質の高い家庭教師や教室での個別指導で中学受験から医学部受験までサポートする株式会社名門会は、オンラインの個別指導サービスも提供しています。オンライン指導の運営における、教材の共有や、授業日程の調整業務を効率化するためLINE WORKSを導入。トークの活用で生徒・教師・教務担当者との連絡業務が円滑化された結果、教務担当者の業務負荷の軽減と生徒へのきめ細かい指導を実現しています。
本事例のポイント
-生徒(保護者)・教師・教務担当者のやり取りをトークルームに集約して共有
-教務担当者が本来の業務に向き合えるように、教材の共有や日程調整など業務負荷を軽減
-生徒と教師のコミュニケーションが活性化され、密度の高い学習サポートを実現
御社の事業内容をご紹介ください。
早坂さん :
当社は経験豊富な社会人プロ教師を家庭に派遣し、完全1対1の個別指導で中学受験から医学部受験まで幅広い受験をサポートしています。教師が個々の生徒の目標や学力に合わせて作成するオリジナルカリキュラムで的確な指導をするとともに、志望校合格に向けて教務担任が成績管理をするのが特徴で、家庭だけではなく全国各地に設置された教室で個別指導を受けることも可能です。
コロナ禍を受けて、2020年11月には「名門会Online」を開設しました。都内のオンラインセンターと家庭を結んで個別指導をするもので、当社が独自開発したビデオ通話システムを使って生徒の表情と手元を写しています。これにより、問題を解く速度や理解度を把握し、対面での授業にも引けを取らない指導を実現しています。
これまで指導にあたるのはプロの社会人教師がほとんどでしたが、2022年度からは学業が優秀であるとともにコミュニケーション能力も高い医大生を起用しての、オンライン家庭教師サービスの提供を本格的に始めました。
LINE WORKSを導入する以前はどのような課題を抱えていましたか。
早坂さん :
「名門会Online」を開設からほどなくして、生徒-教師間の教材の受け渡しが課題として挙げられました。教師から預かったオリジナル教材を教務担当者がPDFに変換して生徒にメールで送信することになりましたが、その作業にかなりの時間を取られてしまいます。印刷して郵送するケースもあり、これらの業務負荷を軽減する方法を模索することになりました。
また、授業日時を変更したいときは、対面なら授業後に少し時間をとって調整できますが、オンライン授業の時間はシステムで管理されているので終了時刻になると自動的にビデオ通話が切れてしまいます。その結果、教務担当者が仲介役として教師と生徒双方の希望日時をすり合わせる手間も発生していました。
このような背景から、生徒の学びを止めずに生徒・教師・教務担当者が非対面でも意思疎通できるツールの導入が必要になりました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれたのはなぜですか。
早坂さん :
教材を共有するだけならクラウドストレージサービスの利用で十分だったかもしれません。別のシステムも試しましたが、当社が必要としたのは、対面での会話のようなコミュニケーションとともに、PDFやWord、Excelなどのファイルのやり取りをスムーズに行えるツールでした。そうしたニーズを満たすのがLINE WORKSで、LINEの操作性が踏襲されているだけに、社会人教師をはじめ生徒や学生教師にも抵抗感なく受け入れてもらえることを期待しました。トークルームをつくれば、生徒と教師だけではなく保護者や教務担当者も同時に情報を共有できます。また、直接会話をする必要に迫られたときはLINE WORKSの無料通話機能を使えばよいので、生徒と教師が互いの個人番号を教え合う危険性を回避できるのも魅力でした。
LINE WORKSの具体的な活用シーンをお聞かせください。
・生徒-教師間の教材の共有や授業日程の調整がスムーズに
・生徒(保護者)・教師・教務担当者のトークルームによりきめ細かいサポートを実現
・教師と教務担当者間の業務連絡を円滑化
早坂さん :
オンライン指導では、生徒(保護者)と教師にもLINE WORKSのアカウントを配布し、生徒(保護者)・教師・教務担当者のコミュニケーション基盤として活用しています。生徒ごとにトークルームを用意し、教材の共有や授業日時の変更に関する相談を生徒と教師が直接行なえるので、教務担当者が間に入る必要がなくなりました。その結果、教務担当者は以前のように生徒の成績管理やサービスの品質向上といった本来やるべき業務に注力できるようになっています。また保護者からは生徒のアカウントでやりとりの内容を確認し指導状況などを把握できるということで好評をいただいています。
生徒(保護者)と教師と教務担当者のトークルームで教材の共有や授業日程の調整を効率化
もともと想定していた主な用途は教材の共有と授業の日程調整に関する連絡でしたが、実際に活用を始めると、教師と生徒が予想以上に活発に意思疎通をするようになりました。例えば教師が出した宿題でどうしても分からないところがあればそのことをトークで伝えることで、生徒がどこでつまずいているかが事前に明らかになるので、次回の指導の効率が高まります。ほかにも、生徒から学習に関する相談がくると多くの教師が親身に応えてくれています。そうした授業時間外のフォローはあくまでも教師が自発的に行っていることですが、当社ならではのきめ細かい指導をオンラインでも実現することにつながっています。
さらに、生徒が参加するトークルームとは別に、教師や教務担当者間の業務連絡をするためのトークルームがあります。例えば、ある生徒が複数の教科を受講している場合、各教科の担当教師どうしで、その時の生徒の状況に合わせて教科別に時間配分の調整をトークで行なうようになりました。これまで当社では、教師どうしのつながりはあまりなかったのですが、こうしたコミュニケーションができるようになったのもLINE WORKSの導入成果です。
また、当社では授業後に何時から何時までどの生徒を指導したか報告させ、その情報をもとに各教師の給与を計算します。家庭訪問のときは電話、教室指導のときは社内担当者に口頭による報告だったので、言い間違いや聞き間違いがよくありました。今ではこの報告もトークで行われるので記録がきちんと残り、トラブルの発生を防いでいます。
オンライン指導の現場でLINE WORKSを活用することについてどのように感じていますか。
学生教師 :
私は地方在住の医学部に通う大学生で、オンライン家庭教師として別の地域に住む高卒生に個別指導をしています。地方では家庭教師や塾講師をする機会が乏しいので、オンラインでアルバイトできることにありがたく感じますし、生徒の家庭や教室に移動する時間と手間をかけずに自宅で教えられるのも大きなメリットです。授業自体はビデオ通話システムで行いますが、生徒や名門会とのコミュニケーションを取るうえで、LINE WORKSは欠かせません。オンライン家庭教師を始める際に名門会からLINE WORKSアプリの利用を求められましたが、プライベートでLINEをよく使っていることから、抵抗感はありませんでした。また、セキュリティ性も高いということだったので、安心してスマホ版とPCアプリ版をダウンロードしてBYODで利用しています。
私が行う授業は宿題をベースに実施しており、トークで問題を送信し、生徒から返信された答案に添削したものを画面共有しながら進めていきます。
教師と生徒のやりとりが円滑になり、授業の質や指導効率が向上
授業以外の場面では、生徒の授業日時の調整のほか、ちょっとした相談に乗ったりするためのコミュニケーションツールとしても使っています。例えば生徒が奨学金を得るための面接や、模試の結果報告など、些細なことでも気軽にやりとりするようにしています。授業以外でも名門会の教師とつながれるのは、生徒にとって安心感につながるはずです。また、教務担当者を介さずに生徒とやり取りすることは教師にとってそこまで大きな負担とはならず、むしろ生徒との距離が縮まることでより指導しやすくなったように感じます。
早坂さん :
このようにLINE WORKSをコミュニケーション手段として手厚いサポートをしていることは、受験生や保護者に当社の魅力を感じてもらえると感じています。また、LINE WORKSの活用で生徒だけではなく教師にとってもメリットのある職場環境を整備することで、より全国から多くの優秀な医大生に名門会の教師になってもらえると期待しています。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
早坂さん :
教材や宿題などのデータファイルを機能的に管理できるように、科目ごとのノートやフォルダを設けるなどグループ機能を活用していきたいと思います。アンケート、カレンダー、掲示板などまだ試していない便利な機能も多いので、積極的に活用することでさらなる業務効率化を図っていきたいですね。
【お話を伺った方】
早坂 仁さん
オンライン授業を行う「名門会オンラインセンター」の副校長で現場責任者。
学生教師
医学部に在籍する大学生。オンライン家庭教師として高卒生に受験指導をしている。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年12月当時のものです。