マツ六株式会社
2021-05-28
業種
小売・卸売 製造・メーカー
目的・効果
従業員間の連絡 テレワーク グループウェア 会議・朝礼 予定の見える化 FAX削減・ペーパーレス 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
カレンダー
アンケート
Drive
お話を伺った方
執行役員 事業企画室 室長 森田 正彦さん  
執行役員 HI営業部 部長 大久保 治さん  
HI営業部 営業3課 課長 松浦 聡さん  
開発企画部 バリアフリー開発企画課 主幹 デザイナー 森 勇信さん
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営業と開発の部門を超えたスムーズな情報連携が実現。縦割り組織から脱却し業務生産性が向上するとともに、新商品開発や経営のスピードアップにもつながっています。

【動画】全国中小企業クラウド実践大賞 2020全国大会 にて「クラウドサービス推進機構理事長賞」受賞されたマツ六株式会社様の紹介動画

 

建築金物・建築材料を扱う商社機能と、建材を開発するメーカー機能を併せ持つ、マツ六株式会社。自社商品の開発には、営業と開発など異なる部門の連携が重要であることから、同社は社内のコミュニケーション環境向上に向けてLINE WORKSを導入しました。トーク、カレンダー、Drive、ホーム(掲示板)などの活用で素早く情報を共有できる体制を構築し、部門間のコミュニケーションを活性化。そうした取り組みは、「CLOUD INITIATIVE 2020」(全国中小企業クラウド実践大賞)のクラウドサービス推進機構理事長賞受賞にもつながりました。

 

本事例のポイント
  • 部門を超えた社員間の業務連絡がスピードアップ
  • Driveの活用でデザインの共有や図面ファイルの持ち運びが効率化
  • コミュニケーションが活性化し経営へも好影響

 

御社の事業内容をご紹介ください。

森田さん :

2021年に創業100周年を迎えた当社は、建築資材の専門商社として国内外のお客様にビルや住宅に関する多様な商品を供給してきました。近年はメーカーとしての役割も担い、住宅用バリアフリー建材をはじめとするオリジナル製品の開発に注力しています。

 

以前はどのような課題を抱えていましたか。

森田さん :

商品の自社開発に力を入れるようになったことで、開発部門と営業部門など、異なる部門の担当者が業務で協力するシーンが増えました。しかし当時の当社は、伝統的に各部門の独立性が強く、社内コミュニケーションは決して活発ではありませんでした。

 

大久保さん :

以前に、支店に勤務していたときは大阪本社や他の支店の動きがほとんど見えず、自社が縦割り組織であることを痛感したことがあります。極端な話、デスクの隣にいる社員が何をしているかも分からないようなところがあり、部門や社員どうしの垣根を取り払う必要性を感じていました。

 

 

森田さん :

そのためにはコミュニケーションツールの活用が不可欠ですが、以前から利用しているグループウェアは社内ネットワークにつながった端末でしかアクセスできず、スケジュールは一部のメンバーの予定しか把握できないなど不便な点が多く、社内での打ち合わせや電話でのコミュニケーションが主で、非効率さを感じるようになりました。

 

松浦さん :

ファイルサーバーに社外からアクセスするにはVPN接続が必要で外回り中の営業にとっては手間がかかります。利便性から個人利用のオンラインストレージサービスに業務データを保存する社員もいたので、情報セキュリティ面の不安もありました。

 

 

森さん :

開発部門と営業部門が連携して製品のチラシを作るような場合は、メールで送信された画像を印刷して手書きでコメントを入れ、それをスキャンして別の担当者にメールを送るといった作業が繰り返されていました。また、新製品の設計図を上司にチェックしてもらう際も出力した紙を回すなど、検図ひとつとってもアナログ時代のやり方が踏襲されていました。

 

また、当社はファブレスメーカーなので、製品の製造は協力工場に依頼しています。新製品の製造の様子を工場に出向いて確認する際は、何10枚ものパーツ図面の出力紙を携行していたので、紙を持ち運ぶことによる移動時の負担や紛失した際のセキュリティの不安がありました。

 

 

森田さん :

働き方改革を推進するICTデザイン室の室長となった私は、業務生産性を高めるためのツールとして、2017年にクラウド名刺管理サービスを導入。社内に蓄積された名刺情報を全社員が共有できる環境を構築し、次の段階では、社員間の意思疎通を迅速にするためのコミュニケーションツールを既存のグループウェアに加えて活用することを検討しました。

LINE WORKSを選定した理由と、本格的な運用に至る経緯を教えてください。

森田さん :

複数のコミュニケーションツールを比較した結果、スマホファーストのUIで使い勝手がよく、グループウェアとしての機能性も備えたLINE WORKSが最適だと思いました。社員に操作に慣れてもらう目的から、まずは2018年にライトプランを導入。私が各グループのトークに率先して参加し、個々のメンバーの業務内容や必要性などに応じて、「こんな機能や使い方があるよ」というアドバイスをしながら定着を図りました。その翌年、トークの利用が全社に浸透したところで、クラウドストレージのDriveなどを使えるベーシックプランにグレードアップ。その時点では私がアドバイスするまでもなく、社員どうしが業務生産性の向上につながる便利な使い方を自発的に見つけ、お互いに教え合うレベルになっていました。

LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。

・メールがトークに置き換わり、業務連絡がスピーディに
・緊急時の電話連絡網からグループトークでの一斉連絡に切り替え
・チラシデータの校閲作業はDriveで共有したPDFに直接書き込み更新するだけで完了
・コミュニケーションが円滑・活発になり、生産性向上や経営のスピードアップに貢献

 

森田さん :

グループウェアのメールに替わってトークが使われるようになったことで、社員間の業務連絡がスピーディに行われるようになりました。特に社外にいる社員が内勤者と迅速に連絡を取れるようになったことは、業務効率化に大きく貢献しています。緊急時に連絡網で行われていた電話連絡もグループトークに置き換わり、社員全員に同時連絡できるようになりました。

 

大久保さん :

コロナ禍で多くの社員がテレワークをするようになってからは、部内のグループトークで各メンバーが始業時・終業時の挨拶を交わすようになりました。対面しなくても、お互いに元気だということが伝わって安心することができます。

 

テレワーク時の重要な
コミュニケーションツールとしても機能

 

松浦さん :

同じ部門内の社員どうしはもちろん、開発部門や、自分が所属するHI営業部以外の営業部門の社員との連絡が、グループウェアのメールとは比較にならないほどスムーズになりました。

 

メールでの業務連絡にはいちいち「了解しました」などと返信がなされていましたが、トークには既読機能があるので、形式的な返信は不要とするルールが設けられました。それだけで無駄な時間が省かれ、業務の効率化につながっていることを感じます。

 

森さん :

開発部門と営業部門間でチラシデータの制作・確認やりとりにDriveを利用しています。以前の印刷、書き込んで、スキャンしてメールで回覧するといった非効率な作業はなくなり、各担当者がタブレットで画像のPDFを開き、コメントを書き込んで更新するだけになったので、部門をまたぐ確認作業がスピードアップ。同じように上司による検図なども迅速に行われるようになりました。

 

協力工場に出向いて新製品の製造の様子を確認する際も、Driveにアップされているデータを現場で参照できるので、図面の紙を持ち運ぶ必要がなくなり、セキュリティの不安も解消されました。

 

業務データの共有はDriveで行われるようになった
松浦さん :

営業部門では、会議資料や議事録をグループフォルダにアップすることで、ペーパーレス化を促進しています。

 

森田さん :

LINE WORKSの活用によって社員の情報共有量が増えた結果、以前にも増して多様なアイデアが出されるようになり、新商品や新サービスの開発にもつながっています。コミュニケーションツールをうまく活用すれば、業務効率が向上するのはもちろんのこと、クリエイティビティも刺激され生産性の向上にもつながり、その結果、経営のスピード化に結びつくことを実感しました。

 

「多様性」をコンセプトに開発された木製一体型手すり「nimone(ニモネ)」は、LINE WORKSによる部署横断的かつ迅速な情報共有で完成したオリジナル商品だ

 

また、会社説明会などでこうした取り組みを紹介しています。すると当社の姿勢に共感してくれる学生さんが多く、若い世代が業務生産性を図るためのシステム化・クラウド化を歓迎していることがよく分かります。そうしたことも踏まえ、実務に就いたときにLINE WORKSをスムーズに使えるよう、最近は新入社員に研修スケジュールをカレンダーに入力して管理してもらうことで、操作に慣れてもらう工夫をしています。

ほかにLINE WORKSのどんな機能を活用されていますか。

【カレンダー】1日かかっていた日程調整が5分で完了
【ホーム】月例会の動画を投稿し、コロナ禍で出席できない社員に共有
【ビデオ通話】グループ通話はURL発行が不要、すぐにつながれて距離感も縮まる

 

大久保さん :

グループウェアのメールで他の社員との日程調整を行っていたときは、日程が決まるまでに丸1日かかるようなことがありましたが、トークとカレンダーの活用により、5分もかからず調整ができるようになりました。他部門の社員の日程も共有できるのはとても便利です。

 

森さん :

新製品のパッケージのデザイン案の投票などにアンケートを利用しています。「回答者の表示」を「匿名」にすれば、上司などに気を遣うことなく本音を回答してもらうことができます。

 

森田さん :

本社で毎月1回、社長による訓示や優秀社員の表彰などを行う月例会がホールで開催されており、以前は多数の社員が出席していました。コロナ禍になって以降は、総務部が月例会の模様を撮影してホームにアップして、時間と場所の制約をなくし、情報を伝えることができるようになりました。

 

全社への告知事項はホームで発信

 

大久保さん :

ビデオ通話による会議も頻繁に行われています。一般的なWeb会議システムのように事前にURLを発行するような手間がかからないので、必要に応じてすぐに開催できるのが便利に感じています。

 

松浦さん :

以前の会議や朝礼は拠点ごとに行われていましたが、ビデオ通話なら遠隔地にいるメンバーも参加できるので、実際に対面する機会のない社員との距離感が縮まりました。

ビデオ通話が離れた拠点間の社員どうしを結ぶ

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。

大久保さん :

タスク機能がリニューアルされ、タスク一覧画面で自分が依頼したタスクと他人から依頼されたタスクそれぞれを確認することが可能になったので、この機能を活用して商談の進捗管理などを行えるようにできればと思っています。

 

森田さん :

各種業務マニュアルや会社への申請書類などはこれまでグループウェアの掲示板にアップしていましたが、現在、LINE WORKSのホームに移行させている最中です。業務に関するナレッジをすべてLINE WORKSに集約し、テレワークをする社員などが必要なデータに容易にアクセスできる環境を整備するつもりです。

 

社内のコミュニケーション速度は十分に引き上げたので、次は製造を依頼する工場や取引先など、外部のLINE WORKSやLINEと連携してやり取りができる外部トーク連携を活用することで、さらなる業務のスピードアップを追及したいです。

 

【お話を伺った方】
森田 正彦さん

業務効率化につながる施策を立案して社内に展開。LINE WORKSの導入も主導した。

 

大久保 治さん

全国のホームセンターにDIY関連商品を販売するHI営業部の責任者。

 

松浦 聡さん

異なる部門の担当者の橋渡しなどを行い、営業活動を円滑にする業務を担当。

 

森 勇信さん

自社商品の企画やデザインを担当。令和2年度「大阪府青年優秀技能者表彰(なにわの名工 若葉賞)」受賞。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年3月当時のものです。