ても、生産性向上は避けて通れないテーマです。当社では現在、より働きやすい職場環境を目指し、年間休日を拡充する目標もありますが、そのためには、限られた人員でこれまで以上の成果を出さなければなりません。かつてのように気合いや努力だけに頼るやり方には限界があります。だからこそ、ITやAIを活用して業務を効率化していく必要があると考えています。

会議の記録や情報共有については、どのような課題がありましたか。
川喜田さん:
当社では以前から、会議そのものをもっと活性化したいと考えていました。というのも、会議そのものが何かを決めたり議論を深めたりする場というより、前に座った人の話をみんなで聞く代表者会議のような雰囲気になっていたのです。
そのなかで大きな課題だったのが議事録です。社員のメモを見せてもらうと、内容が十分に整理されていなかったり、肝心の要点が抜けていたりすることがありました。そこで「議事録をしっかり残そう」と伝えたところ、今度は会議中の発言を一言一句そのまま記録しようとするんです。なぜそこまで細かく書くのか聞いてみると、「どこが重要で、何が結論なのかを見極める自信がない」という答えが返ってきました。重要な会議の中から、論点を整理して抜き出す経験や訓練が、これまであまりなかったんです。
最近は、「結論や重要なポイントを押さえればいい」という考え方が浸透してきました。ただ、それでも会議に参加しながら要点を整理し、議事録を作成するのは簡単なことではありません。だからこそ、議事録作成を支援してくれるツールには大きな価値があると感じていました。
山口さん:
当社では本社マネージャーと各店長が定期的に意見交換を行う他、役員会や中期経営会議なども開催しています。当然ながら、会議で決まったことはできるだけ早く関係者へ共有しなければなりません。
しかし実際には、会議中に議論を聞きながら要点をメモし、終了後に内容を整理して議事録を作成し、さらに参加者へ確認を依頼して修正するという流れになります。私自身も議事録を担当することもありましたが、重要案件になればなるほど議事録作成には時間がかかることも珍しくありませんでした。様々な会議での時間的なコストや責任の重さもあり、議事録作成は各担当者にとって決して歓迎される業務ではありませんでした。
数あるAI議事録作成ツールの中から、「LINE WORKS AiNote」を選ばれた決め手は何でしたか。
川喜田さん:
ツール選定で重視していたのは、「現場が無理なく使い続けられるか」という点です。そのうえで一番魅力に感じたのは、音声認識による文字起こし精度の高さでした。議事録は元になる記録が正確でなければ意味がありません。その点で、AiNoteの精度には大きな価値を感じました。また、当社ではすでにLINE WORKSが定着していたため、現場に新たな負担をかけずに導入できることも大きな決め手でした。
山口さん:
AiNoteを導入する前には複数のAI議事録作成ツールを比較しました。しかし、文字起こしの精度が十分でなかったり、逆に要約されすぎて議論の過程がほとんど残らなかったりと、使いづらさを感じるものもありました。その点、AiNoteは文字起こしが自然で、日本語の認識精度が高いと感じました。当社の会議では方言が交じることもありますが、そうした会話にもきちんと追従し、自然な文章としてテキスト化してくれます。

加えて、操作がシンプルなことも大きな決め手でした。現場にはすでにさまざまなシステムがあり、新しいツールを増やすと「また覚えなければいけないのか」という反応が出てしまいます。その点、AiNoteはアプリを開いてボタンを押すだけで利用でき、複雑な設定や事前準備が不要です。誰でもすぐに使い始められる分かりやすさと手軽さが、導入を後押ししました。
実際にAiNoteを導入されてから、どのような効果を感じていますか。
山口さん:
まず大きいのはスピード感です。以前は議事録の共有まで時間がかかることもありましたが、現在はAiNoteで作成した内容を確認し、必要な箇所だけを微調整するだけで済むので、早いタイミングで共有できることは有効です。
また、会議内容を正確に確認できるようになったことも大きな変化です。以前はどうしても記録する人の解釈が入り込んでいましたが、今は発言内容をそのまま残せるため、記録する人の解釈だけに頼らず、認識のズレや聞き漏らしも起きにくくなりました。ただ、全体をカテゴリー別に要約することが少し弱いため、この辺りが強くなるともっと使いやすくなりますね。今後のアップデートに期待です。
關さん:
私自身、以前は会議中に「記録しなければ」という意識が強く、話を聞きながらメモを取ることに精一杯になることがありました。でも今はAiNoteが記録してくれるので、「書き漏らしてはいけない」というプレッシャーがありません。会議の内容は後から確認できるという安心感もあり、気持ちに余裕を持って参加できるようになりました。
山口さん:
参加者が「記録する人」ではなく、「議論する人」として会議に向き合えるようになったことは大きいです。今はメモを取ることよりも議論そのものに集中できるようになり、会議の雰囲気も変わってきました。本来、会議は記録を取る場ではなく、意見を出し合い、議論する場です。AiNoteの導入によって、そうした本来の会議のあり方に少しずつ近づけていると感じています。
今後、AiNoteをどのように活用し、さらなる生産性向上につなげていきたいとお考えですか。
山口さん:
現在は社内会議での利用が中心ですが、将来的には店舗でのお客様対応にも活用の可能性を感じています。自動車販売の現場では、お客様との会話の中でさまざまなご要望やお約束ごとが生まれます。そうした内容を正確に記録できれば、「言った・言わない」のトラブル防止にもつながるはずです。
将来的には商談時などの音声データを顧客管理の仕組みと連携し、会話履歴として活用できるような環境も目指したいと考えています。現場の負担を増やさずに情報を蓄積できれば、生産性向上だけでなく、お客様へのサービス品質向上にもつながるのではないかと期待しています。
川喜田さん:
私が一貫して目指しているのは、社員が「人にしかできない仕事」に集中できる環境をつくることです。DXはツールを導入すること自体が目的ではなく、そのための手段に過ぎません。現場への浸透は決して簡単ではありませんが、本当に役立つものは自然と定着します。実際、LINE WORKSもそうでしたし、AiNoteも現場で無理なく使われ続けています。今後も現場の声を聞きながらDXを進めていきたいと考えています。その結果として、社員がお客様との対話や信頼関係づくり、新しい価値の創出により多くの時間を使えるようになるのが理想です。

【お話を伺った方々】
川喜田 雅則さん
代表取締役社長。全社のDX推進および経営戦略を牽引。
山口 慎二さん
カーライフ事業室長、保険事業室長、経営企画室を兼務。
關 やよいさん
カーライフ事業室 企画グループ 主任。店舗業務の運営・支援・企画を担当。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2026年06月当時のものです。