「地球に敬意を ONE EARTH」をスローガンに、ナチュラル&オーガニックコスメを展開する株式会社ジョンマスターオーガニックグループ。業務のデジタルシフトに積極的な同社は、既存のグループウェアではカバーし切れなかった社員間のカジュアルな意思疎通を促進するためにLINE WORKSを導入。その結果、連絡業務が効率化するだけでなく、より一層ブランドの世界観を全社に浸透させられたといいます。同社の皆さんにLINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。
本事例のポイント
- 感情の伴ったコミュニケーションで業務がはかどる
- テンプレートを用いた業務日報で作成・共有・確認が簡潔に
- クラウド受付システムとの連携で受付業務を省力化
ジョンマスターオーガニックのブランドについてご紹介ください。
宇佐美さん :
ジョンマスターオーガニックは、ヘアケアを主軸に、ナチュラル&オーガニックコスメを展開する企業です。ヘアサロンのトップスタイリストだったジョン・マスターが1994年にニューヨークのソーホーで創業し、日本には2007年に上陸しました。「地球に敬意を ONE EARTH」のスローガンのもと、農薬や化学肥料を使わずに栽培・収穫された原料を使用したヘア・スキン・ボディケア製品を提供。現在全国に53店舗を展開し、ECサイトでの販売にも力を入れています。
抱えていた課題とLINE WORKSの導入経緯について教えて下さい。
一ノ瀬さん :
当社は以前より実店舗に加えて公式オンラインストアでの売り上げ比率も高く、LINEをはじめとしたSNSツールを活用するなど、マーケティングのOMO(Online Merges with Offline)を推進してきました。同時に、全社員がブランドの世界観をしっかり共有し、「報連相」もスピーディに行えるよう、社内コミュニケーションを促進してきました。そのためにグループウェアを活用していたのですが、モバイルでは使いにくく、社員間のやりとりに時間がかかっていました。ちょっとした意思疎通を気軽にするコミュニケーションツールがないことから、部署間の連携もあまりスムーズではありませんでした。
宇佐美さん :
マーケティングのプランニングなどを行う私は、部門内外の複数の課と連携をとることが多いです。業務の連携に加えて、各人が日々考えていることや感じていることを知ることも重要です。メールでの業務的なやりとり以外で、移動中などの隙間時間を有効活用してスタッフとのコミュニケーションがクイックに取れれば、と考えていました。
宮越さん :
本社から各店舗の店長への業務連絡は基本的にメールで行われていました。店舗に備え付けのPCでしか閲覧できず、リアルタイムにコミュニケーションを取れないことを不便に感じていました。
一ノ瀬さん :
そうした課題の解消に向けて2018年にチャットツールとしてLINE WORKSを導入し、本社にいる社員と各店舗の店長にアカウントを配付しました。会社からの通達や社員間のフォーマルな業務連絡などは既存のグループウェア、それ以外のカジュアルな意思疎通はLINE WORKS、と使い分けることで、機能的な社内コミュニケーションが実現できる環境の構築を目指しました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
【トーク】目的別にグループを使い分け、情報を迅速かつ効率的に共有
【ピン留め】重要なトークルームに速やかにアクセス
【転送】業務指示の伝言が感情のニュアンスも含めてそのまま伝わる
一ノ瀬さん :
発信される情報と深い関係のない社員にまで多数の通知が届いてノイズとならないよう、報告用・連絡用・相談用など、グループトークルームをきっちりと目的別に整理しました。その結果、重要な情報が迅速に共有されるとともに、カジュアルな内容のやり取りも気楽に交わされるようになり、部門の内外を問わず社内のコミュニケーションが大きく活性化したことを実感しています。
宇佐美さん :
私が参加しているグループトークルームは非常に多いので、重要なトークルームを一覧の上部に固定できるピン留めを活用しています。毎日300~400件ものメッセージが入りますが、検索機能が充実しているので混乱することがありません。トークは基本的にカジュアルなやり取りに使うことになっていますが、スピーディに意思疎通ができることから、さまざまな社内決裁の伝達にも使われるようになりました。
トークルームのテキストや写真、ファイルなどを他のトークルームへ転送できる機能も便利で、重要なやり取りを自身の備忘録とするために自分宛てに転送することもあります。また、ルームに入っていない社員に別のルームで依頼事項が発生した場合、必要に応じてトークを転送すれば、わざわざ説明するまでもなく事の経緯を理解してもらえます。例えば社長からのメッセージの文末が「。」か「!」か、それとも絵文字なのかで感情の微妙なニュアンスも伝わります。
トーク以外にどんな機能が役立っていますか。
【グループ】データ共有が効率化し他部門と連携した業務がスムーズに
【テンプレート】日報の作成、共有、確認が簡便に
宇佐美さん :
グループ機能にあるノートやフォルダを使うことで、デザイン部門やEC部門など他部門の社員との写真やデザインデータの共有もスムーズになりました。また、ブランドの世界観を重要視する当社は、各店舗でVMD(Visual Merchandising=視覚的販売戦略)を徹底しており、新商品のリリースやキャンペーンなどに際し、売り場のレイアウトを本社が事細かに指示しています。各店舗が指示どおりに出来たかどうかを確認するため、売り場の写真をノートにアップしてもらう仕組みを構築しました。レイアウトに修正が必要な場合に指示出しをするためのトークルームも設けています。
一ノ瀬さん :
コロナ禍となってリモートワークをする社員が増えて以降、社内コミュニケーションがそれまで以上に重要性を増したことから全社員が日報を作成することになりました。日報はコミュニケーションのひとつとして、すぐに送れてすぐに確認できれば良いので、課単位のグループトークで共有しています。
宇佐美さん :
日報作成にはテンプレート機能を使っています。定まった形式を埋めるだけですので、作成する手間が軽減できますし、内容の把握もしやすいです。メールとは違い、トークならいつどこにいてもスマホでチェックできるので、移動時などの隙間時間を活用して社員の日報を読むことができます。
LINE WORKSを利用することで店舗の運営やエバンジェリストの活動はどう変化しましたか。
宮越さん :
メールがトークに置き換わったことで、重要な業務情報をタイムラグなく本社と共有できるようになりました。本社に確認したいことがあれば、アドレス帳で担当者を検索して直接メッセージを送れるのも便利です。アカウントは店長にしか配付されていませんが、店のスタッフも共用のPCやタブレットで通達などに目をとおすようにしているので、本社からの情報が以前より素早く確実に店舗全体に浸透するようになりました。2021年7月に新たな旗艦店となる青山店が都内にオープンしましたが、開店準備の段階からアカウントが発行されてトークを使えたので、開店に向けた本社との相談やさまざまな手配をスムーズに進めることができました。
矢村さん :
全国に24名いるエバンジェリストは、商品PRをインスタグラム(Instagram)に上げています。新人のエバンジェリストは事前に投稿内容を提出して私がテキスト・画像チェックをしていますが、そこにグループトークのノートを活用しています。全エバンジェリストが入っているグループトークの中で、さまざまな投稿内容の確認依頼が届きますが、ノートであればトークのように流れてしまうことはないので見落としがありませんし、ノート内でコメントができるので複数のやりとりが同時進行できます。
エバンジェリストの投稿内容や私のコメントがオープンに見られることは、他のエバンジェリストの教育にも役立っていると思います。また、インスタグラムにはさまざまな投稿規定があるので、その内容はフォルダにアップしてエバンジェリストに周知することにも活用しています。
インスタグラムへの投稿内容を事前にチェック
クラウド受付システム RECEPTIONISTとLINE WORKSを連携しているそうですね。
一ノ瀬さん:
コロナ禍になってから常に一定数の社員がリモートワークをするようになったこともあり、本社を以前より規模の小さいオフィスに移しました。それと同時にクラウド受付システムRECEPTIONISTを導入しました。
LINE WORKSと連携させていますので、来客通知が同じ課のグループトークで届くようになっています。既存のグループウェアとも連携はできるのですが、来客通知ですから、オフィスのどこにいてもすぐに通知が確認できるLINE WORKSとの連携を選択しました。
応対する社員がトークに「OK」と発信することで、誰が対応したかがグループメンバー全員に分かります。トークがなければ、担当者が応対できない状況であると判断でき、速やかに他の社員が代わって応対するので、お客様を待たせることもありません。
以前は来訪者がオフィスの入口に備え付けられた電話で受付担当者に電話をかけていましたが、現在はそのような電話取次はほとんどなくなり、それだけでも受付業務が大幅に省力化しました。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
一ノ瀬さん :
基幹業務システムや勤怠管理システム、ワークフローシステムなどと連携させることを検討しています。LINE WORKSを情報のエンドポイントとして、さまざまなデータにアクセスできたり、通知を自動的に受信したりできるようにすれば、さらなる業務効率化が進むはずです。
宇佐美さん :
リモートワークの増加によって対面コミュニケーションが減ったことを踏まえ、管理者が社員の内面を把握できるよう、日報にはできるだけその日の業務でどんなことを感じたかを記入してもらうようにしています。将来的にはAIを活用して日報のログから感情分析をすることで、より適切に社員をケアできる体制に資するものになればと、期待しています。
【お話を伺った方】
一ノ瀬 光裕さん
本社・店舗を含む全社のIT・デジタル化の推進・デリバリーを指揮。
宇佐美 和也さん
マーケティングのプランニング・PR・クリエイティブ・店舗デザイン/VMDを指揮。
矢村 一真さん
社内外のブランドコミュニケーションを促進。エバンジェリストとしてブランドのPRも担当。
宮越 諒子さん
店長として青山店の運営を管理。エバンジェリストの1人としてブランドのPR活動も行う。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年7月当時のものです。