国内外から多くのお客様が訪れる総合リゾート「あてま高原リゾートベルナティオ」を運営する株式会社当間高原リゾート。人気の高まりとともに増加し続けるお客様に心のこもった対応をするには、「従業員間の緻密な連絡・情報共有体制の強化が必要」として、LINE WORKSが導入されました。管理部の廣井さんと金澤さん、ゲストリレーション部の斎木さんに、その具体的な活用方法をお話しいただきます。
事業内容と皆さんの役割を教えてください。
廣井さん:
当社は新潟県十日町市にホテルやゴルフ場、自然体験教室などを擁する総合リゾート「あてま高原リゾートベルナティオ」を運営しており、私は総務・人事、システム運用、施設管理などを行う管理部の支配人を務めています。
金澤さん:
私は管理部 総務・人事グループ マネージャーとして、給与や勤怠、PCの導入・保守などシステム関係の管理業務を担当。LINE WORKSの運用管理にも携わっています。
斎木さん:
私はゲストリレーション部の支配人として、ホテルやレストランなどリゾート内施設での接客業務全般を管理しています。
LINE WORKS導入以前に課題となっていたのはどのような点ですか。
廣井さん:
当リゾートは「楽天トラベルアワード2017」で、利用者の評価が特に高い宿泊施設として「ゴールドアワード」を受けたことで、より多くの注目を集めるようになりました。増加するお客様に十分な対応をするには、従業員間の緻密な連絡・情報共有体制の強化が欠かせません。そんな中、スタッフが私用の携帯電話などで業務情報をやり取りすることで秘匿すべき情報が漏えいしてしまう「シャドーIT」のリスクが不安視されるようになり、この問題をクリアすることが喫緊の課題となっていました。
金澤さん:
社内へのさまざまな情報周知にはグループウェアを利用していますが、自席のPCでしかアクセスできず、スタッフ全員がいつでも確認できる環境ではないという難点があります。リゾートの運営には接客現場にいるスタッフにもスピーディな情報共有を図る必要があることから、グループウェアとは別のコミュニケーションツール導入を検討するようになりました。
斎木さん:
ゲストリレーション部では、その日のお客様の人数に合わせて、約50名のスタッフの勤務シフト調整を行っています。そのための連絡は電話かメールで行っていましたが、休日中のスタッフには連絡がつきにくく、また会社支給の携帯を持っていないスタッフの中には、プライベートの電話番号を教えることに負担を感じている人もいるという課題がありました。
LINE WORKSを選定した理由と、運用開始までの流れを教えてください。
金澤さん:
複数のツールを検討した結果、どこにいてもスマホでリアルタイムに情報を共有でき、国際的なセキュリティ基準であるSOC認証を取得しているなどセキュリティ性の高いLINE WORKSに注目。「ホテルとの連絡にLINEを使いたい」というお客様からの要望も以前からあり、会社が管理できるツールでありながらLINEとやり取りできることや、従業員にも広く普及しているLINEと同様の使い勝手で、特別な導入教育を必要としない点にも魅力を感じ、会社に導入を上申しました。社長や総支配人も利用する形でトライアルを行った結果、利便性向上や業務のスピードアップを実感できたので、正式導入に踏み切りました。
シフト調整などに活用してもらうため、アルバイトスタッフ向けも含め約200アカウントを取得。社用スマホを支給されている従業員は一部なので、大半の従業員が私用スマホにアプリをダウンロードしてのBYODで運用を開始しました。
廣井さん:
導入に際してはセキュリティに配慮し、スマホにファイルをダウンロードできないよう制限。業務連絡はLINE WORKSで行うようにするなど、管理部で基本的な運用ルールを整備しました。
LINE WORKSの具体的な利用シーンとその効果をお聞かせください。
金澤さん:
個人間で業務に関するやり取りをするときはLINE WORKS、全社単位の情報伝達はグループウェアでという使い分けが自然に進みつつあります。
接客現場では、緊急連絡を受ける立場の従業員を除いてスマホを携行しない決まりとなっており、適宜バックヤードでLINE WORKSをチェックするようにしました。その結果、接客担当スタッフが共有すべき情報がこれまでより迅速に伝わるようになりました。
廣井さん:
自らアクセスしなければならないグループウェアと違い、LINE WORKSではリゾート内のどこにいてもプッシュ通知がなされます。情報のやり取りに要する時間が大きく短縮し、さまざまな業務速度がアップしたことを感じています。
斎木さん:
当リゾートでは東京や新潟などとホテルを結ぶ送迎バスを毎日5便運行しており、急な予約により乗車されるお客様が特に多いときは、到着時が混雑しますのでスタッフを増やして対応する必要があります。LINE WORKS導入後は、バスの到着時刻に合わせて夜勤担当者に出社を早めてお出迎えをサポートして欲しいといった依頼をスムーズにできるようになりました。レストランに宴会予約が突発的に入るなど、直近になってシフトの見直しを迫られる場合でも、電話より確実にスタッフに連絡ができます。
施設内に傷などを発見した場合の修繕や、客室の備品レイアウト刷新などの承認については、上長に写真を送信して判断を仰いでいます。以前は撮影した写真をプリントして渡すかグループウェアで送信するかしており、上長が出張中だとレスポンスを得るのに2~3日要することもありました。LINE WORKSを利用するようになってからは、上長がどこにいても随時対応してもらえるので、タイムリーに指示を得られるようになりました。
また、ゲストリレーションの全スタッフが入った「緊急連絡網」のグループをつくり、お客様の病気や怪我などへの対応時には、緊急連絡を一斉にトークして情報を速やかに共有できるようになりました。救急車の要請時には、手の空いているスタッフが速やかに気づき、協力して対応する体制が構築され、LINE WORKSによる情報共有の速度アップはお客様の「安心」にも貢献していると思います。
LINE WORKSを導入したことで、職場環境や働き方に変化が生じましたか。
廣井さん:
LINE WORKSなら連絡先を知らない相手にも電話をかけられるので、トークの活用ともあいまってコミュニケーションが促進され、従業員間の結束力が強まったように感じられます。
斎木さん:
以前は部下からのさまざまな報告や相談が基本的に電話でなされていましたが、LINE WORKS導入後は緊急時のみ電話で、それ以外の大半の用件はトークで伝えられるようになりました。休日に受ける業務の電話が激減したことは、プライベートタイムの質の向上につながっています。
LINE WORKSを今後どのように活用していきたいですか。
斎木さん:
今後は外部トーク連携を活用する計画もあるようなので、そうなれば料飲部門の仕入先との連絡にも応用できると思います。現在は電話連絡が主体ですが、そのやり取りがログで残れば、発注や納品管理がより確実になるはずです。
廣井さん:
アンケート機能を利用することで、有事の際に従業員の安否確認ができる体制を整えたいと考えています。
また、毎週管理職が集まってその週の出来事に関する報告会を行っていますが、音声・ビデオ通話機能で東京地域の営業を管轄する東京事業所の従業員にも参加してもらい、お互いの顔を見ながら情報共有ができるようにしたいです。
大きな課題だった「シャドーIT」のリスクは軽減したと思いますが、まだ運用開始から日が浅いので、より安全にLINE WORKSを利用するためのさらなるルールづくりと定着、また多様な機能の活用を図っていくつもりです。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2019年1月当時のものです。