前回までに、働き方改革が多くの人にしっくり来ない理由と、現場の生産性向上にITが活用されなかった理由について考えてきました。
これまでシステム化されにくかったような仕事の中にも、生産性を高められるポイントはたくさんあります。
現場に潜む「当たり前」になってしまった非効率
いかにも非効率なやり方があったとしたら、たぶんそれはすでに改善されていると思います。
なぜなら、誰もが改善したいと思うから。
そうではなく、当たり前だと思っているようなところにこそ非効率さが潜んでいることの方が多いんです。
例えば、
朝礼や終礼、会議は、その時間、その場に集まらないといけないもの。
だから、移動時間を取られるのは普通のことで、移動時間を見越して予定を組むのも当たり前。
日報や出張報告は紙で提出することになっている。紙でなかったとしても、会社に戻らないといけない理由がある。
だから、会社に戻って作業するのは当たり前。
予定はホワイトボードで共有されているので、同僚や上司予定は事務所で確認するもの。
だから、出先で日程調整なんてできるわけがない。
現場の状況確認は、その場に行って確認するしかない。
毎回同じところをチェックするわけではないし、報告では細かいところが把握できない。
だから、1日で3ヶ所が限界。
こういった当たり前と思っている仕事を改善できると、業務の効率、生産性はグッと上がるのですが、当たり前すぎてなかなか手をつけづらかったり、良い改善策が思い浮かばなかったりします。
ちなみに、こういった当たり前を変えなければと気づきやすいのは、実は2代目経営者の方だったりします。
なぜなら、2代目・3代目といった若手経営者は、たいてい他の企業でも働いた経験があるので、こういった「昔からのやり方」をなんとかしたいと思ってらっしゃるんですよね。
私たちのお客様に2代目・3代目経営者の方が多いのは、偶然ではないんです。
https://line-works.com/blog/staff/2nd_generation_president_choose_line_works
現場で効果を出すために必要なアプローチ
現場に根付いた「当たり前」を変えるために、しっかり業務プロセスを検討して、かっちりしたシステムを作ろう、とやっても、そのための労力が大きすぎて、途中で挫折しがちです。
本当にそんなに労力掛けて、意味あるの?
と思っちゃいますから。
だから、こういうところには「早くて、手軽で、ハードルが低いツール」が向いてるんです。
1. 情報共有ではなく、情報アクセスの課題を解決する
本社の人はつい
現場の生産性が低いのは、やり方が標準化されていないから。つまり、必要な情報がちゃんと共有されていないからだ。
と考えがちですが、現場には毎月、膨大な情報が届けられています。
実は、共有されていない、不足していることが問題、というケースは少ないのです。
むしろ、現場ではたらくスタッフひとりひとりが、必要なタイミングで、必要な情報にアクセスできないことの方が課題になりやすいのです。
状況が千差万別な現場で、その場で対応しなければいけないスタッフひとりひとりが、必要な情報にアクセスできなければ意味がありません。
これを実現してあげることが大事です。
経営者や管理部門の役割は、そのための環境を用意してあげること。
こう考えると、パソコンではなく、スマホで仕事をできるようにすることが必要になります。
スマホは、基本的にひとり1台、常に持ち歩いている。
常にネットワークにつながっている。
通知が来る。
だから、ひとりひとりが必要な情報や人にすばやくアクセスできる。
なぜなら、日本ではたらく多くの人にとって、パソコンの前にいる時間というのは、実は非常に限られています。
対面での会議が多く、外出や移動が多い。
会議でパソコンを使うという習慣もそれほど浸透していない。
(日本は対面重視なので、会議が多く、移動時間も長い、という話)
だとすると、パソコンの利用を前提とした仕事のやり方というのは、実は「現場」ではちっとも効率的じゃない、ということになります。
たとえば、企業向けのお弁当製造・宅配事業を営む浜の家さんでは配送ドライバーの方が、スマホを使うことで業務が大幅に効率化されました。
また、有名レストラン リゴレット などを運営する外食大手のHUGEさんは、店舗を支える現場スタッフ(アルバイト)の判断を支える情報をどのように提供するかと考え、スマホという結論に至ったのだと思います。
まさにスマホの威力がフルに発揮された成功事例です。
スマホを提供するということは、現場スタッフひとりひとりが必要な情報や人(同僚・上司・関係部署)にすばやくアクセスできる環境を提供すること。
さらに続きます。
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