排水設備や公共下水道施設などの点検・調査・清掃・補修を行う管清工業株式会社。全国各地に事業所ネットワークを展開する同社は、これまでメールを主な連絡手段としており、社員間や拠点間の意思疎通がスムーズに行えないことが課題となっていました。LINE WORKSを導入した結果、その課題が解消されて社内コミュニケーションや外部協力会社と情報共有の活性化に成功。同社の皆さんに、LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。
本事例のポイント
- メールを含む全社員への連絡手段をLINE WORKSに統一
- タスク機能を活用し、年間の業務を課内で共有・管理
- 人事情報や設備予約のExcel管理が不要になり業務効率に貢献
御社の事業内容をご紹介ください。
加藤さん :
当社は建物の排水設備や公共下水道施設などの点検・調査・清掃・補修を行う企業です。全国に20カ所以上の事業所ネットワーク網を整備し、下水道管路施設の機能を常に安定した状態に維持しています。主な取引先は地方公共団体や鉄道会社などで、下水道管路の長寿命化計画やストックマネジメント計画の策定といったコンサルティング業務も行っています。
以前はどのような課題を抱えておられましたか。
加藤さん :
当社は東京の本社のみグループウェアを運用していました。全国にある各地の拠点では、オフィシャルな情報共有のシステムを導入しておらず、メールが社員間の主な連絡手段となっていました。そのためスピーディな意思疎通ができないことに加え、安価なホスティングサービスを利用していたためか、迷惑メールが非常に多いという悩みもありました。そうした状況が続き、工事担当者が協力会社の担当者と個人LINEで業務連絡をする実態が見られるようになり、シャドーITを抑止することも課題となっていました。
佐藤さん :
本社の管理本部 総務課では、各支店の総務課を相手にちょっとした確認作業をする機会が多いのですが、電話で問い合わせると仰々しい雰囲気になり、メールだと回答を得るのに時間がかかることから、もっと手軽に連絡ができる手段があればいいなと思っていました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由と、運用に至るまでの経緯を教えてください。
加藤さん :
複数のグループウェアを検討したり試用もしたのですが、500人以上の全社員に本格導入するとなると、かなりの運用コストがかかります。当社にはITリテラシーが高くない社員も多く、操作の複雑なグループウェアがちゃんと定着するのだろうかという不安もありました。また、情報システム課にはメンバー3名しかいないので、システムの使い方の研修や運用管理にあまり負担をかけたくありません。そこで注目したのが、UIがLINEと似ていて操作しやすく、大きな管理負担がかからないLINE WORKSでした。しかもベーシックプランなら、比較的リーズナブルな運用コストで、ビジネスチャット、メール、ホーム(掲示板)、カレンダー、アンケート、Driveなど多彩な機能が使えます。そこで、既存のホスティングサービスとグループウェアで運用していたメールやスケジュール機能を、LINE WORKSにリプレースして集約することに決めました。以前から使っているSSOクラウドの『Onelogin』に対応しているのも、導入の決め手の一つとなりました。
末田さん :
多くの機能をすべて最初から使えるようにすると、ITに不慣れな社員が混乱をきたす恐れがありました。そこで、まずはトークの機能から解放し、その他のメニューは表示されないように設定するところから始めました。LINEを使ったことがなく、チャットの概念をイメージできない年配の社員も理解できるよう、トークやカレンダーなど主な機能と操作法を解説したガイドを作成し、全社員にメールで配布しました。
加藤さん :
プライベートで利用しているLINEの操作に慣れた社員が、トークを業務連絡で使うようになったことで各地の営業所内に確実に浸透していきました。
加藤さん :
その後、ホーム、メールと段階的に機能を開放しました。メールについては、ホスティングサービスの契約期限が切れるタイミングでLINE WORKSのメールに切り替えました。全社員がLINE WORKSのメール操作に慣れるにはある程度の時間はかかったものの、メールの移行自体はスムーズに完了しました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
・現場で作業する社員の連絡や業務スピードが向上
・在宅勤務における勤怠報告に活用
・支店間での連絡に活用し電話で作業が中断することがなくなった
加藤さん :
下水道施設等の現場で作業をする部門では、メールより手軽にやり取りできるトークによって、担当者間のコミュニケーションが格段にスムーズになりました。作業完了後にはクライアントに報告書を提出することになりますが、現場担当者から報告書の作成担当者へ写真などの資料が迅速に送られるようになった結果、報告書の作成業務もスピードアップしました。
コロナ禍で増えた在宅勤務をする社員は、仕事の開始時間と終了時間をトークで上長に報告したりビデオ通話で夕礼をするなど、簡便な連絡ツールとしても活用しています。
また、外部のLINE WORKSやLINEと連携できる外部トーク連携によって、協力会社の担当者のLINEとつながって現場の写真や動画が手軽かつセキュアに共有できるようになりました。
齊藤さん :
各支店の総務課に確認したいことがあると、トークで素早く問い合わせられるようになりました。電話と違って相手の業務を中断させることなく確実にメッセージを送れますし、既読が付くので安心できます。以前は電話で行われていた社員からの総務課への問い合わせも、ほとんどがトークに置き換わりました。
加藤さん :
当社の拠点は全国各地に分散していますが、LINE WORKSを導入したことによって、全社の統一的なコミュニケーション環境が構築されたことを実感しています。
総務課ではタスクやホームも活用しているようですね。
【タスク】年間で発生する総務課の業務を管理
【ホーム】全社員への一斉配信により支店内の伝達の手間がなくなる
佐藤さん :
本社 管理本部の総務課では、備忘録としてタスク管理も活用しています。対応する業務をタスクに落とし、担当者がそれぞれ管理しています。
また、福利厚生に関する情報など本社の総務課からの全社員への通達は、以前は各支店の総務課にメールを送り、そこから各営業所に転送されるかたちで発信されていましたが、そのような二度手間を省いて迅速に伝達するため、最近はホームにアップすることが多くなりました。毎週、社長によるビデオ朝礼をライブ配信しており、そのURLもホームに掲示して全社員に周知しています。
情報システム課としては、どのような効果がありましたか?
・社員情報のExcel運用から解放
・設備予約の人的作業が排除され業務効率化に寄与
末田さん :
LINE WORKSのアドレス帳には階層型で社員情報を反映できます。今までは、拠点の所属社員を把握する為に、人事課より毎月メール配信されるExcel作成の「組織表」で把握する方法しかありませんでした。また、以前はメールアドレスを全社員に付与していなかったため、情報システム課で「メールアドレス一覧表」を3ヵ月に1度Excelで更新を行いメール配信しておりました。現在は、LINE WORKSが従業員情報の基盤になり、従業員の検索閲覧も可能となりました。
各拠点の会議室やテレビ会議システムなどの予約管理は、これまで総務課や担当者がExcelやホワイドボードで管理していました。利用したい社員から問い合わせが入り、手作業でExcelの予約状況を更新していたので時間も手間もかかっていました。こういった業務がカレンダーの共有設備予約機能を使うことで人手による管理が不要になりました。このように、LINE WORKSは社内の業務効率化にも大きく貢献してくれています。
また、社員に新たに貸与するPCはメールソフトの設定をしなければなりませんでしたが、LINE WORKSのメールに移行してからはその必要もなくなりました。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
加藤さん :
総務課や情報システム課への定型的な問い合わせに、botが自動対応する仕組みを構築できればと思っています。多様なサービスとのAPI連携による業務効率化も、積極的に推進していくつもりです。
同社は、道路交通法改正に向けて2022年8月よりアルコールチェッカー「アルキラーPlus」を導入し、LINE WORKSと連携して活用し、その効果を実感しています。
使い勝手の良さや正確性、記録の管理がしやすい点、また、LINE WORKSと連携して使えることを理由に、業務で車を運転する従業員を対象にスマホ連動型アルコール検知システム「アルキラーPlus」を370台導入しました。
現在、「アルキラーPlus」は、業務で車を利用する社員が始業時と終業時に利用しています。
東京本部 執行役員 工事部長 武内さんは、その導入効果とLINE WORKSの連携について以下のようにコメントしています。
■高い精度により、ドライバー自ら運転前日の飲酒量を意識するように
「アルキラーPlus」の導入により、ドライバーの前日の飲酒に対する意識が高くなりました。市販のものよりも精度が良く、前日に深酒をすると反応が出てしまいます。「アルキラーPlus」の導入をキッカケに、長時間飲酒の抑制となっております。
■LINE WORKSの連携によりタイムリーな結果共有、早期対処につながり、安全運転管理者の負担を軽減
約150名いるメンバーを6つのグループに分け、グループごとに管理者を立て、「LINE WORKS」上でトークルームを作成し、「アルキラーPlus」によるアルコール検知結果が届くようにしています。
メールを開くよりもLINE WORKSの方が視認性も高く、すぐ気づけますので、万が一、社員の誰かにアルコール反応があったときなど、確認の漏れなく、その後の対処を迅速に進めることができます。「アルキラーPlus」の管理画面を閲覧する権限がない従業員にも「LINE WORKS」上に通知を送るよう設定ができ、管理者の負担を減らすことにつながっています。
持続可能な安定経営を実現し、300年継続する会社を目指すために、法改正への対応はもちろん、社員全員で「安全」をより意識していきたいと考えています。
アルキラーPlusの詳細・問い合わせはこちら
2022.11追記
【お話を伺った方】
加藤 一久さん
社内情報インフラの構築・管理、社内システムに関する問い合わせ対応業務などを担当。
末田 響子さん
主任である加藤さんの業務を補佐。LINE WORKSの運用管理も担当。
齊藤 京子さん
本社の総務課 主任として全社の総務を統括。
佐藤 光さん
総務に関する業務全般を担当。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年1月当時のものです。