「身近な暮らしで笑顔が生まれる商品を提案する」を企業理念に、福井県下でドコモ通信事業と、新感覚の美容グッズを扱うサイエンス事業を展開する江守企画。2018年に子会社を吸収合併した同社は、4店舗のドコモショップを運営することをきっかけにLINE WORKSを導入。若いスタッフにもすぐに受け入れられ、店舗間、社員間など、あらゆる場面でのコミュニケーションがスピーディかつ円滑になりました。
本事例のポイント
- 社内の業務連絡がスムーズになりタイムラグも改善
- 多店舗で離れている社員間のコミュニケーションが円滑に
- メールアドレスを廃止してコストカットを実現
御社の事業内容をご紹介ください。
足立さん :
江守企画は、福井県下でドコモ通信事業と、新感覚の美容グッズを扱うサイエンス事業を展開しています。地域に密着した携帯電話販売代理店として、現在、4店舗のドコモショップを運営しています。ショップのスタッフ数は店の規模で変わりますが、おおむね1店舗あたり8~14名で、パート社員や契約社員の方もいます。
LINE WORKS導入の経緯について教えてください。
・異なる会社が一つになることで、早急にお互いを知る必要性を感じていた
・接客で忙しい店舗へ、電話してもつながらない、メールは見ないという課題があった
足立さん :
LINE WORKS導入以前は1店舗のドコモショップ運営だったので、情報共有にはそれほど困っていませんでした。会社の大事な連絡事項はメールでやりとりし、あるいは紙のノートで引き継ぎする程度で間に合っていました。しかし、子会社の吸収合併で運営する店舗が増えることになったのです。それまで別の会社だった従業員どうしが一緒になるわけですから、コミュニケーションが煩雑になるのではという課題を感じていました。
目(さかん)さん :
私は法人のお客様を担当しており、商品在庫を知りたい時は電話で店舗に問い合わせをしていましたが、忙しい店舗は電話に出てもらえないことが多く、タイミングが一致しないとつながりません。また、メールは見たかどうかもわかりませんし、すぐに返信が来ないという課題がありました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選択した理由をお聞かせください。
目さん :
LINE WORKSを選択した理由のひとつは、LINEに似たインターフェイスにスタッフ全員が馴染んでいたことです。新たに始めるなら、まずインターフェイスのハードルはなるべく下げたかったのです。店舗スタッフは20代の若い女性が多いので、仕事用のLINEだと伝えるとすぐに理解してくれました。新しいことを始めるうえで、受け入れやすく親しみやすいことは大事で、それが最終的には一番の判断の決め手になりました。
林さん :
私は社内のシステム全般を管理している立場から、将来的にAPIによるシステム連携を検討していたので、APIを使えるという点が特に重要でした。
運用に関してどのように進めていかれましたか。
・まずは日報をLINE WORKSに置き換え。一ヶ月の試験運用で馴染んでもらう
・目的に合わせてトークグループとホーム(掲示板)を構築
林さん :
まず、各店長に1ヶ月間ほど試験的に使って馴染んでもらい、そのなかでさまざまなルールを決めていきました。真っ先に決めたのは、「日報関係はLINE WORKSを使う」ということです。
既読がつくのも便利ですし、店長や管理者がコメントする場合、LINE WORKSであれば日報がスレッドになるので、どの日報へのコメントなのか、わかりやすいからです。また、ヒヤリ・ハットの周知も別システムからLINE WORKSへ置き換えるなど、社内のやりとりは極力LINE WORKSに集約することにしました。
トークグループやホーム(掲示板)も目的に合わせて構築しました。トークグループは、店舗ごとや店長と管理者、これに副店長を加えたグループ、そして法人担当のみや全社員のグループなどがあります。店舗グループでは、今後の営業方針や店長を通じてスタッフに伝えてほしい連絡事項を伝えています。ホームはカテゴリ分類を活用し、日報をはじめ、接客や商品に関するFAQなど全員で共有したほうがよい情報や豆知識を共有するものとして運用をはじめました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
・社外へメールを送ることがない社員分のメールアドレスを廃止
・【トーク】写真の共有が未入庫商品の対応やBCP対応に役に立つ
・【トーク】全社会議のリスケが10分で完結
・【ホーム】ヒヤリ・ハットとして活用し、人的ミスが激減
・【ホーム】日報は社員を知るコミュニケーション手段として活用
林さん :
店舗スタッフからのレスポンスが圧倒的に早くなりました。たとえば、「商品の入庫処理ができないが、いつ入庫されますか」という連絡が入ります。以前は確認作業を電話やメールなどで行っていたために、店舗が混み合っていて連絡がつかずに1日程度はどうしてもかかってしまうことが多かったのです。今はトークで写真や商品コードなども添付できるので、どの機種かがすぐに判断でき3~4時間で入庫できるなど、作業がスピーディになりました。
導入当初はメールとLINE WORKSを並列で使っていたのですが、導入半年後、「もう、メアドはいらないのでは」という話が浮上し、外部とやり取りする人以外のメールアドレスは廃止しました。1メールアドレス500円/月ぐらいかかっていたので、コスト削減にもつながっています。
また、大雪などの際には、出勤のタイミングを全スタッフに通達しなくてはなりません。メールや電話では、誰に連絡したのか、また、メールは読んでいるのかなど、とりまとめるだけでも大騒ぎになっていました。LINE WORKSを導入してからは、一斉に通知して、既読がつかない人にだけ電話すればよいので連絡があっという間に完結できますし、また、店の現状を写真で知らせることもできるのでBCPの観点でも非常に便利です。
目さん :
リスケの早さにも驚きました。先日、全体会議の当日に急きょ社長に別予定が入ってしまった際、一斉にみんながトークに予定を送り、それを見た社長が、最後に「じゃあ、この日に変更しよう」と回答して完了です。5~10分という早さでリスケができたことに感動しました。これはグループトークの強みですね。
さらに、法人部門のホーム(掲示板)ではヒヤリ・ハット的な使い方をしていますが、密な情報共有によって担当のミスがかなり減ったことが大きな効果だと実感しています。
足立さん :
ホームには全社員が日報を投稿します。アカウントのアイコンは社員の顔写真にしているので全社員の顔と名前が一致しますし、店舗の状況もわかりやすいです。そのため、社長はすべてに目を通して、各スタッフの近況や店舗ごとの業績などをチェックし、気づいたことがあると私にトークで質問や感想を送ってきてくれます。
スタッフに連絡する際は、伝えたい層ごとにグループトークで連絡するほか、人事の発令や健康診断の連絡など総務としての連絡事項は、全社員に一気に周知させています。閲覧状況もわかるので、見ていないスタッフには個別にアプローチできるので便利です。
LINE WORKSのBotも活用しているようですね。
目さん :
当社では、販売端末の在庫数と注意在庫のリストを通知するBotを作り、関係者に毎日配信しています。各店舗で使っているPOSの情報をクラウド上にあげて、G suiteをはさんで集計をかけています。集計されたスプレッドシートのURLをLINE WORKSのBotを毎日通知しています。集計は1日3回行い、20時か翌朝7時の集計情報をLINE WORKSで朝9時に配信します。注意在庫は、端末情報をリストにしてテキスト配信しています。
POSの情報から機種の在庫数や注意在庫リストをBotで自動配信
新型コロナウイルスの問題は御社の事業にも影響を及ぼしていますか。
目さん :
今年の緊急事態宣言のときは二班制の出社体制になり、出社日でない日は在宅勤務にしました。ショップでは密を避けながらも、二班体制で営業を続けました。ただ、業務を遂行する上で大きく変わったことはほとんどなく、社内のコミュニケーションはしっかり取ることができました。
この、「変わっていない」ということが実はかなり凄いことで、それがまさにLINE WORKSのおかげだったと感じています。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいですか。
足立さん :
LINE WORKS導入時は子会社を吸収合併するタイミングで、文化の異なる2社が一緒になったため、早急にお互いを知ることが大事でした。その際にLINE WORKSがあったおかげで、会う前から連絡が取れ、お互いを知ることができたり、意識してほかのお店の状況をチェックできたりと、コミュニケーションが図れたのは本当に有り難かったです。今後は、カレンダー機能で社内の備品の活用状況や会議室の利用状況などをわかるようし、より便利に活用していきたいです。
お話を伺った方
足立 涼子さん
常務取締役として、会社全体の人事や労務を管理。また、ドコモ事業責任者として事業全体を統括。
林 恭史さん
社内SEとして、ホストシステム全般から店舗の設備関連まで、会社全体のシステムインフラを管理している。
目(さかん) 幹雄さん
ドコモショップの法人部門のリーダーを担当。法人企業のお客様へ、スマートフォンをはじめとしたモバイルデバイスの導入・運用支援を行なっている。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年6月当時のものです。