こんにちは、長橋です。
ワークスモバイルジャパンでカスタマーエクスペリエンスを担当しています。
普段はLINE WORKSの導入事例の取材という形でLINE WORKSを導入していただいたお客様にお話をうかがい、ストーリーを世の中に発信するという仕事をしています。
「導入後、どのような変化がありましたか?」という質問をすると、多くのお客様から「スピードが上がった」「連絡がスムーズになった」「業務の効率性が上がった」といったお声をお聞きします。中には、残業時間が大幅に減った、社内メールがなくなった、調整時間が半分になった、などの劇的な効果を語ってくださる方も。決して誘導尋問をしているわけではないのですが(笑)、一つのサービスを導入することで(もちろん担当者の方の大変な努力があってのことです)、会社が良くなったというお話を聞けるのはとても嬉しく、お客様インタビューは毎回新鮮な喜びに満ちた楽しい仕事です。
さて、「スピード向上」「業務効率向上」と並んで挙がることの多いのが、「メンバーやお客様との距離感が近くなった」「チームワークが良くなった」「コミュニケーションが増えた」というポイントです。ITツールというのはもともと業務効率化を目的として導入されることが多いため、「チームワーク向上」のような曖昧な指標は効果測定しづらく、なかなか当初の導入目的にはなりづらいものですが、みなさん一様に口を揃えておっしゃいます。これは一体なぜなのだろう?ということを、私がこの会社に入社してお客様取材を始めた2年前からずっと考えていたのですが、今回あらためて理由を整理したいと思います。少し長くなりますが、ご興味ありましたらぜひ読んでみてください。
メールは「手紙」、チャットは「会話」だから、カジュアルになりやすい
「メールの時よりもフランクな感じで送れますし、お客様も気軽に返信をくださいますね。」(株式会社桧家ホールディングス様)
「LINEであれば友人を誘う感覚で、「明日来ませんか?」とご提案できます。既読もつくので、本当に連絡がとりやすいですね。お客様との距離が縮まったと実感しています。」(株式会社オープンハウス様)
ビジネスチャットは従来の「電子メール」との比較で語られることがとても多いです。メールは今後もなくなることはないかもしれませんが、社内コミュニケーションでメールを使う場合の弊害として、「かしこまってしまう」「挨拶が多く本題になかなか入りづらい」「CCが多くメールが埋もれがち」といった声をよくお聞きします。
これってたぶん、メールが基本的に「手紙」の形式を模倣しているからだと思うんですよね。宛先があって、時候の挨拶があって、ようやく本題に入り、最後に締めの文があって、署名。形式が決まっているぶん、崩しづらいとか、社内の相手であってもいきなり本題から入るメールはなんだか不躾に見えてしまったりと、「お手紙文化」がどうしても我々の意識の根底にあるわけです。だから相手に真意を伝えるには長い文章が必要だし、読む方も読み取るために相応の時間と意思が必要になる。
一方チャットは何かというと、「会話」の模倣です。普段、職場で隣の同僚と交わす会話や、ミーティングでの会話をそのまま再現している。だから本題から入っても誰もなんとも思わないし、口調もカジュアルで問題ないわけですね。LINEやLINE WORKSのチャットのメッセージが吹き出しの形をしているのは、会話を疑似っているからです。
当然のことですが、対面で話している時間が長ければ長いほど、相手との距離感は近くなりますし、仲良くなりやすい。同じことをチャットでやっていると考えると、メールで同僚とやりとりするよりも、チャットで会話する方が距離感が近くなるのは、ごくごく自然なことなんです。
この「メール」「チャット」という形式の違いがコミュニケーションに与える影響は、実はとても大きいのではないかと考えています。ビジネス全体が以前ほど堅苦しくなく、カジュアルになっているという傾向もチャットの広がりに拍車をかけているかもしれません。
スタンプで感情表現
「今までの電話や対面でのコミュニケーションに比べて、絵文字やスタンプなどを使ってやわらげることができるので、以前よりも厳しい意見を言いやすくなかったのかなと思います。口頭だとどうしても相手によっては必要以上に重く受け止められてしまったりしますが、絵文字などを入れることで、相手に響きやすくなったなと感じます。」(あすか製薬株式会社様)
「・・・こういう取り組みを、LINE WORKSを使うとスタンプを使って面白おかしく演出できるのです。私はこれまでLINEを使っていたわけではなかったので、初めての体験ですが、いろいろなスタンプが用意されていてよく使っています。数字を達成するならできるだけ楽しくやろうと思い、このような取り組みを行っています。」(愛知日産自動車株式会社様)
LINEが世の中に普及した理由の一つに「スタンプ」があることは、皆さん認識されているのではないでしょうか。言葉だけだとなんとなく冷たかったり、直接的すぎたりするようなことでも、キャラクターのスタンプをポンと一つ追加したり、言葉の代わりにスタンプで返信する。それだけでなんとなく柔らかくなるから不思議です。こんな便利なスタンプを仕事のやりとりに使えるなんて、2010年代に生きる我々はなんてラッキーなんでしょうか(言い過ぎでしょうか?笑)。
「メラビアンの法則」によると、対面で話している時に相手の意思や感情を認識するポイントは、「言葉」よりも「顔の表情」の方がはるかに大きいそうです。つまり、笑いながらひどいことを言っていても、顔が笑っているので好意的に捉えられ、怒った顔で褒めていたとしても、顔が怒っているので怒っていると思われる、ということですね。
スタンプを使うと表現を和らげられたり、相手に真意を伝えやすくなったりするというのも同じことです。チャット上では見えない相手の表情を、スタンプという形で伝え、認識しているわけですね。スタンプがあるとなんとなく相手に「伝わる」感じ、そして相手との関係が良好になる感じ、ありますよね。これらはテキストでは表現できない「表情」「感情」を代替しているから、コミュニケーションがスムーズになるということではないでしょうか。
トークルームという「場」が用意されている安心感
「普段はシフトの希望を聞くといったような業務連絡にも利用していますが、これまでは少し言いづらかったことも気軽に相談できる環境づくりにつながったと思います」(コネクシオ株式会社様)
「薬局とのやりとりも、トークを見れば状況が分かります。それを見れば、自分がどう動けばいいかが分かります。LINE WORKSを使うことで、安心して物事を進められるようになりました。」(株式会社東京調剤センター様)
LINE WORKSの特長として、所属する組織やチームのトークルームを簡単に設定できるという点があります。かつては「チームルーム」と呼ばれていて、私は個人的には放課後の「ホームルーム」を連想して少し暖かい気持ちになったりしていました(私だけだと思いますが)。
と、それはさておき、「とりあえずこのルームで話せばいい」「このトークルームを見れば状況がわかる」と思われる場所があることって、チームで仕事をする時にとても重要な点だと思っています。
外出が多いときとか、テレワークで社内にいない状況のときって、社内で何が起きているのかなかなか知りづらいものです。それがオフラインではなくオンラインで、トークルームで行われていれば、その場にいなくても参加できるし、状況がわかるから、自分が何をするべきかがわかる。
いつもの見知ったメンバーがいて、会話を交わしている。多少おかしなことを言ったり、間違えたりしても、馬鹿にされたり、揚げ足をとられたりしない。そんな安心感のある「場」があることが、メンバーの自発的な発言や、良好な協力関係を築くのに有効に働いているのではないでしょうか。
グーグルさんでも、「心理的安全性」が成功するチームの共通項である、という調査結果を出していますね。これには大いに同意!です。
グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48137
余談ですが、欧米型のいわゆる「社内SNS」が日本でなかなか流行らないのは、誰が見ているかわからないオープンな場で発言することに気遅れてしてしまう、という日本文化が原因ではないかと思っています。ハイコンテクスト文化である日本では、同じ価値観や共有体験がない場でのコミュニケーションが苦手な人が多いので、ローコンテクスト文化が発想のベースにある欧米系のオープンなコミュニケーションは馴染まないことが多いのではないでしょうか。だから、メンバーが固定されていて、ある程度小規模な集団の方がコミュニケーションが活発になりやすいのではないか、というのが私の個人的な意見です。
状況と感情が伝わると、人は自発的に動く
「繁忙期などで人手が足りなかった時に、グループトークで共有したところ、ある店舗のスタッフが実は自宅がこちらの店舗に近かったことが分かり、来てくれるのを申し出てくれたことがありました。協力し合う意識に自然と影響していると感じます。」(株式会社東京調剤センター様)
「LINE WORKS導入によって、誰かにトラブルがあればすぐにサポートできるようになり、配達員同士に協力意識が芽生えました。本部の指示を待つのではなく、自発的に動けるようになったと思います。業務が効率化できたのはもちろん、チーム意識が強くなったことは非常にすばらしい変化だと思います。」(株式会社 浜の家様)
目の前で誰かが困っていて、自分が手を出せば助けられるとわかっている状況であれば、誰しもが自然と手を差し伸べるものです。できないとすれば、原因は「状況がわからない」「困っていることがわからない」ことにあるのではないでしょうか。
業務でチャットを使うことの一番のメリットは、この二つを同時に解消できるというではないかと思います。現場の状況、自分の状況をリアルタイムに共有し、感情をメンバーに共有することで、自然と協力しあう雰囲気が生まれ、チームワークが良くなる。これまで様々なお客様のお話を聞いてきた中でも、このストーリーを耳にすると、胸が熱くなります。
ITツールの導入は、目的がどうしても「スピード」「業務効率化」に偏りがちですが、結果として「良好な人間関係」や、「チームのパフォーマンスの向上」にまで成果が出るという点は、組織が成長を続ける上で実は見逃してはならない事実ではないでしょうか。そして、こういった成果が出る根底には、言葉だけでは伝わらない「感情」を他のメンバーに共有できるという点が、これまでのツールではできなかったポイントとしてあるように思います。
LINE WORKSは、カテゴリーこそ「ビジネスチャット」や「グループウェア」と呼ばれるジャンルの製品ですが、チームや組織を強くし、成長を後押しするツールでありたいと思っています。他にもこんな面白いストーリーがあったよ、という情報があれば、ぜひ教えてくださいね。
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