化粧品メーカーの正規販売代理店として、お客様に商品を体験してもらうサロンを各地に30店舗展開する株式会社ヒロコーポレーション。複数店舗にいる社員間の情報伝達を、電話・口頭・FAXに頼っていた同社は、コミュニケーション環境の改善に向けてLINE WORKSを導入しました。トーク、ノート、Drive、掲示板を使い分けて、情報を整理しながら共有するとともに、手書きだった業務日報をテンプレートの活用で電子化。LINE WORKSの豊富な機能を有効に活用することで、多くの業務を効率化させることに成功しました。
本事例のポイント
- 「お仕事専用のLINE」でITが苦手な社員も抵抗なく活用
- 手書きの業務日報やホワイトボードの予定管理を電子化
- 情報共有の目的に応じてノート、Drive、掲示板の機能を使い分け
- 連絡業務にかかっていた時間が減り、業務速度が全般的に改善
御社の事業内容をご紹介ください。
田村さん :
当社は安全・高品質な基礎化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品、ヘアケア化粧品などを製造する化粧品メーカー「CPコスメティクス」の正規販売代理店です。お客様にCP化粧品のよさを体験していただくフェイシャルエステティックのCPサロンを東京、長野、千葉、大阪、青森、山梨に展開。全30店舗の3店舗が直営店、27店舗がFC店です。
以前はどのような課題を抱えていましたか。
田村さん :
各店舗の売上データは、CPコスメティクスから提供されているシステムで管理していましたが、社員がそれ以外の業務情報を共有するためのツールはなく、大半の連絡が電話か対面でなされていました。スムーズな情報の伝達・周知が難しく、「言った/聞いていない」のトラブルも見受けられたことから、社内のコミュニケーション環境を改善することが以前からの大きな課題でした。
清水さん :
当社には主婦や育児中のママ、ダブルワーカーといったパートタイマーが多く、勤務時間やシフトがまちまちです。そのため社員間での細かな申し送りが重要になるのですが、その伝達手段は紙のメモだったので、細かい情報が伝わらないことがよくありました。
渡邉さん :
業務日報や店舗ごとに行うイベントの企画書なども紙文書で作成し、事務所に提出しに行ったり、本社にFAXで送信していました。毎日提出する業務日報を手書きして、FAXで送る作業は特に煩雑で、上長の確認や承認を受けるのにも時間がかかりがちでした。
田村さん :
他の社員に急いで伝えたい用件があって電話をしても、接客中などで応答されないことが多いこともあり、一部の社員が店舗ごとのLINEグループを作成して連絡を取り合うようになりました。迅速に情報を伝えられるのは便利ですが、個人LINEの業務利用には、お客様に関する個人情報を第三者に誤送信してしまうなどのリスクがつきまといます。セキュリティ面への配慮からも、全社員が使えるオフィシャルのコミュニケーションツールを導入することが不可欠でした。
課題解決のためにLINE WORKSを選定された理由と、運用開始までの経緯を教えてください。
田村さん :
多くの社員がITツールに対して苦手意識を抱いていましたが、LINEだけはプライベートの連絡手段として浸透しています。そのLINEの名前のついているLINE WORKSなら、社員の抵抗感もあまりないのではないかと思いました。他のチャットサービスとも比較しましたが、事実上LINE WORKSの一択で導入を決定。「お仕事専用のLINE」と説明すると反発する社員はなく、すんなりと受け入れてもらえました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
【トーク】電話、対面、FAXより迅速・確実な連絡手段に
【アドレス帳】連絡先を知らない他店舗の社員とトークや電話ができる
田村さん :
全社員、各店舗の社員、店長以上、管理職といった基本的なグループをあらかじめ用意して運用を開始したところ、スムーズに定着しトークでコミュニケーションが行われました。電話、対面、FAXで行われていた連絡がトークに置き換わり、業務情報がスピーディに伝達されるようになりました。CPコスメティクス社の担当者やFC店のオーナーの個人LINEとは外部トーク連携でつながり、社外の関係者ともタイムリーに情報共有ができるようにしています。
清水さん :
以前は店舗にいない社員にすぐ連絡がつかなくて、いつまでも伝達できず困ることがありましたが、トークならこちらの都合で確実に用件を伝えられます。紙のメモと違って申し送り事項が見落とされることがありません。お客様の来店予約が急に変更になったりすると、以前はその情報を周知するのに手間取りましたが、今は店舗の社員全員に瞬時に伝達することが可能です。
渡邉さん :
連絡先を知らなくても他店舗の社員の名前をアドレス帳から検索して直接トークを送ったり通話したりできたりするので、コミュニケーションが取りやすくなりました。連絡業務に無駄な時間を費やさなくなったことで、業務速度が高まったことを感じています。
また、気持ちをカジュアルに伝えられるスタンプで社員どうしが労ったり励まし合ったりするようになり、職場の雰囲気を和らげるのに貢献してくれています。
多様な情報を確実に共有するために工夫されていることはありますか。
【ノート/Drive】流れてほしくない重要な連絡事項をテーマごとに保存
【掲示板】会社からの通達や全店舗の業務日報を共有
田村さん :
トークは流れてしまうので、各種マニュアルやお客様からの注文、求人への応募状況など、内容を更新しながら共有するような重要な情報は、テーマごとに分類してノートに投稿。店舗に掲示するPOPのデザインデータや、社員が作成したSNS向けの画像などのデータなどはDriveで共有するというように、情報が持つ役割によって機能を使い分けるようにしています。
商品の受注状況や求人への応募状況など、特に重要な情報は担当者がノートで共有
渡邉さん :
社員のスキルアップをサポートするトレーナー社員は、商品ディスプレイの仕方や、お客様にメイクやスキンケアをする際のハンドデモなどを撮影してDriveやトークで共有します。言葉やテキストだけでは伝えにくい事柄を、多くの社員に理解してもらうのに役立てています。
田村さん :
各店舗へ紙文書で通知していたお知らせは、掲示板で周知するようになりました。紙の文書は内容に変更が生じるたびに再配布しなければならず、変更が度重なると、社員もどれが最新かわからなくなって混乱していました。掲示板を使えば、内容の更新や周知が簡単にできるのでそのようなことはありません。
FAXで送信していた業務日報も、掲示板に投稿するようになったそうですね。
田村さん :
手書きだった業務日報をデジタル化しました。テンプレート機能を活用してフォーマットを作成しておけば、必要事項を入力するだけなので、日報作成の負担が減ったと社員から好評です。各店舗から送られてくるFAXを綴じる保管業務がなくなり、本社側の手間も軽減しています。
清水さん :
業務日報を店舗で書く必要がなくなりました。出先や帰宅後など自分の都合のよい場所・時間に入力して提出できるのはとても便利です。
渡邉さん :
掲示板では全社員が全店舗の業務日報を閲覧できます。日報を通じて他店舗のさまざまな取り組み内容を知ることは、よい刺激となっています。
毎日の日報をLINE WORKSで作成できるようになったことも業務負担の軽減につながっている
ほかにLINE WORKSのどんな機能を活用されていますか。
【カレンダー】ホワイトボードを廃止し、社員の予定共有に活用
【アンケート】社員の率直な意見を素早くヒアリング
【タスク】新入社員への指示出しに活用
田村さん :
各店舗の社員の行動予定がカレンダーで共有されるようになり、ホワイトボートで予定を管理する必要がなくなりました。わざわざホワイトボードを見に行って社員の予定を確認したり、自分の手帳に転記することも不要になり負担が軽減しました。予定が更新されると即座に反映され、各自が手元もスマホで確認できます。また設備予約機能を活用することで、会議室や社用車のダブルブッキングもなくなりました。
アンケートも活用しています。最近、人事評価制度を刷新しました。見直しに先立って新しい評価制度の内容を掲示板で社員に伝え、全社員の意見を匿名のアンケートでヒアリングしたところ、スピーディに率直な回答を得られました。社員の意向を確認したことで、会社側も社員も安心して新制度に変更することができました。
清水さん :
アンケートは対面で意見を聞かれるよりずっと答えやすく、しかも匿名で回答することができたので率直な思いを伝えられました。
田村さん :
社員に用件を依頼するときは、タスク機能をよく使います。特に新入社員に仕事を任せる場合に、トークよりも明確に指示内容を伝えられ、対応漏れも軽減されていると思います。
LINE WORKSはコロナ禍を乗り越えるための有効な手段ともなりましたか。
田村さん :
行動に制限があった期間は本社と各店舗間の行き来ができなくなりましたが、LINE WORKSのおかげで密接に意思疎通を図ることができました。その後、必要に応じて社員の体温を管理するアプリなどの新しいシステムを導入したりしましたが、LINE WORKSの操作に慣れてITツールに対する抵抗感が薄まっていたおかげで、社員への定着がスムーズでした。また、店舗での接客を休止したことで営業成績は打撃を受けましたが、トークによって社員どうしの距離が縮まり絆が強まったからこそ、苦境を乗り越えられたのではないかと思っています。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
田村さん :
社内システムに関する疑問など社員からのよくある質問への回答をBotで自動化したり、さまざまなビジネスツールとのAPI連携を進めたりすることで、業務をさらに効率化させたいと考えています。
【お話を伺った方】
田村 芽依さん
取締役顧問として社内の業務全般を管理。情報インフラの整備も積極的に推進している。
清水 佳代さん
フェイシャルエステティックとメイクアップアドバイス、スキンケア商品などをお客様に提案する美容部員としてCPサロン ヒロ本店に勤務。
渡邊 愛子さん
フェイシャルエステティックとメイクアップアドバイス、スキンケア商品などをお客様に提案する美容部員としてCPサロン ヒロ本店に勤務。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年12月当時のものです。