徳島県で5つの葬祭ホールを運営する株式会社イマデヤは、社員間の業務連絡をスムーズにするためにLINE WORKSを活用。担当者への連絡手段が、従来の電話・FAXからLINE WORKSのトークに置き換わり、重要な情報が即座に伝達されることで、業務の速度と質が大幅に向上しました。その結果、タイトな葬儀スケジュールへの対応力が増したといいます。同社の皆さんに、LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。
本事例のポイント
- 社員に送る業務書類をFAXからトークに置き換え、情報伝達の速度をアップ
- 各部門の社員どうしが素早くコミュニケーションを図れる環境を構築
- 会社からの重要なインフォメーションをホームで全社員に周知
御社の事業内容をご紹介ください。
今出さん :
当社は1882(明治15)年創業の葬儀社で、徳島県内に5か所の葬祭ホールを運営しています。葬儀費用を賄っていただくための少額短期保険を扱ったり、サービスや内容が画一的になるのを防ぐために供花や会食の料理をグループ会社から調達できるようにしたりするなど、お客様本位のサービスをご提供するのが当社のモットーです。
これまでどんな課題を抱えておられましたか。
今出さん :
せっかちな県民性を反映してか、徳島県ではお亡くなりになったその日にお通夜、翌日に葬儀を行う習慣があります。そのため、葬儀のご依頼を受けた私どもは、非常に短い時間で葬儀全体の段取りを組まなければなりません。本社にいる社員と、葬祭ホールでご遺族をサポートするセレモニーアテンダント、供花や料理を用意するグループ会社のスタッフどうしが密に連携する必要がありますが、主な連絡手段が電話とFAXだったため、スムーズなコミュニケーションを取ることができずにいました。
板東さん :
ご遺族のお宅で葬儀のお打ち合わせをしている途中で確認したいことが生じた際に、本社に電話をかけても通話中でつながらないことがよくありました。
篠原さん :
セレモニーアテンダントは普段は本社へは行かずにその日担当するホールに直行・直帰するため、翌日の自分の配属や勤務時刻については、夕方本社から各ホールに送信されるFAXを見て確認していました。そのFAXがなかなか送信されてこないこともあり、翌日の自分の勤務予定を確認するためだけに、業務終了後しばらくホールで待つといったことが少なくありませんでした。あるいは休日を挟む場合には、わざわざ休日に本社へ電話をして翌日の自分のスケジュールを確認しなければならないことも煩わしく感じていました。
福原さん :
祭壇の供花をデジカメで撮影した見本写真はあるものの、会社のPCでしか見ることができませんでした。そのため、ご遺族のお宅に出向いて供花のイメージをお打ち合わせする際、わざわざ写真を印刷する手間や出力した分では不足していたり、口頭では花の色や大きさがうまく伝えられないことに苦労していました。
今出さん :
電話やFAXでは業務情報の伝達や意思疎通に限界があることから、多くの社員が自発的に個人LINEを使うようになりました。しかし葬儀社はセンシティブな個人情報を扱うので、そうしたシャドーITを黙認するわけにはいきません。そこでチャットツールの導入を検討するようになりました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由と、導入プロセスをお聞かせください。
今出さん :
いくつかのツールを検討しましたが、この業界で働く人のITリテラシーはあまり高くないので、操作が複雑なものは定着しない心配がありました。そんな中、LINEの操作性を踏襲したLINE WORKSなら、幅広い年齢層の社員がすぐに使いこなせるようになることが期待されました。社員に通信料を負担させないよう本社と各ホールにWi-Fiを整備し、BYODで運用を開始しました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
・FAXで送っていた書類をトークで一斉送信に切り替え、生産性が向上
・スタッフ間の伝達が早くなり、より速やかに準備に入れる
・位置情報の共有機能を活用して活動報告や行動記録を簡便化
今出さん :
当社全体、各部門、各ホール、マネージャー層など、さまざまなグループトークルームを作成し、業務情報がタイムリーに伝達される環境が整いました。供花を贈られた方のお名前や料理の注文書など、葬儀にかかわる情報の多くがトークで関係する担当者全員に一斉に送られるようになり、FAXを送受信する手間がなくなっただけでも業務生産性の大きな向上につながっています。
業務書類はFAXに替わってトークで迅速に送信
板東さん :
タイトなスケジュールで葬儀の段取りを進めるには、ご遺族とのお打ち合わせで決定した事項をすぐに担当者に伝える必要があります。ご遺族の前でスマホを操作することはしませんが、ちょっと席を立ったときなどに手早くトークで要件を共有することで、ホールのスタッフが速やかに準備を始められるようになりました。
篠原さん :
翌日の勤務情報が本社からLINE WORKSで送信されるようになり、業務終了後にホールでFAXを待機する必要がなくなりました。LINE WORKSなら手元のスマホで請負書類の写真を見て葬儀の規模や詳細な内容が把握できるため、翌日の勤務に取りかかる前など、自分の見たいタイミングで確認して、その日の業務の段取りを組めるようになりました。このことは業務の質を高めることにつながっていると思います。
福原さん :
スマホで撮影した祭壇の写真が花華企画課の担当者で共有され、飾り方などに関してお互いに感想やアドバイスを交換し合うようになりました。LINE WORKSの中に写真のデータベースができることで、お打ち合わせの中でご遺族に祭壇をイメージしていただくようなことがあれば、パッとお見せすることができます。
今出さん :
外勤者はこれまで「○○に向かいます」などと立ち寄り先を逐一本社に電話で伝えていましたが、トークの「位置を共有」機能で簡単に地図付きの位置情報を送信できるようになりました。わざわざ他のツールを使わずとも、簡単な業務日報や、コロナ禍で必要な社員の行動記録として活用ができます。
トーク以外にどんな機能を活用されていますか。
・【ホーム】全社的なお知らせ、重要情報を全社員に通達
・【テンプレート】ワークシート、申請書を電子化
今出さん :
会社からの重要なインフォメーションをホーム(掲示板)にアップするようになりました。特に最近は新型コロナウイルスの感染対策や衛生ポリシーなどに関する情報を頻繁に更新しています。全社員に一斉に通知され、既読がつかない社員には個別に閲覧するよう促せるので便利です。
以前は社員がその日の業務内容を省みるための「振り返りノート」を手書きで作成して提出していましたが、これをLINE WORKSのトークのオプションであるテンプレート機能で行うことでペーパーレス化され、即時提出も可能になりました。同様に残業申請書もアンケート機能で電子化しています。このように、業務のあらゆるシーンにLINE WORKSを活用することで伝達スピードと情報共有が改善し、結果としてタイトな葬儀スケジュールへの対応力が増したと感じています。
業務日報や残業申請書などをテンプレートで作成しペーパーレス化
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
篠原さん :
お客様がご自宅での葬儀を希望された場合は、最寄りのホールから仏具などを持ち出して使います。今後はカレンダーに各ホールの備品のリストを作成するとともに、共有設備の予約機能を活用したいと思っています。
今出さん :
社員のスケジュール管理はまだホワイトボードで行っていますが、いずれはカレンダーに置き換え、社員どうしがお互いの予定を共有できるようになればさらなる業務効率化が図れるはずです。将来的にはアンケート機能にフォーマットを用意することで、ご遺族の葬儀に対するご意向を素早く把握できるようにすることも考えています。
お話を伺った方
今出 貴士さん
代表取締役社長。創業から138年を数える同社の5代目。
板東 雄也さん
葬祭事業部 葬祭課で、ご遺族のご意向に沿って葬儀のプランニングや必要な手配を行う。
篠原 博子さん
セレモニーアテンダントとして、葬儀中にご遺族に寄り添い、通夜・葬儀の進行をサポート。
福原 郷恵さん
営業統括本部 花華企画課で、祭壇の制作や供花の飾りつけなどを担当。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年7月当時のものです。