鹿児島を本拠地とする南国殖産株式会社は、九州屈指の企業グループを形成する総合商社です。その機械設備事業本部は、業務に関連する重要な情報を部門内に迅速に周知し、社員間のコミュニケーションを密にする目的からLINE WORKSを導入。紙でやり取りされていた情報がトークやホームで瞬時に共有されるようになったことで多くの業務が効率化し、結果として残業削減などの働き方改革につながったといいます。同社の皆さんに、LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。
本事例のポイント
- 重要な情報を事業部全体、課単位や横断的なグループに正確かつスピーディに周知
- 顧客対応力の強化、若手社員の育成に貢献
- 業務効率化で残業が削減され、働き方改革が加速
御社の事業内容をご紹介ください。
東郷さん :
1945年に設立された当社は、九州一円と関東で事業を展開する総合商社です。建築・土木資材を扱う「建設資材事業本部」、空調・上下水道設備・建設環境機械関連商材を扱う「機械設備事業本部」、携帯電話やITビジネス商材を扱う「情報通信事業本部」、ガソリンスタンドの運営などをする「エネルギー事業本部」、再生可能エネルギー事業を行う「再生可能エネルギー・電力事業本部」の5事業本部からなり、ほかに都市再開発や不動産事業なども手がけています。
以前はどのような課題を抱えていましたか。
東郷さん :
私が次長を務める機械設備事業部は5つの課からなり、約120名の社員が所属していますが、各人のスケジュールや日報、稟議書や見積書をはじめとする情報は基本的に紙文書で伝達されていました。そのため、伝達に時間がかかりがちで確認や承認の進捗が分かりづらい状態だったのです。業界に関するニュースも紙ベースで回覧されることが多く、商機を逃さないためにも重要な情報を瞬時に共有できる体制を構築する必要性を感じていました。また、私が課長を兼任するビル給排水資材や上下水道資材を扱うアクアライフ課では細かな部品を大量に使いますが、現場担当者と内勤者の連絡手段は電話だったため、部品の手配時に品名や個数の伝達ミスが起こりうる可能性があり、そうしたトラブルを防ぐことも大きな課題となっていました。
吐師(はし)さん :
私が課長を務める、建設・林業・産業・環境用の各種機械の販売・リース・メンテナンスを行う環境マシナリー課の営業担当者は、多くの時間を得意先への訪問に費やします。社外での営業活動後に日報作成や社内打ち合わせのためにオフィスへ戻る必要がありました。こうした事務作業の負担を軽減するとともに、営業活動後に直帰しやすくする新たなコミュニケーションツールの導入を期待していました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由を教えてください。
東郷さん :
情報通信機器の販売などを行う当社の情報通信事業本部が、コミュニケーション環境を向上させる有用な手段としてLINE WORKSに着目し、部門単位での利用を促進するため総務部とともに説明会が行われました。情報共有の迅速化に貢献してくれそうだと思い、私ども機械設備事業部は直ちに導入を決断し部門全体での利用を開始しました。
LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
・人的ミスの激減、定期報告会議の一部撤廃
・見積承認の効率化、顧客対応力が強化
・若手が発言をしやすい環境が醸成
・残業日数が軽減、有給休暇の消化率が向上
東郷さん :
各課や業務内容にあわせて社員がグループを作成してトークを活用することで、以前より正確かつスピーディに情報を共有できるようになりました。現場担当者が内勤者に部品調達を依頼するときは口頭で伝えるのではなく、トークに部品名と個数を記したメモの写真を添付することで手配ミスが減少しました。
アクアライフ課では毎月2回、全営業社員が本社に集まって売上状況を報告し合っていましたが、LINE WORKS導入後は各担当者の業績をトークでタイムリーに共有するようになりました。その報告会議は撤廃され、各支店に所属する担当者が本社に赴く必要がなくなりました。会議のために費やしていた時間を営業活動に充てられるようになったことは非常に大きいと思います。
吐師(はし)さん :
見積書の承認は、トークに添付された写真を確認した上長が、承諾の返信をするだけで完了としました。その結果、お客様への見積書の提出や金額への問い合わせに対する回答もスピードアップしています。
また、環境マシナリー課が納入した機械設備のメンテナンスなどは、当社のグループ会社である南国建機サービス株式会社が担当しており、そのグループ会社とは、外部トーク連携機能を使ってLINE WORKSでつながってやり取りできるようになりました。機械の不具合に関する情報や、メンテナンスの現場での作業状況などをグループトークでタイムリーに共有できるようになり、両社の連携力が大幅にアップしました。お客様への対応力もパワーアップしました。
今まで若手社員は、面と向かって上長や先輩社員に本音を打ち明けることはしにくかった中、トークだと抵抗感が少なくなり、業務に関する疑問や意見をはっきり述べる傾向が見られるようになりました。若手社員が発言をしやすいのも、チャットツールならではの利点なのではないかと感じています。このようにLINE WORKSの活用を進めた結果、環境マシナリー課では残業日数が減って、有給休暇の消化率が高まるなど、働き方改革の推進にもつながっています。
トーク以外にどんな機能を活用されていますか。
【ホーム】重要情報を事業部全体へ一斉に告知可能に
【テンプレート】業務日報の効率化。横の連携強化に活用
【カレンダー】アナログだった会議の日程調整がデジタル化
【アンケート】社員が自発的に勉強会を開催し若手の成長に役立たつ
東郷さん :
Excelで作成しプリントして回覧していた業務日報は、テンプレート*に置き替え、機械設備事業部を4つに分割した各グループのホーム(掲示板)にアップすることで、業務日報を瞬時に共有できるようになりました。同様に、商材の値上がりや取引先の休業案内といった事業部全体に周知させるべき重要な情報もホームで告知。紙文書の回覧ではなし得なかった一斉伝達が可能になりました。このように情報共有のスピードアップは、新しい商機を見つけることにつながっていると思います。
吐師さん :
業務日報がホームで共有されるようになったことで、若手社員が記入した内容に対して別の課の上長からアドバイスのコメントが書き込まれるなど、組織に横の連携が生まれるようになったのも成果の1つです。
東郷さん :
カレンダーの利用で、スケジュール共有も簡単にできるようになり、会議の日程調整などに要する時間が大幅に軽減しました。社員の空き時間を検索して予定に招待でき、さらに招待された社員は承諾・未定・辞退のいずれかを回答できる機能は以前使っていたグループウェアにはなく、事前に関係者に空き時間を確認していました。
吐師さん :
アンケート機能で手軽に参加の呼びかけと出欠確認をできることから、中堅社員が積極的に各種勉強会を開催するようになりました。多くの若手社員が、そうした学びの場が設けられることを歓迎しているようです。
機械設備事業部以外にもLINE WORKSを運用している事業部があるそうですね。
東郷さん :
NTTドコモショップを運営している情報通信事業本部、採用を担当する人事教育課でも活用が活発です。
情報通信事業本部
【課題】
・事業本部からの通達は各店舗の責任者を経てスタッフ全体に伝達し時間がかかっていた
・グループ別に速やかに情報共有できるコミュニケーションツールが必要
【活用と効果】
・お客様応対時の注意事項等をスタッフ全員にトークでダイレクトに通達し、情報の周知の徹底とスピードアップ
・店舗・リーダー・プロジェクトチームごとにグループを作成して予定共有や連絡に活用され、LINE WORKSが公式ツールとして定着
人事教育課
【課題】
内定式を終了した後の学生への連絡は、書面や電話でのやり取のため、時間がかかったり連絡がつかないことがあった
【活用と効果】
・学生にLINE WORKSのアカウントを付与し、トークで内定者フォローを実践
・メールや電話では聞きにくい、些細な相談ごとに最適で、入社前の不安解消に役立つ
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
東郷さん :
取引先や協力会社との外部トーク連携を少しずつ始めていますが、当社の情報セキュリティポリシーの兼ね合いでファイルを送信することは禁じられています。しかし最近、BYODを撤廃し社給デバイスのみでLINE WORKSを利用することになったことで、よりセキュアにファイルを送る環境が整いました。取引先や協力会社とのやり取りをさらにスムーズにして、商機を見出すため、よりよい社内ルールの検討をしていきたいです。
吐師さん :
当社は、グループ会社の南国システムサービス株式会社が開発した基幹業務システムを利用しています。今後はデータ活用をテーマに、他システムとのAPI連携によって業務がさらに効率化すればと思っています。
【お話を伺った方】
東郷 茂実さん
5つの課からなる機械設備事業部の次長と、給排水・上下水道資材を扱うアクアライフ課長を兼務。
吐師 拓雄さん
建設・環境・産業用の各種機械を扱う環境マシナリー課の課長。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年6月当時のものです。
*テンプレートについての説明はこちら
https://guide.worksmobile.com/jp/form/form-guide/create-template/