住宅建材卸売業にて業界トップクラスの売上高を誇るジャパン建材株式会社を中核に、住宅関連業界に幅広く事業を展開するJKホールディングス株式会社。社員同士や顧客とのやりとりにLINE WORKSを活用することに加え、内定者とのコミュニケーションに使用することで採用活動にも役立てているそうです。今回は山本さん、石澤さん、大塩さんに具体的な活用法や導入による変化などをお聞きしました。
事業内容と皆さんの役割を教えてください。
経営管理本部 財務経理部 山本さん :
当社は住宅に関わる卸売から製造販売までを取りまとめるホールディングスカンパニーです。主な事業はジャパン建材株式会社の手掛ける卸売ですが、住宅の工事に関わる業務を行っているグループ会社もあります。私は経営管理本部経理課に所属していますが、今回は事務合理化委員会のメンバーとしてLINE WORKSの導入を担当しました。
LINE WORKS導入以前に課題となっていたのはどのような点ですか。
経営管理本部 財務経理部 山本さん :
事務合理化委員会は業務効率化につながるシステムやツールの導入などを行う委員会ですが、近年は当社に優良なコミュニケーションツールが存在しないという課題があがっていました。以前から連絡手段としてグループウェアを使用していましたが、社内でしか使用できず、外出中の社員は社外からその都度VPNにつながないと確認できないというデメリットがありました。
しかも全社員にアカウントが付与されているわけではなかったため、確実に連絡したいとなると、必然的に主な連絡手段は電話かFAXになります。電話、FAX、たまにグループウェアによるメールという、数十年前から同じ環境が続いていたのです。
経営管理本部 財務経理部 山本さん :
この状況ですと、人事通知や健康診断通知など、重要連絡事項が全社員に伝わりません。特に建材商社である「ジャパン建材」の社員の多くは外出が多い営業職社員であるため、いろいろな連絡事項が伝わりにくく、管理側の悩みになっておりました。確実に情報を伝えるために、メールで送った内容を印刷して書面で回覧している営業所もあったようですが、どうしても手間がかかってしまいます。
会社が支給している携帯電話はほとんど通話機能のみの通常の携帯電話でしたから、自身のスマートフォンで社内や社外の人間と連絡をとるケースもあったようです。特に、個人のLINEでお客様とやりとりをする社員が増えていました。お客様から「LINEでやりとりがしたい」と要望があればお断りできないのは仕方ありませんが、個人アカウントを使用することは望ましくありません。しかし、それを禁止しようにも代替案がないという状況だったのです。
LINE WORKSを導入した経緯や決め手を教えてください。
経営管理本部 財務経理部 山本さん :
複数のコミュニケーションツールを調査・比較しましたが、営業担当者とお客様の個人LINEでのやりとりを規制したいという意図もあり、LINE WORKSに着目するようになりました。他のツールはお客様とやりとりをする場合、お客様にもそのアプリを入れていただく必要がありますが、LINEでしたらほとんどの方がすでに使用されています。LINE WORKSは通常の個人LINEとつなげられるという点が一番の決め手でした。
また、LINE WORKSは他のツールよりもコストパフォーマンスが良いところも魅力でした。現在使用中のグループウェアのように一部の社員のみにアカウントを付与するのではなく、全社的に利用したいと考えていました。
経営管理本部 グループ経営企画室 石澤さん :
導入にあたりマニュアルの策定や教育の必要がない点も、私たちにとっては非常にありがたいポイントでした。ほとんどの人がすでにLINEを使っていますから、特別な教育をしなくともLINE WORKSならすぐになじんでもらえるだろうと思ったのです。他のツールはどうしても使用感がLINEと違うことがネックになりました。
経営管理本部 財務経理部 山本さん :
H29年度に働き方改革推進プロジェクトを社内にて運用が始動し、その中の検討部会メンバー10名程度でトライアルを開始しました。対象者からは「連絡に対するレスポンスが速い」「皆に確実に連絡ができる」「既読機能が便利」など、肯定的な意見があがりました。導入決定から全社的に導入するまで、一ヶ月もかからなかったですね。
LINE WORKSの具体的な利用シーンを教えてください。
経営管理本部 財務経理部 山本さん :
管理職と営業担当者は会社支給のタブレット端末やスマートフォンで、それ以外のスタッフはPCでLINE WORKSを使用しています。「基本的に社内連絡はすべてLINE WORKSで」と決めて、積極的に使用している人たちも多いようです。
特に外出中の社員と内勤スタッフが、手軽に連絡をとることができるようになったと好評です。外出先から営業担当者が内勤スタッフに商品の在庫状況を確認するときや、内勤スタッフが営業担当者に商品金額の確認をするときなどに重宝しています。トークルームで案件内容を共有したり、上長に案件進捗の報告をしたりするときにも使用しています。
経営管理本部 人事部 大塩さん :
私は人事部で人材採用を担当しています。特に重宝しているのはアンケート機能です。当社では全社員を対象に人事制度に関するアンケートを実施しているのですが、LINE WORKSによるアンケートは回答率が85%と高く、しかも紙で実施していた以前と比べて回答速度が倍以上になるという非常にすばらしい結果が出ました。回答結果はCSV形式で取得できるため紙よりも集計が楽で、すぐにグラフ化ができるという魅力もあります。
現在は内定者にもLINE WORKSのアカウントを付与し、内定者と人事担当者とのコミュニケーションツールとしても活用しています。内定者のアカウントには、「組織図の閲覧制限」機能を活用し、自分以外のメンバーがアドレス帳で見えない設定にして運用しています。以前は他社の内定者向けSNSツールを使用していましたが、あまり使い勝手が良くないようで、ログイン率が悪いという課題がありました。しかしLINE WORKSはふだんからLINEを使っている内定者にとって馴染みやすいようで、みなさん非常に活発に使用してくれています。以前のツールでは、案内した最初はログインしても、次第にログインされなくなってしまい、コミュニケーションが継続しないという問題があったのですが、LINE WORKSにしてからはログイン率が下がらず活発なコミュニケーションを維持できるようになりました。内定者の学生からの反応も良く、「使いやすい」と好評です。
現在は、掲示板のメッセージで内定者と人事担当者がやりとりしたり、アンケートを使って内定式の出欠確認や入社前の意見の取りまとめなどに利用したりしています。「好きな本は?」「おすすめの卒業旅行スポットは?」など、週に一回テーマを決めて、それについて内定者に自由に書き込んでもらうようにもしています。
当社は全国に内定者がおりますので、彼らとコミュニケーションがとれる場ができたことはとてもうれしいです。LINE WORKSなら内定者が私たちに気軽に質問できるので、入社後の不安も払拭できるようです。ロイヤリティの向上や、内定辞退の防止にも、大いに貢献してくれるのではないでしょうか。
LINE WORKS導入後、どのような変化がありましたか?
経営管理本部 財務経理部 山本さん :
管理職からパートタイマーのスタッフまで誰とでも気軽に直接やりとりができるようになり、コミュニケーションの幅が広がりました。これまで連絡先を知らなかった人とも、簡単に連絡がとれるようになったことも良い効果だと思います。LINE WORKSのアカウントプロフィールにできるだけ自身の担当業務を記入するように呼びかけているので、「この件は誰に質問すべき?」と迷ったとき、そのプロフィールを確認して連絡ができるので便利です。
メールの確認漏れや電話の折り返し待ちなどによる時間のロスがないため、時間の節約にもつながっています。外出している営業担当者からの連絡を持っていたために、残業になってしまうといったケースも回避できそうです。誰かに質問をしたいときは画像を共有して、より具体的にお互いの意図を伝えることができるようになりました。
経営管理本部 人事部 大塩さん :
人事担当者にとっては、アンケートの回答率が大幅に上昇したこと、そして内定者とのコミュニケーションが活性化したことが大きな収穫です。LINE WORKSは普段業務で使っているツールなので、業務の内容ごとにツールを立ち上げる手間がありませんし、以前の内定者SNSに比べて費用面でもだいぶ削減できるようになりました。
経営管理本部 グループ経営企画室 石澤さん :
今後はAIをベースにしたチャットボットによる自動応答を取り入れることも検討していきたいです。電話やFAXがベースという数十年前のスタイルを踏襲(とうしゅう)していた当社にとって、LINE WORKSという画期的なツールの導入が、今後大きな影響をもたらしてくれることを期待しています。
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