長野県松本市に本社がある、システムインテグレーターのキッセイコムテック株式会社。コロナ禍以前より働き方改革を進めていた同社は、2020年より社内コミュニケーションツールとしてLINE WORKSを全社に導入しました。システム開発会社ならではの社内活用に加え、自社IoTソリューションと連携した顧客向けの新たなサービス提供にも結びつけています。同社の皆さまにLINE WORKSの活用についてお話いただきました。
本事例のポイント
- テレビ会議に活用し、リモートワークでも効率的に業務を推進
- トーク・グループで育休者・産休者や新入社員の連絡、資料共有がスムーズに
- 自社ソリューションと連携させることで、お客様向けの新たなサービスを提供
御社の事業についてご紹介ください。
山口さん:
当社は、ビジネスSI、メディカル事業、システムリソース事業の三本柱で事業を展開しています。キッセイ薬品工業株式会社の情報システム部門から分離独立した経緯を持ち、お客様の課題解決に向けたさまざまなITソリューションをご提供しています。
私は経営企画部でコンプライアンスの推進や、SDGsへの取り組みといったCSR活動を担当しています。また、ISO9001・27001などの事務局も兼任しているため、社内システムの整備を担当する中でLINE WORKSの導入に携わりました。
LINE WORKSを選ばれた理由と、運用までの経緯を教えてください。
山口さん:
当社では以前より働き方改革に取り組んでおり、多様な働き方に対応するための準備として、自社に合うコミュニケーションツールをいろいろと試していました。その中でも、チャット機能の使いやすさという点ではLINE WORKSが好評で、社員から操作方法について私へ相談が来ることはほとんどありませんでした。そこで、LINE WORKSを2017年4月から試験的な導入を検討し、まずは特定の部門で利用を始め、反応がよかったので順次他部門にも展開していきました。2020年4月には東京事業所など全拠点を含めた社内展開が完了しています。
LINE WORKS導入時には、一部セキュリティ面での機能制限を設けましたが、当社は情報サービスを提供する会社ということもあり、社員のITスキルやセキュリティリテラシーは非常に高いので、実際の利用に関してルールをつくることはせず、各人・各部署で自由に活用してもらっています。
LINE WORKSの具体的な活用とその成果を教えてください。
【API連携】自社の社内情報システムの新着情報の通知に活用し、申請関連の確認が速やかに
【アンケート】手間を掛けずに社内から意見を収集できる
【ビデオ通話】画面共有によってリモートワークでもシステムの動作確認が可能
【グループトーク】新入社員研修に関する連絡や資料共有が効率化
丸山さん:
私はおもに社内情報システムの運用や在宅勤務の環境構築などを担当していますが、社内情報システムを改善する上で、APIを使ったLINE WORKSの活用を進めています。例えば、外出など社外での活動時に、社内情報システムからの新着情報が迅速に確認することができないという課題があったので、スマートフォンにインストールして社外でも使えるLINE WORKS宛てに通知が来るようにAPIで連携しました。これによって、手元でワークフローの承認依頼などの新着情報に気がつくようになり、外出が多い営業から特に高評価を受けています。
また、当社ではお客様に導入いただいたシステムを稼働する際に、問題が起こらないように必ず確認役として複数人の社員でチェックしながら進めるルールがあります。これまでは動作確認のためだけに出社が必要でしたが、現在はLINE WORKSのビデオ通話の画面共有で遠隔地からでも確認できるようになり、業務効率があがりました。
兼子さん:
私は人事グループに所属し、社内教育のほか、法改正に合わせた社内規定や人事制度の改正を担当しています。LINE WORKSは、社内活動の出欠確認や福利厚生のサービス利用を希望する社員を募るなど、社内の意見を集める際にアンケート機能が非常に便利です。
また、復職準備段階の育休者や休職者とのコミュニケーションにも活用するようになりました。長く会社を離れていると、復職時に会社の変化に不安を感じるものです。LINE WORKSで育休者や休職者専用のグループトークを作成し、最近の社内状況を定期的に共有することで職場が今どのような状況なのかを把握してもらい、気持ちよく復職してもらう支援を行っています。
コロナ禍で新人研修をオンラインに切り替えた際は、LINE WORKSのグループ機能が大活躍しました。これまでは新人とのやり取りにメールを使っていましたが、グループトークを活用することで全員への一斉連絡も手軽ですし、資料の配布や研修後の提出物などは、フォルダ機能を利用しているため授受がスムーズです。
お客様向けに開発した自社ソリューションにLINE WORKSを連携されているそうですね。
小林さん:
ビジネスソリューション事業部に所属する私は、お客様のシステム開発やパッケージ製品、IoTサービスの開発と導入などを担当しています。当社のソリューションの中に、製造業向け設備の動作状況を可視化する クラウド型IoTサービス「AxisIoT」*があり、その機能の一つとして、機械の異常信号をBotを介してLINE WORKSで受け取り、通知する仕組みを付加しました。
工場の設備にセンサーを取り付け、そのデータをリアルタイムにクラウドで収集し、設備の稼働に異常があったり停止したりすると、設備名称と稼働停止時間などの詳細情報、現在の設備の状態が記されたメッセージがBotを介してLINE WORKSから通知される仕組みです。これによって、設備の異常通知を速やかにスマホで受け取れるので、常にPCを監視する必要がありませんし、工場内に人員を常駐させる必要もなくなります。
長野県には精密機器などの製造業様が多く、24時間、土日祝も設備を稼働させている企業様が多くいらっしゃいます。そのような企業向けに、センサーとクラウドとLINE WORKSを連携した仕組みを安価に構築いただけます。当社としてもAPIやBot開発は得意としていますので、今後もLINE WORKSと自社ソリューションを組み合わせて、幅広い提案につなげたいと考えております。
今後、どのようにLINE WORKSを活用したいですか?
兼子さん:
部署や世代を横断した社員どうしのコミュニケーションが今以上に活発になって欲しいので、LINE WORKSも一つのツールとしてコミュニケーションの場を仕掛けていきたいと思います。
山口さん:
当社は長野県SGDs推進企業として、「ペーパーレス(省資源)/社会課題に対する新しいサービス創出/多様な働き方(リモートワーク、在宅勤務の推進)」といった3つの達成目標があります。それらを実現するためにも、自社のノウハウやLINE WORKSをはじめとしたIT技術を活用することで、社会課題の解決と新たな価値を創造しお客様に提案してまいります。
*AxisIoT…低コスト・短時間で設備稼働状況の可視化・分析を実現できるIoTクラウドサービス。設備の稼働状況を可視化することにより、設備の停止時間の短縮や稼働率の向上、予知保全の改善に活用できる
https://www.kicnet.co.jp/solutions/business/axisiot/
【お話を伺った方】
山口仁志さん
経営企画部 CSR推進グループで、コンプライアンス推進やSDGs などのCSR活動を担当。ISO9001、27001などの事務局も担当する。LINE WORKSの導入を推進している。
丸山 暖加さん
経営企画室 事業推進部で社内システムの運用・在宅勤務の環境構築などを担当。
兼子 佑里恵さん
統括管理部 総務人事部 人事グループで社内教育や人事制度の改正の企画などを担当。
小林 良男さん
ビジネスソリューション事業部 第3システムソリューション部 第1SSグループで、長野県内の顧客のシステム開発、パッケージ製品の開発と導入などを担当。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年7月当時のものです。